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【発明の名称】 ノッタの結節装置
【発明者】 【氏名】矢田 猛

【要約】 【課題】集束稈に掛回した結束紐を、ビルの1回転により開閉する結節爪が結節するようにしたノッタの結節装置において、開いている可動爪を閉じる際に、可動爪に設けた案内突起が、押え板に当接して回転しながら軸方向に移動しても、押え板に引掛ったりすることなく円滑に移動できるようにして、結束ミス等が生じないようにする。

【解決手段】結節爪をビル9の回転軸26に設けた回転爪27と、回転爪27に対して開閉する可動爪28とで形成し、可動爪28に設けた案内突起29が当接して可動爪28を開動させるカム体30と、開動した可動爪28の案内突起29を押圧して可動爪28を閉動させる押え板31を設けると共に、上記カム体30と押え板31とに当接する案内突起29の先端部を球面状に形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】集束稈に掛回した結束紐を、ビルの1回転により開閉する結節爪が結節するようにしたノッタの結節装置において、上記結節爪をビルの回転軸に設けた回転爪と、回転爪に対して開閉する可動爪とで形成し、可動爪に設けた案内突起が当接して可動爪を開動させるカム体と、開動した可動爪の案内突起を押圧して可動爪を閉動させる押え板を設けると共に、上記カム体と押え板とに当接する案内突起の先端部を球面状に形成したことを特徴とするノッタの結節装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バインダ等に装着されるノッタの結節装置に係わり、詳しくは集束稈に掛回した結束紐を、開閉する結節爪で結節するようにした結節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、バインダやコンバイン等に装着されて刈取穀稈や排稈等を結束して機外に放出するノッタの結節装置は、1回転クラッチの作動に連動してニードルが集束稈に結束紐を掛回すると、回転するビルの結節爪が開閉して掛回された結束紐を結節(紐結び)するように構成されている。
【0003】このように開閉する結節爪は、ビルの回転軸に設けた回転爪と、回転爪に対して開閉する可動爪とで形成して、ビルの回転に伴って可動爪に設けた案内突起をカム体に当接させて可動爪を開き、次いで案内突起を押え板で押圧して可動爪を閉じて、回転爪と可動爪とでくわえた結束紐を、結束した集束稈の放出に伴って可動爪で押えながら節抜きするようになっている。
【0004】ところが、カム体に当接して可動爪を開く方向に回転した案内突起が、押え板に当接して可動爪を閉じる際には、回転しながら軸方向、すなわち可動爪の閉じる方向にも移動するので、案内突起が往々にして押え板に引掛るような動きとなって、可動爪が確実に閉じないことがある。このため結節された結束紐を節抜きする際に、可動爪による結束紐の押えが不完全となって結束ミスを生ずるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよな実状に鑑み、従来の問題点を一掃すべく創案されたものであって、その意図するところは、開いている可動爪を閉じる際に、可動爪に設けた案内突起が、押え板に当接して回転しながら軸方向に移動しても、押え板に引掛ったりすることなく円滑に移動するようにして、結節ミスを生ずることなく結束することができるノッタの結節装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、集束稈に掛回した結束紐を、ビルの1回転により開閉する結節爪が結節するようにしたノッタの結節装置において、上記結節爪をビルの回転軸に設けた回転爪と、回転爪に対して開閉する可動爪とで形成し、可動爪に設けた案内突起が当接して可動爪を開動させるカム体と、開動した可動爪の案内突起を押圧して可動爪を閉動させる押え板を設けると共に、上記カム体と押え板とに当接する案内突起の先端部を球面状に形成したことにより、可動爪を閉じる際に、可動爪に設けた案内突起が、押え板に当接して回転しながら軸方向に移動しても、案内突起が押え板に引掛ったりすることなく円滑に可動爪を閉じて良好な結節ができるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次ぎに本発明の実施の形態を、添付した好適な実施例の図面を参照して詳細に説明する。まず図1、図2において、1はバインダであって、車輪2を備えた走行機体3の前部に刈取り部4が配設され、機体の後方には操作ハンドル5が延設されている。6はデバイダ、7は穀稈引起し装置である。8は上記刈取り部4の後方一側に装着されて、集束した刈取穀稈を結束した後、これを機外に放出するノッタであつって、このノッタ8は、図3、図4に示すように、ビル9、ホルダ10、スイーパ11等を備えた結節装置12と、この結節装置12と対向状に、パッカ13、ニードル14、ドア15等を備えた集束装置16を配設して、両者の対向間に結束室17が形成されている。
【0008】上記ノッタ8への動力は、伝動シャフトからパッカ軸18に入力されてパッカ13を往復掻込み作動させ、またパッカ軸18に設けたパッカ軸ギヤ19がクラッチギヤ20を回転駆動する。クラッチギヤ20はニードルクランク軸21に対して空転状態に支持されており、上記ドア15の動きに連繋する1回転クラッチの作動時にのみニードルクランク軸21が回転し、同時にニードルクランク軸21に連動して結節装置12の結束軸22が回転し、ビル9、ホルダ10およびスイーパ11を作動させるようになっている。
