| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】寺島 淳
|
| 【要約】 |
【課題】コンベアで移送される穀稈などの作物が巻付防止筒の外側で堆積するのを防止することができるようにする。
【解決手段】作物移送用のコンベア5を循環移動させるための回転輪4に、回転中心に対し偏位する貫通孔43を設け、該貫通孔43に支持する回転軸10の両端部にギヤ11,12を公転及び自転自在に設けた。そして、前記ギヤ11,12に噛合する噛合歯を、前記回転輪4が支持される支持軸3周りの巻付防止筒7,8の内面に設けて、これら噛合歯の位相が同じとなるようにし、一方の巻付防止筒8を固定することにより、他方の巻付防止筒7の回転を拘束するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持軸を介して回転自在に支持される回転輪と、該回転輪に掛設されて循環移動し、刈取部で刈取られた作物を脱穀室へ移送するコンベアと、前記支持軸の周りに配置して移送作物の前記支持軸への巻付きを防止する巻付防止筒とを備えたコンバインにおいて、前記回転輪の両側に、回転中心に対し偏位するギヤを公転及び自転自在に配置していることを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 前記各ギヤは、前記回転輪を軸長方向に貫通する回転自在の回転軸の両端部に設けられている請求項1記載のコンバイン。 【請求項3】 前記巻付防止筒は、前記回転輪の軸長方向両側に配置され、これら巻付防止筒の内面に、前記ギヤと噛合する噛合歯が設けられている請求項1記載のコンバイン。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は刈取部で刈取られた稲などの作物を脱穀室に移送するコンベアを備えたコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば汎用形のコンバインにおいては、実開昭63ー75130号公報に記載されているように、機体の前方に設ける刈取部と機体上部に設ける脱穀室との間に、前部支持軸を介して回転自在に支持される案内輪と、駆動用の支持軸を介して回転自在に支持される回転輪との間に掛設されて刈取部で刈取られた作物を脱穀室に移送するコンベアと、駆動用の支持軸の周りに配置して移送作物の支持軸への巻付きを防止する巻付防止筒とを設け、脱穀室に移送された作物を扱胴の回転で脱穀処理するように構成されている。また、前記駆動用の支持軸の前方には、固定軸を駆動用の支持軸と平行に設けて、この固定軸から駆動用の支持軸に向かって延びる連結杆に前記巻付防止筒の外周部を連結して、コンベアにより移送される作物が前記駆動用の支持軸に巻付くのを防ぐように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のごとく構成されたコンベアにおいては、巻付防止筒の外方に、該巻付防止筒と平行状の固定軸、及びこれら固定軸と巻付防止筒とを連結する連結杆が設けられているため、コンベアで移送する作物の一部が前記巻付防止筒と固定軸との間の空間に堆積し、詰りが発生するという問題があった。 【0004】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コンベアを循環移動させるための回転輪の両側に、回転中心に対し偏位するギヤを公転及び自転自在に配置することにより、コンベアで移送される穀稈などの作物が巻付防止筒の外側で堆積するのを防止することができるコンバインを構成することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】第1発明に係るコンバインは、支持軸を介して回転自在に支持される回転輪と、該回転輪に掛設されて循環移動し、刈取部で刈取られた作物を脱穀室へ移送するコンベアと、前記支持軸の周りに配置して移送作物の前記支持軸への巻付きを防止する巻付防止筒とを備えたコンバインにおいて、前記回転輪の両側に、回転中心に対し偏位するギヤを公転及び自転自在に配置していることを特徴とする。 