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【発明の名称】 草刈機
【発明者】 【氏名】宮向 圭造

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧ショベルのアームに着脱可能に取り付けられ、カバーの内部に草刈刃を装着した回転軸を垂直面内で回転可能に装設した草刈機において、草刈刃で刈り取られた草をカバー後部に設けられる放出口の適所に設定される放出窓に導くべく、カバー内周に内方に突出してカバーの端から放出窓に向けて斜めに延びる案内板を取り付けたことを特徴とする草刈機。
【請求項2】 回転軸に、外方に突起して回転方向後方が放出窓に向かうよう傾斜させた案内羽根を取り付けた請求項1記載の草刈機。
【請求項3】 回転軸の両端に、回転軸の中央側に風を送る送風羽根を取り付けた請求項1又は2記載の草刈機。
【請求項4】 放出窓が放出口の中央部に設定され、案内板がカバーの両側部から始まって放出窓の両側で終わる請求項1乃至3記載の草刈機。
【請求項5】 草刈機が、駆動原であるエンジンを自装しており、エンジンがカバーに対して伸縮シリンダの伸縮で姿勢変更可能に取り付けられる請求項1乃至4いずれかに記載の草刈機。
【請求項6】 エンジンに、エンジンの傾斜方向及び角度を電気量として検出する傾斜センサを取り付け、傾斜センサの出力で伸縮シリンダを作動させる請求項5記載の草刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルのアームに着脱可能に取り付けられる草刈機に関し、中でも、集草機能を有する草刈機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルのアームに着脱可能に取り付けられるアタンチメント方式の草刈機は、実公平3−045547号公報等で知られている。草刈機の走行機能や支持機能は油圧ショベルが担うから、草刈機ユニットのみを用意すればよく、低価格で装備できる利点があるが、加えて、油圧ショベルは平坦地を走行しながらも、アームを操作して草刈機を傾けることができるから、堤防等の法面の草刈りに適している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの種の草刈機では、刈り取られた草はその場に放散されたままになっていた。このままでは、草刈りを行ったとはいえず、又、モグラ等、害獣の繁殖の因ともなるから、特定の場所まで運搬して持ち去る必要がある。しかし、このように放散した草の除去はやっかいな作業である。多くの場合、まず、放散された草を熊手等でかき集めて集草し、しかる後に運搬車等に積み込むのであるが、この集草作業は大変な労力を要する。一般に草刈りに4、集草に6の労力が要するといわれており、むしろ、集草の手間の方が大きい。本発明は、この面倒で手間のかかる集草を草刈りと同時に行う草刈機を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明は、油圧ショベルのアームに着脱可能に取り付けられ、カバーの内部に草刈刃を装着した回転軸を垂直面内で回転可能に装設した草刈機において、草刈刃で刈り取られた草をカバー後部に設けられる放出口の適所に設定される放出窓に導くべく、カバー内周に内方に突出してカバーの端から放出窓に向けて斜めに延びる案内板を取り付けたことを特徴とする草刈機を提供するものである。
【0005】以上の手段をとることにより、刈り取られた草は案内板の作用で放出窓から帯状に排出されるから、これをそのまま人手又は機械力によってすくいあげればよく、集草する手間が省ける。
【0006】又、本発明は、以上の手段において、回転軸に、外方に突起して回転方向後方が放出窓に向かうよう傾斜させた案内羽根を取り付けた手段、回転軸の両端に、回転軸の中央側に風を送る送風羽根を取り付けた手段を提供する。これらの手段によってカバー内に風が起こるから、草はこの風に乗って案内板に導かれる。又、直接草に作用して放出窓に導く効果も期待できる。
【0007】更に、本発明は、放出窓が放出口の略中央部に設定され、案内板がカバーの両側部から始まって放出窓の両側で終わる手段を提供する。案内板による草の移動が最小のものとなり、案内効果が高い。
【0008】加えて、本発明は、以上の草刈機が、駆動原であるエンジンを自装しており、エンジンがカバーに対して伸縮シリンダの伸縮で姿勢変更可能に取り付けられる手段を提供する。エンジンを自装することで油圧ショベルの駆動馬力を落とさないようにするためであるが、同時に、法面等の草刈りを行えば、エンジンも傾いたままになり、潤滑や燃料供給に悪い影響を与える。そこで、その姿勢が変更できるようにして安定して作動できるようにしたものである。
