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【発明の名称】 乗用型芝刈機
【発明者】 【氏名】藤原 修身

【氏名】梅本 英哉

【氏名】藤原 孝次

【氏名】戸越 義和

【要約】 【課題】リールモーアからダクトに送られる刈り芝の送り抵抗を小さくする乗用型芝刈機を合理的に構成する。

【解決手段】走行機体に備えた複数のリールモーア6からの刈り芝を送る複数の第1ダクト7aを備え、この複数の第1ダクト7aを合流部材7bで合流し、合流部材7bからの刈り芝を第2ダクト7cを介して走行機体に備えた集草容器5に送る経路を形成すると共に、合流部材7bを走行機体に対して支持部材17を介して支持した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に備えたリールモーアからの刈り芝をダクトを介して走行機体に備えた集草容器に回収するよう構成した乗用型芝刈機であって、前記リールモーアと前記集草容器との間のダクトを前記走行機体に支持する支持部材を備えている乗用型芝刈機。
【請求項2】 前記リールモーアが複数個備えられると共に、前記ダクトが夫々のリールモーアからの刈り芝を送る複数の第1ダクトと、この第1ダクトから合流させた刈り芝を前記集草容器に送る第2ダクトとで構成され、この第1ダクトと第2ダクトとの合流部を前記支持部材で支持してある請求項1記載の乗用型芝刈機。
【請求項3】 前記ダクトの中間位置に、刈り芝を吸引して送り出すブロアを介装すると共に、このブロアを基準にして送り方向の上手側ほど高くなる姿勢に前記ダクトの姿勢を設定してある請求項1記載の乗用型芝刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に備えたリールモーアからの刈り芝をダクトを介して走行機体に備えた集草容器に回収するよう構成した乗用型芝刈機に関し、詳しくは、刈り芝の回収性能を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された乗用型芝刈機として特開昭56‐29912号公報に示されるものが存在し、この従来例では、リールモーア本体の後部位置から斜め上方に向けて刈り芝を送る経路が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにリールモーアで刈り取った芝をダクトを介して集草容器に回収する芝刈機は、刈り芝を芝面に放出するものと比較してスイーパ等を用いて芝面の刈り芝を回収する作業を行わずに済み、能率の高い作業を可能にするものとなっている。しかし、上記のようにリールモーアからの刈り芝をダクトを介して回収するものではリールモーアの昇降を許すようダクトに可撓性の素材を用いることから、ダクトが長寸のものである場合にはダクトの中間部の垂れ下がりによって湾曲部が形成されるものとなる。そして、ダクトの中間部に湾曲部が形成されたものでは刈り芝の移送時に刈り芝を下方に送った後に上方に持ち上げる形態となることから、この部位で刈り芝に失速を発生しやすいばかりで無く、刈り芝の送り抵抗を増大させるものとなり改善の余地がある。特に、複数のリールモーアを複数備えたもののように機体から離間した位置のリールモーアからの複数のダクトを備えるものでは夫々のダクトに垂れ下がりを生じ、夫々の部位で刈り芝の送り抵抗を増大させるものとなり、この点も改善の余地がある。
【0004】本発明の目的は、ダクトを送られる刈り芝の送り抵抗を小さくし得る乗用型芝刈機を合理的に構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、走行機体に備えたリールモーアからの刈り芝をダクトを介して走行機体に備えた集草容器に回収するよう構成した乗用型芝刈機において、前記リールモーアと前記集草容器との間のダクトを前記走行機体に支持する支持部材を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0006】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記リールモーアが