トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 根菜収穫機
【発明者】 【氏名】楢原 陽三郎

【氏名】村田 茂樹

【氏名】中矢 昭彦

【氏名】上窪 啓太

【要約】 【課題】圃場面に垂れ下がっている根菜Kの茎葉部を確実に挟持して引き抜くようにする。

【解決手段】走行機体1に、圃場に植生している根菜Kの根部より下方を振動させて掘り起すためのサブソイラ体25と、先端を進行方向前側にて圃場面に接近配置させ、後端側を進行方向後側にて上方になるように後傾斜配置させて圃場の根菜類の茎葉部を挟持して引き抜き搬送する左右一対の挟持無端帯3,3とを備える。未掘り起こし側の挟持無端帯3の先端側の前面には分草タイン15を略垂直面に沿って上向き移動するようにデバイダ14を配置し、既掘り起こし側の挟持無端帯3の先端側の前面には、掻込みタイン17が、デバイダ14の側面と対峙するようにして上向き移動する茎葉掻込み装置16を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対の走行クローラを備えた走行機体に、圃場に植生している根菜の根部より下方を振動させて掘り起すためのサブソイラと、先端を進行方向前側にて圃場面に接近配置させ、後端側を進行方向後側にて上方になるように後傾斜配置させて圃場の根菜類の茎葉部を挟持して引き抜き搬送する左右一対の挟持無端帯と、該一対の挟持無端帯の後部にて前記茎葉部を除去するための切断手段とを備えた根菜収穫機であって、走行機体の平面視において、前記左右一対の挟持無端帯のうち、未掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、デバイダにおける分草タインを略垂直面に沿って移動するように配置する一方、既掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、茎葉掻き起こし装置における掻込みタインを前記デバイダの側面に沿って移動するように配置したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項2】 前記走行機体の側面視において、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインの先端を前記デバイダにおける側面カバー部と対峙させて移動するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の根菜収穫機。
【請求項3】 前記左右一対の挟持無端帯の先端の左右中心を、前記茎葉掻き起こし装置における基部ケースの掻込み作用側端縁と、前記デバイダにおける側面カバー部との間の隙間寸法の半分よりも既掘り起こし側に位置させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の根菜収穫機。
【請求項4】 前記デバイダにおける側面カバー部には、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインにて掻込みされた茎葉部を前記左右一対の挟持無端帯の先端部側に案内するための案内板を突設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の根菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人参等の根菜の収穫機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来公知の根菜の収穫機の構造として、特開平8−168309号公報では、走行機体に装着された左右一対の走行クローラにて走行する走行機体の一側寄りの下部前方から走行機体の上部後方にわたって左右一対の挟持無端帯を配置し、該挟持無端帯の前部下方には、圃場に植生された人参等の根菜の下方を振動にて掘り起こす堀起し刃を設ける一方、前記左右一対の挟持無端帯の後端部には、挟持搬送される人参の茎葉部と根部との間を切断する左右一対のロータリカッターを配置し、走行機体の後端には、前記切断されて落下する人参の根部を受け止めるコンテナ載置台を設けたものが開示されている。
