| 【発明の名称】 |
コンバインの操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】白石 博昭
【氏名】廣田 幹司
【氏名】水本 俊彦
【氏名】市丸 智之
【氏名】村上 修三
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| 【要約】 |
【課題】左右傾動によりコンバインの進路変更を実行し、前後傾動により刈取装置の昇降を実行するレバーの上面部には、コンバインの走行装置の左右方向の操向クラッチを切る手段を設けるにあたり、コンバインが所定量以上傾斜していると、操向クラッチを切らないようにして、安全を確保する。
【解決手段】操作部6には、左右傾動によりコンバインの進路変更を実行し、前後傾動により刈取装置3の昇降を実行するレバー9を設け、該レバー9の上面部9aには、走行装置1の左右方向への進路変更を前記レバー9の左右傾動操作よりも緩やかに進路変更の実行をするスイッチ10L,10Rを設け、車台2にはコンバインの傾斜角度を検出する傾斜検出手段11を設け、該傾斜検出手段11の検出結果に関連して前記スイッチ10L,10Rの機能を規制するようにしたコンバインの操作装置の構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置1を有する車台2の前方には植立穀稈を刈り取る刈取装置3と、該刈取装置3の後方に搬送されてきた穀稈を引継ぎ搬送する供給搬送装置7を設け、車台2の上方には前記供給搬送装置7の終端部に搬送されてきた穀稈を引き継いでフィードチェン8にて挾持搬送しながら脱穀選別する脱穀装置4と操作部6とを設けたコンバインにおいて、該操作部6には、左右傾動によりコンバインの進路変更を実行し、前後傾動により前記刈取装置3の昇降を実行するレバー9を設け、該レバー9の上面部9aには、走行装置1の左右方向への進路変更を前記レバー9の左右傾動操作よりも緩やかに進路変更の実行をするスイッチ10L,10Rを設け、車台2にはコンバインの傾斜角度を検出する傾斜検出手段11を設け、該傾斜検出手段11の検出結果に関連して前記スイッチ10L,10Rの機能を規制するようにしたコンバインの操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、コンバインの操作装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のコンバインにおいては、単に走行伝動装置の左右方向の操向クラッチを切るスイッチを設けた構成であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述のコンバインでは、左右方向の操向クラッチを切るスイッチをオペレータが不用意に触ってしまうことがある。特に、コンバインが傾斜地にある時において不用意にスイッチの機能が作動すると、思わぬ方向にコンバインが動いてしまって危険である。 【0004】本発明は、このような問題点を解消しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明に係るコンバインは、、前記のような課題を解決するものであって、次のような構成である。すなわち、冒記構成のコンバインで、操作部6には、左右傾動によりコンバインの進路変更を実行し、前後傾動により刈取装置3の昇降を実行するレバー9を設け、該レバー9の上面部9aには、走行装置1の左右方向への進路変更を前記レバー9の左右傾動操作よりも緩やかに進路変更の実行をするスイッチ10L,10Rを設け、車台2にはコンバインの傾斜角度を検出する傾斜検出手段11を設け、該傾斜検出手段11の検出結果に関連して前記スイッチ10L,10Rの機能を規制するようにしたコンバインの操作装置とした。 【0006】 【作用】操作部6のレバー9を前方へ傾動させて、刈取装置3を刈取作業可能な位置まで下げる。そして、走行装置1を前進駆動してコンバインを前進させる。刈取作業中において、スイッチ10Lを入り状態とすると、コンバインは左方向へ進路変更し、スイッチ10Rを入り状態とすると、右方向へ進路変更して、微妙な穀稈の条列合わせを行う。前記スイッチ10L,10Rの機能は、傾斜検出手段11が所定値以上の傾斜量を検出すると、作動しないようにする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1と図2には、本発明の実施例を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。走行装置1を有する車台2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取装置3と、該刈取装置3から搬送されてきた穀稈を受け取ってさらに後方のフィードチェン8に向けて搬送する供給搬送装置7が設けられている。前記車台2上には供給搬送装置7から搬送されてきた穀稈をフィードチェン8で搬送しながら脱穀選別する脱穀装置4と、該脱穀装置4にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク5と、操作部6が載置されている。また、前記グレンタンク5内の一時貯溜していた穀粒を排出する、縦オーガ12と横オーガ13が設置されている。 【0008】前記操作部6には、左右方向への傾動によりコンバインの進路変更を除々に実行すると共に、前後方向への傾動により刈取装置3を昇降するレバー9が設置されている。