複数個備えられると共に、前記ダクトが夫々のリールモーアからの刈り芝を送る複数の第1ダクトと、この第1ダクトから合流させた刈り芝を前記集草容器に送る第2ダクトとで構成され、この第1ダクトと第2ダクトとの合流部を前記支持部材で支持してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記ダクトの中間位置に、刈り芝を吸引して送り出すブロアを介装すると共に、このブロアを基準にして送り方向の上手側ほど高くなる姿勢に前記ダクトの姿勢を設定してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】〔作用〕上記第1の特徴によると、支持部材でダクトの中間部を走行機体に支持するのでダクトの中間部を大きく垂れ下がらせることがなく、ダクトで刈り芝を送る際にはダクト内面と刈り芝との接触による失速を抑制して送り抵抗を小さくし得るものとなる。
【0009】上記第2の特徴によると、複数の第1ダクトからの刈り芝は合流部で合流した後に、第2ダクトを介して集草容器に送られるので、複数のダクトを集草容器に接続するものと比較して送り経路が単純化するばかりでなく、合流部を走行機体に対して支持部材を介して支持するので、合流部を垂れ下がり状態にすることもない。つまり、合流部を走行機体に支持することで刈り芝の送り経路を単純化させると同時に、この単一の合流部を支持することで支持構造も単純化させた状態でダクトの送り抵抗を小さくするものとなる。
【0010】上記第3の特徴によると、ブロアによって発生する気流によって刈り芝を良好に送ると共に、ダクトの中間部におけるブロアの部位が最も低くなるのでダクトの内部で刈り芝が失速して送り不良の状態に陥っても刈り芝の自重によって刈り芝をブロアに送り込むことが可能となり、送り不良を発生させず一層良好に刈り芝を送り得るものとなる。
【0011】〔発明の効果〕従って、ダクトに対して円滑に刈り芝を送り良好に刈り芝を回収し得る乗用型芝刈機が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、リールモーアを複数備えたものであっても単純な構成の附加によって送り抵抗を小さくして刈り芝を良好に回収するものとなり(請求項2)、ブロアの最適な配置によってダクト内で刈り芝が失速することがあってもブロアの送風で刈り芝を送って良好な回収を現出するものとなった(請求項3)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、駆動型の前車輪1、及び、ステアリング操作される駆動型の後車輪2を備えた走行機体の後部にエンジンボンネット3に内装される状態でエンジン4を配置すると共に、このエンジンボンネット3の上方位置に集草容器5を配置し、走行機体の前端位置に3つのリールモーア6,6,6を昇降自在に備え、夫々のリールモーア6,6,6からの刈り芝をダクト7、吸引ブロア8夫々を介して集草容器5に送り込む乗用型芝刈機を構成する。
【0013】又、該走行機体の前部位置に前方、及び、両側方に開放するステップ11を形成し、このステップ11の前部位置に操縦塔12を設け、この操縦塔12の上端位置にステアリングハンドル13を設け、ステップ11の後部位置に運転座席14を設け、更に、この運転座席14の上部と側部とを保護するループ状の保護フレーム15を設けている。図5に示すように、前記3つのリールモーア6,6,6は走行機体を基準にして左右方向での中央位置と、中央位置より後方側の両側部位置とに配置されると共に、中央位置のリールモーア6の刈り幅の両側端部と、両側部のリールモーア6,6刈り幅の内端部とを重複させるよう位置関係を設定して配置されている。