【0003】また、この公報では、圃場に植生する2列の根菜を同時に掘り起こして引き抜き搬送するために、前記左右一対の挟持無端帯における先端部の前面側には,左右一対の茎葉掻き起こし装置を、その各掻込みタインが相対向して、茎葉部を掻込むように移動すべく配置し、さらに前記各茎葉掻き起こし装置の前面側には、デバイダを、その分草タインが略垂直面に沿って移動するように配置することを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、未掘り起こし側に配置された茎葉掻き起こし装置における非作用側の掻込みタインが未掘り起こし側の根菜における茎葉部を引っ掛けるおそれがあるため、掻込みタインを長く形成できないという問題があった。また、既掘り起こし側では、デバイダの分草タインが移動しても、分草すべき茎葉部が存在しないから、殆ど分草の役割を果たさない無用のものであった。
【0005】本発明は、これら従来の問題点を解決し、構造の簡単な根菜収穫機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の根菜収穫機は、左右一対の走行クローラを備えた走行機体に、圃場に植生している根菜の根部より下方を振動させて掘り起すためのサブソイラと、先端を進行方向前側にて圃場面に接近配置させ、後端側を進行方向後側にて上方になるように後傾斜配置させて圃場の根菜類の茎葉部を挟持して引き抜き搬送する左右一対の挟持無端帯と、該一対の挟持無端帯の後部にて前記茎葉部を除去するための切断手段とを備えた根菜収穫機であって、走行機体の平面視において、前記左右一対の挟持無端帯のうち、未掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、デバイダにおける分草タインを略垂直面に沿って移動するように配置する一方、既掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、茎葉掻き起こし装置における掻込みタインを前記デバイダの側面に沿って移動するように配置したものである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の根菜収穫機において、前記走行機体の側面視において、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインの先端を前記デバイダにおける側面カバー部と対峙させて移動するように配置したものである。さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の根菜収穫機において、前記左右一対の挟持無端帯の先端の左右中心を、前記茎葉掻き起こし装置における基部ケースの掻込み作用側端縁と、前記デバイダにおける側面カバー部との間の隙間寸法の半分よりも既掘り起こし側に位置させたものである。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の根菜収穫機において、前記デバイダにおける側面カバー部には、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインにて掻込みされた茎葉部を前記左右一対の挟持無端帯の先端部側に案内するための案内板を突設したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は根菜収穫機の側面図、図2は概略平面図、図3は正面図、図4は動力伝達系統の平面図である。図2に示す平面視において、走行機体1の下方に左右一対の走行クローラ2a,2bを配置し、走行機体1上には、人参等の根菜Kの既掘り起こし側(図2において上側、進行方向右側)の走行クローラ2bの外縁より内側(未掘り起こし側)に、前端から操縦コラム4、運転座席5、エンジン6を配置し、走行機体1の後端側には、トランスミッション7を配置し、該トランスミッション7から前記左右一対の走行クローラ2a,2bの後端に配置された駆動輪8(図1参照)に動力伝達される。また、根菜Kの未掘り起こし側(図2において下側、進行方向左側の走行クローラ2aの外縁より外側(未掘り起こし側)に、左右一対の挟持無端帯3,3からなる挟持搬送手段の少なくとも先端側が位置するように配置される。