【0009】この他、本発明は、以上の姿勢変更を、エンジンに、エンジンの傾斜方向及び角度を電気量として検出する傾斜センサを取り付け、傾斜センサの出力で伸縮シリンダを作動させる手段を提供する。エンジンの姿勢制御を自動的に行い、この操作に気を使わなくてもよいようにして草刈りに専念できるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図3は本発明に係る草刈機の背面図、図4は側面図であるが、この草刈機Aは、うつ伏せにした樋状体10aの両端に側板10bを取り付けた形状のカバー10と、カバー10に設けられるエンジンフレーム12を主たる構成とする。
【0011】カバー10の上面には、油圧ショベルのアームが連結できるブラケット14が設けられる。図5はブラケット14の平面図であるが、このブラケット14は、上板14aと下板14bとからなり、このうち、上板14aは、カバー10に固定される下板14bに対して平面回動して角度が変えられるようになっている。又、その上面には、油圧ショベルのアームに連結するピン孔14c等の連結構造が施されている。
【0012】図1はカバー10の横断面図、図2は正面図であるが、カバー10の内部には、長手方向水平に軸架され、外周に草刈刃16を取り付けた回転軸18が設けられている。又、カバー10の後部には、回転軸18と平行にローラ20が設けられ、両側の側板10bの底部には、接地体22も設けられている。更に、側板10bの後方には、側面視横U字形をした延長フレーム24も設けられている。
【0013】エンジンンジンフレーム12は、内燃機関型のエンジン26を支持するものであり、延長フレーム24から張出するブラケット28に回転軸18と直交して設けられる支持軸30によって垂直面内で傾動可能に支持されている。これにより、エンジンフレーム12、即ち、エンジン26は、支持軸30に対して直角な方向(回転軸18に対しては平行な方向)には傾動できることになる。この場合、エンジンフレーム12と延長フレーム24との間には伸縮シリンダ(本例では電動シリンダ)32が介設されており、電動シリンダ32を伸縮させると、エンジンフレーム12は傾動してエンジン26の姿勢が変更できるようになっている。
【0014】回転軸18の一端にはプーリ34が側板10bの外側で取り付けられており、カバー10側に軸支される固定伝動軸38に取り付けられるプーリ40との間にベルト42が張り掛けられている(43はベルトケース)。図6はこの部分を示す要部断面図であるが、固定伝動軸38は、延長フレーム24に垂下される取付板36にベアリング支持されており、エンジン26の出力軸26aと自在継手44で結合されている。又、固定伝動軸38とプーリ34とは電磁クラッチ46を介して結合されている。
【0015】自在継手44を設けるのは、エンジン26の姿勢を変更しても、その動力が固定伝動軸38に伝わるようにするためであり、電磁クラッチ46を設けるのは、回転軸18への動力の断続を遠隔的に操作するためである。尚、エンジン26の姿勢を変更したとき、固定伝動軸38も多少伸縮する必要があるから、固定伝動軸38と自在継手44とはスプライン嵌合等してこれを可能にしている。この他、エンジン26の潤滑油を循環させるポンプ48も設けられており、エンジン28の出力軸26aからプーリ・ベルト機構50によって駆動されている。
【0016】図10、図11は油圧ショベルBに以上の草刈機Aを装着した状態の背面図であるが、油圧ショベルBのアーム52をカバー10のブラケット14のピン孔14cにピン等を差し込んで固定すると、草刈機Aが装着される。図7〜図9はこの状態を示す平面図であるが、このとき、前述したブラケット14の上板14aの角度を調整することにより、アーム52と回転軸18とが平行、45°、直角の三つの姿勢がとれるようになっている。
【0017】草刈りに際しては、アーム52を操作して草刈機Aのローラ20と接地体22とを地面に接地させる。この状態のときのローラ22等の高さは、回転軸18に装着されている草刈刃16の作動半径が地上一定高さになるように設定されており、いわば、刈高さのゲージとなっている。この状態で、エンジン26を駆動して電磁クラッチ46を接続すると、回転軸18は回転し、草刈刃16は草刈りを行うから、油圧ショベルBを移動させると、草刈りができる。
【0018】この場合、油圧ショベルBのアーム52を制御するバケットシリンダ54を伸縮させると、草刈機Aを傾けることができる。従って、油圧ショベルBはほぼ水平に保って堤防等の法面の草刈りもできる(もちろん、水平地の草刈りも可能である)。このように草刈機Aを傾けると、エンジン26も傾くから、潤滑や燃料供給にとって好ましくないものとなるのは前述したとおりである。
