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【発明の名称】 走行式茎葉処理機
【発明者】 【氏名】寺元 省二

【氏名】桑原 穣

【氏名】黒田 智之

【要約】 【課題】挟持搬送装置31により、植生している芋蔓等を引きちぎる等して機体の後方左右へ移動させるさい、芋蔓等が移動途中で挟持搬送装置31の横方へこぼれ落ちるのを阻止すると共に、芋蔓等の除去処理を能率的且つ的確に行えるようにする。

【解決手段】機体の前部下方から後部上方に渡って挟持搬送装置31を斜設すると共に、この挟持搬送装置31の後部を左右向きの折れ曲がり傾斜可能となし、機体の走行中に、前記挟持搬送装置31が植生している茎葉を後方へ搬送することにより、地面から分離された茎葉を機体後部の側方へ放出するものとした走行式茎葉処理機であって、前記挟持搬送装置31の折れ曲がり位置pの上方近傍に、この挟持搬送装置31で搬送される茎葉をその搬送方向へ誘導するための誘導ローラ70を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体の前部下方から後部上方に渡って挟持搬送装置を斜設すると共に、この挟持搬送装置の後部を左右向きの折れ曲がり傾斜可能となし、機体の走行中に、前記挟持搬送装置が植生している茎葉を後方へ挟持搬送し、地面から分離された後の茎葉を機体後部の側方へ放出するものとした走行式茎葉処理機であって、前記挟持搬送装置の折れ曲がり位置の上方近傍に、この挟持搬送装置で搬送される茎葉の上部をその搬送方向へ誘導するための誘導ローラを設けたことを特徴とする走行式茎葉処理機。
【請求項2】 挟持搬送装置の各挟持搬送ベルトの非挟持作用側である外側張り部個所にこの挟持搬送ベルトの外周面に対し掻き落とし作用を付与するスクレーパを挟持搬送ベルト方向に対し傾斜された特定方向へ向けて配設したことを特徴とする請求項1記載の走行式茎葉処理機。
【請求項3】 誘導ローラが挟持搬送装置の折れ曲がり位置の近傍の左右各側に設けてあることを特徴とする請求項1又は2記載の走行式茎葉処理機。
【請求項4】 誘導ローラが挟持搬送装置の半巾とほぼ同等若しくはそれ以上の直径及び高さとなされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の走行式茎葉処理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、条植された甘藷の蔓等を走行しながら次々とその茎元を引きちぎり或いは切刃で切断して搬送し機体後部の側方へ放出するようにした走行式茎葉処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】機体の前部下方から後部上方に渡って挟持搬送装置を斜設すると共に、この挟持搬送装置の後部を左右向きの折れ曲がり傾斜可能となし、機体の走行中に、前記挟持搬送装置が植生している茎葉を後方上り傾斜方向へ搬送することにより、その茎元を引きちぎり、それら茎葉を機体後部の側方へ放出するものとした走行式茎葉処理機は既に本出願人により出願されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した先願の茎葉処理機により、甘藷の蔓、即ち芋蔓を処理すると、挟持搬送装置で挟持搬送されつつある芋蔓は、挟持搬送装置の上方近傍に盛り上がった状態で挟持搬送装置の上面に沿って移動する。そして、これら芋蔓が挟持搬送装置の折れ曲がり位置に達すると、これら盛り上がった芋蔓はその自重により前記折れ曲がり位置の曲率中心側へ移動する傾向となり、しかもこの移動によりその搬送抵抗が増大され、遂には搬送装置の上面からその側方へこぼれ落ちることがある。
