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【発明の名称】 作業車の走行速度制御
【発明者】 【氏名】田村 栄一

【氏名】森田 佐一郎

【氏名】辻田 正文

【要約】 【課題】原動機の負荷に応じた好適な走行速度で各種作業を円滑かつ効率良く行うことができる作業機の走行速度制御を提供すること。

【解決手段】原動機(15)と左右走行部(3L,3R) との間に静油圧駆動変速機(16)を介設し、主変速レバー(10)の操作に応じて静油圧駆動変速機(16)を変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成し、原動機(15)の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバー(10)の操作位置に対応する走行速度に対して、所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機(15)の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバー(10)の操作位置に対応する走行速度にまで増速すべく制御してなる作業車において、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原動機(15)と左右走行部(3L,3R) との間に静油圧駆動変速機(16)を介設し、主変速レバー(10)の操作に応じて静油圧駆動変速機(16)を変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成し、原動機(15)の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバー(10)の操作位置に対応する走行速度に対して、所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機(15)の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバー(10)の操作位置に対応する走行速度にまで増速すべく制御してなる作業車において、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能としたことを特徴とする作業車の走行速度制御。
【請求項2】 走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くし、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くすることを特徴とする請求項1記載の作業車の走行速度制御。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車の走行速度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スレッシャやコンバイン等の農業用の作業車や、モータスクレーパーやコンクリートミキサー車等の土木用の作業車においては、原動機と左右走行部との間に静油圧駆動変速機構(以下、「HST」という。)を介設し、同HSTに連動連結した主変速レバーの操作に応じてHSTを変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成したものが知られている。
【0003】しかも、原動機には、複数の各種作業機を伝動機構を介して連動連結している。例えば、コンバインにおいては、原動機に刈取機や脱穀機等の作業機を連動連結し、原動機の動力によって、各作業機に各種の作業を行わせるように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の作業車にあっては、原動機に左右走行部のみならず各種作業機をも連動連結していたため、左右走行部における負荷に加え、各種作業機における負荷が原動機にかかることとなり、原動機や作業機の故障の原因となっていた。
【0005】そのため、原動機の負荷が設定値以上の場合には、走行速度を減速し、一方、原動機の負荷が設定値以下の場合には、走行速度を増速する走行速度制御が考えられているが、かかる走行速度制御では、原動機の負荷によって、絶えず走行速度を増減速させるものであるため、ハンチング現象が発生し、各種作業が円滑に行われないとともに、オペレータの乗り心地が良好ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、原動機と左右走行部との間に静油圧駆動変速機を介設し、主変速レバーの操作に応じて静油圧駆動変速機を変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成し、原動機の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度に対して、所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度にまで増速すべく制御してなる作業車において、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能とすることとした。
【0007】また、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くし、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くすることとした。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る作業車の走行速度制御は、原動機と左右走行部との間に静油圧駆動変速機を介設し、主変速レバーの操作に応じて静油圧駆動変速機を変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成し、原動機の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度に対して、所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度にまで増速すべく制御してなる作業車において、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能としたものである。
