トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 刈取収穫機の刈取前処理部
【発明者】 【氏名】花木 誠一

【氏名】征矢 保

【要約】 【課題】構造を簡素化して製作コストを低廉化するとともにメンテナンス作業を簡単に行うことができるようにし、さらに、引起こしチェーンを駆動スプロケット等から外れにくくして、引起こしチェーンによる引起こし作動が確実に行われるようにする。

【解決手段】引起こしフレーム15に支持させた上側の駆動スプロケット16と下側の遊転輪17とにわたって引起こしチェーン19を巻回して構成した引起こし装置6を横方向に複数個並設し、各引起こし装置6の駆動スプロケット16と一体回転する伝動スプロケット21を設け、複数の引起こし装置6の伝動スプロケット21群に伝動チェーン20を巻回して、複数の引起こし装置6を伝動チェーン20で駆動するよう構成するとともに、駆動スプロケット16を上下位置変更自在に構成して、付勢手段22を介して上側にテンション付勢してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引起こしフレームに支持させた上側の駆動スプロケットと下側の遊転輪とにわたって引起こしチェーンを巻回して構成した引起こし装置を横方向に複数個並設してある刈取収穫機の刈取前処理部であって、各引起こし装置の駆動スプロケットと一体回転する伝動スプロケットを設け、複数の引起こし装置の伝動スプロケット群に伝動チェーンを巻回して、複数の引起こし装置を伝動チェーンで駆動するよう構成するとともに、前記駆動スプロケットを上下位置変更自在に構成して、付勢手段を介して上側にテンション付勢してある刈取収穫機の刈取前処理部。
【請求項2】 前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを各別に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して各別に上側にテンション付勢してある請求項1記載の刈取収穫機の刈取前処理部。
【請求項3】 前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを一体に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して一体に上側にテンション付勢してある請求項1記載の刈取収穫機の刈取前処理部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引起こしフレームに支持させた上側の駆動スプロケットと下側の遊転輪とにわたって引起こしチェーンを巻回して構成した引起こし装置を横方向に複数個並設してある刈取収穫機の刈取前処理部に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の刈取収穫機の刈取前処理部は、特開平6‐300119号公報に開示されているように、引起こし装置群の後ろ上方に伝動ケースから動力が伝達される横向きの伝動軸を横架するとともに、この横向きの伝動軸から各引起こし装置の上側の駆動スプロケットに、縦向きの回転軸と、この回転軸の上下両端側に設けたベベルギア機構とを介して動力を分配し、各駆動スプロケットの横側に、引起こしチェーンを横方向にテンション付勢するテンションスプロケットを設けて構成してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれば、前記複数の引起こし装置ごとに、前記縦向きの回転軸と、この回転軸の上下両端側のベベルギア機構とが必要であることから、部品点数が多くなって構造が複雑化し、製作コストが高くなるという問題やメンテナンス作業に手間がかかるという問題があった。
【0004】また、駆動スプロケットの横側に設けたテンションスプロケットで引起こしチェーンを横方向にテンション付勢するよう構成してあったために、駆動スプロケットを前記テンションスプロケットと干渉しないように小径のものにしなければならず、その結果、駆動スプロケットがこのように小径のものになったことと、上記のように駆動スプロケットの横側のテンションスプロケットが引起こしチェーンを横方向にテンション付勢することとで、引起こしチェーンの巻き掛け長さ(駆動スプロケットと接触しているチェーン部分の長さ)が短くなるとともに、巻き掛け角が小さくなって、引起こしチェーンが駆動スプロケット等から外れることがあった。
【0005】本発明の目的は、構造を簡素化して製作コストを低廉化するとともにメンテナンス作業を簡単に行うことができるようにし、さらに、引起こしチェーンを駆動スプロケット等から外れにくくして、引起こしチェーンによる引起こし作動が中断したりすることなく確実に行われるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。
【0007】〔構成〕冒頭に記載した刈取収穫機の刈取前処理部において、各引起こし装置の駆動スプロケットと一体回転する伝動スプロケットを設け、複数の引起こし装置の伝動スプロケット群に伝動チェーンを巻回して、複数の引起こし装置を伝動チェーンで駆動するよう構成するとともに、前記駆動スプロケットを上下位置変更自在に構成して、付勢手段を介して上側にテンション付勢してある。
【0008】〔作用〕
〔イ〕複数の引起こし装置の伝動スプロケット群に伝動チェーンを巻回して、複数の引起こし装置を伝動チェーンで駆動するよう構成してあるから、従来の技術のように、横向きの伝動軸から各引起こし装置の上側の駆動スプロケットに、縦向きの回転軸と、この回転軸の上下両端側に設けたベベルギア機構とを介して動力を分配する構造のものに比べると、前記複数の引起こし装置ごとに、前記縦向きの回転軸と、この回転軸の上下両端側のベベルギア機構とを設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。
【0009】〔ハ〕駆動スプロケットを上下位置変更自在に構成して、付勢手段を介して上側にテンション付勢してあるから、テンションスプロケットが不要となり、従来のテンションスプロケットが位置していた空間があいて、駆動スプロケットを大径のものにすることができる。その結果、駆動スプロケットを大径のものにすることができたことと、上記のように駆動スプロケットを上側にテンション付勢することとで、引起こしチェーンの巻き掛け長さが長くなるとともに、巻き掛け角が大きくなって、引起こしチェーンが駆動スプロケット等から外れにくくなる。
