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【発明の名称】 農用作業機の走行制動装置
【発明者】 【氏名】小松 真弥

【要約】 【課題】ブレ−キの効きをよくし、異音の発生を解消して関連部品の損耗を少なくする。

【解決手段】ブレ−キペダル(1)の踏み込み作動の途中で変速レバ−(2)を中立位置(N)にし、その後ブレ−キをONするものにする。その場合、ブレ−キペダル(1)の踏み込み作動に連動して揺動する中立位置誘導体(3)を設けるとともに、変速レバ−(2)の操作により一体的に揺動する係合体(4)を設け、中立位置誘導体(3)に係合体(4)の揺動を自由にする可動孔(5a)と、可動孔(5a)に連続して係合体(4)を介し変速レバ−(2)を中立位置に移動させる誘導孔(5b)とからなる制御孔(5)を形設し、その制御孔(5)に係合体(4)を係合させるとよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行変速装置(A)と制動装置(B)を具備し、その制動装置(B)のブレ−キペダル(1)の踏み込み作動により変速レバ−(2)を中立位置(N)に移動させるものであって、前記ブレ−キペダル(1)の踏み込み作動の途中で変速レバ−(2)を中立位置(N)にし、その後ブレ−キをONする構成にしたことを特徴とする農用作業機の走行制動装置。
【請求項2】 制動装置(B)がわにブレ−キペダル(1)の踏み込み作動に連動して揺動可能な中立位置誘導体(3)を設け、走行変速装置(A)がわには、変速レバ−(2)の操作により一体的に揺動する係合体(4)を設けるとともに、その中立位置誘導体(3)に前記係合体(4)の揺動を自由にする可動孔(5a)と、該可動孔(5a)に連続して係合体(4)を介し変速レバ−(2)を中立位置に移動させる誘導孔(5b)とからなる制御孔(5)を形設し、該制御孔(5)に前記係合体(4)を係合させてあることを特徴とする請求項1.記載の農用作業機の走行制動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等農用作業機の走行制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような農用作業機において、走行中にブレ−キペダルを踏み込むと、この踏み込み作動に連動して変速レバ−が中立位置に移動し、再発進時における機体の急発進を防止して安全性を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のものの構造によると、変速レバ−を中立位置に移動させるためには、ブレ−キペダルを完全に踏み込まなければ中立位置に移動しないから、変速レバ−の中立位置への移動とブレ−キONが略々同時に行われるようになり、ブレ−キの効きが悪く、異音が発生したり関連部品が損耗するなどの解決すべき問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、走行変速装置と制動装置を具備し、その制動装置のブレ−キペダルの踏み込み作動により変速レバ−を中立位置に移動させるものであって、前記ブレ−キペダルの踏み込み作動の途中で変速レバ−を中立位置にし、その後ブレ−キをONする構成にしたから、変速レバ−の中立位置への移動とブレ−キONとの間に時間差ができて、ブレ−キの効きがよくなり、また、関連部品を無駄に損耗させることがなくなる。
【0005】その場合、制動装置がわにブレ−キペダルの踏み込み作動に連動して揺動可能な中立位置誘導体を設け、走行変速装置がわには、変速レバ−の操作により一体的に揺動する係合体を設けるとともに、その中立位置誘導体に前記係合体の揺動を自由にする可動孔と、該可動孔に連続して係合体を介し変速レバ−を中立位置に移動させる誘導孔とからなる制御孔を形設し、該制御孔に前記係合体を係合させるようにすれば、構造が簡潔なもので、変速レバ−の中立位置への移動とブレ−キONとの間における時間差を確実にするものを提供できるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、この発明による走行制動装置について実施例図を参照して説明するのであるが、この走行制動装置はクロ−ラ式走行装置を備えたシャ−シフレ−ム上の左側に脱穀部を右側に操縦部とエンジンと穀粒収納タンクを配設し、脱穀部から操縦部の前方にかけて刈取部を設け、穀稈を刈取りながら脱穀処理して穀粒を穀粒収納タンクに貯留するところのコンバインに備えているのであって、これを図1〜図4により記載する。
【0007】(6)は操縦部の前部に固設したフロントコラム、(7)は機体の内方がわに設けた操縦部のサイドコラムで、フロントコラム(6)から操向レバ−(8)が突出し、サイドコラム(7)には変速レバ−(2)が装着されて走行変速装置(A)を備えている。
【0008】この走行変速装置(A)は前記の変速レバ−(2)を変速レバ−軸(9)を支点にして前後に操作することにより変速作動板(10)からロッド(11)および変速リンク(12)を介して連結するファイナルロッド(13)等を経て所望の速度で機体を前進または後進させている。なお、(M)はミッションケ−スを示す。
