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【発明の名称】 小型乗用モア
【発明者】 【氏名】喜多 毅

【要約】 【課題】小型で安価な作業車を構成し、該作業車にモアをコンパクトに装着する必要があった。

【解決手段】前輪2と後輪3との間の腹部にエンジンE等の動力部を配し、該エンジンを車体カバー5によって被装し、エンジン上方の車体カバーに運転シート16を形成した作業車1を構成し、該作業車の前部にモアMを装着し、該モアの後部を左右の前輪内に入り込ませ、モアのケース18を作業車前部や前輪保護するバンパーとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪と後輪との間の腹部にエンジン等の動力部を配し、該エンジンを車体カバーによって被装し、エンジン上方の車体カバーに運転シートを形成して作業車を構成し、該作業車の前部にモアを装着し、該モアの後部を左右の前輪内に入り込ませたことを特徴とする小型乗用モア。
【請求項2】 作業車の前部にモアを装着し、前輪と後輪との間の腹部にエンジン等の動力部を配し、該エンジンを車体カバーによって被装し、エンジン上方の車体カバーに運転シートを形成し、前記車体カバー側面下部を左右側方に延出し、前輪を被装するカバーに連接して後方にステップを形成したことを特徴とする小型乗用モア。
【請求項3】 作業車の前部にモアを装着し、該モアのケースを側方に延出させて、前輪保護用のバンパーを形成したことを特徴とする小型乗用モア。
【請求項4】 左右に前輪を配した作業車の前部にモアを装着し、該モアのケース後部を左右前輪間内に入り込ませて作業車のバンパーとしたことを特徴とする小型乗用モア。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モアを装着する小型の乗用作業車の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタの前輪と後輪との間の腹部や、トラクタの前部若しくは後部にロータリーモアを装着し、芝草を刈り取る作業が行われていた。このトラクタ装着型のモアは刈り取り効率が高く、おもに果樹園等の大規模農地や、ゴルフ場や競技場、庭園等の広大な面積を有する芝地に用いられていた。また、このトラクタ装着型のモアの値段は高価なものとなっていたので、家庭における庭や小規模の農場においてトラクタ装着型のモアを用いることは、コスト的に無駄なものであった。その為に、小規模の土地においては、小型の乗用作業車の腹部や、作業車前部若しくは後部にロータリー型のモアやハンマーナイフ型のモアを装着した安価な構成のものが用いられていた。この小型の乗用作業車は、作業車前部にフロントコラムを立設し、前後中央部に運転席を載置し、運転席後方にエンジンやトランスミッションを配し、前記フロントコラムには、走行変速用の主変速レバーを配設した構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術において小型の乗用作業車は、運転席の後方にエンジン等の動力伝達部を配しており、機体の全長を短くするには限界があった。また、前輪と後輪との間の腹部にモアを配置する構成においては、全長を短くすることは出来るが、モアを下方に配設した分において車高を高くする必要があった。また、前記モアを機体の前部や後部に吊設する構成においては、機体の全長がその分長くなっており、機体を小回りさせて、樹木の幹の周辺部をスムーズに刈り取ることが困難となっていた。そこで、作業車をできる限りコンパクトにし、果樹園内の木々の間や、細い小道等の芝刈り作業を行うことのできる構成のものが望まれてきている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。前輪と後輪との間の腹部にエンジン等の動力部を配し、該エンジンを車体カバーによって被装し、エンジン上方の車体カバーに運転シートを形成し、該作業車の前部にモアを装着し、該モアの後部を左右の前輪内に入り込ませている。また、前記車体カバー側面下部を左右側方に延出し、前輪を被装するカバーに連接して後方にステップを形成している。また、前記モアのケースを側方に延出し、ケース後部を左右前輪間内に入り込ませ作業車保護用のバンパーを形成するように構成した。
【0005】
【本発明の実施の形態】次に実施例について説明する。図1は本発明を小型乗用モアの側面図、図2は同じく斜視図、図3は小型乗用モアの第二実施例を示す側面図、図4は同じく斜視図、図5は小型乗用モアの第三実施例を示す側面図、図6は同じく斜視図、図7は小型乗用モアの第四実施例を示す側面図、図8は同じく斜視図である。
【0006】本発明の小型に形成した作業車の前部にモアMを装着した前装モアの構成について図1、図2を用いて前装モアの第一実施例について説明する。前装モアの作業車1は、作業車1前部に操向輪である前輪2が左右に配設され、作業車1後部に後輪3が左右に配設されている。前輪2と後輪3との間にエンジンEやミッションケース4等の動力部が配されている。該動力部は車体カバー5によって被装されている。また、作業車1の車体カバー5前部にはフロントコラム10が立設され、該フロントコラム10上端部より上方に操向ハンドル11が配設されている。前記フロントコラム10には、主変速レバー12やアクセルレバー13や図示せぬキースイッチが配設されている。更に、作業車1の前部には、ロータリブレード15を内装したモアMが装着されている。