【0009】そのため、走行速度を急激に変化させることにより、オペレータに多少の衝撃を与え、原動機が過負荷状態にあることをオペレータに知らせることができ、一方、走行速度を緩やかに変化させることにより、ハンチング現象の発生を防止するとともに、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができるものである。
【0010】従って、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能とすることにより、各オペレータの操作感覚に合致した走行速度の制御を各オペレータが任意に選択することができるものである。
【0011】また、本発明に係る作業車の走行速度制御は、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くし、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くしたものである。
【0012】従って、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くして、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができ、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くして、短時間で減速することにより、原動機が過負荷状態にある時間を可及的に短くして、原動機の故障を防止し、また、短時間で増速することにより、機体の走行速度が低速状態にある時間を可及的に短くして、各種の作業効率の低下を防止することができるものである。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、作業車としてのコンバイン1を示しており、同コンバイン1は、機体フレーム2の下部にクローラ式の左右走行部3L,3R を配設し、機体フレーム2の前端に刈取部4を昇降自在に取付け、機体フレーム2の上部に脱穀部5等の上部体を載置し、機体フレーム2の前方右側上部に運転部6を設けており、同運転部6の下方には原動機部7を配設している。
【0015】運転部6は、前方に操作コラム8を前後傾動可能に配設し、同操作コラム8の上部に操向操作レバー9と主変速レバー10とを突設し、操作コラム8の後方に間隔を開けて運転席11を配設している。図中、12は副変速レバー、13は駐車ブレーキレバー、14はブレーキペダルである。
【0016】原動機部7は、前記運転席11の下方位置に原動機15を配設しており、同原動機15に左右走行部3L,3R をHST16を介して連動連結する一方、原動機15に刈取部4や脱穀部5等の作業機を連動機構を介して連動連結しており、原動機15の動力によって走行及び各種作業を行うように構成している。
【0017】左右走行部3L,3R は、機体フレーム2の下部に左右一対の走行フレーム17L,17R を連設し、各走行フレーム17L(17R)の前端に、HST16に連動連結した駆動輪18を回動自在に取付け、各走行フレーム17L(17R)の後端に遊動輪19を回動自在に取付け、駆動輪18と遊動輪19との間に履帯20を巻回している。図中、21は転動輪である。
【0018】HST16は、図2及び図3に示すように、矩形箱型のHSTケーシング22内の上部に油圧ポンプ23を配設し、HSTケーシング22内の下部に油圧モータ24を配設し、HSTケーシング22の後側上部にHST入力軸25を後方へ向けて突出させ、HSTケーシング22の後側下部にHST出力軸26を後方へ向けて突出させており、HST入力軸25には、原動機15を連動連結し、一方、HST出力軸26には、左右走行部3L,3R を連動連結している。
【0019】また、HST16は、HSTケーシング22の左側上部に油圧ポンプ23の斜板27に連動連結したトラニオン軸28を左側方へ向けて突出させており、同トラニオン軸28には、主変速レバー10を連動連結している。
【0020】そして、主変速レバー10を前後方向へ向けて傾動操作することにより、油圧ポンプ23の斜板27の傾斜角度を調節して、油圧モータ24の回転数及び回転方向を調節し、機体の前後進及び走行速度の増減を行うようにしている。すなわち、主変速レバー10をわずかに前方へ向けて傾動操作した場合には、機体は低速度で前進し、さらに主変速レバー10を前方へ向けて傾動操作した場合には、機体は高速度で前進する。一方、主変速レバー10をわずかに後方へ向けて傾動操作した場合には、機体は低速度で後進し、さらに主変速レバー10を後方へ向けて傾動操作した場合には、機体は高速度で後進する。
【0021】HST16のトラニオン軸28と主変速レバー10との間には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度よりも機体の走行速度を減速させたり、或いは、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度にまで機体の走行速度を増速させるための増減速調節機構29を介設している。