【0010】走行機体1の後部寄り部位の作業部回動支点9にてブラケット10aを介して上下回動可能に支持された支持フレーム10に装着された始端ホイール11,11及び後端ホイール12,12には、前記左右一対の挟持無端帯3,3が巻掛けられ、各挟持無端帯3の前後中途部は多数の中間ホイール13‥‥にて略一直線状に支持されている。第1の実施形態においては、図2及び図4に示すように、左右一対の挟持無端帯3,3による根菜Kの茎葉部の挟持搬送ラインHが、前記根菜Kの未掘り起こし側の走行クローラ2aの外縁より外側にて走行機体1の平面視にて進行方向と平行状となるように配置される。なお、前記始端ホイール11,11と一体的に回転する大径の掻込みホイール(図示せず)を設けることにより、挟持搬送の開始部を構成する。
【0011】前記左右一対の挟持無端帯3,3のうち、根菜Kの未掘り起こし側の前方の下部には、引き抜くべき根菜Kの茎葉部を、それより未掘り起こし側の根菜Kの茎葉部と絡まらないように分離するためのデバイダ14を備える。このデバイダ14は、回転駆動するチェンに、基端が所定間隔にて多数装着された分草タイン15が進行方向の前面側において、略垂直面内にて圃場面19から上向きに移動するように構成されている。
【0012】また、前記左右一対の挟持無端帯3,3のうち、根菜Kの既掘り起こし側の前方の下部には、引き抜くべき根菜Kの茎葉部を前記挟持搬送ラインH方向に掻き込むための茎葉掻き込み装置16が配置されている。この茎葉掻き込み装置16では、回転駆動するチェン16aに、基端が所定間隔にて多数装着された掻込みタイン17が始端ホイール11の前面側にて前記デバイダ14における分草タイン15と互いに略直交するように配置され、且つ掻込みタイン17が圃場面19から上向きに移動するとき、当該掻込みタイン17の先端がデバイダ14における分草タイン15の非作用側となる側面カバー部14aと対峙するように配置されている。
【0013】このように、デバイダ14における略垂直面内にて上向き移動する分草タイン15と、このデバイダ14における側面カバー部14aに直交するような掻込みタイン17を有する茎葉掻き込み装置16とにより、掘り起こすべき根菜Kにおける垂れ下がった茎葉部の左右両側を上向きに掻上げることができるから、始端ホイール11,11に巻掛けられる左右一対の挟持無端帯3,3からなる挟持搬送手段の挟持搬送の開始部にて、前記茎葉部を確実に挟持させることができる。
【0014】また、図5に示すように、茎葉掻き込み装置16におけるチェン16a及び掻込みタイン17の基部を覆うための基部ケース16bのうち、掻込みタイン17の作用側(前記デバイダ14の側面カバー部14aと対面する側)の端縁16cと前記側面カバー部14aとの間の隙間寸法Wの半分の位置が、前記左右一対の挟持無端帯3,3による挟持搬送手段の少なくとも先端側(始端ホイール11,11の間)である挟持搬送の開始部の位置(もしくは前記挟持搬送ラインH)よりも未掘り起こし側に寸法dだけ偏位するように配置されている。換言すると、図5で示す走行機体の正面視において、掻込み作用側における掻込みタイン17の基部に近い側に前記挟持搬送ラインHを配置することで、茎葉掻き込み装置16における下端(圃場面に近い部位)にて掻込みタイン17が移動する軌跡(掻込み作用領域)からはみ出す不作用領域(掻込みタイン17の先端が移動する領域より半径外側であって、側面カバー部14aとで囲まれる領域)を少なくすることができるから、人参等の根菜の茎葉部が圃場面19に垂れ下がっているものを、掻込みタイン17にて引き起こし易くなり、前記左右一対の挟持無端帯3,3による挟持搬送を確実に実行できる。さらに、前記掻込みタイン17の長さを大きくすれば、前記デバイダ14の側面カバー部14aとの隙間寸法が大きくなり、圃場に植生された根菜Kの位置が確認し易くなるのである。
【0015】なお、図5に示すように、前記デバイダ14の側面カバー部14aのうち下端側にて突設した案内板56を前記不作用領域に配置すると、走行機体1の前進につれて当該不作用領域における案内板56にて、前記圃場面19に垂れ下がっている茎葉部を前記掻込みタイン17による作用領域に案内(誘導)し、当該茎葉部を前記左右一対の挟持無端帯3,3による挟持搬送を一層確実にすることができる。
【0016】さらに、走行機体の内側面の上下回動支点20,21を中心にして上下回動可能な平行リンク22,23の先端側に縦支持杆24が連結され、この縦支持杆24の下端には根菜Kの根部より下方を掘り起こすためのサブソイラ体25が固定されている。そして、前記下部のリンク23の基端と走行機体1との間に装着された油圧シリンダ26にて前記平行リンク22,23を昇降回動させるように構成されている。
