| 【発明の名称】 |
コンバインの対地高さ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 均
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| 【要約】 |
【課題】刈取前処理装置の昇降回動位置に、ポテンショメ−タ−を装備せずに、バックリフト時に刈取前処理装置の高さを保持でき、安全なバック走行を行う。
【解決手段】刈取前処理装置6は、前記走行車体3を後進走行に切り換えると、関連して接地位置から上昇するバックリフトができる構成にする。この刈取前処理装置6の下部接地側に、対地高さを検出する左右の接地センサSL、SRを、吊り下げ状態に設ける。この接地センサSL、SRから検出信号を受信して、前記機体昇降手段2L、2Rや刈高調節手段5を制御する制御手段を設ける。この制御手段は、バックリフトの作動中において、前記接地センサSL、SRが地面から離れたときから所定時間、前記刈取前処理装置6が上昇を続ける状態を保持できる構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対の走行装置1L、1Rが備えられ、これら走行装置1L、1Rを、各別に昇降駆動する一対の機体昇降手段2L、2Rが設けられている走行車体3上に、脱穀装置4が搭載されたものであって、前記走行車体3の前部には刈高調節手段5を介して刈取前処理装置6が上下昇降自由に設けられ、この刈取前処理装置6は、前記走行車体3を後進走行に切り換えると、関連して接地位置から上昇するバックリフトができる構成にされ、この刈取前処理装置6の下部接地側に、対地高さを検出する左右の接地センサSL、SRが、吊り下げ状態に設けられ、該接地センサSL、SRから検出信号を受信して、前記機体昇降手段2L、2Rや刈高調節手段5を制御する制御手段Cが設けられ、該制御手段Cは、バックリフトの作動中において、前記接地センサSL、SRが地面から離れたときから所定時間α、前記刈取前処理装置6が上昇を続ける状態を保持できる構成とされているコンバインの対地高さ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの対地高さ制御装置に関し、農業機械の技術分野に属するものである。 【0002】 【従来の技術】従来からコンバインは、圃場面に対して、接地して高さを検出する接地センサや非接触式の超音波等を利用した刈高センサ等を利用して、刈高を一定に保ちながら刈取作業を行う刈高制御装置を装備していた。また、主として稲麦用のコンバインは、走行車体にレベルセンサを装備して、走行車体を水平制御しながら作業を行う構成のものもあった。 【0003】通常、稲麦用のコンバインは、穂部が穀稈上部の一定高さ位置に実っておるから低部から刈取る必要がなく、脱穀装置の選別性能を重視して水平制御(図6参照)が利用され、大豆用のコンバインは、大豆の茎稈には地面に近い部分から着粒していることが多いから、刈り残しの無駄をなくするために、圃場面に近い部位から刈取る平行制御が採用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来からこの種のコンバインは、機体に対する刈取前処理装置の上下昇降の全ストロ−クをポテンショメ−タ−で計測しながら、検出情報を制御手段に入力する構成を採用し、バックリフトの場合も、予め、上昇停止位置を設定(地上約40cm)しておいて作業を行う構成にしていた。 【0005】これに対して、本発明は、コストダウンと機械の簡素化を図るために、刈取前処理装置の昇降位置を計測するポテンショメ−タ−を省略した構成でありながら、必要な安全機能を保持するために、次項に述べるような技術手段を講じたものである。この構成によって、本発明は、バックリフト時に刈取前処理装置の高さを一定に保持出来て、安全にバック走行を行うことが出来るものとなった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、左右一対の走行装置1L、1Rが備えられ、これら走行装置1L、1Rを、各別に昇降駆動する一対の機体昇降手段2L、2Rが備えられている走行車体3上に、脱穀装置4が搭載されたものであって、前記走行車体3の前部には刈高調節手段5を介して刈取前処理装置6が上下昇降自由に設けられ、この刈取前処理装置6は、前記走行車体3を後進走行に切り換えると、関連して接地位置から上昇するバックリフトができる構成にされ、この刈取前処理装置6の下部接地側に、対地高さを検出する左右の接地センサSL、SRが、吊り下げ状態に設けられ、該接地センサSL、SRから検出信号を受信して、前記機体昇降手段2L、2Rや刈高調節手段5を制御する制御手段Cが設けられ、該制御手段Cは、バックリフトの作動中において、前記接地センサSL、SRが地面から離れたときから所定時間α、前記刈取前処理装置6が上昇を続ける状態を保持できる構成とされているコンバインの対地高さ制御装置としたものである。 