【0022】増減速調節機構29は、HSTケーシング22の左側上部にケーシング30を連設し、同ケーシング30の内部に中空円筒状のスリーブ31を軸線を左右方向へ向けて回動自在に配設し、同スリーブ31の基端部には、主変速レバー軸32を連動連結し、同主変速レバー軸32に主変速レバー10の基端部を取付け、一方、スリーブ31の先端部には、トラニオンアーム33を連動杆34を介して連動連結し、同トラニオンアーム33にHST16のトラニオン軸28を取付けている。
【0023】スリーブ31の中空部内には、バルブスプール35を回動自在かつスリーブ31の軸線方向に沿って摺動自在に挿入し、同バルブスプール35の基端部にすり割36を形成し、同すり割36に主変速レバー軸32の先端を嵌入するとともに、バルブスプール35の基端部と主変速レバー軸32の基端部との間にスプリング37を介在させて、バルブスプール35をHST16のトラニオン軸28側へ付勢している。
【0024】また、増減速調節機構29は、ケーシング30の内部にピストン38を上下方向へ向けて移動自在に配設し、同ピストン38の中途部にトラニオンアーム33を連動連結している。
【0025】ピストン38の上部には、中空部39を形成し、同中空部39に、ケーシング30に取付けたロッド40を挿通し、同ロッド40の中途部と下端部とに上下側受け円板41,42 をロッド40に沿わせて摺動自在に挿通し、上下側受け円板41,42 間に2本のスプリング43,44 を介設しており、上側受け円板41は、ピストン38の中空部39の開口に取付けた止めリング45に当接し、一方、下側受け円板42は、ロッド40の下端に形成した鍔体46に当接し、トラニオン軸28を中立状態に戻すように付勢している。図中、47はシール部材である。
【0026】バルブスプール35は、図4に示すように、中途部に上下バルブ体48,49 をバルブスプール35の軸線に対してそれぞれ逆方向へ向けて傾斜させて形成し、更には、軸芯部に連通孔50を形成している。
【0027】スリーブ31の中途部であって、バルブスプール35の上下バルブ体48,49 に対応する位置には、図2及び図5に示すように、上下左右側連通孔51,52,53,54 を穿設しており、上側連通孔51には、ピストン38の上方に形成した空間55を油路56を介して連通連結し、下側連通孔52には、ピストン38の下方に形成した空間57を油路58を介して連通連結し、左側連通孔53には、作動油タンク59を油路60を介して連通連結し、右側連通孔54には、チャージポンプ61を油路62を介して連通連結しており、しかも、油路62の中途部には、油路切替バルブ63を配設している。
【0028】また、スリーブ31の中途部であって、バルブスプール35の基端部に形成した連通孔50に対応する位置には、図2及び図5に示すように、連通孔64を穿設しており、同連通孔64には、油路65を連通連結し、同油路65は、油路切替バルブ63に連通連結している。尚、連通孔50は、バルブスプール35の先端部とスリーブ31との間に形成された空間66に連通連結している。
【0029】油路切替バルブ63は、油路切替ソレノイド67によって進退移動して油路の切り替えを行うようにしており、同油路切替ソレノイド67は、制御部68に接続されており、同制御部68には、原動機15の負荷を検出する負荷検出手段69を接続している。また、制御部68と油路切替ソレノイド67との間には、ボリューム71を介設しており、同ボリューム71を調節することにより、油路切替ソレノイド67の作動時間を調節することができ、それに伴い、走行速度の増減速に要する時間を調節することができるようにしている。尚、負荷検出手段69としては、原動機15への燃料の供給量を検出する電子ガバナー装置を用いている。
【0030】トラニオン軸28は、図6に示すように、軸芯部に調節体70を軸線に沿って進退自在に螺着し、同調節体70は、先端をバルブスプール35の基端部へ向けて突出させている。同調節体70は、電動モータに連動連結されて、同電動モータは、制御部68に接続されており、制御部68により電動モータを作動させて、調節体70をバルブスプール35に向けて進退するようにしている。
【0031】そして、通常走行時においては、主変速レバー10を傾動操作すると、主変速レバー軸32を介してスリーブ31が回動し、更には、連動杆34とトラニオンアーム33とを介してトラニオン軸28が回動して、油圧ポンプ23の斜板27の傾斜角度を調節できるようにしている。
【0032】一方、負荷検出手段69によって、原動機15の負荷が設定値以上となったことを制御部68が検出した場合には、制御部68が油路切替ソレノイド67を作動させ、油路を切り替えて、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度よりも減速するように制御する。
【0033】すなわち、主変速レバー10を前方へ傾動操作すると、トラニオン軸28が前方へ回動し、それに伴い、ピストン38が下方へ移動し、ピストン38の下方に形成された空間57内の作動油が高圧に保持される。かかる状態で、油路切替バルブ63により油路を切り替えると、図5(a) に示すように、チャージポンプ61からの作動油が油路62と右側連通孔54とを介してスリーブ31内へ流入し、さらに、下側連通孔52と油路58とを介してピストン38の下方に形成した空間57内へ流入し、ピストン38を上方へ移動させ、それに伴い、トラニオン軸28が後方へ回動し、走行速度が減速される。
【0034】その際に、チャージポンプ61からの作動油は、油路65と連通孔64とを介してバルブスプール35内の連通孔50へと流入し、さらに、バルブスプール35の先端とスリーブ31との間に形成された空間66へと流入し、それに伴い、バルブスプール35は、主変速レバー軸32側へ移動し、主変速レバー軸32と当接した状態で停止する。かかる状態においては、図5(b) に示すように、バルブスプール35の上下バルブ体48,49 によって、スリーブ31の左右側連通孔53,54 は閉塞され、作動油の流動が停止される。
