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【発明の名称】 根菜類収穫機
【発明者】 【氏名】古 谷 博 史

【要約】 【課題】収穫物集収用コンテナを走行車体に積降し自在に載装するする根菜類収穫機において、コンテナへの収穫物収納等の取り扱い作業を容易に行えるようにする。

【解決手段】引抜き搬送体によって引き上げ搬送される根菜類を、横搬送体で車体幅方向の横一側に搬送した後、その搬送物を前後方向の縦搬送体に引き継いで後送するようにし、縦搬送体の車体内方側の横側部に沿って前後に縦長の作業用ステップを設け、その作業用ステップを挟んで縦搬送体の反対側に収穫物集収用のコンテナを載装して、根菜類を取扱う作業者が作業用ステップに乗った儘で収穫物集収用コンテナの積降しを行うことができ、また、縦搬送体からコンテナへの根菜類収納所作や、横搬送体部及び縦搬送体部に対する補助的所作を容易に行えるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場に植立する根菜類の茎葉部を挟持して後方斜め上方に引き上げる引抜き搬送体(10)を、走行車体(11)の横幅方向一側に配設すると共に、その引抜き搬送体(10)の搬送終端部(10a)に吊持状態で搬送された根菜類を受け継いで走行車体の他方側に横送りする横搬送体(12)と、その横搬送体(12)の搬送終端部(12a)から後方に向けて根菜類を受継ぎ搬送する縦搬送体(13)とを設け、縦搬送体(13)の搬送終端部に搬送されてきた根菜類を、横搬送体(12)の下方から後方の部位において縦搬送体(13)の内方横側部位に載置するコンテナ(14)に収納するようにした根菜類収穫機において、前記縦搬送体(13)の車体内方横側部に沿って前後に縦長の作業ステップ(16)を固設し、その作業ステップ(16)を挟んで前記縦搬送体(13)の反対側にコンテナ(14)を載装するように構成してある根菜類収穫機。
【請求項2】 圃場に植立する根菜類の茎葉部を挟持して後方斜め上方に引き上げる引抜き搬送体(10)を、走行車体(11)の横幅方向一側に配設すると共に、その引抜き搬送体(10)の搬送終端部(10a)に吊持状態で搬送された根菜類を受け継いで走行車体の他方側に横送りする横搬送体(12)と、その横搬送体(12)の搬送終端部(12a)から後方に向けて根菜類を受継ぎ搬送する縦搬送体(13)とを設け、縦搬送体(13)の搬送終端部に搬送されてきた根菜類を、横搬送体(12)の下方から後方の部位において縦搬送体(13)の内方横側部位に載置するコンテナ(14)に収納するようにした根菜類収穫機において、前記縦搬送体(13)の車体内方横側部に沿って前後に縦長の作業ステップ(16)を固設し、その作業ステップ(16)を挟んで縦搬送体(13)の反対側にコンテナ(14)を配置し、該コンテナ(14)を前後に縦長に形成して、その前部を上記横搬送体(12)の下側に入り込み重複させて載装するように構成してある根菜類収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場に植立する大根や人参等の根菜作物を収穫する根菜類収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図7及び図8に示しているような根菜類収穫機が知られている。すなわち、圃場に植立する根菜類の茎葉部を挟持して後方斜め上方に引き上げる引抜き搬送体(110)を、走行車体(111)の横幅方向一側に前低後高に配設するとともに、その引抜き搬送体(110)の搬送終端部(110a)に吊持状態で搬送された根菜類を受け継いで走行車体の他方側に横送りする横搬送体(112)と、その横搬送体(112)の搬送終端部(112a)から後方に向けて根菜類を受継ぎ搬送する縦搬送体(113)とを設け、縦搬送体(113)の搬送終端部に搬送されてきた根菜類を、横搬送体(112)の下方から後方の部位において縦搬送体(113)の内側部分に載置するコンテナ(114)に収納するように構成した根菜類収穫機が知られている。
【0003】そして、この種の根菜類収穫機においては、前記引抜き搬送体(110)の横側部において走行車体(111)に配設した操縦部(115)に搭乗するオペレ−タが走行車体の操縦運転を行い、オペレ−タとは別の作業者がコンテナ(114)への根菜類の収納などの収穫物取り扱い作業を行うのであるが、従来のものでは、前記作業者が乗る為の作業ステップ(116)を、前記コンテナ(114)の後側部分に沿って横長に設けていた。