【0017】また、図1及び図2に示すように、前記上部の回動支点20の入力軸20aに固定したプーリ28と、前記エンジン6の出力プーリ27とに無端帯29を巻掛けして入力軸20aを回転させ、この入力軸20aに被嵌した偏心ボス(図示せず)を介して前記上部のリンク22の基端を連結し、前記リンク22を上下方向に振動駆動させる。これにより、圃場面19から差し込んだサブソイラ体25を根菜Kの根部より下方にて上下に振動させて、走行機体1の前進移動につれて根菜Kの根部を掘り起こすように構成されている。
【0018】なお、図1、図2及び図4に示すごとく、前記作業部回動支点9と同芯軸上に設けたパイプ状の動力伝達横フレーム30の先端に前向きパイプフレーム31を連結し、該前向きパイプフレーム31の先端には、左右一対の挟持無端帯3,3の長手方向中途部の上方において根菜Kの既掘り起こし側に向かって延びる茎葉掻き込み用伝達パイプ32を連結し、該茎葉掻き込み用伝達パイプ32の未掘り起こし側端部から前方向に延びる伝達ケース33を介して、前記デバイダ14の上部にデバイダ用伝達ケース34を連結する。そして、前記上部の回動支点20と同軸の入力軸20aに固定したプーリ37からベルト等の無端帯38を介して前記作業部回動支点9と同芯軸上であって、動力伝達横フレーム30内に嵌挿される入力軸39の突出端に固定したプーリ40に動力伝達し、さらに、前向きパイプフレーム31、茎葉掻き込み用伝達パイプ32、伝達ケース33及びデバイダ用伝達ケース34内の伝達軸等の伝達機構を介して、茎葉掻き込み装置14及びデバイダ16に各々動力伝達される。
【0019】また、前記作業部回動支点9と同芯軸である入力軸39に固定されたプーリからチェン41を介して後部伝動ケース42に動力伝達し、前記左右一対の挟持無端帯3,3における両後端ホイール12と同軸の入力部に動力伝達して両挟持無端帯3,3を回動駆動すると共に、前記両後端ホイール12より下部にて、根菜Kの茎葉部を水平後方に搬送するための左右一対で上下に配置された無端搬送帯43a,43bからなる茎葉排出装置43及び左右一対の水平回転する回転刃44a,44aからなる切断手段44に回転力を伝達する。なお、前記両後端ホイール12より下部には、根菜Kの根部の上端を水平後方向に案内することにより、前記茎葉排出装置43へ茎葉部を受け継がせるための左右一対の案内杆45が配置されている。
【0020】前記切断手段44の下方には、茎葉部を切除分離された根菜Kの根部を受け止め、走行機体1の後端の側方(根菜Kの既掘り起こし側)に搬送するための、選別コンベヤ46が配置されており、前記トランスミッション7のPTO出力軸36から、プーリ、チェン47a,47bを介して選別コンベヤ46への入力部46aに動力伝達される。この選別コンベヤ46は、一対の無端チェン間に多数の棒状のスラット46bが一定間隔にて張り渡されているものであり、走行機体1の後端にて歩行する作業者が、選別コンベヤ46上の根菜Kのうち不良品を選り分ける。選別コンベヤ46の排出端には、良品の根菜Kを受け止め、蓄積するためのコンテナ48を載置する前後長手のコンテナ台49がある。このコンテナ台49は走行機体1の側面に対して基端が蝶番を介して上下回動可能に連結され、非作業時には、上向きに回動し、作業時にはコンテナ台49が略水平となるように姿勢保持される。
【0021】なお、前記切断手段44にて切断されて落下する根菜Kの根部が選別コンベヤ46における隣接するスラット46bの隙間に刺さり込まないように寝かせた状態に姿勢変更させると共に、落下する根部が金属製等の固いスラット46bに直接激突しないようにするためのスポンジ状等の緩衝材からなる案内体50がスラット46bの上方に配置されている。
【0022】また、前述のように、前記左右一対の挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置14及びデバイダ16は、前記作業部回動支点9を中心にして一体的に上下回動するように各装置部のフレーム同士は連結されており、それらの前部側から前向きに突出する支持杆51の前端に装着された接地前輪52にて圃場面19に対して支持される。そして、非作業時や路上走行時には、前記サブソイラ体25や、前記左右一対の挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置14及びデバイダ16の下端が地面に干渉しないようこれらの部分を上昇位置に保持するには、油圧シリンダ26を駆動させると、平行リンク22,23の前端側が上向き回動する。