【0004】このようにこぼれ落ちた芋蔓は、この後の甘藷の掘り起こし処理の障害をなすなどの弊害があるため、後で手作業で片付ける必要があり、面倒である。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解消することのできる走行式茎葉処理機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、機体の前部下方から後部上方に渡って挟持搬送装置を斜設すると共に、この挟持搬送装置の後部を左右向きへの折れ曲がり傾斜可能となし、機体の走行中に、前記挟持搬送装置が植生している茎葉を後方へ搬送し、地面から分離された後の茎葉を機体後部の側方へ放出するようになした走行式茎葉処理機を形成する。
【0007】そして、前記挟持搬送装置の折れ曲がり位置上方の近傍に、この挟持搬送装置で搬送される茎葉上部を搬送方向へ誘導するための誘導ローラを設ける。
【0008】この誘導ローラは、挟持搬送経路の折れ曲がり位置に達した茎葉の上部が折れ曲がりの曲率中心側へ移動しようとするのを規制すると共にその茎葉の上部を円滑にその搬送方向へ移動させるものとなる。
【0009】上記発明はさらに次のように具体化する。即ち、挟持搬送装置の各挟持搬送ベルトの非挟持作用側である外側張り部個所にこの挟持搬送ベルトの外周面に対し掻き落とし作用を付与するスクレーパを挟持搬送ベルト方向に対し傾斜された特定方向へ向けて配設したものとなすのであり、このようにすると、挟持搬送ベルトの外周面に付着した茎葉片などが取り除かれ、挟持搬送ベルトの移動経路における茎葉片の詰まりやこれに起因した挟持搬送ベルトのスリップが阻止され、茎葉の搬送が一層確実となる。
【0010】また誘導ローラは、挟持搬送装置の折れ曲がり位置の近傍の左右各側に茎葉搬送方向への回転自在に設ける。このようにすると、挟持搬送装置の後部が左右の何れの側に傾斜されても、左右何れかの誘導ローラが挟持搬送装置の折れ曲がり位置に達した茎葉を効果的に誘導するものとなる。さらに誘導ローラは挟持搬送装置の半巾とほぼ同等若しくはそれ以上の直径及び高さとなすのがよいのであり、このようにすると茎葉は誘導ローラにより挟持搬送装置の折れ曲がり位置で抵抗少なく確実に案内されるものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例を示す走行式茎葉処理機の側面図、図2は前記処理機の平面図である。
【0012】これらの図に示すように、本実施例の茎葉処理機は、走行機構部A、畝押さえ機構部B、回動中心伝動機構部C、分草切断部D、及び茎葉搬送処理部Eを備えている。このさい、畝押さえ機構部B及び分草切断部Dは走行機構部Aに装設され、また回動中心伝動機構部C及び茎葉搬送処理部Eは一体状に結合されると共に走行機構部Aに対して支点O廻りの揺動変位可能となされている。
【0013】先ず走行機構部Aについて図1、図2及び図3により説明する。図3は茎葉搬送処理部Eを省略した前記処理機の平面図である。1はエンジンであり、これの左側にはミッションケース2が固設してある。ここに、2aはミッションケース2に装設された変速レバーである。
【0014】ミッションケース2の左側面とエンジン1の右側面とに走行駆動ケース3、3が配設してあり、各走行駆動ケース3、3の後端部はミッションケース2と同体部位に水平横軸4廻りの揺動可能に結合してある。そして各走行駆動ケース3、3の前端部に走行車輪5、5が設けてある。
【0015】6はエンジン1の前部からこれの左右各側の前方へ向けて延出させた走行フレームである。左右各側の走行フレーム6の長さ途中には上記回動中心伝動機構部Cや茎葉搬送処理部Eを支持するための枢支部7、7が固設してある。
【0016】各枢支部7近傍に位置した走行フレーム6、6には下向き支持部材8が固設してある。各支持部材8は複数の固定孔をその長手方向へ列設されており、この固定孔の任意なものに各走行駆動ケース3の前端部がボルト固定されている。各走行車輪4の高さを調整するさいは、走行駆動ケース3の前端部を固定している固定孔を変更する。
