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【発明の名称】 結球野菜収穫機の球径検出装置
【発明者】 【氏名】十亀 治光

【要約】 【課題】キャベツは上方からの撮影画像だけでは、球径を正確に判定できず、収穫適期のキャベツの検出が困難であった。

【解決手段】カメラ15で撮影したキュウリ(イ)の画像を二値化して球径部を含む二値化画像から球径部を識別し、この識別した最大径を基準径と設定し、この設定基準径へ制御装置20で設定した定数Kを乗じて計算させ、これを球径として収穫適期か否かを判定してキャベツ(イ)を収穫する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体2下部には走行車輪8を設けると共に、上側には結球野菜(イ)を撮影するカメラ15と、収穫する収穫装置4等を設けた結球野菜収穫機において、該カメラ15で撮影した画像を二値化して球径部分を含む二値化画像から球径部分を識別してこの識別した最大径を基準径と設定してこの設定基準径に予め設定した定数Kを乗じて球径とする制御装置20を備えることを特徴とする結球野菜収穫機の球径検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラで撮影した画像を二値化して球径部分を含む二値化画像から球径部分を識別し、この識別した最大径を基準径と設定し、この設定基準径へ設定した定数Kを乗じて球径とすべく制御する制御装置を備えた球径検出装置。
【0002】
【従来の技術】結球野菜が、例えば、キャベツであったとすると、収穫適期のキャベツを検出して収穫するときは、結球収穫機の走行車体下部の走行車輪を植付け畝に沿わせて走行させて収穫位置で停止させ、該走行車体の上側に設けたカメラでキャベツを上部から撮影し、この撮影した画像からキャベツの球径を制御装置で検出させ、この検出したキャベツを収穫装置で挟持して切断し、この切断したキャベツは、前段で検出した球径に応じて所定範囲の径別に設定した所定位置へ供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】キャベツは球径周辺の葉が球径を囲むように巻いていることにより、上方からの撮影画像だけでは、球径を正確に判定することができず、このために収穫適期のキャベツの検出が困難であったり、又、収穫したキャベツを所定の径位置へ正確に供給することができなかったが、この発明により、この問題を解消しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このために、この発明は、走行車体2下部には走行車輪8を設けると共に、上側には結球野菜(イ)を撮影するカメラ15と、収穫する収穫装置4等を設けた結球野菜収穫機において、該カメラ15で撮影した画像を二値化して球径部分を含む二値化画像から球径部分を識別してこの識別した最大径を基準径と設定してこの設定基準径に予め設定した定数Kを乗じて球径とする制御装置20を備えることを特徴とする結球野菜収穫機の球径検出装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用】結球野菜(イ)であるキャベツ(イ)を収穫するときは、結球収穫機の走行車体2下部の走行車輪8を植付け畝に沿わせて走行させて収穫位置で停止させ、該走行車体2の上側に設けたカメラ15でキャベツ(イ)を上部から撮影し、この撮影した画像を二値化して、球径部分を含む二値化画像から球径部分を識別させ、この識別した最大径を基準径と設定し、この設定基準径に予め設定した定数Kを乗じて球径とすべく制御装置20で計算させ、この計算で得たキャベツ(イ)が収穫適期であると判定すると、収穫装置4で挟持して切断し、この切断したキャベツ(イ)は、前段で得た球径に応じて所定範囲の径別に設定した所定位置へ供給する。
【0006】
【発明の効果】カメラ15で撮影した画像を二値化し、二値化画像から球径部分を識別させて識別した最大径を設定基準径とし、この設定基準径に定数Kを乗じて計算して球径を得ることにより、正確な球径が得られ、これにより、収穫適期のキャベツ(イ)が正確に収穫でき、又、設定した所定位置へキャベツ(イ)を正確に供給ができるし、又、例えば、球径別に挟持圧力を変更することができて、キャベツ(イ)を挟持のときの損傷を防止することもできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図例は、結球野菜(イ)が、例えば、キャベツ(イ)であり、植付け栽培したこのキャベツ(イ)を収穫する農業用ロボットである結球野菜収穫機1を示して説明する。
【0008】前記結球野菜収穫機1は、走行車体2下部の走行装置3、及び回動手段、上側の収穫装置4、収納装置5、及び制御手段6等よりなる構成である。又、外観部には、外観を覆うカバー7を設けた構成としている。前記走行装置3は、走行車体2前方下部の左右両側、及び後方下部の左右両側には、回転自在でステアリング自在な前・後走行車輪8,8を設け、該後走行車輪8をステアリングモータ9でステアリングする構成としている。