【0035】ここで、制御部68により調節体70を進退させることにより、バルブスプール35の移動量を調節することができ、従って、走行速度の減速量又は減速比率を調節することができる。
【0036】すなわち、調節体70をバルブスプール35へ向けて進出させた状態では、バルブスプール35の移動量が小さく、従って、走行速度の減速量又は減速比率は小さくなる。一方、調節体70をバルブスプール35から後退させた状態では、バルブスプール35の移動量が大きく、従って、走行速度の減速量又は減速比率は大きくなる。
【0037】図11は、HST16に連動連結した伝動機構72を示した図であり、伝動機構72は、HST16にケーシング73を連設し、同ケーシング73の内部に各種の軸を収容配設している。
【0038】すなわち、原動機15に連動連結した入力軸74にHST入力軸25を連結する一方、HST出力軸26に主軸75を連結し、同主軸75にブレーキ軸76をチェンジ軸77を介して連動連結しており、同ブレーキ軸76には、端部にブレーキ機構78を設けるとともに、車速センサー79を取付けている。更には、ブレーキ軸76にサイドクラッチ軸80を連動連結し、同サイドクラッチ軸80に左右側車軸81L,81R をそれぞれ連動連結しており、左右側車軸81L,81R には、それぞれ左右走行部3L,3R を連動連結している。
【0039】車速センサー79は、制御部68に接続されており、制御部68により走行速度を制御する際に、車速センサー79によって検出した実際の走行速度に基づいてフィードバック制御を行うことができるようにしている。
【0040】次に、負荷検出手段69によって、原動機15の負荷が設定値以下となったことを制御部68が検出した場合には、再び、制御部68が油路切替ソレノイド67を作動させ、油路を切り替えて、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度にまで増速するように制御する。
【0041】以上のようにして、原動機15の負荷に応じて、機体の走行速度を増減速させることができ、以下に説明するように、種々の走行速度制御を行うことができる。
【0042】すなわち、図7においては、原動機15の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、原動機15の負荷に応じた所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機15の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度にまで増速するように制御している。
【0043】その際に、走行速度を減少させる場合には、比較的短時間で急激に減速し、一方、走行速度を増加させる場合には、比較的長時間で緩やかに増速するようにしている。
【0044】これにより、減速時には、オペレータが多少の衝撃を感知することができ、原動機15が過負荷状態にあることをオペレータに知らせることができ、一方、増速時には、緩やかに増速することにより、ハンチング現象が発生するのを防止するとともに、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができる。
【0045】また、図7においては、原動機15の負荷が設定値よりもわずかに高い場合には、図7中に実線で示すように、機体の走行速度を、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、わずかに減速し、一方、原動機15の負荷が設定値よりもかなり高い場合には、図7中に点線で示すように、機体の走行速度を、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、大きく減速するようにしている。
【0046】これにより、原動機15の負荷が大きい場合には、走行速度をわずかしか減速しないと、依然として原動機15の負荷は設定値よりも大きく、原動機15の故障の原因となり、一方、原動機15の負荷が小さい場合には、走行速度を大きく減速すると、原動機15の負荷は小さくなるが、走行速度の低下から、各種作業の作業効率が低下してしまうが、上述したように走行速度を制御することにより、走行速度の減速量の過不足を防止し、原動機15の負荷に応じた好適な走行速度で各種作業を円滑かつ効率良く行うことができる。
【0047】また、図8においては、原動機15の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、予め設定した一定比率又は一定量だけ減速し、その後、原動機15の負荷が設定値以上の場合には、更に主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、予め設定した一定比率又は一定量だけ減速し、一方、原動機15の負荷が設定値以下になった場合には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度にまで増速するように制御している。
【0048】その際に、予め設定した一定比率又は一定量だけ増減速させるのではなく、原動機15の負荷に応じた所定比率又は所定量だけ増減速させてもよい。すなわち、原動機15の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、原動機15の負荷に応じた所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機15の負荷が設定値以上の場合には、更に主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度に対して、原動機の負荷に応じた所定比率又は所定量だけ減速し、一方、原動機15の負荷が設定値以下になった場合には、主変速レバー10の操作位置に対応する走行速度にまで増速するように制御することもできる。
