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【発明の名称】 コンバインの操縦操作装置
【発明者】 【氏名】里路 久幸

【氏名】上村 孝彦

【氏名】八木 和雄

【要約】 【課題】パワステレバ−を、前後操作に続いてすぐに左右側への舵取り操作に移るとき、サイドクラッチが切れた途端にサイドブレ−キが働いて高圧により急制動がかかり危険を伴う事態が発生しない操縦操作装置を提供する。

【解決手段】走行車体の前部に、刈取前処理装置を上下方向に回動可能に支持して構成したコンバインにおいて、走行車体に設けた操縦レバ−4は、前後方向の支軸5を回動支点として左右方向へ傾倒操作して舵取りを行い、左右方向の支軸6を回動支点として前後方向へ傾倒操作して刈取前処理装置を上下昇降する構成としている。操縦レバ−4は左右方向への舵取り操作に関連して下端部の接当操作部7が、パワステ用の油圧回路にあるリリ−フバルブ9に接続して設けたバルブヘッド10に接触して押圧操作する構成とし、該バルブヘッド10は、操縦レバ−4を前後方向に傾倒操作するときには接当操作部7に接触しない程度の間隙hを保持させた構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀装置1を搭載した走行車体2の前部に、刈取前処理装置3を上下方向に回動可能に支持して設け、前記走行車体2の操縦位置に設けた操縦レバ−4は、前後方向の支軸5を回動支点として左右方向へ傾倒操作すると車体2を左右に舵取りできる構成とし、更に、該操縦レバ−4は、左右方向の支軸6を回動支点として前後方向へ傾倒操作すると前記刈取前処理装置3が下部の作業位置と上部の非作業位置との間を昇降回動する構成とし、前記操縦レバ−4は左右方向への舵取り操作に関連して下端部の接当操作部7が、パワステ用の油圧回路8にあるリリ−フバルブ9に接続して設けたバルブヘッド10に接触して押圧操作する構成とし、該バルブヘッド10は、前記操縦レバ−4を前後方向に傾倒操作するときには前記接当操作部7に接触しない程度の間隙hを保持させて構成したコンバインの操縦操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの操縦操作装置に関し、農業機械、特に、農業機械の操縦操作機構の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバインの操縦操作装置は、単一レバ−からなるパワステレバ−によって、サイドクラッチ装置とサイドブレ−キ装置とを操作しながら車体の方向変換をする構成が採用されている。そして、刈取前処理装置は、脱穀装置を搭載している走行車体の前部に油圧シリンダにより上下に昇降自由に支架して設けている。そして、前記パワステレバ−は、左右方向への傾倒操作により前述のサイドクラッチ装置とサイドブレ−キ装置とを利用して車体の舵取りを行い、更に、前後方向への傾倒操作により前記刈取前処理装置を昇降操作する構成になっている。そして、パワステレバ−は、その下部にある操作部によってサイドブレ−キ装置の油圧回路に設けているリリ−フバルブを押圧操作して制動力をコントロ−ルできる構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、コンバインは、作業の特性として車体が圃場の端に達して旋回するときには、刈取前処理装置を上方の非作業位置に上昇させた後、すぐに旋回操作に移る必要があり、パワステレバ−を頻繁に操作する。したがって、操縦操作装置は、走行車体の舵取り操作と刈取前処理装置の昇降操作とを、単一のレバ−からなるパワステレバ−に統一して操作を単純化したから、誤操作が少なくなり、楽に操作が出来る利点があるが、反面つぎの如き問題点がある。
