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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】香本 信美

【氏名】南 照男

【要約】 【課題】コンバインにおいて、全体の長さおよび重量が増大することを抑制しながら、かつ、トラブルの誘発を防止しながら前後重量のバランスを図れるようにする。

【解決手段】走行機体後端部の脱穀粒回収部における袋詰め部6bの横側に、エンジン燃料タンク8と、この燃料タンク8よりも袋詰め部6bに近い配置のバッテリー9とを設置してある。エンジン燃料タンク8からエンジンEに燃料供給する燃料ポンプ11を、エンジン燃料タンク8とバッテリー9との間に配置してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン燃料タンクとバッテリーとを走行機体後端部の脱穀粒回収部の横側に、バッテリーがエンジン燃料タンクよりも脱穀粒回収部に近い配置で設置し、エンジン燃料タンクからエンジンに燃料供給する燃料ポンプを、エンジン燃料タンクとバッテリーとの間に配置してあるコンバイン。
【請求項2】 前記バッテリーを覆うカバーを備えてある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】 前記カバーを、前記バッテリーを覆う状態と、前記燃料ポンプを覆う状態とに切り換えできるように取り付けてある請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】 前記燃料ポンプと前記バッテリーとの間に仕切り部材を配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】 前記燃料ポンプを支持するポンプ取付け部を前記仕切り部材に備えさせてある請求項4記載のコンバイン。
【請求項6】 前記脱穀粒回収部は、脱穀粒を袋詰めホッパーによって穀粒袋に回収するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインにあっては、植立穀稈を引き起こすとともに刈取り、刈取り穀稈を機体後方に搬送して脱穀装置に供給する刈取り前処理部が走行機体の前部に連結される。このため、小型の場合には殊にコンバイン全体の前後重量がバランスしにくくなることがある。従来、この場合には、脱穀装置や脱穀粒回収部を走行機体に対して後側に寄せて搭載することにより、前後重量のバランスを図られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、脱穀装置や脱穀粒回収部の後寄りのためにコンバイン全体の前後長さが長くなることがあった。本発明の目的は、コンバイン全体が長くなるとともに重くなることを抑制しながら、かつ、トラブルの誘発を防止しながら前後重量のバランスを図れるコンバインを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕エンジン燃料タンクとバッテリーとを走行機体後端部の脱穀粒回収部の横側に、バッテリーがエンジン燃料タンクよりも脱穀粒回収部に近い配置で設置し、エンジン燃料タンクからエンジンに燃料供給する燃料ポンプを、エンジン燃料タンクとバッテリーとの間に配置してあるコンバイン。
【0006】〔作用〕エンジン燃料タンクやバッテリーが走行機体の後端部に位置することにより、エンジン燃料およびバッテリーの重量が走行機体の後端部に掛けられる。これにより、脱穀粒回収部や脱穀装置を後方側に寄せたり、専用のバランスウエイトを採用したりするに比べ、脱穀粒回収部や脱穀装置の後寄りを極力少なく済ませながら、かつ、コンバイン全体の重量が増大することを抑制しながらコンバイン全体の前後重量がバランスするようにできる。バッテリーが燃料タンクよりも脱穀粒回収部の近くに位置することにより、バッテリーを点検したり、載せ降ろししたりするに当たり、脱穀粒回収部が袋詰め型の場合には袋詰めホッパーの下方のスペースから、脱穀粒回収部がタンク型の場合にはタンクを機体横外側に出し操作して形成したスペースからそれぞれ容易にできる。燃料ポンプが燃料タンクとバッテリーとの間に位置することにより、燃料ポンプを燃料タンクに極力近づけて接続し、燃料ポンプが燃料タンクからエンジンに燃料を効率よく供給するようにできる。しかも、脱穀粒回収部が袋詰め型であって穀粒袋の出し入れが行われるとか、脱穀粒回収部がタンク型であって機体横外側に出して点検を行われるとかの際、バッテリーが燃料ポンプに対するガード部材になり、燃料ポンプに手などが触れられる事態の発生を回避しやすくなる。
【0007】〔効果〕エンジン燃料およびバッテリーの重量をバランスウエイトに利用することにより、コンバイン全体の全長や重量の増大を抑制しながら前後重量のバランスを図れ、操縦しやすいなど有利なものに得られる。しかも、バッテリーを比較的容易に点検したり、載せ降ろししたりできるように、かつ、燃料ポンプが効率よく燃料供給するとともに損傷されにくいようにでき、保守管理やエンジン駆動も有利に行えるものに得られる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記バッテリーを覆うカバーを備えてある。
【0010】〔作用〕燃料ポンプの点検時など燃料がもれることがあっても、カバーがバッテリーを覆っていてバッテリーに付着しにくくなる。