【0049】このように、走行速度を段階的に減少させることにより、走行速度を必要以上に減少させることがなく、各種作業の作業効率の低下を防止することができる。
【0050】また、図8中に点線で示したように、走行速度を増加させる場合にも、走行速度を段階的に増加させることにより、急激な原動機15の負荷の変動を防止し、原動機15を円滑に駆動させることができる。
【0051】特に、原動機15の負荷に応じて、走行速度の増減速比率又は増減速量を制御することにより、前述したように、走行速度の減速量の過不足を防止し、原動機15の負荷に応じた好適な走行速度で各種作業を円滑かつ効率良く行うことができる。
【0052】また、図9においては、ボリューム71を調節して、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節して、走行速度を制御するようにしている。
【0053】すなわち、ボリューム71を調節して、油路切替ソレノイド67が比較的短時間で作動するようにすると、図9中の実線で示すように、走行速度が短時間で急激に増加又は減少し、また、ボリューム71を調節すると、図9中の点線で示すように走行速度が変化し、さらに、ボリューム71を調節して、油路切替ソレノイド67が比較的長時間で作動するようにすると、図9中の一点鎖線で示すように、走行速度が長時間で緩やかに増加又は減少するようにしている。
【0054】このように、走行速度を急激に変化させることにより、オペレータに多少の衝撃を与え、原動機15が過負荷状態にあることをオペレータに知らせることができ、一方、走行速度を緩やかに変化させることにより、ハンチング現象の発生を防止するとともに、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができる。
【0055】従って、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能とすることにより、各オペレータの操作感覚に合致した走行速度の制御を各オペレータが任意に選択することができる。
【0056】また、図10においては、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くし、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くするように制御している。
【0057】このように、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くして、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができる。一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くして、短時間で減速することにより、原動機15が過負荷状態にある時間を可及的に短くして、原動機15の故障を防止し、また、短時間で増速することにより、機体の走行速度が低速状態にある時間を可及的に短くして、各種の作業効率の低下を防止することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上説明してきたような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0059】(1) 請求項1記載の本発明では、原動機と左右走行部との間に静油圧駆動変速機を介設し、主変速レバーの操作に応じて静油圧駆動変速機を変速作動させて、機体の走行速度を増減すべく構成し、原動機の負荷が設定値以上になった場合には、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度に対して、所定比率又は所定量だけ減速し、その後、原動機の負荷が設定値以下になった場合に、主変速レバーの操作位置に対応する走行速度にまで増速すべく制御してなる作業車において、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能としているため、走行速度を急激に変化させることにより、オペレータに多少の衝撃を与え、原動機が過負荷状態にあることをオペレータに知らせることができ、一方、走行速度を緩やかに変化させることにより、ハンチング現象の発生を防止するとともに、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができ、従って、走行速度の増加又は減少に要する時間を調節可能とすることにより、各オペレータの操作感覚に合致した走行速度の制御を各オペレータが任意に選択することができる。
【0060】(2) 請求項2記載の本発明では、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くし、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くしているため、走行速度の増減比率又は増減量が大きい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を長くして、オペレータに衝撃を与えず、乗り心地を良好なものとすることができ、一方、走行速度の増減比率又は増減量が小さい場合には、走行速度の増加又は減少に要する時間を短くして、短時間で減速することにより、原動機が過負荷状態にある時間を可及的に短くして、原動機の故障を防止し、また、短時間で増速することにより、機体の走行速度が低速状態にある時間を可及的に短くして、各種の作業効率の低下を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開平11−103648
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−276274