【0004】すなわち、パワステレバ−は、左右に傾倒操作してサイドクラッチ装置を切り操作するのに関連して、下部に設けている接当操作部が、油圧回路にあるリリ−フバルブのバルブヘッドを押圧操作してサイドブレ−キ装置の制動力をコントロ−ルする構成になっているが、そのバルブヘッドが、パワステレバ−を前後に傾倒操作して刈取前処理装置の昇降操作のときにも押圧されることがあり、油圧回路の送油に誤って圧力がかかる場合がある。このように油圧回路の送油に誤って圧力がかかっている状態のとき、パワステレバ−を、前後操作に続いてすぐに左右側への舵取り操作に移ると、サイドクラッチが切れた途端にサイドブレ−キが働いて前述の高圧のために急制動がかかり危険な状態が発生する課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次ぎの如き技術手段を講ずるものである。すなわち、脱穀装置1を搭載した走行車体2の前部に、刈取前処理装置3を上下方向に回動可能に支持して設け、前記走行車体2の操縦位置に設けた操縦レバ−4は、前後方向の支軸5を回動支点として左右方向へ傾倒操作すると車体2を左右に舵取りできる構成とし、更に、該操縦レバ−4は、左右方向の支軸6を回動支点として前後方向へ傾倒操作すると前記刈取前処理装置3が下部の作業位置と上部の非作業位置との間を昇降回動する構成とし、前記操縦レバ−4は左右方向への舵取り操作に関連して下端部の接当操作部7が、パワステ用の油圧回路8にあるリリ−フバルブ9に接続して設けたバルブヘッド10に接触して押圧操作する構成とし、該バルブヘッド10は、前記操縦レバ−4を前後方向に傾倒操作するときには前記接当操作部7に接触しない程度の間隙hを保持させて構成したコンバインの操縦操作装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて、本発明の実施例を具体的に説明する。まず、その構成について述べる。走行車体2は、前部に刈取装置と穀稈搬送装置とからなる刈取前処理装置3を設け、上部には脱穀装置1を搭載して刈取脱穀作用を行うコンバインを構成している。そして、走行車体2は、走行装置としてゴムを素材として成型加工したクロ−ラ11、11’を設け、乾田は勿論湿田においても走行できる構成としている。
【0007】そして、走行ミッション装置12は、ミッションケ−ス13の上部に油圧ポンプ部14aと送油ケ−ス部14bと油圧モ−タ−部14cとから構成した油圧変速装置14を連設し、その下部に一連の伝動装置を内装して構成している。そして、油圧変速装置14は、図3に示すように、変速操作レバ−15の操作によって、前後進の切替と増減速の調節ができる構成としている。
【0008】刈取動力取出軸16は、油圧モ−タ−部14cの出力軸17の下方に軸架し、副変速装置18を構成する小ギヤ19、中ギヤ20、大ギヤ21とを一体にして軸方向に摺動自由に遊嵌している。なお、出力軸17の広幅ギヤ22は、図4に示すように、ギヤの幅を広く形成して大ギヤ21が左右に摺動しても常時噛合する構成としている。そして、刈取動力取出軸16は、延長して外部に露出させた位置に刈取伝動プ−リ−23を軸着して構成している。そして、中間軸24は、刈取動力取出軸16の下手側に軸架し、小ギヤ19に噛合する変速大ギヤ25、中ギヤ20に噛合する変速中ギヤ26、大ギヤ21に噛合する変速小ギヤ27を軸着し、前記刈取動力取出軸16との間で副変速装置18を構成している。
【0009】つぎに、切換軸28は、その中間位置に後述するセンタ−ギヤ29に噛合する中間伝動ギヤ30を軸着し、その側部には常時変速小ギヤ27に噛合している伝動ギヤ31を軸着し、更に、側部位置には上部の緩旋回軸32に軸着している緩旋回歯車33と、下側の制動軸34に遊嵌している旋回切換歯車35とに選択的に切り換えて噛合できる正逆切換歯車36を軸方向に摺動自由に軸着している。
【0010】なお、緩旋回軸32は、軸着している小径ギヤ37を前記旋回切換歯車35に常時噛合させており、減速した回転動力を旋回切換歯車35に伝動する構成としている。そして、制動軸34は、図4に示すように、右側に旋回切換歯車35を軸34に接続状態と遊嵌状態とに切り換えるクラッチ装置38を設け、中間位置には左右一対のクラッチ部材39、39’を摺動自由に遊嵌し、後述するサイドクラッチギヤ40、40’に係合して側方に摺動し係合装置41、41’に係合できる構成としており、更に、左側にはブレ−キ装置42を設けている。