このとき、図1に示すように、下部のリンク23の側面に設けた押し上げ用の回転可能なコロ53の上面が前記一対の挟持無端帯3,3の支持フレーム10の下面側に設けた「ヘ」字状のガイド部材54の下面に沿って移動するように構成しておけば、1つの油圧シリンダ26の作動にて、サブソイラ体25と共に挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置14及びデバイダ16の下端を一体的に圃場面19より上方に大きく持ち上げることが可能となるのである。
【0023】次に、前記の構成による根菜Kの収穫作業について説明する。実施例では、圃場に列状に植生された人参等の根菜Kをその1列毎に収穫する場合であって、オペレータは運転座席5に座ってエンジン6を駆動し、走行機体1を前進させながら、油圧シリンダ26のピストンロッドを後退させると、収穫すべき列の位置の地面にサブソイラ体25を押し込み、オペレータは操向ハンドルを操作して走行機体1の向きを調節し、左右一対の挟持無端帯3,3を巻掛けている左右一対の始端ホイール11,11の間が前記未掘り起こし側の根菜Kの列に位置するように位置合わせする。走行機体1の前進につれて、デバイダ16の下端の分草タイン15の上昇移動にて、掘り起こすべき根菜Kの茎葉部と、それより未掘り起こし側の根菜Kの茎葉部とを絡まないように分離する。また、前記上部のリンク22の基部の偏心回転ボスにより上下揺動するサブソイラ体25が心土をほぐして収穫すべき列の根菜Kの根部を掘り起こす。次いで、茎葉掻き込み装置14の掻き込みタイン17の回動にて、茎葉部が挟持無端帯3,3の上縁よりも上方に引き起こされる。左右一対の挟持無端帯3,3の始端ホイール11,11の箇所で、前記引き起こされた茎葉部を挟持開始し、前記一対の挟持無端帯3,3が走行機体1の後方に行くに従って上昇するように配置されているので、茎葉部が挟持された根菜Kの根部は圃場から軽い力で引き抜かれる。
【0024】一対の挟持無端帯3,3の挟持搬送ラインHに沿って走行機体1の後方に向けて揚上させられる根菜Kの根部の上端は、案内杆45の下面箇所にて拘束され、略水平後方に移動し、それより上方の茎葉部は、茎葉排出装置43の左右一対、上下の搬送帯43a,43bにて挟持されながら走行機体1の後方に移動させられる。その途次、切断手段44の左右一対の回転刃44a,44aにて、根菜Kの根部と茎葉部との間が切断されるから、その根菜Kの根部は自由落下し、案内体50に一旦衝突して緩衝された後、選別コンベヤ46に載って横移動し、コンテナ台49後部のコンテナ48に集積されて収穫される。前記切断された茎葉部は、茎葉排出装置43の後端から圃場面19に放出されるが、そのとき、未掘り起こし側の圃場面19に落下しないように湾曲したガイド板55にて案内される。
【0025】なお、図6〜図7に示すように、挟持無端帯3は、前記始端ホイール11,後端ホイール12及び中間ホイール13の外周における2連等のV溝57に嵌まるVベルト部58と、根菜Kの茎葉部K′を弾力的に挟持するため(押圧時に茎葉部K′を切断しないようにするため)の軟質挟持部59とからなり、この軟質挟持部59は、スポンジゴム等の軟質発泡体60の表面をゴム硬度の高い表層61にて覆ったものである。その第1実施例としては、図7に示すように、固いゴムの断面円形状の表層61の内径部にスポンジゴム等の軟質発泡体60を発泡材と共に注入して発泡させた後、断面にて半分に切断したものを前記Vベルト部58の外面側に接着剤62にて接着固定したものである。
【0026】なお、表層61の材質は、長期間、静止的互いの押圧力により、表層61同士が接着しないものであり、且つ水分不透過性を有する硬質ゴム、シリコーンゴム等が好ましい。軟質挟持部59の他の実施例として、図8に示すように、軟質発泡体60の断面の全外周をゴム硬度の高い表層61にて覆うようにすれば、Vベルト部58と表層61との接着が容易になる。また、図9に示すように、表層61内に、断面形状が円形の軟質発泡体60の部分を複数形成すれば、各軟質発泡体60ごとの発泡比率を変更調節して軟質の程度を調節することができる。