【0004】なお、図7及び図8における(117)(118)は、引抜き搬送体(110)の挟持始端部の前側に設けられる横回し型タイン付き掻上ベルトと縦回し型タイン付き引上げベルト、(119)は、根菜類の根部を浮き上がらせる振動刃である。また、(120)は、引抜き搬送体(110)によって移送される根菜類の茎葉部を根部から切り離す為のカッタ−、(121)は、横搬送体(112)によって搬送される根菜類の根部側に残存する茎葉部を一定長さに切り揃える為のカッタ−である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記コンテナ(114)は、収穫物を収容した儘で走行車体(111)から降ろして空のものと載せ替えできるようにしないと、コンテナ(114)からの収穫物の取出しに手間が掛って作業能率が著しく低下する。それ故に、前記走行車体(111)にガイドレ−ル(122)(122)を設け、それに沿ってコンテナ(114)を前後移動させ、且つ、走行車体の前後進を利用して、走行車体の後部においてコンテナ(114)を積降しできるように成されるのであるが、従来の根菜類収穫機においては、先に説明したように、作業ステップ(116)がコンテナ(114)の後側部分に沿って横長に設けられていたので、コンテナ(114)をガイドレ−ルに沿って前後移動させて積降しする際には、コンテナ(114)の前後移動を妨げない部位に作業ステップ(116)を退避移行させねばならなくて、その為に構造が複雑化する問題があった。
【0006】また、上述のように、コンテナ(114)を積降す際には、その移行圏外に作業ステップ(116)を退避させる必要があるため、コンテナ積降しの都度、作業者は作業ステップから降りることを余儀なくされ、作業ステップ(116)に乗った儘でコンテナ及び収容物の状況を間近に確認しながら積降し作業を行うことができないという問題があり、さらに、収穫作業の場合には、コンテナ(114)の後側部分に沿って横長に位置する作業ステップ(116)に作業者が乗ることになるので、前出の横搬送体(112)や縦搬送体(113)の始端部に対しての作業者の位置が遠くなって、横搬送体(112)等の搬送途上における収穫物に対する補助的作業を行い辛くなるという問題もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、根菜類を収納するコンテナを走行車体に対して積降しできるものでありながら、その積降し作業及びコンテナを載装しての収穫作業を、オペレ−タとは別の作業者が作業ステップに乗った儘で行えるようにしたものである。そして、このように構成したことにより、コンテナ積降しの都度、コンテナの移行経路から作業ステップを退避移行させる可動構造が不要になって構造が簡素化されるとともに、作業者は常に作業ステップ上に在ってコンテナの積降し及び収穫作業における補助的所作を楽に行えるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図面を参照して説明すると、根菜類収穫機は、左右一対のクロ−ラ走行部(23)(23)を備えた走行車体(11)に、運転者が搭乗する操縦部(15)と、圃場に植立する根菜類を抜き上げその茎葉部を切除処理して根部を収集する一連の収穫作業部と、それらに関連するその他の装置とを所定のように配設して構成される。また、操縦部乃至その近傍部には、前記クロ−ラ走行部並びに収穫作業部を駆動するエンジン(24)や、油圧装置及び電装品類などの制御装置等が設けられている。
【0009】一方、一連の収穫作業部は、つぎのように構成されている。操縦部(15)の反対側において走行車体(11)の横幅方向一側に前低後高に配設する引抜き搬送体(10)の挟持始端部近辺に、横回し型のタイン付き掻上ベルト(17)及び縦回し型のタイン付き引上げベルト(18)と、土中に進入する振動刃(19)を設け、走行車体(11)が進行すると振動刃(19)が圃場に植立する根菜類の根部を浮き上がらせると共に、その根菜類の茎葉部を横回し型及び縦回し型のタイン付き引上げベルト(17)(18)が掻上げて引抜き搬送体(10)の挟持始端部(10b)に受け継ぎ挟持させ、挟持状態で引抜き搬送体(10)の搬送終端部(10a)に向けて移送される葉部を、カッタ−(20)で荒切りし、その荒切りされた切除物を排出ベルト(25)で排出するように構成されている。
【0010】また、引抜き搬送体(10)の搬送終端部(10a)の下側に搬送始端部を位置させて横搬送体(12)が設けられ、前記引抜き搬送体(10)の搬送終端部(10a)において姿勢変更用接当具(26)により横倒し姿勢に変更される根菜類を横搬送体(12)に送給して、走行車体(11)の他方側に向けて横送りするように構成されている。前記横搬送体(12)は、横倒し姿勢の根菜類の根部が載置されるベルトコンベア部(12A)と、根部側に残存する茎葉部を係引搬送する茎葉部移送部(12B)とで構成され、移送終端部(12a)においてベルトコンベア部(12A)と茎葉部移送部(12B)との間に配設するカッタ−(21)でもって根菜類の根部側に残存している茎葉部を一定長に切り揃えるようになっている。
【0011】さらに、横搬送体(12)の搬送終端部(12a)には、同部(12a)から送り出される根菜類を受け継いで後送する縦搬送体(13)が前後向きに設けられ、その縦搬送体(13)の搬送終端部には、搬送物を受け止める寄せ板(27)が設けられて、その寄せ板(27)部に至った搬送物(根菜類)を、前記操縦部(15)に搭乗する運転者とは別の作業者によって後述するコンテナ(14)に順次収納するように構成されている。そして、根菜類を取り扱う作業者が搭乗する作業ステップ(16)が、縦搬送体(13)の内辺横側部に沿って前後に縦長に配設されるとともに、その作業ステップ(16)を挟んで縦搬送体(13)の反対側に、前後方向に縦長のコンテナ(14)が配置されて、該コンテナ(14)の前部が上記横搬送体(12)の下側に入り込み重複して位置するように設けられている。