即ち、該レバー9を左方向に傾動させると、走行装置1の左側のクラッチが切れ、さらに、ブレーキが作動してコンバインは左旋回し、右方向に傾動させると右側のクラッチが切れ、さらに、ブレーキが作動して右旋回する構成であり、さらに、レバー9を前方へ傾動させると油圧シリンダ14により刈取装置3は下降し、後方へ傾動させると上昇する構成である。 【0009】このようなレバー9において、その上面部9aには、前記走行装置1の左側のクラッチを断続するスイッチ10Lと、右側のクラッチを断続するスイッチ10Rを設けている。具体的には、スイッチ10Lを押す(接触式でもよい)と左側のクラッチが切れ、離すと接続する構成であり、スイッチ10Rを押す(接触式でもよい)と右側のクラッチが切れ、離すと接続する構成である。 【0010】また、前記車台2にはコンバインの左右及び前後方向の傾斜角度を検出する、傾斜検出手段11(傾斜センサ)が設置されている。次に、エンジン(図示せず)からの動力を走行装置1へ伝達する走行伝動装置15について説明する。図3には該走行伝動装置15の断面図を示している。走行伝動装置15には、エンジン(図示せず)からの動力を入力するプーリ16が設けられている。また、該プーリ16からの動力を受けて変速する油圧無段変速装置17が設置されている。走行伝動装置15の上部には、軸18が設けられ、前記油圧無段変速装置17と接続している。軸18には歯車18aが固定されていて、下手側の軸22に遊嵌している歯車19と噛み合っている。歯車19は、歯車20,21と一体であり、共に軸22の長手方向を移動可能に構成している。 【0011】軸22の下手側には、軸23が設けられ、該軸23には、歯車19と噛み合う歯車24、歯車20と噛み合う歯車25、歯車21と噛み合う歯車26がそれぞれ固定されている。この構成は副変速機構であり、操作部6に設けている副変速レバー(図示せず)にて、オペレータが圃場の状況等を確認して任意に設定する構成である。さらに、軸23には、歯車27が固定されている。 【0012】前記軸23の下手側には、サイドクラッチ軸29が設けられている。該サイドクラッチ軸29の中間部には、前記歯車27と常時噛み合う歯車28が固定していて、その両端部には、ブレーキ30L,30Rが設けられている。さらに、サイドクラッチ軸29には、サイドクラッチ31L,31Rが設けられ、長手方向に移動可能に構成されている。該サイドクラッチ31L,31Rには歯車31aL,31aRが構成されていて、圧縮バネ32L,32Rの付勢力にて、共に歯車28方向へ付勢されていて、歯車28の爪部33L,33Rを介して歯車28と噛み合っている構成である。 【0013】サイドクラッチ軸28の下手側には、走行軸34L,34Rが設けられている。走行軸34L,34Rの一端には歯車35L,35Rが固定していて、歯車31aL,31aRと常時噛み合っている。走行軸34L,34Rに他端には、スプロケット36L,36Rが固定していて、該スプロケット36L,36Rにはクローラが巻き回している構成である。 【0014】前述のごとく構成されたコンバインを走行させて刈取作業を実行する作用について説明する。レバー9を前方へ傾動させて、刈取装置3を下降させ、操作部6の刈取装置3を駆動する刈取レバー(図示せず)と、脱穀装置4を駆動する脱穀レバー(図示せず)を入り状態とする。 【0015】次に、前述の走行伝動装置15内の副変速機構を任意に設定する。そして、操作部6に設けているHSTレバーを前進側に傾動させる。すると、油圧無段変速装置17の可変油圧ポンプ17aの斜板が傾斜して、内部の油を定量油圧モータ17bへと送油する。これにより、走行伝動装置15内の軸18が回転すると共に、歯車18aが回転する。該歯車18aの回転力は、歯車19へと伝達される。該歯車19は、歯車20,21と一体構成であるので、歯車20,21も回転する。 【0016】前記歯車19,20,21は副変速部であり、軸23に固着されている歯車24,25,26とそれぞれ噛み合わせて、高速,中速,低速を決定する。これにより、軸23と共に、該軸23に固着している歯車27が回転する。該歯車27の回転力は、歯車28に伝達され、その後、左爪部33L,歯車31aL,歯車35Lを介して、左スプロケット36Lを駆動する。右側は、その対称であるので省略する。 【0017】従って、左右のスプロケット36L,36Rが同じ速度で回転するので、コンバインは前進する構成である。このように前進走行することにより、圃場の植立穀稈は刈取装置3にて刈り取られ、供給搬送装置7で搬送されながら扱ぎ深さが調節され、さらに後方のフィードチェン8へと引継ぎ搬送されていく。該フィードチェン8にて搬送されながら、脱穀装置4にて脱穀選別されて、穀粒はグレンタンク5内へ一時貯留される。グレンタンク5内の穀粒が所定量(満杯)となると、縦オーガ12,横オーガ13からトラック等の荷台の機外へと排出する。 【0018】コンバインが圃場の端まで来て、旋回を行なう時は、次のようにする。左方向へ進路変更する時は、レバー9を左方向へ傾動させる。すると、図示しないシフタにより、左サイドクラッチ31Lは圧縮バネ32Lの付勢力に抗して左方向へ移動して、左爪部33Lが歯車28から離脱する。これにより、左スプロケット36Lへの直進動力は断たれるが、コンバインは少し左方向へ進路変更するだけである。そこで、さらにシフタを左方向へ移動することにより、左サイドクラッチ31Lを左へ移動させて、ディスク形式の左ブレーキ30Lを作動させる。これにより、左スプロケット36Lはロックされるので、コンバインは左方向へ旋回していく。 