【0011】そして、係合装置41、41’は、制動軸34に一体に軸着され、旋回切換歯車35からクラッチ装置38を介して伝達される回転力と、ブレ−キ装置42から伝達される制動力とを、前述のとおり選択的に係合するクラッチ部材39、39’に伝達する構成としている。つぎに、サイドクラッチギヤ40、40’は、クラッチ軸43の中央位置に遊嵌して設けたセンタ−ギヤ29の左右両側において、軸方向に摺動自由に設け、そのセンタ−ギヤ29に係脱可能に操作できる構成としている。この左右一対からなるサイドクラッチギヤ40、40’は、前述の左右一対のクラッチ部材39、39’のそれぞれに常時噛合しており、下側にあるホィ−ルシャフト44、44’に軸着しているホィ−ルギヤ45、45’にも常時噛合する構成としている。
【0012】そして、ホイ−ルシャフト44、44’は、ミッションケ−ス13に軸受して外方に延長し、端部に軸着した駆動スプロケット46、46’によって前述したクロ−ラ11、11’を伝動する構成としている。47、47’は、左右一対のシフタ−を示す。つぎに、ブレ−キ装置42とクラッチ装置38とサイドクラッチギヤ40、40’とを操作する油圧回路8を、図3に基づいて説明する。
【0013】まず、ブレ−キ装置42は、制動軸34の左端に設け、複数のブレ−キ板とその外周の固定機枠側の複数の押圧板とを圧油によって圧接してその制動軸34に制動力を伝達する構成にしている。そして、クラッチ装置38は、その制動軸34の右端に設け、旋回切換歯車35と制動軸34との間を油圧によって係脱操作される多板式のクラッチから構成している。
【0014】そして、切換弁48は、上述のブレ−キ装置42とクラッチ装置38とのいずれか一方側に圧油を送るように切り換える2ポジションタイプとして油圧変速装置14の変速操作レバ−15に設けた切換スイッチ49によって切り換え操作ができる構成としている。この場合、切換弁48は、切換スイッチ49をON操作すると、通電されたソレノイド50が励磁されて切り換わりクラッチ装置43側のクラッチ油路51に送油できる構成としている。なお、52はブレ−キ油路を示す。
【0015】操縦レバ−(通称「パワステレバ−」とも呼ぶ。)4は、前後方向の支軸5を回動支点として左右方向への傾倒操作によってON操作できるスイッチ53、53’を下部の両側に設け、サイドクラッチギヤ40、40’の切換弁54を切り換え操作できる構成としている。なお、この切換弁54は、上述したON操作によって通電されたソレノイド55、55’の励磁により切り換えができる3ポジションタイプの構成としている。
【0016】そして、リリ−フバルブ9は、上部に取り付けているバルブヘッド10が、前記操縦レバ−4の下端部に設けている接当操作部7に接触して左右方向への傾倒操作に関連して押圧操作され、その度合いに応じて油圧回路8中のブレ−キ油路52のリリ−フ圧が高くなる構成としている。図3に示す油圧回路8中において、56はポンプ、57、57’はプッシュシリンダであって、前述のシフタ−47、47’を押圧してサイドクラッチギヤ40、40’をセンタ−ギヤ29に対して断続操作する構成としている。そして、58、58’は流出口、59は圧油流路を示す。
【0017】なお、図9は、油圧回路8の別の実施例を示し、ポンプ56から切換弁54に至る送油通路65の中間位置に絞り66を設けて構成している。このように構成した油圧回路8は、圧油の送油過程ではポンプ56から送油通路65に送られて絞り66を通り、切換弁54を経てプッシュシリンダ57、57’に達する一連の流路において、前記絞り66により流量が規制されるから、プッシュシリンダ57、57’の単位時間当りのストロ−クが短くなり、そのためサイドクラッチギヤ40、40’の抜け方向へのストロ−クを短くできる。逆に、圧油は、戻り流路では絞り66を通らずにタンクに還流するから、サイドクラッチ40、40’を素早く復帰させることが出来るものとなる。この種のコンバインの方向修正は、センタ−ギヤ29からサイドクラッチギヤ40、40’を抜くだけで行うことが多いから、この油圧回路8は、有効となる。
【0018】そして、操縦レバ−4は、図1及び図2に示すように、前述した支軸5より下側を、左右方向の支軸6に支点として支持させて設け、前後方向に傾倒操作ができるように構成し、前後回動操作に関連して刈取上下スイッチ60(図8参照)をON、OFFするように設けている。そして、刈取上下スイッチ60は、別系統の油圧回路中にある切換バルブを切り換え操作して油圧シリンダ61を伸縮させて刈取前処理装置3を、下方の作業位置と上方の非作業位置との間を昇降する構成としている。この場合、刈取前処理装置3は、操縦レバ−4を前方に傾倒操作すると下降し、後方に傾倒操作すると上昇する構成としている。