【0017】走行フレーム6の後部からは操縦ハンドル9がエンジン1の上方を経てその後方へ張り出した状態に設けてあり、これに各種の操縦レバーが装着されている。上記枢支部7、7より前方の左右の走行フレーム6、6にはゲイジ輪10、10が高さ調整可能に装着してある。
【0018】この走行機構部Aにおいて、上記エンジン1の動力はミッションケース2に伝達され、ここで変速され、左右の走行駆動ケース3、3を経て各走行車輪5、5に伝達される。
【0019】次に畝押さえ機構部Bについて、図2及び図3により説明する。11a及び11bは左右一対のローラユニットであり、左右のローラユニット11a、11bはその対応する左右の走行フレーム6、6に高さ及び左右位置の調整可能に装着してある。
【0020】各ローラユニット11a、11bは複数の鼓形ローラ12を前後方向へ配列し、これらローラ12の各々を支持枠13に回転自在に軸着し、この支持枠13を適宜な保持機構を介して走行フレーム6に固定した構成となしてある。これら左右一対のローラユニット11a、11bは前面視ハ字状に配置される。このような構成となされた畝押さえ機構部Bは、ローラ12により畝面の左右を適当に押さえるように作用する。
【0021】次に回動中心伝動機構部Cについて、図1〜図3により説明する。14は左右一対の枢支部7、7の間に架装された回動中心伝動ケースで、これに貫通状に装着された水平横軸15を介して支持されこの横軸15廻りの揺動自在となされている。
【0022】回動中心伝動ケース14の後面には回転入力軸が設けてあり、この回転入力軸は上記ミッションケース2の前面に突出された回転取出軸に結合軸16を介して連動連結させている。
【0023】回動中心伝動ケース14の上面からは左右一対の駆動軸17、17が突出されており、これら駆動軸17、17及び上記水平横軸15は歯車及びチェーン等の伝動機構を介して上記回転入力軸と連動連結されている。
【0024】また回動中心伝動ケース14には固定アーム18が下向きへ延設してあり、この固定アーム18の下端に、エンジン1の下方に配設された伸縮パイプ軸19の前端を結合させ、また伸縮パイプ軸19の後端に回転操作ハンドル20を装着している。伸縮パイプ軸19は回転操作ハンドル20の操作により伸縮し、これに連動して回動中心伝動ケース14が支点O(水平横軸15)廻りへ揺動される。さらに回動中心伝動ケース14と走行機構部Aとの間には、支点O廻りのこれらの相対変位を円滑且つ的確となすため、ガススプリング機構等からなる図示しない引張用弾性体を介装している。
【0025】次に分草切断部Dについて、図1、図2及び図3により説明する。21及び21は左右各側の走行フレーム6、6に装着された切断装置であり、各切断装置21は前部に縦向きのバリカン式切刃22を設けると共に、外周囲を装置フレーム23で被った構成としている。装置フレーム23の前部は切断装置21の作動時に切刃22が露出するように開放可能となされている。
【0026】各切断装置21の下部には掘り起こし板24が縦向き前下がり状に固定してあり、また堀り起こし板24には棒状分草具25が固定してある。この分草具25は堀り起こし板24から前方へ突出された突出棒25aとこれの先端に後向き上り傾斜状に固定された案内棒25bとからなっている。このさい、案内棒25bは突出棒25aの先端から後述の掻込み部xの側方最外位置へ及ぶものとなされる。
【0027】一方、各切断装置21の上部には上側案内棒26が前向き上り傾斜に設けてあり、この案内棒26は機体持運びの便宜等のため後方へ傾倒されるようになされている。
【0028】また左右の切断装置21、21の切刃22は前記水平横軸15により駆動されるようになすのであり、このため水平横軸15の左右各端部にクランク部27、27を形成し、左右各側で、このクランク部27と切刃22の入力部材とをリンク部材28で連結させてある。