【0009】前記前走行車輪8,8を支持する支持具12の支持杆11には、両畝間で形成する両のり面に接触しながら走行する補助輪10.10を該支持杆11を介して装着した構成であり、この走行によってこの補助輪10,10は、ステアリングする構成であり、この補助輪10,10のステアリングに連動して、該前走行車輪8,8はステアリングする構成であり、このステアリング量はポテンショメータ8aで検出する構成としている。
【0010】前記収穫装置4は、栽培するキャベツ(イ)等を収穫のときに水平回動自在な回動装置13、挟持、及び切断等を行うマニピュレータ14、キャベツ(イ)を上側からの形状を撮影する多板式のCCDカメラ15、位置(距離)を検出する位置センサ16、及びこれら各部品13,14,15,16を走行車体2上側に設けた傾斜板17のガイドレール18に沿って昇降、及び伸縮自在に装着した基台19を設けた構成としている。
【0011】前記マニピュレータ14のキャベツ(イ)等を挟持する挟持杆の移動は、後記する検出したキャベツ(イ)の球径に応じて所定位置までの移動速度は、同じ速度とすべく、又、挟持圧力は球径によって変更すべく制御手段6の後述する制御装置20で制御する構成としている。前記収納装置5は、収穫装置4の後側で走行車体2後方上部に位置させた構成であり、該収穫装置4で収穫されたキャベツ(イ)を球径に応じて、この収納装置5に載置した各収納箱内に個別に供給して貯留する構成としている。
【0012】前記制御手段6は、箱体に内装した制御装置20、入力回路21、CPU22、及び出力回路23等よりなる構成であり、この制御装置20は、ポテンショメータ8aが検出する検出値、CCDカメラ15、及び後述するモノクロカメラ25が撮影した映像、及び位置センサ16が検出したキャベツ(イ)までの距離の検出値等が入力される該入力回路21を経て算術論理演算、比較演算、及び各種信号を出力する該CPU22へ入力され、このCPU22からの各種指令が該出力回路23を経て指令され、基台19の昇降、回動装置13、マニピュレータ14、CCDカメラ15、ステアリングモータ9、後述するモノクロカメラ25、及び照明装置26等の始動、及び停止制御する構成としている。
【0013】前記結球野菜収穫機1でキャベツ(イ)を収穫作業のときは、図5で示す如く葉が巻いていることにより、A寸法部したか見えない、このためにキャベツ(イ)を収穫のときの球径の検出制御は、CCDカメラ15で撮影して、制御装置20へ入力された画像は、この制御装置20により、図6及び図8で示す如く二値化され、球径部分を含む二値画像から球径部分が図7、及び図8で示す如く識別され、この識別した球径から最大径D1が計算されて、この最大径D1を基準径D1として設定する。この設定した基準径D1は、該制御装置20へ予め設定して記憶させた定数Kを乗じて計算されて得た数値を図7、及び図8で示す如く算出球径D2とすべく制御し、この球径D2が所定径以上であると判定する収穫適期のキャベツ(イ)として収穫し、この算出球径D2別に所定の収納箱へ供給して貯留する構成である。この定数Kの設定は、定数K>1として設定した構成としている。
【0014】図4で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、収穫作業がスタートされ(S−101)、球径部分有りか検出され(S−102)、NOと判定されるとRETされ(S−103)、YESと判定されると最大径D1が計算され(S−104)、中点位置が計算され(S−105)、半径が計算され(S−106)、球径を計算する定数Kを乗じて計算され(S−107)、算出球径D2とされ(S−108)、RETされる(S−109)。
【0015】前記結球野菜収穫機1でキャベツ(イ)を収穫作業のときの球径の検出制御は、CCDカメラ15で撮影した画像は、図9で示す如く制御装置20へ入力され、この画像は、この制御装置20により、図10で示す如く二値化され、葉先抽出画像が検出され、図9の測定ラインA、及び図10の測定ラインBが図11で示す如くキャベツの表面の輝度変化が検出され、図12の如く原画と葉先画像との加算画像が検出され、図13で示す如くキャベツ(イ)の表面の輝度分布からキャベツ(イ)の平均輝度が検出され、図14で示す如く平均輝度値による二値化画像からしきい値を検出する構成としている。
【0016】上記によって、キャベツの球径部分を含む二値化画像から円形度が検出され、又それ以外の部分は、同じ円状の帯の形状とすることにより、この円形度を評価できる指標値が予め制御装置20へ設定して記憶させた数値より大きい部分を球径部分とする構成としている。図15で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、収穫作業がスタートされ(S−201)、球径部分を含む二値化画像が作成され(S−202)、ラベリングされ(S−203)、円形度が次の式4π×面積/(周囲長)2 で円形度が計算される(S−204)。
【0017】円形度は一定値以上か検出され(S−205)、YESと判定されると球径部分の候補として記憶され(S−206)、全チェックか検出され(S−207)、(S−204)でNOと判定されると(S−208)へ進み、(S−208)でNOと判定されると(S−204)へ戻り、YESと判定されると面積等により絞り込みが行われ(S−209)、球径部分が選定されたか検出され(S−210)、YESと判定されると球径部分とされ(S−211)、RETされる(S−212)。(S−210)でNOと判定されると(S−212)へ進む。尚(S−210)でNOと判定されたときは、虫食い等によるものと判定、及び小球径と判定する。