【0019】右方向への進路変更する時は、レバー9を右方向へ傾動させるが、その作用は前記左方向と対称なので説明は省略する。次に、図4に示すように、前述のような機能を有するレバー9の握り部上面部9aには、コンバインの左右方向への進路変更を実行するスイッチ10L,10Rが設けられている。該スイッチ10L,10Rについて説明する。 【0020】スイッチ10Lを入り状態とすることにより、前述した走行伝動装置15内の左爪部33Lを歯車28から離脱させるようにする。この時、左ブレーキ30Lは入り状態とはしないようにする。また、スイッチ10Rを入り状態とすることにより、右爪部33Rを歯車28から離脱させるようにする。この時、右ブレーキ30Rは入り状態としないようにする。このようにすることにより、コンバインの微妙な方向修正が可能となる。 【0021】コンバインが圃場にて走行しながら植立穀稈の刈取作業を実行するときは、刈取装置3を穀稈の条列に合わせて走行しなければならないが、圃場の状態や穀稈の条列状態により進行方向を若干修正する必要がある。この方向修正は僅かであり、旋回方向内側にブレーキ30L,30Rを作動させると、旋回しすぎるのである。そこで、旋回方向内側の直進動力を切るだけの構成とするが、この操作においては、レバー9の傾動角を微妙に操作しなければならないので、難しく熟練をようする欠点がある。 【0022】そこで前述のごとく、レバー9の上面部9aに設けているスイッチ10L,10Rを入り状態とすることにより、旋回方向内側の動力を切るようにする。これにより、熟練を要することなくコンバインの緩やかな微妙な方向修正が容易に実行できるようになるので、作業能率が向上する。このように、レバー9の上面部9aのスイッチ10L,10Rにより、容易に旋回方向内側の直進動力を断って、左右方向への微妙な旋回が可能となった。しかしながら、該スイッチ10L,10Rは、その配置の関係からオペレータが不用意に触ってしまう可能性がある。特に、コンバインが傾斜地に存在する時に触ってしまうと危険である。例えば、コンバインが左方向に傾斜している時に、スイッチ10Lを作動させると、左側の直進動力が断たれる、即ち、左側のクラッチが切れるので、左側に急に動いてしまう可能性がある。 【0023】そこで、前述のごとく、車台2に傾斜センサ11を設けておいて、該傾斜センサ11が所定量以上の傾斜(前後及び左右方向)を検出すると、前記スイッチ10L,10Rの機能を規制して、左右方向の直進動力を断たないようにする。これにより、傾斜地において不用意にスイッチ10L,10Rに触っても、左右のクラッチは切れないので安全である。 【0024】このように、スイッチ10L,10Rの機能を規制する手段の別実施例について説明する。コンバインの走行伝動装置15の任意の位置に車速センサ(図示せず)を設け、該車速センサが所定値以上の高速状態となると、スイッチ10L,10Rの機能を規制するようにする。即ち、高速状態において左右方向のクラッチが切れると、急に左右方向へ進路変更するので危険であるが、このような危険な状態を防止できる。車速センサの設置位置は、走行伝動装置15以外の場所でもよい。例えば、走行装置1の転輪等の回転を検出してもい。要するに、車速の検出可能な場所であればどこでもよい。 【0025】また、前述のごとく、スイッチ10L,10Rは路上での高速走行時は使用すると危険であるので、圃場内において作業中のみに機能する構成としてもよい。即ち、刈取装置3に穀稈センサ(図示せず)を設け、該穀稈センサが入り状態の時に機能するようにする。また、操作部6に設けている、刈取装置3を駆動する刈取クラッチレバー(図示せず)や脱穀装置4を駆動する脱穀クラッチレバーが入り状態の時のみ機能するようにする。これにより、スイッチ10L,10Rはコンバインが作業中のみに作動するので、路上走行中等の高速走行時には作動しないので安全である。 【0026】次に、図5について説明する。レバー9の上面部9aに設けているスイッチ10L,10Rを覆うカバー40を設ける構成とする。さらに、該カバー40にはフック40aを設けると共に、該フック40aの回動基部には、電磁ブレーキ40bを設ける構成とする。該電磁ブレーキ40bが作動するとフック40aは回動しない構成である。この電磁ブレーキ40bの作動は、コンバインが高速走行中に作動するようにする。これにより、フック40aは解除されないので、スイッチ10L,10Rには不用意に触ることが無くなるので安全である。 【0027】もちろん、コンバインが圃場内において作業する時は、例えば、刈取クラッチレバーや脱穀クラッチレバーの作動に連動させて、電磁クラッチ40bを解除すると、フック40aはフリーの状態で回動可能となるので、カバー40は支点40cを中心にオープンする。これにより、作業中は使用可能となる。 【0028】 【発明の効果】本発明は上述のごとく、傾斜検出手段11の検出結果に関連してスイッチ10L,10Rの機能を規制するように構成したので、傾斜地において不用意にスイッチ10L,10Rに触っても、左右のクラッチは切れないので安全である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月14日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−28016 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−188257 |
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