【0009】すなわち、結束室17に送込まれる刈取穀稈を掻込み作動するパッカ13がドア15に向けて掻込み集束して圧縮するとともに、集束稈が一定量になったのをドア15が感知すると、公知の構成からなる1回転クラッチ機構(図面省略)が作動し、これに連繋して作動するニードル14が集束稈に結束紐を掛回す。次いで、結節装置12のビル9、ホルダ10が回転して結節動作を行い、また、放出作動するスイーパ11が、結節された結束紐の節抜きを行いながら結束された集稈束の放出作業を行うようになっている。
【0010】次に結節装置12の構成について説明する。この結節装置12は、結束軸22に設けられた円盤状の回転体23に結節駆動用のギヤ24を形成し、このギヤ24に噛合する小ギヤ9aを有するビル9と、同形状の小ギヤ10aを有するホルダ10とが取付台25に設けてあって、結束軸22の回転動作時にビル9及びホルダ10が同時に1回転するようになっている。
【0011】上記ビル9は、図5、図6に示すように取付台25に挿通支持した回転軸26の一端に小ギヤ9aが設けられ、また回転軸26の他端に結節爪が取付けてあるが、この結節爪は、回転軸26とともに回転する回転爪27と、回転爪27に対して開閉自在に枢支された可動爪28とで形成されている。
【0012】上記可動爪28の基端部には、案内突起29が突出形成されており、取付台25側には上記案内突起29が当接するカム体30が設けてあって、ビル9の回転に伴ってカム体30の開動カム面30aに沿って押上げられた案内突起29が可動爪28を開動させる。そして開動した可動爪28は、押え板31の付勢により案内突起29が押圧されてカム体30に形成された凹状の閉動カム面30bに嵌入し可動爪28を閉動させるようになっている。
【0013】また、上記押え板31は、図7に示すように基部側を取付台25に設けた支軸32に回動可能に軸支し、その自由端部を支柱33に嵌挿した状態で、スプリング34によって押圧付勢支持されている。上記押え板31には、自由端部の切欠した前側に、開動カム面30a側から案内突起29を受入れて閉動カム面30b側に案内する案内面31aと、これに連なって案内突起29を押圧付勢する付勢面31bとが形成されている。そして上記カム体30と押え板31に順次当接して可動爪28を開閉させる案内突起29は、その先端部29aが球面状に形成されていて押え板31に沿って円滑に摺動するようになっている。
【0014】一方、ホルダ10は、紐取片35とカッタ36を有する回転軸37を、取付台25に回動可能に軸支し、回転軸37の軸端に小ギヤ10aを取付けて、このホルダ10の回転に伴ってカッタ36で結束紐を切断するとともに、紐取片35の基部と取付台25との間で結束紐を挾持可能に構成されている。
【0015】叙上のような構成によって、図9〜図11に示すように、掻込み作動するパッカ13により、一定量の穀稈が集束されたことをドア15が感知して1回転クラッチが入ると、ニードル14が作動して集束稈に結束紐Aを掛回し、同時にビル9が回転し始めて閉じた状態の可動爪28と回転爪27の基端部に結束紐Aを巻始める(図9■〜■)。
【0016】次に案内突起29がカム体30の開動カム面30aに当接して開動した可動爪28が結束紐Aをくわえようとする状態となり、さらに案内突起29が押え板31で押圧されて可動爪28が閉動し、結束紐Aをくわえた状態となったときに回転するホルダ10のカッタ36が結束紐Aを切断する(図10■〜■)。そしてスイーパ11が作動して放出が始まると、閉動した可動爪28によって押えられている結束紐Aが節抜きされて結節が完了し、結節された集束稈が機外に放出される(図11■〜■)。
【0017】上記一連の結節過程において、カム体30に当接して可動爪28を開く方向に回転した案内突起29が、押え板31に当接して可動爪28を閉じる際には、案内突起29が可動爪28とともに回転しながら押え板31に沿って軸方向、すなわち可動爪28の閉じる方向にも移動するので、図8のような従来の結節爪では、可動爪aに設けた案内突起bが押え板cに引掛ることがあるが、本発明の案内突起29は、その先端部が球面状に形成されているので、押え板31に沿って円滑に移動して可動爪28を閉じることができる。このため結節された結束紐Aを節抜きする際に、可動爪28による結束紐の押えが確実になって結束ミスを生ずることはない。
【0018】
【発明の効果】これを要するに本発明は、集束稈に掛回した結束紐を、ビルの1回転により開閉する結節爪が結節するようにしたノッタの結節装置において、上記結節爪をビルの回転軸に設けた回転爪と、回転爪に対して開閉する可動爪とで形成し、可動爪に設けた案内突起が当接して可動爪を開動させるカム体と、開動した可動爪の案内突起を押圧して可動爪を閉動させる押え板を設けると共に、上記カム体と押え板とに当接する案内突起の先端部を球面状に形成したことから、ビルの1回転により開閉する結節爪が結束紐を結節する過程で、カム体に当接して可動爪を開いた案内突起が押え板に当接して可動爪を閉じる際に、押え板に沿って案内突起がビルの回転方向及び軸方向に移動しても、球面状に形成した案内突起の先端部が押え板に引掛ることはなく、スムーズに可動爪を閉じるので、結節ミスを生ずることはなく、円滑に結節作業を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開平11−103640
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−281265