【0014】又、前記ダクト7は3つのリールモーア6,6,6夫々からの刈り芝を送る可撓性の3つの第1ダクト7a,7a,7aと、この3つの第1ダクト7a,7a,7aを機体正面位置で合流させるさせる合流部材7bと、この合流部材7bからの刈り芝を送るため第1ダクト7aより大径で可撓性の第2ダクト7cとを備えて構成され、この第2ダクト7cは機体正面位置から機体右側部位置に亘って配置され、走行機体の側部位置の第2ダクト7cの中間位置に前記吸引ブロア8が介装されている。又、この吸引ブロア8から第2ダクト7cを介して上方に送り出される刈り芝は該第2ダクト7cの上端に斜め姿勢で形成された開口を介して前記集草容器5の受入れ筒16に送られるものとなっている。又、前記合流部材7bは第1ダクト7aが接続する筒状部を前方及び左右方向に開口する形態で形成し、第2ダクト7cが接続する筒状部を上方に開口する形態で形成した金属製の部材で構成され、この合流部材7bは走行機体の左右方向での中央位置の前方位置に支柱17を介して位置固定状態に支持されている。
【0015】図1に示すように、前記第2ダクト7cのうち吸引ブロア8の前方側部位においては合流部材7bに接続する部位の直上位置を最も高い位置に設定し、吸引ブロア8に接続する部位が最も低くなるよう設定することで斜め姿勢に配置され、第2ダクト7c内に刈り芝が残留しないようになっている。
【0016】図1に示すように、前記集草容器5は、同図に示す姿勢で後方に開放する開口が形成された容器本体5aと、開口上縁のヒンジ19を介して開閉自在に取り付けた蓋体5bとを備えて構成されている。又、この集草容器5は開口縁の下部位置に備えたブラケット20の下端を、走行機体後部の支持フレーム21に形成されたステー22に対して横向き姿勢の支軸23周りで揺動自在に連結することで、集草容器5全体を同図に示す集草姿勢と図2に示す放出姿勢とに切換え得るよう構成されている。尚、受入れ筒16から空気の流れとともに送り込まれた刈り芝は、集草容器5の内部での空気の流速の低下により自重で集草容器5内に落下して回収されるものとなっており、空気は集草容器5の内部の上部空間から蓋体5bの後面側に形成された排気路(図示せず)を介して容器外に排出されるものとなっている。
【0017】又、集草容器本体5aの姿勢切換を行う放出シリンダ24を前記ブラケット20と支持フレーム21とに亘って備えると共に、集草容器本体5aの姿勢切換と連動して蓋体5bを開閉操作するリンク部材25を前記ステー22と蓋体5bに連結したアーム26とに亘って備えることで、放出シリンダ24の収縮側への駆動によって集草容器本体5aを集草姿勢に設定した場合には同図に示すように蓋体5bを閉塞状態に維持し、放出シリンダ24の伸長側への駆動によって集草容器本体5aを放出姿勢切換えた場合には図2に示すように、第2ダクト7cの上端から受入れ筒16を分離させ、かつ、蓋体5bを開放した状態で集草容器本体5aの開口を下方に向けて刈り芝の放出を行えるものとなっている。
【0018】図5に示すように、前記吸引ブロア8は前後向き姿勢の駆動軸8aを備えると共に、この駆動軸8aに対してエンジン4からの動力がベルトテンション式のクラッチ28、前後向き姿勢の伝動軸29、この伝動軸29と駆動軸8aとに亘って形成されたベルト伝動機構30夫々を介して伝えられるものとなっている。
【0019】図5に示すように、車体フレーム32の前端の左右方向での中央位置に対して、走行機体の前後方向に沿う姿勢の第1アーム33の基端部を横向き姿勢の軸芯X周りで揺動自在に軸支すると共に、車体フレーム32前端の左右両端位置に対して、前端側ほど走行機体の外側に屈曲する形状の第2アーム34の基端部を前記横向き姿勢の軸芯Xと同軸芯周りで揺動自在に軸支し、第1アーム33、第2アーム34の前端位置に前記夫々のリールモーア6,6,6を連結支持してある。
【0020】つまり、図6に示すように、第1アーム33の基端部近傍に第1リフトシリンダ35で昇降駆動されるリフトアーム36を備え、このリフトアーム36と第1アーム33の基端部とをリンク材37を介して吊り下げ状態に連結し、又、図7に示すように、左右夫々の第2アーム34,34の基端部に夫々の第2アームと34一体揺動するアーム34aを備え、このアーム34aを操作する第2リフトシリンダ38を備えている。図5に示すように、第1アーム33、第2アーム34夫々の先端位置には前方に開放するチャンネル状の支持ブラケット39を前後向き姿勢のローリング軸芯Y周りで回動自在に設け、この支持ブラケット39に対して前記リールモーア6の上部の主フレーム40の左右方向での中央位置が上下向き姿勢のヨーイング軸芯Z周りで回動自在に支持されている。