【0007】 【発明の効果】以上のとおり、本発明は、刈取前処理装置の昇降位置を、全ストロ−クについて計測するポテンショメ−タ−を省略することにより、機械を簡素化してコストダウンを行うものでありながら、バックリフト後のバック走行を安全に行うことが出来る刈取前処理装置の高さ位置を確保することが出来る特徴を有するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】まず、その構成について述べる。以下、本明細書における左(L)、右(R)の表現は、全て走行車体3の前進方向に向かって見た状態を基準にして説明する。走行車体3は、ゴムを素材として成型したクロ−ラからなる左右一対の走行装置1L、1Rを設け、上部に脱穀装置4を搭載している。 【0009】そして、機体昇降手段2L、2Rは、左右の走行装置1L、1Rに対応させて左右にそれぞれ設け、各別に走行装置1L、1Rを上下昇降して走行車体3の左右の高さを調節する構成としている。すなわち、機体昇降手段2L、2Rは、一端を機体に枢着した油圧式の伸縮シリンダ8L、8Rの他端を、中間部を機体に枢着した駆動リンク9L、9Rの上側にそれぞれ枢着して設け、これらの前方側には、上記駆動リンク9L、9Rと同型の縦動リンク10L、10Rを、中間部を機体に枢着して設けて前記駆動リンク9L、9Rとをロット11L、11Rを介して一体的に連動可能に連結している。なお、機体昇降手段2L、2R(伸縮シリンダ8L、8R)は、後述する制御手段Cから出力される操作信号に基づき油圧の制御回路によって伸縮操作される構成としている。 【0010】つぎに、走行作動枠12L、12Rは、前記走行装置(クロ−ラ)1L、1Rの内側に配置して複数の転輪13を軸架してクロ−ラを巻回した状態で案内できる構成とし、前記駆動リンク9L、9Rと縦動リンク10L、10Rとの下端部にそれぞれ枢着連結して左右各別に上下できる構成としている。そして、駆動スプロケット14は、具体的には図示していないが、従来から公知のように、走行ミッション装置から外部に延長したホイ−ルシャフトに軸着して設け、前記走行装置(クロ−ラ)1L、1Rに回転動力を伝達する構成としている。そして、走行装置(クロ−ラ)1L、1Rは、上記機体昇降手段2L、2Rにより昇降するとき、駆動スプロケット14を支点にした状態で上下昇降する構成となっている。 【0011】つぎに、脱穀装置4は、図8に示すように、前部上方位置に扱胴15を軸架した扱室16を設け、供給側に供給装置17を、排出側に送り出しビ−タ18を軸架して構成している。19は揺動移送板である。そして、脱穀装置4は、扱室16の下側に選別室20を配置して揺動選別板21を揺動自由に架設し、その下側において、選別方向の上手側から圧風唐箕22、一番移送螺旋23、二番移送螺旋24の順に配置し、それぞれ駆動可能に軸装して構成している。そして、揺動選別板21は、選別方向の上手側から移送棚21a、グレンシ−ブ21b、ストロ−ラック21cの順に配置して一体構成としている。グレンタンク25は、脱穀装置4の右側に併設しており、一番移送螺旋23を通して送り出された大豆を貯溜する構成としている。 【0012】つぎに、刈取前処理装置6は、図8に示すように、前部からリ−ル26と、分草杆27と、広幅の刈取装置28と、掻込装置29と、搬送エレベ−タ30とを前部機枠31に一体的に枠組みして構成している。そして、前部機枠31は、前記脱穀装置4の前部に搬送エレベ−タ30の上部の駆動輪32を回動支点にして上下方向に回動自由に枢着して取り付けている。そして、刈高調節手段5は、油圧シリンダ33からなり、走行車体3の前部と前部機枠31との間に設けて走行車体3に対して刈取前処理装置6を上下回動自由に支持して構成している。なお、油圧シリンダ33は、後述する制御手段Cから出力される操作信号に基づいて伸縮する構成としている。