【0019】そして、前述のバルブヘッド10は、前記操縦レバ−4を、支軸5を支点にして左右(図1参照)に操作するときには、下端部の接当操作部7に接触して押圧操作されるが、操縦レバ−4を、支軸6を支点にして前後(図2参照)に傾倒操作するときには、接当操作部7に接触しないように、間隙hを有する構成としている。
【0020】以上のように構成されている操縦レバ−4は、図8で明らかなように、支軸5の外側端部に舵取復帰スプリング62が巻きつけられ、これの下側に直交状に軸架した支軸6の外側端部には刈取復帰スプリング63が巻きつけられており、それぞれ操作後に自動復帰ができる構成としている。そして、操縦レバ−4は、これら一連の関連部材を一体的にユニット構成とし製作しているから、一つの構成ブロックとして取扱いができ、操縦位置の操作パネルへの取り付け、取外し作業やメンテナンスが容易にできる利点がある。64はグレンタンクを示す。
【0021】別実施例1別実施例1は、駐車ブレ−キの操作機構に関し、図10及び図11に基づいて説明する。本案に係る駐車ブレ−キ装置70は、従来から広く知られているように、走行ミッション装置71において、左右一対のサイドクラッチ装置とサイドブレ−キ装置とをクラッチ軸に設け、その両装置を、走行車体72上のブレ−キペタル73により操作できる構成にしている。そして、ブレ−キペタル73は、操作ワイヤ74を介して走行ミッション装置71の側壁75に軸着している二つの操作ア−ム76、76’に取り付けるにあたり、外側のア−ム76’にインナ−を内側のア−ム76にアウタ−をそれぞれ連結している。77、77’はクロ−ラである。
【0022】従来のこの種装置は、図11に示すように、左右のサイドクラッチとサイドブレ−キとを操作する二つの操作ア−ムA、A’を走行ミッション装置Bの前面に配置して取り付け、操作ワイヤ−Cを介してブレ−キペタルDに連結した構成になっていた。E、E’は左右のクロ−ラを示す。このように、従来型の操作ア−ムA、A’と操作ワイヤ−Cは、走行ミッション装置Bの前面にあるために、クロ−ラE、E’の推進によって前進するとき前側から侵入してくる泥土や藁屑がすぐに絡みついて付着し、作動不能の状態になることがしばしばあった。
【0023】これに対して、別実施例1は、図10に示すように、二つの操作ア−ム76、76’を走行ミッション装置71の側壁75に軸着して設け、操作ワイヤ74を介してブレ−キペタル73に連結した構成にしたから、前進にともなって前側から侵入してきた泥土や藁屑を直接受けることはなく、避けることができて付着や絡みつきを極端に少なくし、従来型の問題を解消することができた。しかも、操作ア−ム76、76’は、走行ミッション装置71の前後方向に沿う側壁75に軸着することにより、操作ワイヤ74の延長方向と同一面となり、構成を合理的にして適確に操作が出来るものとなった。
【0024】別実施例2つぎに、別実施例2を、図4と図12とに基づいて説明する。別実施例2は、図4に示すように、左右一対のサイドクラッチギヤ40、40’を、中央のセンタ−ギヤ29に対して係脱自由に摺動操作する左右のシフタ−80、80’に関するものである。別実施例2に係るシフタ−80、80’は、支点81を中心にしてプッシュロット82により押圧される基部80aの長さL1とサイドクラッチギヤ40、40’を操作する操作部80bの長さL2とをL1<L2の関係に構成したものである。
【0025】以上のように構成すると、シフタ−80、80’は、プッシュロット82の作動ストロ−クを短くしてもサイドクラッチギヤ40、40’を充分な必要長さを作動させることが出来る構成上の利点がある。この構成を利用して、プッシュシリンダ−やシフタ−80、80’をコンパクトに製作しても前述L1<L2の関係を保つことにより充分に機能を発揮できるものとなった。
【0026】別実施例3別実施例3は、刈取スライドに関するものであって、以下、図13に基づいて説明する。刈取スライド装置85は、従来から周知のように、一方側を機体86に枢着連結したシリンダ87に、他方側をスライド部材88に枢着したピストン89を摺動自由に嵌合してシリンダ87を左右に仕切って二つの圧力室90、90’を有する油圧シリンダを構成している。そして、圧力室90、90’は、それぞれホ−ス91、91’を介してポンプ92に連通してオイルの供給と排出ができるものとし、ピストン89を左右に摺動する構成にしている。そして、連通路93は、両方の圧力室90、90’を連通してオイルの循環を可能として中央位置にバルブ94を設け、機体の操縦位置から開閉できる構成としている。