【0021】又、図3及び図4に示すように、走行機体の前端位置には左右方向の外端ほど上方に向かう形状のフレーム材41を備え、このフレーム材41の左右両外端位置にゴム等の弾性材製の接当ローラ42,42を前後向き姿勢の軸芯周りで回動自在に支持してある。そして、3つのリールモーア6,6,6を上昇させる場合には第1リフトシリンダ35、第2リフトシリンダ38,38夫々を同時に伸長駆動するものとなっており、この上昇時には図4に示す如く、左右位置のリールモーア6,6の主フレーム40に対して接当ローラ42,42が接当して、夫々のリールモーア6,6,6をローリング軸芯Y,Y周りで回動させて、その外端側を上方に向かわせる傾斜姿勢に切換えるものとなっている。
【0022】前記3つのリールモーア6,6,6は夫々とも等しい構造のものが用いられており、中央位置のリールモーア6を例に挙げて構造を説明する。つまり、図8〜図10に示すようにリールモーア6は左右に配置された側壁部材45a,45a、上部に配置された上壁部材45b、後部に配置された後壁部材45c夫々で成るケース本体45と、このケース本体45の前部位置に対して着脱自在に取付けられたガイド部材46とでケースが構成されると共に、側壁部材45a,45aに対し横向き姿勢の軸芯周りで回転自在にリール刃47を支承し、このリール刃47の下方側の外周に固定刃48を近接配置し、前部位置及び後部位置に対してゲージ輪としての前部接地ローラ49と後部接地ローラ50とを備え、一方の側壁部材45aにリール刃47を駆動する油圧モータ51を備えて構成されている。又、左右の側壁部材45a,45aの前部位置を左右に貫通するロッド54周りで該側壁部材45a,45aに対して相対揺動できるよう上方に延出した支柱材52,52の上端同士をリール刃47の回転軸芯と平行する姿勢で連結する形態に前記主フレーム40が備えられることで、作業時にはリールモーア6のロッド54周りでのピッチングを許して地面に対する追従性を高めるものとなっており、更に、左右の側壁部材45a,45aの上部位置にはリールモーア6を地面から離間する高さまで上昇させた際に支柱材52との接当でリールモーア6のピッチング限界を決めるストッパー43が設けられている。
【0023】前記後壁部材45cは横向き姿勢の揺動軸53周りで揺動開閉自在に備えられている。又、ガイド部材46は後方がケース本体45の内部と連通し、前部位置に上方に向けて開口する排出口46aが形成された袋状に成形され、排出口46aに対して前記第1ダクト7aが接続するものとなっている。又、排出口46aは平面視で左右方向での中央位置に設定され、この排出口46aに刈り芝を導くよう平面視で左右方向で中央側ほど前方に張り出すよう山形状の案内用の傾斜面46b,46bが形成されている。又、ケース本体45内部の前部開口の下方位置には横向き姿勢のロッド54が配置され、ガイド部材46の後方の開口縁の下端に、このロッド54を弾性的に挟み込むようバネ材製の左右一対の挟持部材55,55を備え、ガイド部材46の上面には上壁部材45aの一対の係合片56,56と係脱自在な左右一対のバックル57,57を備えることで、該ガイド部材46はケース本体45に対して着脱できるよう構成されている。
【0024】図9に示すように、前記左右の側壁部材45a,45aの前部位置と、地面との間に吸気用に充分の間隔の隙間を設定することで空気流入経路44を形成してある。
【0025】又、リール刃47は図9に矢印で示す方向、即ち、外周の地面側が走行機体の後方側に移動するよう回転方向が設定されており、作業時にはリール刃47と固定刃48とで切断された刈り芝が、該リール刃47との接触、あるいは、回転に伴う風圧によってケース下方位置からケース後方位置を介して上方に送られるものとなっており、このように送られる際に充分な強さの送り力の作用を受けてガイド部材46の内部を前方に送られ、このガイド部材46の傾斜面46bによって左右方向での中央位置に案内された後に、前記排出口46aから上方の送り出されるものとなっている。そして、このよう送り出された後には、第1ダクト7a、合流部材7b、第2ダクト7c、吸引ブロア8、受入れ筒16夫々を介して前記集草容器5に送られ回収されるものとなっている。