そして、リ−ル26は、回転にともなって圃場の大豆の茎稈を刈取装置28側に掻き込む機能を有し、掻き込まれた茎稈を刈取装置28が刈り取る構成としている。 【0013】そして、掻込装置29は、横軸に軸着した回転ドラムに搬送エレベ−タ30の始端部の供給口に向けて搬送する送り螺旋と、掻き込みフィンガ−とを装備し、刈取茎稈を搬送エレベ−タ30に供給する構成としている。そして、搬送エレベ−タ30は、上述の駆動輪32と下部の縦動輪34との間にコンベヤベルト35を巻回して搬送する構成としている。 【0014】つぎに、接地センサSは、図2、図4に示すように、鋼板を素材として所定の接地幅を有し、一対の左右接地センサSL、SRから構成し、前部機枠31の底部前側の接地位置に、左側と右側との支軸36に揺動自由に枢着し、左右独立的に揺動できる構成としている。そして、後部プレ−ト37は、左右接地センサSL、SRの後端部に上下揺動自由に枢着し、基部を左右接地センサSL、SRに取り付けた引張りスプリング38によって常時、上方側に引張り力を付与する構成としている。 【0015】したがって、左右接地センサSL、SRは、図2に示すように、後部プレ−ト37がどの位置においても後部が上方に位置して前部機枠31の底部に接触しており、バック走行も安全にできる構成となっている。そして、左右接地センサSL、SRは、図2に示すように、略三角形状の揺動ア−ム39を、前記支軸36を介して一体的に揺動する構成とし、その揺動ア−ム39の上部位置には作動ピン40、40’を固着している。更に、ポテンショメ−タ41、41’は、それぞれ前部機枠31に設け、先端側を前記作動ピン40、40’に摺動自由に係合させた音叉形状の作動杆42、42’の基部を連結して構成している。なお、ポテンショメ−タ41、41’は、後述する制御手段Cに検出信号を入力する構成とし、一方が機体昇降制御(対地平行制御)の検出情報として利用し、他方を刈高調節制御の検出情報として利用する仕組みとしている。 【0016】このように構成した左右接地センサSL、SRからポテンショメ−タ41、41’に至る検出信号の伝達経路(左右接地センサSL、SR、揺動ア−ム39、作動ピン40、40’、作動杆42、42’)は、前部機枠31の左右両側にそれぞれ同じ構成にして設けている。つぎに、コントロ−ラC(制御手段Cに相当する。以下同じ。)は、図1に示すように、予め設定して記憶させているデ−タ−と各センサSから入力される検出情報とに基づいて比較演算しながら、出力側に接続している各アクチュエ−タに操作信号を出力して対地平行制御、水平制御、刈高調節制御を行う構成としているが、以下、実施例を具体的に説明する。 【0017】まず、コントロ−ラCは、入力側に、自動スイッチ43(自動制御を入力するスイッチ)、制御切換スイッチ44(対地平行制御と水平制御とを選択して切り換えるスイッチ)、伸縮位置検出メ−タ45L、45R(伸縮シリンダ8L、8Rの伸縮位置を検出するメ−タ)、左ポテンショメ−タ41、41’と右ポテンショメ−タ41、41’(左右の接地センサSL、SRからの検出信号が入力する。)、平行(水平)設定ダイヤル46、刈高設定ダイヤル47、バックリフトスイッチ48を接続している。 【0018】そして、コントロ−ラCは、出力側に、左右のソレノイドバルブ49、49’(左右の伸縮シリンダ8L、8Rの油圧回路中の制御弁を操作する。)、ソレノイドバルブ50(刈高調節手段5を構成する油圧シリンダ33の油圧回路中の制御弁を操作する。)を接続している。そして、コントロ−ラCは、バックリフトスイッチ48をON操作して、前進走行しながら作業を続け、圃場の端に達して走行を中断して走行ミッション装置をバック走行に切り換えると、バックリフトの操作信号を出力し、ソレノイドバルブ50を切り換えて油圧シリンダ33に圧油を送む構成にしている。そのため、刈取前処理装置6は、上昇を開始する。そして、コントロ−ラCは、左右接地センサSL、SRが上方へ上がり地面から離れても所定時間(0、3〜0、5秒間)の間、上昇信号を継続して出力し続け、油圧シリンダ33を、更に、伸長して刈取前処理装置6を上昇させることができる構成としている。 【0019】そして、平行(水平)設定ダイヤル46は、平行制御時(接地センサSの検出情報に基づく制御を行うとき)と水平制御時(図6に示すレベルセンサ51の検出情報に基づく制御を行うとき)共に、図7に示すaの位置を基準値の位置に設定して構成している。