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【発明の名称】 コンバインのサンバイザー装置
【発明者】 【氏名】林 順二

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体一側方にエンジン、エンジンを覆うエンジンカバー上にシート、エンジン及びシートの後方にグレンタンクを配備したコンバインにおいて、シート後端をエンジンカバー後端よりも前方に位置させてこの間に空間を確保し、この空間のエンジンカバー上に基礎台を取り付け、基礎台から支柱を起立させて支柱にシート上方を覆うサンバイザーを取り付けたことを特徴とするコンバインのサンバイザー装置。
【請求項2】 グレンタンク前面の基礎台より上方部分を支柱に干渉しない範囲で前方に突出させた請求項1記載のコンバインのサンバイザー装置。
【請求項3】 空間のエンジンカバー上にエアークリーナを配置し、エアークリーナを覆うカバーに基礎台を取り付けた請求項1〜2いずれかに記載のコンバインのサンバイザー装置。
【請求項4】 支柱の一側方とエンジンカバーと、支柱の他側方とグレンタンクに付設される揚穀筒とをステーで連接した請求項1〜3いずれかに記載のコンバインのサンバイザー装置。
【請求項5】 支柱を基礎台上に横延するU字形の下部支柱と、下部支柱に接続されて上端にサンバイザーを取り付けた逆U字形の上部支柱とで構成した請求項1〜4いずれかに記載のコンバインのサンバイザー装置。
【請求項6】 上部支柱を下部支柱に対して後方に回動可能に接続するとともに、サンバイザーを上部支柱に対して上下に傾動可能に取り付けた請求項5記載のコンバインのサンバイザー装置。
【請求項7】 グレンタンクが樹脂製である請求項1〜6いずれかに記載のコンバインのサンバイザー装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインのサンバイザー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今のコンバインでは、操縦時の快適性を図るため、中・小型の機種でも、シート上方を覆うサンバイザー(日除け板)を取り付けているものが多い。このサンバイザーは、一般には、シート近辺に支柱を立て、これでサンバイザーを支架する構成をとっているが、サンバイザーはかなりの重量を有するため、その取付け場所が問題となる。
【0003】シートの前方には操縦者が居する空間が必要であるし、後方にはグレンタンクが迫っていることから、通常は、第2527430号実用新案公報に見られるように、シートの後方に配置されるグレンタンクにその支柱を取り付ける構成をとっている。しかし、このようにすると、グレンタンクを回動させたときにサンバイザーも動くことになって好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方で、最近では、特開平9−056244号公報に見られるように、グレンタンクを樹脂で構成しているものがある。しかし、樹脂は強度的に弱いから、これに重量のあるサンバイザーは取り付けられない。殊に、一度ブロー成形したグレンタンクにネジ孔をあけ、これに支柱をネジ止めするといったような後付け施工は到底できない。
【0005】本発明は、このような課題を解決するものであり、シート周辺に適当な取付け場所が見つからず、しかも、樹脂製のグレンタンクを使用したものでも、サンバイザーが取り付けられるようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明は、機体一側方にエンジン、エンジンを覆うエンジンカバー上にシート、エンジン及びシートの後方にグレンタンクを配備したコンバインにおいて、シート後端をエンジンカバー後端よりも前方に位置させてこの間に空間を確保し、この空間のエンジンカバー上に基礎台を取り付け、基礎台から支柱を起立させて支柱にシート上方を覆うサンバイザーを取り付けたことを特徴とするコンバインのサンバイザー装置を提供するのである。
【0007】以上の手段をとることにより、サンバイザーの支柱は、グレンタンクとは別のエンジンカバー上に、しかも、シートとグレンタンクとの間に形成される僅かな空間に設けることができ、シート上方を覆うサンバイザーの支柱の取付け位置としては、位置が固定する理想的な箇所である。そして、支柱はエンジンカバー上に設けられるのであるから、丈の低いもので足り、重量の重いものを避けることができる。