【0027】そして、機体86は、コンバインの走行車体に連結され、刈取装置95等を伝動する伝動軸96が内装されている。そして、スライド部材88は、機体86に固着した支持筒97にスライド自由に支持させたスライド筒98に一体的に連結し回転動力を伝動しながら左右にスライドできる構成にしている。そして、スライド部材88は、前記刈取装置95の他に刈取前処理装置を構成する各装置が連結されている。
【0028】以上のように構成した別実施例3は、通常の作業時には、エンジンを始動してポンプ92を駆動しながら、圧力室90又は90’の一方側にオイルを供給して刈取スライドを行うことが出来る。そして、メンテナンスを行うときには、エンジンを停止した状態(ポンプを停止したまま)でスライド部材88を機体86に対してスライドすることができる。すなわち、油圧シリンダは、バルブ94を開くと、開通した連通路93によってシリンダ87の二つの圧力室90、90’が連通状態になり、スライド部材88を手で押し、引きすると内部のオイルが流動して移動しピストン89が伸縮できる。したがって、スライド部材88は、エンジンを駆動しなくても(ポンプを停止状態のまま)シリンダ87に対してピストン89を左右に摺動して移動できる実用的効果を有する。
【0029】別実施例4別実施例4は、クロ−ラ100の損傷防止装置に関し、図14乃至図16に基づいて説明する。まず、クロ−ラ100は、芯金101を所定間隔ごとに配置して埋設し、ゴム材を素材として無端帯状に成型して構成し、駆動スプロケット102と複数の転輪103に巻回して走行装置を構成している。そして、転輪103は、走行車体を構成する取付フレ−ム104に設けた取付軸105に回転自由に軸架して設けている。そして、ガイド部材106は、前記取付軸105の内側端部で、しかも、クロ−ラ100の内側上方位置にあって、通常の回り止め部材より肥大化した形状に構成して取り付けている。
【0030】コンバインは、圃場においてコンクリ−ト畦畔を股いだ状態で走行することがあるが、クロ−ラ100が畦畔上に乗り上げて走行すると、図16に示すように、その内側端縁が上方に捲れ上がり取付軸105や取付フレ−ム104に接触したり、巻き込まれながら回転して破損することがあった。そこで、別実施例4は、クロ−ラ100が畦畔に押されて上方に捲れ上がろうとすると、上側にあるガイド部材106に案内されながら巻き込みが防止され、破損を未然に防ぐことができる。
【0031】つぎにその作用について説明する。まず、エンジンを始動すると、回転動力は、入力プ−リ−から油圧変速装置14に達し、油圧ポンプ部14a、油圧モ−タ−部14cに伝達されて出力軸17を伝動する。そして、オペレ−タは、操縦レバ−4を左右の支軸6を支点にして、図2に示すように、前方側に傾倒操作すると、刈取前処理装置3は、刈取上下スイッチ60がONとなり、上方の非作業位置から油圧シリンダ61が縮小作動して下方の刈取作業位置まで下降して作業態勢になる。このとき、バルブヘッド10は、操縦レバ−4の前側への操作により上方で移動している接当操作部7、7’との間に、間隙hが保たれているから、誤って押圧操作されることはない。
【0032】そして、油圧変速装置14は、変速操作レバ−15を前進側にして作業速の位置に操作し、更に、副変速装置18を通常の作業速度である低速側に操作して準備をする。すると、回転動力は、広幅ギヤ22、大ギヤ21、小ギヤ19、変速大ギヤ25、変速小ギヤ27、伝動ギヤ31を介して切換軸28に伝動される。更に、回転動力は、切換軸28、中間伝動ギヤ30、センタ−ギヤ29、サイドクラッチギヤ40、40’、ホィルギヤ45、45’、ホイルシャフト44、44’、駆動スプロケット46、46’を経て左右両側のクロ−ラ11、11’を伝動する。