【0009】(1)はブレ−キペダルであって、サイドコラム(7)の内側面にそってブレ−キ軸(14)を支点にし上下動して制動装置(B)を構成している。即ち、このブレ−キペダル(1)の踏み込み作動により逆三角形状に形成したブレ−キ作動板(15)の後端からブレ−キバネ(16)とロッド(17)等を介してブレ−キア−ム(18)を動作しブレ−キをONするようにするとともに、戻しバネ(19)によりブレ−キペダル(1)を復動させてブレ−キをOFFするのである。
【0010】そして、(20)は軸(21)を支点にして揺動する支持板で、その支持板(20)の前部に前記変速レバ−(2)を中立位置(N)に移動させるところの中立位置誘導体(3)を一体的に接続し、後部はロッド(22)により前記ブレ−キ作動板(15)の前端に連動連結されている。
【0011】また、前記変速レバ−(2)の操作により揺動する変速作動板(10)は、その変速レバ−軸(9)部から支持部(10a)が垂設され、この支持部(10a)に前記中立位置誘導体(3)に係合する係合体(4)を軸支させている。
【0012】前記の中立位置誘導体(3)は板状のもので、上部がわに前後方向に稍々長手にして変速レバ−軸(9)を支点にして揺動する係合体(4)の揺動を自由にする可動孔(5a)を設け、この可動孔(5a)に斜め後下方に向かわせて係合体(4)を介して変速レバ−(2)を中立位置に移動させる誘導孔(5b)を連続状にしてなる制御孔(5)を形設している。そして、その制御孔(5)は可動孔(5a)に接続する誘導孔(5b)部に相当する中立位置誘導体(3)の部分を広く切除して図1に示す形状のものに形設してある。
【0013】また、前記係合体(4)は図3と図4に示すように、支持部(10a)に軸支したボ−ルベアリング(4a)の両側部に側板(4b)(4b)を設けてあって、これを制御孔(5)に係合させると、両側板(4b)(4b)が中立位置誘導体(3)を挟む状態でボ−ルベアリング(4a)が可動孔(5a)内を自由に揺動し、また、誘導孔(5b)部がボ−ルベアリング(4a)の周面に接触して揺動させ、変速レバ−(2)を中立位置(N)に移動するのである。
【0014】即ち、変速レバ−(2)を前後に操作することにより、係合体(4)は可動孔(5a)内を自由に揺動して所望の速度で機体を前進または後進させるようになり、この走行中にブレ−キペダル(1)を矢印(イ)のように踏み込んで作動させると、中立位置誘導体(3)は支持板(20)と一体となって軸(21)を支点にして矢印(ロ)のように揺動し、係合体(4)は可動孔(5a)内から誘導孔(5b)内に移って変速レバ−(2)を中立位置(N)に移動させ走行を中断させる。そして、更にブレ−キペダル(1)を踏み込むことによって係合体(4)は誘導孔(5b)内を移動して終端部に位置するようになり、その時点でブレ−キがONするようになるのである。
【0015】また、図5〜図7には前記のようにブレ−キペダル(1)を踏み込んだときのロック装置を示してあって、サイドコラム(7)の前部内で下端を軸にして前後に揺動可能にしたロックレバ−(23)の上端がわを折曲して把手(24)を形成し、その把手(24)をサイドコラム(7)の内側壁(7a)に設けた弧状孔(25)を通して延出するとともに、ロックレバ−(23)の下端近くからはロックピン(26)を突設し、このロックピン(26)も前記把手(24)と同様に内側壁(7a)に設ける小形孔(27)を通して突出させ、把手(24)をもってロックレバ−(23)を後方に操作し図8のようにロックピン(26)をブレ−キペダル(1)の先端に上側から係止することによってブレ−キペダル(1)がロックされるようになっている。なお、(28)はこのロックレバ−(23)を前方がわに復動してロックを解く解除バネである。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0017】走行変速装置と制動装置を具備し、その制動装置のブレ−キペダルの踏み込み作動により変速レバ−を中立位置に移動させるものであって、前記ブレ−キペダルの踏み込み作動の途中で変速レバ−を中立位置にし、その後ブレ−キをONする構成にしたから、変速レバ−の中立位置への移動とブレ−キONとの間に時間差ができて、ブレ−キの効きがよくなり、また、関連部品を無駄に損耗させることがなく寿命を永くすることができる。
【0018】その場合、制動装置がわにブレ−キペダルの踏み込み作動に連動して揺動可能な中立位置誘導体を設け、走行変速装置がわには、変速レバ−の操作により一体的に揺動する係合体を設けるとともに、その中立位置誘導体に前記係合体の揺動を自由にする可動孔と、該可動孔に連続して係合体を介し変速レバ−を中立位置に移動させる誘導孔とからなる制御孔を形設し、該制御孔に前記係合体を係合させると、構造が簡潔なものになり、変速レバ−の中立位置への移動とブレ−キONとの間における時間差を確実にするものを安価に提供できるのである。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月20日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−56082
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−240484