【0008】又、本発明は、以上のグレンタンク前面の基礎台より上方部分を支柱に干渉しない範囲で前方に突出させた手段を提供する。この手段により、グレンタンクを支柱や操縦に邪魔にならないでそのの容量を大きくできる。
【0009】更に、本発明は、以上の空間のエンジンカバー上にエアークリーナを配置し、エアークリーナを覆うカバーに基礎台を取り付けた手段を提供する。この手段により、エアークリーナの恰好の設置場所が確保できる。
【0010】加えて、本発明は、以上の支柱の一側方とエンジンカバーとを取り外し可能なステーで連接するとともに、支柱の他側方とグレンタンクに付設される揚穀筒とをステーで連接した手段を提供する。この手段により、支柱の固定は分散して受け持つことになり、基礎台の強度及び基礎台への支柱の固定にさほどの強度は要求されない。この点で、基礎台をエアークリーナのカバーに取り付けることが許容される。
【0011】この他、本発明は、以上の支柱を基礎台上に横延するU字形の下部支柱と、下部支柱に接続されて上端にサンバイザーを取り付けた逆U字形の上部支柱とで構成した手段、これにおいて、上部支柱を下部支柱に対して後方に回動可能に接続するとともに、サンバイザーを上部支柱に対して上下に傾動可能に取り付けた手段を提供する。これらの手段により、支柱の取付けが容易になるし、サンバイザーの日差しに対応する角度調整や低天井格納庫への格納も可能になる。
【0012】更に、本発明は、以上のグレンタンクを樹脂製のもので構成した手段を提供する。支柱は、グレンタンク自体には取り付けないのであるから、その低強度を心配する必要はない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したコンバインの側面図、図2は一部正面図、図3は要部の断面側面図、図4は一部側面図であるが、コンバインそれ自体は、クローラ装置10を懸架したシャーシ12の前部に前処理部14を配置し、シャーシ12上、一側方に前部から操縦コラム16、エンジン18、グレンタンク20を配備するとともに、他側方に脱穀部(図示省略)や後処理部22を配備する通常構造のものである。
【0014】この場合、エンジン18はその上方及び一側方をエンジンカバー24で覆われており、この上に操縦者が座るシート26が設けられている。又、グレンタンク20の後部には、内部の穀粒を上穀する上穀筒28が付設され、上穀筒28の上部に排穀筒30が水平方向に連接されている。脱穀部とグレンタンク20との間には、脱穀部で脱穀された穀粒をグレンタンク20に送る揚穀筒32も設けられている。
【0015】この構成において、各部材をできるだけ集積して全体の設置スペースの効率化を図っている。グレンタンク20も例外ではなく、これをエンジン18及びエンジンカバー24の直後に配備させている。しかし、シート26後端はエンジンカバー24後端よりも前方に位置させておき、ここに若干の空間34を確保している。尚、グレンタンク20の前面の上方部分は、シート26及びこれに座る操縦者に干渉しない範囲で前方に突出させて所要の容積を確保している。
【0016】本発明は、以上の空間34のエンジンカバー24上に基礎台36を取り付け、この基礎台36から支柱38を起立させ、支柱38にサンバイザー40を取り付けたものである。基礎台36及び支柱38はこの目的に沿うものであればどのような形状・構造のものでもよいが、本発明では、以下のものが好適な例として採用される。
【0017】まず、基礎台36は立方体の箱型のものであり、これをエンジンカバー24上にネジ止め等によって固定する。次に、支柱38はU字形をしている下部支柱42と逆U字形の上部支柱44とを接続して構成するものとする。このうち、下部支柱42は、基礎台36の上面に下部支柱42を前後から挟み付ける取付けブラケット46を形成してこれに底部分を嵌入してビス47等で止める。
【0018】下部支柱42の垂直部分の各々上端には左右に側板48をあてがい、上部支柱44の垂直部分の下端をこの側板48間に嵌入し、側板48間にピン50を通して止めている。従って、上部支柱44はこのピン50の回りを前後に回動できることになるが、これを固定するために、側板48からノブネジ52を通して上部支柱44にネジ込む。尚、上部支柱44を回動させると、ノブネジ52もピン50の回りを回動するが、これを許容するために側板48に円弧溝54を形成して回動範囲を設定する。但し、上部支柱44は下部支柱42の後方側にのみ回動できるようにしてある。