【0007】前記車体カバー5は、モノコック方式により略箱型に形成され、軽量化が図られている。略箱型に形成した該車体カバー5は、前輪2の上方から後輪3の上方までのホイールベース長さに合わせて形成している。前記車体カバー5内部には、エンジンE等の動力部や、ロータリモアMを昇降する昇降機構等が内装されている。尚、前記車体カバー5は、モノコック方式に限定するものでなく、フレーム方式にし、フレーム上に車体カバー5を載置する構成にすることもできる。
【0008】また、車体カバー5の側面下部は外側に延出され、車体カバー5前下部に前輪カバー5a、車体カバー5前後中央下部にステップ5c、車体カバー5後下部に後輪カバー5bが形成されている。前輪カバー5aは前輪2の上後方を被装するように略円弧状に形成され、前輪カバー5a後下部を、地上面の直上方まで延出している。前記ステップ5cは、前輪カバー5a後部に連設され、ステップ5cを地上面の直上方に水平状に形成している。該ステップ5cの後部には、後輪カバー5bが連設されている。該後輪カバー5bも略円弧状に形成され、後輪カバー5bによって後輪3の前上部を被装している。
【0009】また、前記車体カバー5の上後部は、カバーと一体型の運転シート16が形成されている。よって、機体上に搭乗するオペレータは、ステップ5cに足をおき、車体カバー5に跨がって運転シート16に腰かけて、操向ハンドル11を用いて走行させている。このように、作業車1は小型のバイク型に形成されている。
【0010】また、前記車体カバー5の前面には、ライト配置用の孔5dが開口され、該孔5d内にライト17が嵌合されている。前記ライト配置用の孔5dの下方には、凹部5eが形成され、車体カバー5前面の下部を開放状態にしている。前記凹部5e内には、前記モアM後部が挿入される。前記モアMは、車体カバー5前部に配した昇降シリンダ等によって構成される昇降機構に連結され、該昇降機構を駆動することで、モアMが適所位置に昇降される。
【0011】前記モアMは、ロータリブレード15の外周を被装するモアケース18、モアケース18内部に固設するギアボックス19より構成されている。前記ミッションケース4よりギアボックス19に減速した動力が伝達され、ギアボックス19を介してロータリブレード15を回動している。
【0012】尚、前記ロータリブレード15の駆動力は、ミッションケース4側部に油圧式無段変速装置の油圧ポンプを配し、モアM内に、油圧式無段変速装置の油圧モータを配し、該油圧モータに圧油を送油して、油圧モータを介してロータリブレード15を駆動する構成にすることもできる。
【0013】そして、本発明において、前記ギアボックス19は、左右の前輪2の間位置に配され、該ギアボックス19に軸支される駆動軸9を側面視で前輪2の直前位置に配置している。該駆動軸9に固設したロータリブレード15を回動させると、ロータリブレード15の回動軌跡の後部が、側面視で前輪2とラップされている。よって、前記ロータリブレード15は、作業車1前端部より前方に突出する長さが抑えられ、モアMを装着した作業車1の全長が短くなり、コンパクトな構成となり、旋回操作を容易にしている。
【0014】また、前記モアケース18は、ロータリブレード15を被装し、モアケース18の左右側部は、左右の前輪2・2の前方まで延出されている。該モアケース18の外周部には、枠体14が固設され、モアケース18の剛性が高められている。更に、該モアケース18後部は前述したように凹部5e内に挿入され、車体カバー5と一体化しており、モアケース18が作業車1のバンパーとして用いられている。また、前記車体カバー5前部内部には、図示せぬ緩衝部が固設されている。該緩衝部の直前位置には、モアケース18後端部が配置され、モアケース18が障害物と接触した場合に、モアケース18後端部が緩衝部に当接され、モアケース18の衝撃を吸収する構成にすることもできる。
【0015】また、車体カバー前面の下部に凹部を設け、該凹部6c内にモアMを配設する前装モアの第二実施例について説明する。この第二実施例は図3、図4に示すように構成されている。第二実施例のモアM2は、ロータリブレード15を被装するモアケース20上面が前低後高状に形成されている。また、車体カバー6も上下に二分割され、下部カバー6aを前低後高に形成されている。前記車体カバー6後部に運転シート16が載置され、車体カバー6前部にフロントコラム10を立設する前部カバー6bが載置されている。該前部カバー6b前下部に凹部6cが開口されており、モアM2後部を挿入すると、モアケース20上面と下部カバー6a上面とが側面視で直線状に形成され、スタイリッシュな構成となっている。また、前記モアM2後部を凹部6c内に挿入し、ロータリブレード15の後部が左右の前輪2の間に配され、モアM2の前方に突出する量が減少され、第一実施例と同様に全長を短くしたコンパクトな構成となっている。