【0010】〔効果〕従って、前記作用〔イ〕,〔ロ〕,〔ハ〕により、構造を簡素化できて、製作コストを低廉化できるとともにメンテナンス作業を簡単に行うことができるようになり、さらに、引起こしチェーンを駆動スプロケット等から外れにくくすることができて、引起こしチェーンによる引起こし作動が中断したりすることなく確実に行われるようなった。
【0011】請求項2による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。
【0012】〔構成〕請求項1にかかる発明において、前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを各別に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して各別に上側にテンション付勢してある。
【0013】〔作用〕請求項1の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、各引起こし装置ごとにその駆動スプロケットを上側にテンション付勢してあるから、例えば各引起こし装置の間で引起こしの負荷が異なる状態になっても、他の引起こし装置の負荷の影響を受けることなく、各引起こし装置ごとに所望のテンション力を維持できる。
【0014】〔効果〕従って、請求項1の構成による効果と同様の効果を奏することができるのに加え、引起こしチェーンによる引起こし作動がより確実に行われるようなった。
【0015】請求項3による発明の構成・作用・効果はつぎのとおりである。
【0016】〔構成〕請求項1にかかる発明において、前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを一体に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して一体に上側にテンション付勢してある。
【0017】〔作用〕請求項1の構成による作用と同様の作用を奏することができるのに加え、前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを一体に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して一体に上側にテンション付勢してあるから、例えば前記複数の引起こし装置の駆動スプロケットを各別に上下位置変更自在に構成して、前記付勢手段を介して各別に上側にテンション付勢しある構造のものに比べると、部品点数が少なくて済む。
【0018】〔効果〕従って、請求項1の構成による効果と同様の効果を奏することができるのに加え、構造をより簡素化することができた。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に刈取収穫機としてのコンバインの側面を示している。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1で走行する機体の前部に、刈取り前処理部2を昇降揺動自在に連結するとともに、機体上に脱穀装置3・操縦部4・穀粒回収タンク5等を搭載し、前記刈取り前処理部2の前端に横方向に並列して傾斜立設した4個の引起こし装置6で植立穀稈を所定の刈取り姿勢まで引起こし、その株元を刈刃7で切断し、刈り取った穀稈を搬送装置8によって後ろ上方に搬送して、横倒れ姿勢にして脱穀装置3のフィードチェーン9に受渡し、脱穀選別処理して穀粒をタンク5に回収するように構成されている。
【0020】図2,図5に示すように、前記引起こし装置6群の上方には伝動ケースから動力が伝達される横向きの伝動軸12を横架してあり、この伝動軸12に第1ベベルギア機構10を介して縦向きの回転軸11の上端側を連動連結するとともに、前記回転軸11の下端側に第2ベベルギア機構13を介して所定の引起こし装置6側への前後向きの出力軸14を連動連結してある。
【0021】前記引起こし装置6は、引起こしフレーム15に支持させた駆動スプロケット16と下側の遊転輪17とにわたって複数の引起こし爪18付きの引起こしチェーン19を巻回して構成してある。そして、図3,図4にも示すように、各引起こし装置6の駆動スプロケット16の裏面側に一体に設けた複数の伝動スプロケット21に伝動チェーン20を巻回し、前記伝動チェーン20が巻回される状態に設けた入力スプロケット28を前記出力軸14に連動連結し、各駆動スプロケット16を一体に上下位置変更自在に構成して、付勢手段としてのスプリング22を介して一体に上側にテンション付勢してある。
【0022】詳述すると、横長の支持板23に全ての引起こし装置6の駆動スプロケット16を回転自在に支持させるとともに、前記支持板23を引起こしフレーム15に前後方向から重ね合わせた状態で、支持板23に形成した縦に長い長孔24に、引起こしフレーム15側の前後向きのピン25を挿通させるとともに、引起こしフレーム15から後方に延出した第1延出部26Aと、支持フレーム23から後方に延出した第2延出部26Bとに前記スプリング22を介在させてある。また図2,図5に示すように、前記入力スプロケット28は中間の二つの引起こし装置6の間に位置する状態に前記前記出力軸14に連動連結してあり、前側入力スプロケット28Aと後側入力スプロケット28Bから成る。そして、前側入力スプロケット28Aと、左端の駆動スプロケット16に設けた伝動スプロケット21とに伝動チェーン20を巻回し、さらに、後側入力スプロケット28Bと、残りの3個の駆動スプロケット16に各別に設けた伝動スプロケット21と、2個の遊転スプロケット27とに、別の伝動チェーン20を巻回してある。
【0023】〔別実施形態〕図6に示すように、4枚の支持板23に4個の引起こし装置6の駆動スプロケット16を各別に回転自在に支持させるとともに、各支持板23を引起こしフレーム15に前後方向から重ね合わせた状態で、前記支持フレーム23に形成した縦に長い長孔24に、引起こしフレーム15側の前後向きのピン25を挿通させるとともに、各支持フレーム23を上方に4個のスプリング22を介して引き上げて、4個の駆動スプロケット16を各別に上側にテンション付勢するよう構成してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−75478
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−245209