【0026】図10に示すように、リール刃47の駆動軸47aは一方の端部を軸受部材58を介して側壁部材45aに対して支持し、他方の端部を前記油圧モータ51を介して側壁部材45aに対して支持し、軸受部材58、油圧モータ51夫々は駆動軸47aより後方側位置で駆動軸47aと平行姿勢の軸芯上に配置された支軸59,59周りに揺動自在に支持され、油圧モータ51を備えた側を例に挙げると図8に示すように、夫々の前部位置に備えたナット部材60に螺合するネジ軸61を側壁部材45aに備えることで、このネジ軸61のノブ61aの回動操作で駆動軸47aを上下方向に位置調節して固定刃48との間隙を調節できるように構成されている。
【0027】図8及び図11(イ),図12(イ)に示すように、前部接地ローラ49は、全幅に亘る支軸49aを備えると共に、両端部位置の金属製のローラ部49bを支軸49aに遊転支承し、中間部に大径部49cと小径部49dとを交互に配置した芝起立部を支軸49aに遊転支承して構成され、後部接地ローラ50は支軸50a周りで遊転支承される全幅に亘って等しい直径のローラを備えて構成されている。又、左右の側壁部材45a,45aの前端部を横外方に折り曲げて支持部としての縦壁状のフランジ64を形成してあり、この左右のフランジ64の前面に対して支持部材65をボルト66で連結固定してある。この支持部材65は上下方向にネジ軸67が螺合状態で貫通し、上端に回動操作用のノブ67aを備え、下端に支持片68を備え、この左右の支持片68,68に対して前記前部接地ローラ49の支軸49aが支承されている。又、支持部材65は図11(ロ),図12(ロ)に示すように、フランジ64の後面側にも連結することが可能である。
【0028】つまり、フランジ64には前記ボルト66が挿通する貫通孔(図示せず)が穿設され、このフランジ64の前面側の支持面に支持部材65を連結した場合にはリール刃47による芝切断位置と前部接地ローラ49の接地点との距離Dが拡大したものとなり、図11(ロ),図12(ロ)に示す如く、フランジ64の後面側の支持面に支持部材65を連結した場合にはリール刃47による芝切断位置と前部接地ローラ49の接地点との距離dが縮小したものとなり、拡大した距離Dに設定した場合には前部接地ローラ49の圧力で倒伏した芝を時間を掛けて立ち姿勢に復元した状態で刈取を行い得るものとなり、縮小した距離dに設定した場合には地面の小さい凹凸にも精度高く追従し得るものとなっている。尚、ノブ67aの回動操作で前部接地ローラ49の下方への突出量が変更され芝の刈り高さを調節できるものとなっている。
【0029】図8及び図9に示すように、左右の側壁部材45a,45aの後端位置の外面側に対して縦方向に多数の貫通孔69aが形成されたプレート69を、選択した貫通孔69aを挿通するボルト70を介して該側壁部材45aに連結してあり、この左右のプレート69,69に対して前記後部接地ローラ50の支軸50aが支承されている。尚、このプレート69はボルト70が挿通する貫通孔69aの選択によって後部接地ローラ50の下方への突出量が変更され芝の刈り高さを調節できるものとなっている。
【0030】図13に示すように、3つの油圧モータ51,51,51、第1,第2リフトシリンダ35,36,36を制御する油圧回路が形成され、この油圧回路では前記エンジン4で駆動される油圧ポンプ71からの作動油を第1油路L1、第1電磁弁V1を介して直列に配置された3つの油圧モータ51,51,51に送る経路が形成されると共に、この第1油路L1から分岐した作動油と第1電磁弁V1からの戻り油とが送られる第2油路L2に第1,第2リフトシリンダ35,36,36を制御する第2電磁弁V2を備え、この第2電磁弁V2からの戻り油を排出するドレン油路L3が形成されている。