【0029】このような構成となされた分草切断部Dは走行機構部Aの前進により次のように作動する。即ち、突出棒25aは先端が土中に突き刺さりながら前進して芋蔓等の処理物を浮き上がらせ、案内棒25bはこの浮き上がった芋蔓等を後述の掻込み部xに案内し、堀起こし板24は茎の途中で根付いた芋蔓等を堀り上げて切刃22へ案内し、上部案内棒26は地面から高く浮き上がった芋蔓等の茎を切刃22へ案内し、切刃22はこれに交差するように達した芋蔓等を切り離す。
【0030】次に茎葉搬送処理部Eについて説明する。この処理部Eは図1及び図2に示すように下部挟持搬送経路機構29と上部挟持搬送経路機構30とを具備した挟持搬送装置31を主体としている。この挟持搬送装置31は走行機構部Aの前部から後部上方に及ぶものであり、また上部挟持搬送経路機構30は前側と後側とに分割し、前側の上部挟持搬送経路機構30Aを掻込み装置と兼用させてある。
【0031】上記下部挟持搬送経路機構29を、図4〜図6により説明すると、次のとおりである。即ち、図4は上部挟持搬送経路機構30を省略した前記処理機の平面図、図5は前記処理機の側面視断面図、図6は挟持搬送装置の後部を示す図である。
【0032】これらの図に示すように左右一対の駆動軸17、17の各々にプーリ32及びスプロケット33が固定してあり、また切断装置21よりも少し後方箇所に回動中心伝動機構部Cと同体の部材、即ち後述のチェーンケース38を介して左右一対の回転軸34、34を装設し、これら各軸34にプーリ35及びスプロケット36を固定している。
【0033】そして左右各側においてスプロケット33とスプロケット34との間に無端状のチェーン37が掛け回してあり、このチェーン37の外周囲を回動中心伝動機構部Cと同体となされたチェーンケース38で被っている。
【0034】各駆動軸17にはアーム部材39が一定範囲内の水平揺動可能に枢着してあり、また各アーム部材39の後端部に支持軸40が固定してある。各支持軸40にはプーリ41を回転自在に装着すると共に付勢棒体42を一定範囲内の水平揺動可能に装着している。
【0035】このさい、付勢棒体42は二本の筒部材42a、42bを伸縮可能に嵌合させると共にこれらの筒部材42a、42b間にスプリング43を介装し、このスプリング43の弾力で二本の筒部材42a、42bが伸張変位するように付勢したものとなし、また左右の付勢棒体42、42間には図示しないスプリングを張架し、これら棒体42、42を互いに近接する側に付勢してある。また各付勢棒体42にはこれを左右へ振り回すための把手44が固定されている。
【0036】各付勢棒体42の後端には回転軸45が一定位置での回転自在に装着してあり、この回転軸45の下端にプーリ46が固定してある。そして、左右各側の上記した四つのプーリ32、35、41、46に無端状のゴム質材からなる挟持搬送ベルト47が掛け回してある。このさい、各挟持搬送ベルト47の非挟持側である外側張り部の後部には図6に示すようにこのベルト47の外周面に傾斜状に沿わせたものとしたスクレーパ48を配設するのであり、このスクレーパ48は付勢棒体42と同体のカバーフレーム47Aに固定する。
【0037】プーリ35とプーリ32との間の左右各側で挟持搬送ベルト47の内方には二つのテンションプーリ49a、49bがチェーンケース38を介して装着され、左右のテンションプーリ49a、49bが左右各側の挟持搬送ベルト47、47の内面側の前後方向を互い違いに押圧し、これらベルト47、47を圧接させている。またプーリ32とプーリ35との間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の外方側にも二つのテンションプーリ50、51がチェーンケース38を介して装着され、各ベルト47の外面を押圧してこれを緊張させている。