【0012】前記コンテナ(14)は支持枠(28)上に載置されるようになっており、その支持枠(28)は、コンテナ(14)を載置する底部支持枠(28a)と、その底部支持枠(28a)の前端部に立設する支柱枠(28b)とで構成されていて、底部支持枠(28a)の裏面に装設する転輪(28c)(28c)群を、走行車体(11)に前後向きで、且つ、側面視で後部下がりに設けられているガイドレ−ル(22)(22)に転動可能に係合させて、支持枠(28)と走行車体(11)との間に介装した油圧シリンダ(29)の伸縮動によりガイドレ−ル(22)(22)に沿って前後移動できるように設けられている。
【0013】なお、支持枠(28)に載置されたコンテナ(14)は、通常、抱持掛止具(30)によって掛止されるようになっている。すなわち、支柱枠(28b)に上下回動可能に軸着(31)されて油圧シリンダ(32)の作動により軸着(31)部を支点にして上下に回動する平面視ロ字状の抱持掛止具(30)が、コンテナ(14)の周囲を抱くように位置してコンテナ(14)の滑落が阻止され、又、油圧シリンダ(32)の作動によって抱持掛止具(30)が上方に退動されると、コンテナ(14)に対する掛止が解かれるようになっている。
【0014】また、前記軸着(31)部から延設する揺動ア−ム(33)の先端部に、前記支持枠(28)上に載置されたコンテナ(14)の前壁外面に当接するロ−ルが横設されていて、抱持掛止具(30)が上方に退動されてコンテナ(14)に対する掛止が解かれると、ロ−ルが後方向きに移動してコンテナ(14)を後方に移動させる初動力を加えるようになっている。
【0015】したがって、コンテナ(14)を走行車体(11)から降ろす場合には、油圧シリンダ(29)を伸長動させると、支持枠(28)がコンテナ(14)を載置した儘で図6に実線で示しているように移動して行き、コンテナ(14)の後方下端部が接地する。そこで、油圧シリンダ(32)を作動させて抱持掛止具(30)を図6に仮想線で示しているように上動させてコンテナ(14)に対する抱持を解けば、それに伴ってロ−ルがコンテナ(14)に後方向きの押し力を加えるのであり、この状態において走行車体(11)を前進させることによって、図6に仮想線で示しているようにコンテナ(14)は置き去り状に地上に降ろされる。
【0016】また、逆に、地上にあるコンテナ(14)を走行車体(11)上に積み込む場合には、支持枠(28)を図6の実線図示状態に保つと共に、抱持掛止具(30)を図6の仮想線図示状態にして走行車体(11)を後進させれば、コンテナ(14)が支持枠(28)によって掬い上げられる。そこで、抱持掛止具(30)を図6の実線図示状態に戻し作動すると、抱持掛止具(30)がコンテナ(14)の周囲を抱くように戻り作動し、それと共にロ−ルも退動してコンテナ(14)が支持枠(28)上の所定位置に掛止られるのであり、この後に、油圧シリンダ(29)を縮小動させることにより、コンテナ(14)を載置した支持枠(28)が走行車体(11)上の所定位置に移行するのである。
【0017】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】横搬送体(12)の搬送終端部(12a)から後方に向けて根菜類を受け継ぎ搬送する縦搬送体(13)の内側辺横側部に沿って前後に縦長に作業ステップ(16)を固設し、その作業ステップ(16)を挟んで縦搬送体(13)とは反対側にコンテナ(14)を載装するようにしたので、コンテナ積降しの都度、コンテナの移行経路から作業ステップを退避させる可動構造が不要になって構造が簡素化されるとともに、作業者は常に作業ステップ上に在ってコンテナの積降し及び収穫作業の双方における補助的所作を楽に行うことができる。また、前後に縦長な作業ステップ(16)の内外両側に縦搬送体(13)及びコンテナ(14)が位置するうえ、横搬送体(12)に対しての作業者の位置も近くなるので、横搬送体(12)や縦搬送体(13)による根菜類移送行程、並びに縦搬送体(13)の終端部からコンテナ(14)への根菜類の収納の全ての行程に対する作業者の補助作業を楽な体勢で容易に行うことができる。
【0019】さらに、作業ステップ(16)を挟んで縦搬送体(13)の反対側に載装するコンテナ(14)を前後に縦長に形成してその前部を上記横搬送体(12)の下側に入り込み重複させて積み込むようにすることにより、コンテナ(14)を含む根菜類収穫機の全体がコンパクト化されるとともに、横搬送体(12)とコンテナ(14)の重複部分が短縮されることとなって、横搬送体(12)の搬送途上において搬送物から離脱落下する葉部などがコンテナ(14)内に落入する度合いが少なくなる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月20日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−9049
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−180812