【0019】そこで、前記した電動シリンダ32を伸長又は縮短させ、エンジン26の姿勢が水平に近いものになるように修正する。この場合、エンジン26の姿勢変更は電動シリンダ32で行うものであるから、その操作はもちろん油圧ショベルBの座席で行える。又、前記した電磁クラッチ46の操作もそうである。更に、詳細は省略するが、エンジン26のアクセルレバーはサーボモータで操作できるようになっており、これも油圧ショベルBで行える。この他、停止操作も油圧ショベルBで行えるようになっている。このように、作動に重要な操作を遠隔操作できるようにしたのは、草刈機Aの傍まで行かなくて操作できるようにして危険を避けたものである。
【0020】エンジン26の姿勢制御については、その傾きを見ながら人力で電動シリンダ32を操作してもよいが、この他、エンジン26に常時垂直に向く錘を取り付け、錘の傾斜方向及び角度をポテンシオメータで検出し、その出力に応じて電動シリンダ32を動かすようにすれば、エンジン26の姿勢制御を自動で行うことができる。姿勢制御に気を使わなくてもよいから、草刈り作業に専念できる。
【0021】この草刈機Aに用いられる草刈刃16は、ハンマーナイフ式のものが適する。即ち、回転軸18に基柱16aを植設し、この基柱16aに背面視Y形をしたナイフ16bをピン56で垂直回動可能に取り付けるのである。このようなハンマーナイフ式の草刈刃16によれば、草をカバー10内で放擲する力が強く、後述する集草機能に都合が良いからである。この点で、回転軸18も、ナイフ16bが下から草を刈り上げる方向に回転させられるのが適する。
【0022】カバー10を構成する樋状体10aの前面は地上との間で隙間を形成してここを取込口58としている。この場合、取込口58の上部にはカバー10から防御体60が垂下している。草刈刃16で跳ねられた石等を前方に飛び出さないようにするためである。油圧ショベルBを移動させると、地面に生えている草は取込口58から取り込まれ、草刈刃16で刈り取られ、刈り取られた草は樋状体10aの後面と地上との間の隙間、即ち、放出口62から放出される。
【0023】本発明の草刈機Aには、放出口62から放出される草を帯状にする集草機構が設けられている。この集草機構は、カバー10の樋状体10aの内周に形成される案内板64を主体とする。即ち、この案内板64は、内方に突出してカバー10の側端から放出口62の特定の箇所に設定された区域に螺旋状に延びるよう形成されたものである。これにより、草刈刃16で刈り取られた草はカバー10の内周に向かって放擲され、この間、案内板64に案内されてその終端の出口から帯状に放出される。従って、案内板64の終端の出口が放出窓66ということになる。
【0024】この場合、放出窓66は、一般には放出口62の中央部に設定される。草の移送距離が短くなって案内効果が高いからである。このように、放出窓66を放出口62の中央部に設定すると、案内板64はカバー10の両側からこの放出窓66の両側に向けて延びるように形成される。尚、放出窓66の幅は、一般には、草刈刃16の幅の1/3〜1/4程度に設定される。
【0025】本発明では、集草機能を更に向上させるため、回転軸18に、カバー10内に風を起こさせて放擲力を高めると同時に、草に直接作用してこれを案内窓66側に送る案内羽根68を設けている。この案内羽根68は、回転軸18の外周に突起して回転方向後方が放出窓66に向かうよう斜めに取り付けられている。この場合、案内羽根68は、複数設けられ、各々は、放出窓66に近づくほど、傾きを緩くされている。放出窓66側への案内効果を高め、スムーズに排出させるためである。。
【0026】更に、回転軸18の両端には、送風羽根70が取り付けられる。この送風羽根70は、回転軸18の回転に伴って風を中央側に向かって起こし、草を舞い上がらせて案内窓66に送るものであり、案内板64や案内羽根68の効果を補助するものである。尚、送風羽根70による起風効果を高めるため、側板10bに適当な空気の吸引孔72を形成しておく。
【0027】
【発明の効果】以上、本発明によれば、草刈機から放出される草は、放出窓から帯状に連なって堆積するから、後の草の除去作業が非常に楽になる。従って、人員を減らせるとともに、作業時間も短縮できる。
【出願人】 【識別番号】000141912
【氏名又は名称】株式会社共栄建機
【出願日】 平成9年(1997)10月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男
【公開番号】 特開平11−103635
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−287850