【0038】またプーリ32とプーリ41の間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の外方にもテンションプーリ52が設けてある。このテンションプーリ52はチェーンケース38に水平揺動可能に枢着されたアーム部材53と支持軸40に水平揺動可能に枢着されたアーム部材54とを結合させ、この結合箇所に回転自在に軸着してある。
【0039】さらにプーリ41とプーリ46との間の左右各側で各挟持搬送ベルト47の内方には3連テンションプーリ55a、55b、55cが設けてある。これらテンションプーリ55a、55b、55cは結合部材56に軸着されており、この結合部材56は対応した各側の付勢棒体42に水平揺動可能に装着された二つの湾曲アーム部材57a、57bの先端部に軸着され、図示しないスプリングの弾力により対応した左右各側の挟持搬送ベルト47の内面を押圧し、左右の挟持搬送ベルト47、47の前後方向を左右のテンションプーリ55a、55b、55cで互い違いに圧接させている。
【0040】かくして左右の挟持搬送ベルト47、47は走行機構部Aの前部から後部上方に渡ってこれらの対向部が圧接された状態となり、これら対向部間が下部の挟持搬送経路k1をなしている。
【0041】上記掻込み装置30Aを図5及び図7を参照して説明すると、次のとおりである。即ち、図7は一部を省略した前記処理機の平面図である。左右各側のチェーンケース38の先端部から支持部材58が延長させてあり、支持部材には二つのプーリ59、60を設け、外側のプーリ59を内側のプーリ60よりも前方下部に位置させている。このさい、外側のプーリ59はその前後位置を調整可能となされている。
【0042】左右の各駆動軸17の上端部にはプーリ61が固定してある。そして、左右各側において三つのプーリ59、60、61に無端状の突起付ベルト62が掛け回してある。このさい、左右の突起付ベルト62、62の突起は図7に示すように同一位置で対向させてもよいし、或いは左右で位置をずらして互い違いに対向させるようになすことも差し支えない。
【0043】左右の突起付ベルト62、62の対向部は図示しない案内部材を介して前後方向の直線状に移動するようになされ、この対向部間が前側の上側挟持搬送経路k2をなしている。さらに各突起付ベルト62の上面にはこれを被うための掻込みフレーム63がチェーンケース38と同体に固定してある。
【0044】次に後側の上部挟持搬送経路機構30Bを図5及び図7により説明すると、次のとおりである。即ち、左右各側の付勢棒体42の後側の筒部材42bの前部上面に支持部材64が固定してあり、この支持部材64の下方にプーリ65が回動自在で前後位置の調整可能に軸着してある。一方、左右各側の付勢棒体64の後端部の回転軸45の上端部にもプーリ66が固定してある。
【0045】そして、左右各側において、前後の二つのプーリ65、66に無端状の突起付ベルト67が掛け回されている。左右の突起付ベルト67、67の対向部は掻込み装置30Aの場合と同様に図示しない案内部材を介して前後方向の直線状に移動するようになされており、この対向部間が後側の上側挟持搬送経路k3をなしている。
【0046】さらに各突起付ベルト67の上面にはこれを被うための後部フレーム68が付勢棒体42の後側の筒部材42bと同体に固定してある。
【0047】上記のように構成した挟持搬送装置31の作動を説明する。左右の駆動軸17、17の回転はプーリ32、32を回転させると共にチェーン37、37を介してプーリ35、35をも回転させ、これらのプーリ32、35の回転が下側の左右の挟持搬送ベルト47、47を回転させる。
【0048】また、各駆動軸17と同体に回転されるプーリ61、61は掻込み装置30Aの突起付ベルト62、62を回転させ、また各挟持搬送ベルト47と連動して回転されるプーリ46、46は後側の上部搬送経路30Bを形成した突起付ベルト67、67を回転させる。