又、この油圧回路では3つの左右方向での中央位置のリールモーア6、及び、左右のリールモーア6,6の油圧モータ51,51,51の停止と駆動との切換を行う開閉弁V3,V4,V4を備え、第1油路L1と第2油路L2との間に油圧モータ51,51,51の駆動速度調節用の第1可変絞り弁72を備え、第1油路L1とドレン油路L3との間に油圧モータ51,51,51の駆動圧を確保するための第1リリーフ弁73を備え、第2油路L2とドレン油路L3との間に第1,第2リフトシリンダ35,36,36の上昇速度調節用の第2可変絞り弁74を備え、第2油路L2とドレン油路L3との間に第1,第2リフトシリンダ35,36,36の駆動圧を確保するための第2リリーフ弁75を備え、第2電磁弁V2から第1,第2リフトシリンダ35,36,36に作動油を送る油路から分岐した油路に対して第1,第2リフトシリンダ35,36,36の下降操作時にパイロット圧で開放操作されるチェック弁76を備え、このチェック弁76のドレン油路側にリールモーア6の接地圧軽減のため第1,第2リフトシリンダ35,36,36に背圧を作用させる第3リリーフ弁77を備えている。
【0031】第1電磁弁V1は油圧モータ51の正転と逆転と停止とを行えるよう3位置に切換自在に構成され、第2電磁弁V2はリールモーア6の上昇と下降と昇降の停止とを行えるよう3位置に操作自在に構成され、作業時には第1電磁弁V1を正転位置に設定することで夫々の油圧モータ51に作動油を供給し、第2電磁弁V2を下降位置に設定することでリールモーア6が前後の接地ローラ49,50が接地するまで下降し、この状態で第3リリーフ弁77からの背圧が作用するので地面に凹凸が存在する場合には凹凸に追従してリールモーア6が軽く浮動するものとなっている。
【0032】又、左右の第2リフトシリンダ36,36に対する油路に対してシリンダからの作動油の排油を阻止することで左右のリールモーア6,6の下降を阻止するための下降阻止弁V5,V5を備えており、この下降阻止弁V5,V5は閉じ操作した場合にそのリールモーア6に対応する油圧モータ51の駆動を停止するよう前記開閉弁V4とワイヤ等で構成される規制機構78を介して連係している。そして、作業時に左右のリールモーア6,6のうちの一方だけを上昇姿勢に維持して作業を行う場合には、第2電磁弁V2の操作で第1,第2リフトシリンダ35,36,36に作動油を供給して3つのリールモーア6,6,6を上昇させた後に、上昇状態に維持するリールモーア6に対応する下降阻止弁V5を閉塞することで、その油路が閉塞されると同時に、対応する開閉弁V4が連通状態となる結果、第1,第2リフトシリンダ35,36,36を下降させる側に第2電磁弁V2を操作しても、そのリールモーア6の下降が阻止されると共に、そのリールモーア6の油圧モータ51の駆動も停止するものとなっている。
【0033】このように本発明では、リール刃47と固定刃48との剪断作用で刈り取られた刈り芝はリール刃47の回転力を充分に作用させた状態でガイド部材46に送り込まれると共に、このように刈り芝を送る際には側壁部材45a,45aの下部の空気流入経路44からケース本体45の内部に外気を吸入して充分な量の空気流で刈り芝を送るので、このガイド部材46の内部では刈り芝を失速させることがなく、充分な送り力で傾斜面46bに沿って刈り芝を送り、左右方向での中央位置に寄せて排出口46aから排出するものとなる。又、この排出口46aに対しては吸引ブロア8からの負圧を作用させるので、芝面に刈り芝を残すことなく良好な刈取を可能にするものとなっており、合流部としての合流部材7bを走行機体に支持部材としての支柱17を介してて支持し、この合流部材7bの部位から吸引ブロア8にいたる第2ダクト7cを吸引ブロア8の位置が最も低くなるよう傾斜姿勢に設定しているので、例えば、ダクトの中間部位が垂れ下がる構造のものと比較した場合にダクト内の送り抵抗を小さくして良好な送りを可能にすると共に、第2ダクト7c内で刈り芝が失速することがあっても無理なく吸引ブロア8に送り込み、集草容器5に回収し得るものとなっている。
【0034】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、単一のリールモーアを備えた乗用型芝刈機に適用することが可能であり、ブロアを備えない芝刈機に適用することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−46544
【公開日】 平成11年(1999)2月23日
【出願番号】 特願平9−205636