このように構成すると、平行(水平)設定ダイヤル46は、一個のダイヤルを両方の制御に使用できるから、構成が簡略になると共に、平行と水平との両制御間の切り換えにあたり、常に、a位置が基準となることにより操作上違和感を感じない特徴がある。 【0020】更に、平行(水平)設定ダイヤル46は、走行車体3の車高調節を左右で段違いにセットできる配慮した構成とし、その範囲において制御を可能にしている。すなわち、設定ダイヤル46は、左側への回転操作又は右側への回転操作により、予め、地表面の傾斜(例えば、畝)に合わせて傾けてセットできる構成にして適応範囲を拡げる工夫をしている。 【0021】そして、コントロ−ラCは、実施例(図7参照)の場合、上下高さ設定スイッチ55を設けて、左右接地センサSL、SRの任意の高さを選択して、予め設定できる構成にしている。このように構成すると、オペレ−タ−は、予めセットした刈高さの範囲で対地平行ロ−リング制御を行うことが出来る特徴がある。このように、実施例の構成によるコントロ−ラCは、平行制御において、水平制御のときと同様に、高い車高範囲又は低い車高範囲を維持した状態で対地平行制御を可能に構成しているから、実作業においてきわめて有効に利用できる効果がある。 【0022】つぎにその作用について説明する。以上のように構成されているコンバインは、まず、各スイッチ類をON操作し、更に、制御切換スイッチ44を平行制御にし、バックリフトスイッチ48もONしてエンジンを始動しながら作業の準備を完了する。そして、走行車体3は、機体の回転各部を駆動しながら走行装置1L、1R’を伝動して前進させて、刈取脱穀作業を開始する。 【0023】すると、圃場の大豆は、株元が分草杆27に分草されながら、茎稈上部がリ−ル26によって回転誘導されて掻込装置29側に掻き込まれ、株元が刈取装置28によって刈り取られる。そして、大豆の茎稈は、掻込装置29の作用を受けながら搬送エレベ−タ30の始端部に供給されてコンベヤベルトの搬送作用を受けながら上方に達して脱穀装置4に供給される。 【0024】このようにして、脱穀装置4に供給された大豆の茎稈は、脱穀処理作用を受けた後、選別室20において選別され、精選された大豆が一番移送螺旋23を経て揚穀装置により揚穀され、グレンタンク25に順次供給されて貯溜される。このような刈取、脱穀作業中において、走行車体3は、接地センサSL、SRの検出情報に基づいて、コントロ−ラCから出力される操作信号により左右のソレノイドバルブ49、49’が調節制御され、伸縮シリンダ8L、8Rを伸縮制御しながら走行装置1L、1Rを調節しながら対地平行制御が行われている。したがって、刈取装置28は、茎稈を地面近くから刈り取りながら進み、茎稈下部の着粒をロスなく収穫することが出来る。 【0025】つぎに、走行車体3は、圃場の端に達して方向変換(車体の旋回)を行うために、まず、走行ミッション装置をバック走行に切り換え操作をする。すると、コントロ−ラCは、バックリフトの制御が働いて、ソレノイドバルブ50に操作信号を出力して切り換え、圧油を油圧シリンダ33(刈高調節手段5)に供給して伸長し、刈取前処理装置6を上昇させる。 【0026】更に、コントロ−ラCは、刈取前処理装置6が上昇して接地センサSL、SRが地面から離れて宙吊り状態になっても所定時間α、実施例の場合、約0、3〜0、5秒間、上昇出力を出し続けて終了する。したがって、刈取前処理装置6は、バック走行に支障のない高さ位置に上昇して停止することができて、安全に走行できる。通常の場合、平行制御を続行中のコントロ−ラCは、刈取前処理装置6が上昇して接地センサSL、SRが地面から離れて宙吊り状態に達すると、適正な刈高を維持するために(上昇信号を中断)、刈取前処理装置6を下降する操作信号を出力するが、本発明の実施例においては、上述のとおり、バックリフトにオフディレ−を組み込むことによって、簡易な構成でありながら安全作業ができるものとなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月3日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−75465 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−238498 |
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