【0049】掻込み装置30Aの前部をなす平面視ハ字状の掻込み部xは芋蔓等を下部挟持搬送経路k1及び前側の上部挟持搬送経路k2の前部に掻き集め、これら挟持搬送経路k1、k2はこの掻き集められた芋蔓等を後方上り傾斜状に挟持搬送する。そして芋蔓等が前側の上部挟持搬送経路k2を経た後は、下部挟持搬送経路k1及び後側の上部挟持搬送経路k3が継続して後方上り傾斜状に挟持搬送する。
【0050】この搬送中には特に各下部挟持搬送ベルト47に芋蔓の切れ端等が付着するが、スクレーパ48がこれら切れ端等を(好ましくはエンジン1よりも前方に)落下させるものとなる。このさい、スクレーパ48が各挟持搬送ベルト47の移動方向に対して斜め前方下向きとなしてあることはその掻落とし処理を円滑且つ的確となす。
【0051】挟持搬送装置31の後部を左右へ振り回すさいは把手44等を持って行うのであり、これにより、左右のアーム部材39、39が各駆動軸17、17廻りへ揺動すると共に、左右の付勢棒体42、42が各支持軸41、41廻りへ揺動する。従って、挟持搬送装置31はその途中で折れ曲がり、その後部は例えば図7に示すように傾斜状となる。このさいの挟持搬送装置31の折れ曲がり角度は図示しない適宜な係止機構を介して複数の任意な大きさに択一的に設定されるものとなる。
【0052】さらに図1、図2及び図5に示すように、上記挟持搬送装置31に関連して、次のような特徴的構成が形成してある。
【0053】即ち、左右各側の後部フレーム68、68の前部上面でプーリ65、65の概ね中心上に縦支持軸69、69が固設してあり、これら各縦支持軸69、69に誘導ローラ70、70が回転自在に装着してある。
【0054】このさい、誘導ローラ70は図示しないボール軸受を介して軽く回転するようになし、また質量もなるべく小さくなす。このため、誘導ローラ70の周面部は塩ビ管等で形成し、且つその内部は空間となしてある。
【0055】誘導ローラ70は上端面部に凹みの存在しないようになすのがよく、このようにすればその上端面部に土等が溜まらないのである。また誘導ローラ70の大きさは直径を例えば凡そ10cm〜25cm程度に、高さを例えば凡そ5cm〜30cm程度になすのであるが、好ましくは挟持搬送装置の大きさと関連させるのであって、即ちこれの半巾と同等か若しくはそれ以上の直径及び高さとなす。
【0056】次に上記のように構成した茎葉処理機の使用例及び作動を図8及び図9をも参照して説明する。図8は前記処理機の前部の作動状態を示す図、図9は前記処理機の要部の作動状態を示す図である。
【0057】畝(高畝或いは平畝)上に列状に甘藷が植えられた圃場において、左右の走行車輪5、5が一つの畝を跨ぐように機体を位置させるとともに、必要に応じて、分草切断部Dの高さが最適となるようにゲイジ輪10、10の高さを調整し、また畝押さえ機構Bが畝の上面に適合するように左右の畝押さえローラユニット11a、11bの高さ及び巾を調整し、さらに回転操作ハンドル20を操作して茎葉搬送処理部Eを支点O廻りへ揺動させてこれの前部が畝の上面に適合した状態となす。
【0058】この後、エンジン1を作動させ、各部を作動状態として機体を前進させる。これにより分草切断部Dが図8に示すように畝hの左右の溝m内に繁茂し根付いた芋蔓等を分草し抜き上げて切断し掻込み装置30Aの掻込み部xへ案内する。
【0059】掻込み装置30Aは左右の切断装置21、21の間に繁茂した芋蔓をその掻込み部xで掻き集めて自身の搬送経路、即ち前側の上部搬送経路k2内に移動させ、且つこれと同時に下部挟持搬送経路k1の前部に供給する。
【0060】前側の上部搬送経路k2及び、下部搬送経路k1はこのように移動され或いは供給された芋蔓を後方上り傾斜方向へ挟持搬送する。このさい、芋蔓は上部搬送経路k2の上方へ大きく盛り上がった嵩張り状態で移動されるが、上部搬送経路k2及び下部搬送経路k1により上下の二カ所を挟持され、しかも掻込みフレーム63の上面で支持されるため安定的に搬送されるものとなる。