【0019】上部支柱44の上端にもブラケット56を取り付け、ブラケット56の間にサンバイザー40の後端を挿入し、ブラケット56とサンバイザー40にピン58を通して固定する。このとき、サンバイザー40は上部支柱44に対してその取付け角度が上下に変更できるようにしている。具体的には、ブラケット56に何個かの孔60をあけ、この孔60にサンバイザー40に挿通するピン62を挿抜して角度調整と位置決めを行う。尚、サンバイザー40自体は、シート26上方を覆う板状のもので構成され、その高さは、操縦者が立ち上がったときでも、頭につかえない程度に設定される。
【0020】以上により、サンバイザー40、即ち、支柱38をグレンタンク20に取り付けることなく、又、シート26や操縦者に干渉することなく設けることができるのであるが、更に、このサンバイザー40の上下角度は日差しの方向等に応じて傾動できるものとなり、有用性の高いものとなる。この他、上部支柱44をグレンタンク20側に一杯に回動させ、サンバイザー40を最も折る姿勢も可能であるから(図4)、天井の低い格納場所にも格納できる。
【0021】この場合、支柱38の幅をグレンタンク20の幅よりも広くするのが後方回動を大きくできる。従って、支柱38の基礎台36への固定は十分とは言えないかもしれない。そこで、これを補完するため、以下に説明する構造をとる。まず、支柱38(下部支柱42)の一側方では、下部支柱42とエンジンカバー24とをステー64で連結する。
【0022】即ち、ステー64の下端をエンジンカバー24の側面に突設したピン66に枢着し、上端をノブネジ68によって下部支柱に固定するのである。こうすることにより、ノブネジ68を外すと、ステー64はピン66の回りを回動できることになる。この構造は、メンテナンス等でエンジンカバー24を側方に倒すことに対処するためである。
【0023】次に、下部支柱42の他側方では、側板48等に連接してステー70を後延させ、ステー70の後端を揚穀筒32上端の投入口72等にビス74等を用いて固定する。尚、揚穀筒32の投入口72は金属でできているから、このことが可能になる。ところで、グレンタンク20は、上穀筒28を中心に平面回動できるようになっているが、この回動時にもステー70はそのままでよい。
【0024】この二本のステー64、70により、下部支柱42の基礎台36への固定は補完される。従って、基礎台36の強度や下部支柱42の基礎台36への固定はそれほど強固でなくてもよい。このようなことは次のような措置を講じたときに非常に有効である。
【0025】即ち、基礎台36を設置する前記した空間34にエンジン18のエアークリーナ76を設置するとすれば、スペースの有効利用につながる。そこで、この空間34にカバー78で覆ったエアークリーナ76を設置し、このカバー78に前記した基礎台36を取り付ける。こうすると、この基礎台36はカバー78に被せるカップ形をしたものになり、あまり強度の高いものは望めない。しかし、前記した構造によれば、これで十分である。
【0026】ところで、以上のグレンタンク20は、樹脂製のものであっても何ら支障はない。支柱38等はグレンタンク20には取り付けないからである。更に、グレンタンク20に代わって穀粒を袋取りするホッパーが設けられるものもあるが、本発明は、このようなものにも適用できる。
【0027】
【発明の効果】以上、本発明は、サンバイザーを取り付ける支柱を樹脂製のグレンタンクとは別のエンジンカバー上に、しかも、シートの直後に設けることができたのであるから、その重量を十分に受け持ち、且つ、サンバイザーを所定の位置に設置できたのである。この場合の支柱はエンジンカバー上に設けられるのであるから、丈の低いもので足り、それほど重量は重くならない。而して、このようなサンバイザーの取付けは、シート後端をエンジンカバー後端より前方に位置させてここに空間が確保されるものであれば、後付けも可能である。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】板野 嘉男
【公開番号】 特開平11−42011
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−219177