【0016】また、前記凹部6c内に図示せぬ昇降機構が配設されている。該昇降機構の前方に前後方向にアーム21が配設され、該アーム21が昇降機構に連動されている。該アーム21は、凹部6c内より前方に突出している。一方、前記モアM2のモアケース20上部には、前後方向に溝部20aが形成されている。該溝部20a内に前記アーム21が配され、該アーム21前部が溝部20a前部に枢支されている。よって、前記昇降機構を駆動し、アーム21前部を上下方向に回動させると、モアM2後部が凹部6c内を昇降する。
【0017】また、車体カバー前下部に凹部を設けず、モアMを配設する構成について説明する。図5、図6に前装モアの第三実施例が示されている。前装モアの作業車1は、車体カバー7前上部を上方に湾曲し、車体カバー7前上部をフロントコラムの一部としている。車体カバー7前下部は、前輪2より上方に形成し、車体カバー7前部下面が地上面より高く形成されている。この車体カバー7前部下方の左右の前輪2の間に、油圧シリンダー等によって構成する図示せぬ昇降機構が配設され、該昇降機構にモアM3が連動連結されている。第三実施例におけるモアM3は、モアケース30の上部にギアボックス31を固設した構成となっている。前記ギアボックス31とモアケース30とが左右の前輪2との間に入り込み、第一実施例と同様に機体の全長を短くした構成とされている。
【0018】また、前装モアの第四実施例について、図7、図8を用いて説明する。第四実施例においては、車体カバー8の下部を外側に延出し、車体カバー8の左右側部にフロワ8aが形成されている。該フロワ8aの前部及び後部は、側面視「へ」字状に形成され、前輪2と後輪3とを被装するカバーが形成されている。また、前輪2と後輪3とを被装するカバーとの間に、ステップが連設されている。前記車体カバの周囲は、パイプ体をループ状に形成した枠体41によって固設され、車体カバー8の剛性が高められている。更に、前記車体カバー8前部は、フロワ8a形状に沿って前輪2の上方に配設されている。前記車体カバー8前部下面は地上面より上方に高く形成されている。
【0019】また、前記車体カバー8の前部下方の左右の前輪2の間位置の後方には油圧シリンダー等によって構成される図示せぬ昇降機構が配設され、該昇降機構によって前端部が上下に回動されるアーム42が連結されている。該アーム42は、前記車体カバー8前部下方を通過し、作業車1より前方に突出されている。一方、第四実施例のモアM4は、モアケース40上面にブラケット43が固設されている。該ブラケット43が、前記アーム42の前端部に枢支され、モアM4が装着される。また、前記モアケース40の後部は、左右の前輪2の間位置に入り込んでおり、第一実施例と同様に機体の全長を狭めた前装モアが構成されている。尚、第四実施例のモアM4の駆動力は、図示せぬ電動モータを配したり、ミッションケース4より前方にPTO軸を突出し、動力が伝達される構成にすることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載のように、前輪と後輪との間に配したエンジンを車体カバーで被装し、該車体カバーの上部を運転シートとした小型で安価な構成の作業車が構成され、該作業車の前部にモアを装着することで、家庭や小規模の農場において使用することで、コスト的に無駄のない芝刈り作業機を提供することができる。また、作業車の前部に装着したモアの後部を左右の前輪間に配して、モアの作業車より前方に突出する量を減少させて、全長を短くしたコンパクトな構成にすることができ、作業スペースの狭い空間にこの作業車を乗り入れることができるので、道幅の狭い小道や果樹園内の木々の間の芝刈り作業を行うことができる。
【0021】また、請求項2記載のように、作業車の前部にモアを装着し、作業車の前輪と後輪との間の腹部にエンジン等の動力部を配し、該エンジンを車体カバーによって被装し、エンジン上方の車体カバーを運転シートとした作業車を小型に形成し、前記車体カバー側面下部を左右側方に延出し、前輪を被装するカバーに連接して後方にステップを形成したことで、美観の優れたデザインであり、尚且つ、前輪の近傍位置にステップを形成しても、ステップ上の足場が前輪より保護されており、安心感を持って作業を行うことができる。また、カバーやステップが車体カバーと一体的となっており、工場における組立作業を簡略化することができ、コストを削減した構成とすることができる。
【0022】また、請求項3記載のように、作業車の前部にモアを装着し、該モアのケースを側方に延出させて、前輪保護用のバンパーを形成したことによって、機能的な前装モアが構成され、果樹園内の木々の周囲の芝刈り作業をしても、前輪によって幹を傷つけることがなく、芝刈りを行うことができる。
【0023】また、請求項4記載のように、左右に前輪を配した作業車の前部にモアを装着し、該モアのケースを左右前輪間内に入り込ませることで、バンパーとしており、作業車を保護することができ、機能的なモアを構成することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−18542
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−174159