【0006】この第1発明にあっては、回転輪の両側に公転及び自転自在のギヤが配置されているから、一方のギヤに噛合する噛合歯を前記巻付防止筒の内面に設け、他方のギヤに噛合する環状の噛合歯を、前記回転輪に対し固定の固定部材に設けることにより、これら固定部材及び巻付防止筒の噛合歯の位相を同じにすることができる。従って、巻付防止筒の回転輪及び支持軸に対する回転を、巻付防止筒の内側で拘束することができ、移送作物が巻付防止筒の外側で堆積するのを防止することができる。 【0007】第2発明に係るコンバインは、前記各ギヤが、前記回転輪を軸長方向に貫通する回転自在の回転軸の両端部に設けられていることを特徴とする。 【0008】この第2発明にあっては、回転輪の回転中心に対し偏位する位置に貫通孔を設けるだけの簡単な構造により、回転自在のギヤを回転輪の両側に設けることができ、コストを低減することができる。 【0009】第3発明に係るコンバインは、巻付防止筒が、回転輪の軸長方向両側に配置され、これら巻付防止筒の内面に、前記ギヤと噛合する噛合歯が設けられていることを特徴とする。この第3発明にあっては、回転輪の軸長方向両側に配置する巻付防止筒の長さに関係なく、前記回転軸の長さを短くすることができ、巻付防止筒の回転拘束を良好に行うことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は回転輪にコンベアが掛設されている部分の拡大断面図、図2は図1のX−X線の断面図、図3は図1のY−Y線の断面図、図4は搬送装置の脱穀室側部分の断面図、図5は回転輪にコンベアが掛設されている部分の断面図、図6はコンバイン全体の側面図、図7はコンバイン全体の平面図である。 【0011】図6、図7に示した実施の形態のコンバインは、搬送装置を備えた汎用形のコンバインを示している。このコンバインは、クローラから成る左右の走行装置101,101により走行可能に支持された機体100の前部に、油圧昇降装置102により昇降可能な刈取部103と、該刈取部103により刈取られた穀稈などの作物を後方の脱穀室104に搬送する搬送装置Aとを支持し、さらに、機体100上に、胴体の外周に推進角を有する螺旋状の扱刃が設けられ、前記脱穀室104に搬送された作物を脱穀する回転自在のスクリュー形扱胴105と、この扱胴105の回転で脱穀された穀粒を選別する前後に揺動自在の揺動選別装置106と、この揺動選別装置106の揺動で選別処理された穀粒を貯溜する穀粒タンク107とを搭載し、この穀粒タンク107の前方に、運転席が設けられた運転操作部108を、また、後方に、エンジン109を用いてなる駆動源をそれぞれ配置している。尚、図6において、110は前記揺動選別装置106の下方に配置した一番コンベア、111は同じく二番コンベア、112は排風ファンである。 【0012】前記刈取部103は、未刈り穀稈を取り入れるヘッダーが設けられたプラットホーム113と、このプラットホーム113の前部に取付けて左右に往復動させる刈刃114と、この刈刃114の後方に回転自在に配設される掻込ドラム115と、前記プラットホーム113の上部にリール支持体116,116及び油圧シリンダ117を介して上下昇降可能に支持された掻込リール118とを備えている。 【0013】搬送装置Aは、刈取部103のプラットホーム113後端部と機体100の前端部との間に着脱自在に取付けられる略角筒状のフィーダハウス119内に配置されている。 【0014】さらに搬送装置Aは、フィーダハウス119内の前部に固定の支持軸1を介して回転自在に支持される円筒状の案内輪2と、フィーダハウス119内の後部に駆動用の支持軸3を介して回転自在に支持される左右の回転輪4,4と、これら案内輪2及び各回転輪4,4間に掛設されて循環移動するコンベア5とを備えている。 【0015】そして、駆動用の支持軸3を、スプロケット・チェンなどの動力伝達機構を介して前記エンジン109に連動させ、回転輪4を介してコンベア5を循環移動させ、刈取部103で刈取られた作物を脱穀室104に移送するようにしている。 