【0027】前記の構成において、左右一対の挟持無端帯3,3の始端部による根菜Kの茎葉部の挟持開始位置が、前記根菜Kの未掘り起こし側の走行クローラ2aの外縁より外側に配置されていると、根菜Kの掘り起こしの失敗、引き抜きや挟持搬送が不完全で、万一圃場面19に根菜Kが落下しても、後続する走行クローラ2aにて根菜Kを踏みつけることがなく、収穫すべき根菜Kが損傷するおそれが無くなる。また、未掘り起こし側の圃場を走行クローラ2aにて踏み固めることがないので、次の行程でのサブソイラ体25による土の掘り起こし抵抗も少なくて済み、軽快に掘り起こし作業ができるという効果を奏する。
【0028】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の根菜収穫機は、左右一対の走行クローラを備えた走行機体に、圃場に植生している根菜の根部より下方を振動させて掘り起すためのサブソイラと、先端を進行方向前側にて圃場面に接近配置させ、後端側を進行方向後側にて上方になるように後傾斜配置させて圃場の根菜類の茎葉部を挟持して引き抜き搬送する左右一対の挟持無端帯と、該一対の挟持無端帯の後部にて前記茎葉部を除去するための切断手段とを備えた根菜収穫機であって、走行機体の平面視において、前記左右一対の挟持無端帯のうち、未掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、デバイダにおける分草タインを略垂直面に沿って移動するように配置する一方、既掘り起こし側に位置する挟持無端帯の先端部前面側には、茎葉掻き起こし装置における掻込みタインを前記デバイダの側面に沿って移動するように配置したものである。
【0029】従って、走行機体の前進につれて、デバイダにおける分草タインの移動にて掘り起こすべき条における根菜の茎葉部と未掘り起こし側条の根菜における茎葉部とを分草させ、茎葉掻き起こし装置における掻込みタインにて前記掘り起こすべき条における根菜の圃場面に伏せている茎葉部を引き起こす。このとき、掻込みタインを前記デバイダの側面に沿って移動させるから、前記引き起こされた茎葉部が掻込みタインとデバイダの側面とで囲まれた状態で挟持無端帯の先端部側に確実に導くことができる。
【0030】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の根菜収穫機において、前記走行機体の側面視において、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインの先端を前記デバイダにおける側面カバー部と対峙させて移動するように配置したものであるから、デバイダにおける側面カバーが引き起こされた茎葉部の案内面として機能するので、挟持無端帯の先端部側への茎葉部の受渡しを一層効果的に実現することができるという効果を奏する。
【0031】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の根菜収穫機において、前記左右一対の挟持無端帯の先端の左右中心を、前記茎葉掻き起こし装置における基部ケースの掻込み作用側端縁と、前記デバイダにおける側面カバー部との間の隙間寸法の半分よりも既掘り起こし側に位置させたものである。このように構成すると、茎葉掻き込み装置における下端にて掻込みタインが移動するすることによって茎葉部を掻込みする作用領域からはみ出す不作用領域を少なくすることができて、人参等の根菜の茎葉部が圃場面に垂れ下がっているものを、掻込みタインにて引き起こし易くなり、また、前記不作用領域が前記左右一対の挟持無端帯の先端の左右中心とオーバーラップしないから、引き起こした茎葉部を一対の挟持無端帯の先端側に持ち込み易くなるという効果を奏する。
【0032】そして、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の根菜収穫機において、前記デバイダにおける側面カバー部には、前記茎葉掻き起こし装置における掻込みタインにて掻込みされた茎葉部を前記左右一対の挟持無端帯の先端部側に案内するための案内板を突設したものであるから、前記不作用領域おいて、圃場面に垂れたままの茎葉部を案内板にて掬い上げすることができ、前記左右一対の挟持無端帯3,3の先端部による挟持搬送の開始を確実に実行できるという効果を奏するのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開平11−75458
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−235859