【0018】これにより、球径部分は円形に近く、それ以外の部分は同じ円形状の帯の形状とすることを利用して、球径部分を識別することにより、精度の高い識別を行うことができる。前記結球野菜収穫機1でキャベツ(イ)を収穫作業のときの球径の検出制御は、CCDカメラ15で撮影した図9で示す如く画像(モノクロ)(ロ)は、制御装置20へ入力され、この画像(ロ)は、この制御装置20により、図10で示す如く二値化され、葉先抽出画像が検出され、図9の測定ラインA、及び図10の測定ラインBが図16で示す如くキャベツ(イ)の表面の輝度変化が検出され、図10のC点、及びD点位置から平均輝度値Mが検出され、この値Mをしきい値とする構成としている。
【0019】図17で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、収穫作業がスタートされ(S−301)、画像(ロ)が入力され(S−302)、平滑化処理され(S−303)、エッジ検出処理され(S−304)、輝度補正され(S−305)、二値化され(S−306)、ノイズが除去の画像(ハ)が検出され(S−307)、膨張処理(エッジ切断部の結合)され(S−308)、画像(ロ)と画像(ハ)とが合成された画像(ニ)が検出され(S−309)、輝度が所定値以外の平均輝度が計算され(S−310)、画像(ニ)の所定値が0に変換された画像(ホ)が検出され(S−311)、画像(ホ)を平均輝度で二値化され(S−312)、ノイズが除去された球径を含む画像(ヘ)が検出されてこの検出が球径とされ(S−313)、RETされる(S−314)。
【0020】これにより、球径の色は、外葉より色が薄く輝度値が外葉より高くなる。一方、葉の先端部分は、正反射によって輝度値が高くなるが、上記のように画像中から除去されているから葉の輝度値より高い領域を抽出することによって、球径部分を抽出することができて、濃淡画像で行えるために、システムの簡素化、コスト低減を図ることができる。
【0021】前記結球野菜収穫機1でキャベツ(イ)を収穫作業のときの球径の検出制御は、CCDカメラ15で撮影した図9で示す如く画像(ロ)は、制御装置20へ入力され、この画像(ロ)は、この制御装置20により、図10で示す如く二値化され、葉先抽出画像が検出され、葉先の分布から球径の大きさを判定する構成としている。
【0022】図18で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、収穫作業がスタートされ(S−401)、画像(ロ)が入力され(S−402)、エッジ(葉先部)が検出され(S−403)、二値化されて葉先が抽出され(S−404)、膨張処理(エッジ切断部の結合)され(S−405)、エッジ分布が測定され(S−406)、収穫適期か否か検出されて収穫され(S−407)、RETされる(S−408)。
【0023】これにより、キャベツ(イ)は、球径が大きくなるにつれて、球径部分が露出してくると共に、球径に隣接する葉は、周辺へ押し出されてくる。このようなキャベツ(イ)の生育過程の変化を利用して、キャベツ(イ)の大きさを葉先の分布から判定することにより、測定精度の向上を図ることができると共に、耐環境性を高くすることができる。
【0024】図19で示す如く結球野菜収穫機24には、画像入力装置としてもモノクロカメラ25を設けると共に、照明装置26を複数個設けた構成としている。前記結球野菜収穫機24でキャベツ(イ)を収穫作業のときの球径の検出制御は、モノクロカメラ25で撮影した図9で示す如く原画像(ロ)は、制御装置20へ入力され、この画像(ロ)は、この制御装置20により、図20で示す如くエッジ検出処理像が検出され、更に図21で示す如く二値化され、葉先抽出像(エッジ抽出)が検出され、葉先近傍の正反射を利用して、これによる輝度の変化から葉先を検出し、球径部を検出する構成としている。
【0025】図22で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、収穫作業がスタートされ(S−501)、画像(ロ)が入力され(S−502)、平滑化処理され(S−503)、エッジ検出処理され(ラプラシアン等のフィルター処理)(S−504)、輝度補正(輝度の規格化)され(S−505)、二値化され(S−506)、ノイズが除去されて球径が検出され(S−507)、RETされる(S−508)。
【0026】これにより、キャベツ(イ)の葉の先端部分の曲りによる正反射によって生じる輝度変化(正反射部分の輝度は高い)を利用して、葉先を検出するために、天候や、影の影響が小さく安定した検出精度を維持することができる。又、輝度の変化を利用するために、モノクロカメラ25を使用できるために、システムの低コスト化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月20日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−113350
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−287300