【0016】コンベア5は、案内輪2の各端部と各回転輪4,4との間に掛設される一対の伝動チェン51,51及びこれら伝動チェン51,51間に架設された複数の搬送片52・・とを備えている。 【0017】駆動用の支持軸3は、前記フィーダハウス119の左右側壁119a,119a間に軸受6,6を介して回転自在に支持されている。この支持軸3の中途には、軸長方向に所定間隔を隔てて前記回転輪4,4を一体回転可能に支持し、さらに、巻付防止筒7を相対回転自在に支持している。また、回転輪4,4及びフィーダハウス119の左右側壁119a,119a間の支持軸3の周りには巻付防止筒8を設けている。 【0018】回転輪4,4は、中心部に、前記支持軸3に挿嵌する嵌合孔41が設けられ、外周部に前記伝動チェン51と噛合する歯42が設けられている。この回転輪4,4には、嵌合孔41及び歯42間の中途部に、軸長方向に貫通する貫通孔43を設け、該貫通孔43に、軸受9を介して回転軸10を回転自在に支持している。また、回転輪4の両側面には、前記巻付防止筒7,8の端部を受入れる環状凹入部44,45を設けている。回転軸10は、その両端部に、軸径よりも大径のギヤ11,12を設けて、回転輪4,4が回転するとき、ギヤ11,12を公転及び自転させることができるようにしている。 【0019】巻付防止筒7,8は、前記コンベア5により移送される作物が前記支持軸3に巻付くのを防止するもので、図5に示すように、回転輪4,4間と、回転輪4,4及びフィーダハウス119の左右側壁119a,119a間とにそれぞれ配置されて、その端部を前記回転輪4,4の環状凹入部44,45に相対回転可能に挿入している。 【0020】巻付防止筒7は、筒本体71と、該筒本体71の両端部内側に固定する支持環72とを備える。これら支持環72は、外周部の一端から軸長方向に突出する筒部73が一体に設けられ、該筒部73の端部が前記環状凹入部44に挿入されている。 【0021】巻付防止筒7の両端部内面、及び巻付防止筒8の一端部内面には、それぞれ前記ギヤ11,12と噛合する環状の噛合歯74,81を設けて、これら噛合歯74,81のギヤ11,12との噛合により、回転軸10を介して噛合歯74,81の位相が同じになるようにしている。 【0022】回転輪4,4及び左右側壁119a,119a間に配置される巻付防止筒8は、他端部に、径方向内側に突出する環状の鍔82が設けられ、該鍔82に、複数のねじ孔83が周方向に所定間隔を隔てて穿設されている。そして、前記左右側壁119a,119aに設けられた貫通孔から前記ねじ孔83に締付ねじ13を緊締することにより、巻付防止筒8を、静止部材である前記フィーダハウス119に着脱自在に取付けている。 【0023】このように巻付防止筒8をフィーダハウス119へ取付けることにより、回転輪4,4が回転するとき、該回転輪4,4に回転軸10を介して支持したギヤ11,12が、各噛合歯74,81と噛合した状態で公転しながら自転することになり、噛合歯74,81の位相が同じとなる。従って、回転輪4,4間の巻付防止筒7は、ギヤ11,12及び噛合歯74,81と回転軸10とを介して回転が拘束され、静止部材となる巻付防止筒8とともに静止させることができる。 【0024】図5において、14は前記巻付防止筒7の長さ方向中央部内側に取付けて、該巻付防止筒7の撓みを抑制する支持環である。また、図4及び図6において、15は前記フィーダハウス119の左右側壁119a,119a間に上下移動自在に支持して前記コンベア5の伝動チェン51,51を緊張させる緊張輪である。 【0025】以上の如く構成したコンバインは、刈取部103で刈取られた稲などの作物が、プラットホーム113からフィーダハウス119内に供給され、該フィーダハウス119内のコンベア5により脱穀室104へ移送される。この場合、動力伝達機構を介して前記エンジン109に連動する駆動用の支持軸3が回転し、該支持軸3に取付けた回転輪4,4が回転し、該回転輪4,4及び案内輪2間に掛設されたコンベア5が循環移動し、作物はフィーダハウス119の底壁とコンベア5との間に挟まれた状態でコンベア5により移送される。 