【0033】以上のようにして、コンバインは、クロ−ラ11、11’が駆動されて前進を開始し、刈取前処理装置3と脱穀装置1にも回転各部が伝動されて作業状態にあり、刈取脱穀作業を開始する。圃場の穀稈は、走行車体2の前進にともなって前端下部の分草杆によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置の作用により倒伏状態から直立状態に引き起こされる。そして、圃場の穀稈は、株元が刈取装置によって刈り取られ、穀稈搬送装置によって挾持されて上方に搬送される。
【0034】このようにして、穀稈搬送装置の終端部分に達した穀稈は、フィ−ドチエンに受け継がれて株元が挟扼された状態で搬送されながら、穂先部分が扱室内の扱胴によって脱穀される。そして、脱穀処理物は、下方の選別室に達して選別風と揺動選別装置の作用を受けて選別処理されるものである。以上のように、コンバインは、連続的に刈取脱穀作業を行い、脱穀選別した穀粒を収穫してグレンタンク64に収集貯留する。
【0035】さて、次に、コンバインが圃場の端に達して走行車体2を旋回する操作について説明する。まず、車体2の旋回操作に先立って、操縦レバ−4を後方に傾倒操作すると、刈取前処理装置3は、刈取上下スイッチ60がONとなって切換バルブが切り換えられて油圧シリンダ61に圧油が送り込まれて伸長しながら上方の非作業位置に上昇する。このとき、操縦レバ−4は、下部の接当操作部7とバルブヘッド10との間に間隙hが保持されているから、リリ−フバルブ9を誤操作することなく、刈取前処理装置3の上昇のみを行う。
【0036】続いて、走行車体2を左側へ通常旋回するが、まず、操縦レバ−4を支軸5を支点にして左側に傾倒操作すると、スイッチ53がONとなってソレノイド55を介して切換弁54を切り換える。すると、サイドクラッチギヤ40は、プッシュシリンダ57にポンプ56からの圧油が送られて作動し、シフタ−47を押圧操作して外側に移動し、センタ−ギヤ29との伝動が断れるために左側のクロ−ラ11を停止して左旋回を開始する。そのとき、バルブヘッド10は、操縦レバ−4の下部にある接当操作部7によって押圧操作されているからリリ−フバルブ9が働き、油圧回路8中の圧力が高くする。そして、切換弁48は、図3の位置にあり、操縦レバ−4をさらに同じ方向に操作を続けると、リリ−フバルブ9の圧力が順次高くなって、圧油流路59を経て送られてきた圧油が切換弁48を通りブレ−キ油路52からブレ−キ装置42に送り込まれる。したがって、ブレ−キ装置42は、センタ−ギヤ29から離脱しているサイドクラッチギヤ40に、制動軸34、係合装置41、クラッチ部材39を介して制動力を与えることとなり、停止しているクロ−ラ11にブレ−キをかける。
【0037】その結果、走行車体2は、旋回内側のクロ−ラ11に制動力を与えて停止した状態を保ち、旋回外側のクロ−ラ11’を回転駆動するから左旋回することができる。この場合、走行車体2は、現実には前進と後進を繰り返しながら約90度あるいは往復刈取を行うときは180度の旋回を行うものである。
【0038】
【発明の効果】本発明は、脱穀装置1を搭載した走行車体2の前部に、刈取前処理装置3を上下方向に回動可能に支持して設け、前記走行車体2の操縦位置に設けた操縦レバ−4は、前後方向の支軸5を回動支点として左右方向へ傾倒操作すると車体1を左右に舵取りできる構成とし、更に、該操縦レバ−4は、左右方向の支軸6を回動支点として前後方向へ傾倒操作すると前記刈取前処理装置3が下部の作業位置と上部の非作業位置との間を昇降回動する構成とし、前記操縦レバ−4は左右方向への舵取り操作に関連して下端部の接当操作部7が、パワステ用の油圧回路8にあるリリ−フバルブ9に接続して設けたバルブヘッド10に接触して押圧操作する構成とし、該バルブヘッド10は、前記操縦レバ−4を前後方向に傾倒操作するときには前記接当操作部7に接触しない程度の間隙hを保持させて構成したものであるから、刈取前処理装置を昇降する前後の傾き倒す操作時にリリ−フバルブを誤操作することがなくなり、安全に旋回操作を行うことが出来る特徴を有する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月7日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−18549
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−181180