【0061】この搬送中、下部搬送経路k1は特に強い力で芋蔓を挟み付けて上方へ移動させるため、やがて芋蔓の茎元に強大な引き上げ力を付与し、その茎元は引きちぎられて芋部と分離される。このような引きちぎりに代えて、適宜な切刃による切断を行ってもよいが、引きちぎりの方が芋部を傷つけない点で優れる。
【0062】こうして分離されて自由状態となった芋蔓の放出位置は挟持搬送装置31の後端部の左右位置で決定されるのである。例えば、処理中の畝上に放出する場合は挟持搬送装置31を前後方向の直線状に保持し、またこの畝から離れた左右側位置に放出する場合は把手44を持って挟持搬送装置31の後部を左右へ振り回し、下挟持搬送経路k1及び上部挟持搬送経路k2、k3を適当角度に折り曲げた状態に保持する。
【0063】この使用例では、挟持搬送装置31を左右各側の何れかへ大きく折り曲げ、芋蔓を処理中の畝からできるだけ遠く離れた位置に放出する場合について説明するものとする。
【0064】下部搬送経路K1及び前側の上部搬送経路k2で搬送されつつある芋蔓は引きちぎられて自由状態となされた後に挟持搬送装置31の折れ曲がり位置pに達するが、この位置ではこの折れ曲がりに起因して芋蔓の搬送抵抗が増大する傾向になると共に重力作用により折れ曲がり位置pの芋蔓に挟持搬送経路と交差した方向の力が作用し、これら芋蔓が横向き下方へ偏る傾向となり、何等の対策もなければ、挟持搬送装置31の上面から横方へこぼれ落ちることがある。
【0065】しかし、前記折れ曲がり位置pの近傍に存在した誘導ローラ70は上記傾向を呈する芋蔓を前記折れ曲がり位置pで支持して円滑に案内する。このさい、挟持搬送装置31を図9に示すように右側に折り曲げた場合は特に右側の誘導ローラ70が芋蔓の矢印方向f1へのこぼれ落ちを効果的に阻止し、逆に挟持搬送装置31を左側に折り曲げた場合は特に左側の誘導ローラ70が矢印方向f1と対称の方向への芋蔓のこぼれ落ちを効果的に阻止する。これにより芋蔓は前記折れ曲がり位置を支障なく安定的に通過するものとなる。
【0066】この後は、下部搬送経路k1及び後側の上部搬送経路k3がこの芋蔓をその搬送終端まで搬送して落下させる。これにより芋蔓は畝単位で能率的且つ的確に除去されるのであり、甘藷の収穫が省力的に行えるようになる。
【0067】
【発明の効果】上記した本発明によれば、植生している芋蔓等を挟持搬送装置により機体の後方左右へ搬送するさい、芋蔓等がその搬送途中で挟持搬送装置の横方へこぼれ落ちるのを効果的に阻止するものとなり、芋蔓等の除去処理を能率的且つ的確に行えるようになるのである。
【0068】請求項2に記載したものによれば、挟持搬送ベルトの外周面に付着した茎葉片などが取り除かれ、挟持搬送ベルトの移動経路における茎葉片の詰まりやこれに起因した挟持搬送ベルトのスリップが阻止され、茎葉の搬送が一層確実となる。
【0069】請求項3に記載したものによれば、芋蔓等を放出させる位置を機体の左右の何れか一方から逆方へ変更する場合に誘導ローラの位置変更操作等を要することなく直ちに対応できるのであり、また挟持搬送装置の折れ曲がり位置に達した芋蔓等を左右両側から挟み付けるためその移動が一層確実且つ円滑となるのである。
【0070】請求項4に記載したものによれば、挟持搬送装置の後部が左右の何れの側に傾斜されても、左右何れかの誘導ローラが挟持搬送装置の折れ曲がり位置に達した茎葉を効果的に誘導するものとなる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月20日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−113338
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−306674