【0026】前記回転輪4,4の両側には、回転中心に対し偏位するギヤ11,12を公転及び自転自在に配置して、一方のギヤ11を、巻付防止筒7の内面に設けた噛合歯74に噛合させ、他方のギヤ12を、フィーダハウス119の側壁119a,119aに固定された巻付防止筒8の環状の噛合歯81に噛合させて、これら巻付防止筒7,8の噛合歯74,81の位相を同じにすることができるようにしているから、回転輪4,4が回転するとき、特に回転輪4,4間の巻付防止筒7が回転輪4,4及び支持軸3に対して回転するのを防止することができる。 【0027】従って、コンベア5により移送される作物が、支持軸3の周りに配置した巻付防止筒7,8の周りを通過するとき、特に回転輪4,4間の巻付防止筒7は、回転軸10とギヤ11,12及び噛合歯74,81とによりその内側から回転が拘束されているから、即ち、巻付防止体7,8の外側には巻付防止筒7,8の回転を拘束する回転拘束部材を設けていないため、コンベア5により移送される作物が、回転拘束部材に引掛かるのを良好に防止することができる。 【0028】尚、以上説明した実施の形態は、回転輪4,4に設けた貫通孔43に回転軸10を回転自在に支持し、該回転軸10の両端部にギヤ11,12を設けたが、その他、図8に示すように前記貫通孔43に代えて、回転輪4,4の両側に突出する軸46,46を一体的に設け、これら軸46,46に前記ギヤ11,12を回転自在に支持してもよい。この実施の形態において、図1〜図7と共通の構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。 【0029】また、以上説明した実施の形態は、支持軸3に取付けた回転輪4,4にギヤ11,12を回転自在に設けたが、その他、図示していないが、例えば回転輪4,4の両側であり、回転輪4,4を支持する支持軸3に、回転輪4,4と共回りする回転部材を設け、該回転部材に、図8と同様の軸を介して前記各ギヤ11,12を回転自在に支持してもよい。この場合、一方のギヤ11又は12は図1に示す場合と同様に、回転輪4,4に設け、他方のギヤ12又は11は前記回転部材に設けてもよい。 【0030】また、以上説明した実施の形態は、回転輪4,4の軸長方向両側に巻付防止筒7,8を設けたが、その他、巻付防止筒8をなくし、巻付防止筒7だけが設けられた構造であってもよい。この場合、例えば、前記回転輪4,4に、該回転輪4,4から前記フィーダハウス119の側壁119a,119aに向かって突出する筒体を設け、さらに、前記側壁119a,119aに、回転輪4,4に向かって突出する筒部を設け、該筒部の内側に、環状の前記噛合歯74,81を設ける構造とするのである。 【0031】また、巻付防止筒7は、筒本体71及び支持環72を備え、該支持環72に噛合歯74を設けた構造としているが、その他、筒本体71に噛合歯74を設けた構造としてもよい。 【0032】また、噛合歯74,81は、図1に示すように、巻付防止筒7,8と一体に形成する他、別体に形成し、溶接などの固定手段により固定するようにしてもよい。また、前記ギヤ11,12は、回転輪の周方向に1つ設ける他、複数個設けてもよい。 【0033】 【発明の効果】第1発明によれば、巻付防止筒の回転輪及び支持軸に対する回転を、巻付防止筒の内側で拘束することができるから、移送作物が巻付防止筒の外側で堆積するのを良好に防止することができる。 【0034】第2発明によれば、回転輪の回転中心に対し偏位する位置に貫通孔を設けるだけの簡単な構造により、回転自在のギヤを回転輪の両側に設けることができ、コストを低減することができる。 【0035】第3発明によれば、回転輪の軸長方向両側に配置する巻付防止筒の長さに関係なく、前記ギヤの支持部の長さを短くすることができ、巻付防止筒の回転拘束を良好に行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月29日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−103641 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−264673 |
|