【0011】〔効果〕燃料がもれてもバッテリーに付着する事態を容易に回避しながら点検作業できる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項2による発明の構成において、前記カバーを、前記バッテリーを覆う状態と、前記燃料ポンプを覆う状態とに切り換えできるように取り付けてある。
【0014】〔作用〕燃料ポンプを点検するなどの際には、カバーを本来のバッテリーカバーの状態にしておいて、燃料もれが発生してもバッテリーに付着しにくいようにでき、バッテリーを点検するとか載せ降ろしするとかの際には、カバーを燃料ポンプカバーの状態に切り換えることにより、スパークが発生してもポンプに影響しないようにできる。
【0015】〔効果〕燃料ポンプを点検するなどの際に、もれた燃料がバッテリーに付着することを回避しながら作業できるのみならず、バッテリーを点検するとか載せ降ろしするとかの際に、スパークが発生しても燃料ポンプに影響しないようにしながら作業できる。
【0016】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0017】〔構成〕請求項1〜3のいずれか1項による本発明の構成において、前記燃料ポンプと前記バッテリーとの間に仕切り部材を配置してある。
【0018】〔作用〕燃料ポンプを点検するなどの際、燃料がもれることがあっても、仕切り部材でバッテリー側に流れないようにできる。
【0019】〔効果〕燃料ポンプを点検するなどの際に、もれた燃料がバッテリー側に流れて付着することを回避しながら作業できる。
【0020】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0021】〔構成〕請求項4による本発明の構成において、前記燃料ポンプを支持するポンプ取付け部を前記仕切り部材に備えさせてある。
【0022】〔作用〕仕切り部材を支持部材に利用し、特別な支持部材を不要にしながら燃料ポンプを取り付けるものである。
【0023】〔効果〕燃料ポンプの取付けを特別な支持部材を必要としない簡単な構造で行い、コスト面などで有利に得られる。
【0024】請求項6による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0025】〔構成〕請求項1〜5のいずれか1項による発明の構成において、前記脱穀粒回収部は、脱穀粒を袋詰めホッパーによって穀粒袋に回収するものである。
【0026】〔作用〕燃料ポンプやバッテリーを点検するとか載せ降ろしするとかの際、袋詰めホッパーの下方の袋配置用スペースを作業用スペースに利用して作業できる。
【0027】〔効果〕燃料ポンプやバッテリーを点検するとか載せ降ろしするとかの際、袋詰め用スペースを作業用スペースに利用して楽に能率よく作業できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に示すように、稲、麦などの植立穀稈を引き起こすとともに刈取り、刈取り穀稈を機体後方に搬送する刈取り前処理部1を、左右一対のクローラ走行装置2,2によって自走するとともに運転座席3などが備えられた運転部を有する走行機体4の前部に昇降操作自在に連結し、刈取り前処理部1からの刈取り穀稈を脱穀処理する脱穀装置5、この脱穀装置5からの脱穀粒を袋詰めホッパー6aなどで回収する脱穀粒回収部6、脱穀装置5からの脱穀排ワラを細断して放出したり、長ワラのままで放出したりする排ワラ処理装置7を前記走行機体に備えさせて、コンバインを構成してある。
【0029】前記脱穀粒回収部6には、脱穀装置5からの脱穀粒が供給される前記袋詰めホッパー6aと、この袋詰めホッパー6aの下方で穀粒袋を袋受け杆に支持させながら収納したり、袋詰めホッパー6aの穀粒吐出筒に装着したりする袋詰め部6bとを備えてある。すなわち、脱穀粒回収部5は、脱穀粒を袋詰めホッパー6aから穀粒袋に回収していくように袋詰め用に構成してある。
【0030】運転座席3の下方に位置する原動部に、走行装置2、脱穀装置5、刈取り前処理部1などを駆動するエンジンEを設けてある。図2および図3に示すように、前記走行機体4の後端部の脱穀粒回収部6における袋詰め部6bの横側に、脱穀装置5の後端部の下方に入りこむように配置したエンジン燃料タンク8と、この燃料タンク8よりも袋詰め部6bに近く位置するように配置した電源用バッテリー9とを設置し、燃料タンク8をフィルター10と燃料ポンプ11とを有する燃料供給ホース12を介してエンジンEに接続するとともに、燃料ポンプ11がバッテリー9から供給される電力によって駆動され、燃料タンク8からフィルター10を介して燃料を取り出すとともに供給ホース12を介してエンジンEに供給するように構成して、エンジンEの駆動を可能にしてある。
【0031】図4に明示するように、燃料ポンプ11とバッテリー9との間に、バッテリー搭載台13から延出する板金でなる仕切り部材14を配置するとともに、この仕切り部材14の上端部に備えさせたボルト孔を有するポンプ取付け部14aに、燃料ポンプ11を取付けボルト15によって締付け固定し、前記仕切り部材14の前端側の下部に備えさせたバンド連結具16を有するフィルター取付け部14bに、フィルター10を締付けバンド17によって締め付け固定してある。バッテリー9をバッテリー搭載台13に固定する締付けバンド19と、バッテリー9との間に、電気的な絶縁性を有するバッテリーカバー20を介装してある。このバッテリーカバー20は、一端側をバッテリー9の下敷にしてバッテリー9とバッテリー搭載台13とによる挟持でバッリー搭載台13に固定されるようにした可撓性シートで作成してある。すなわち、図5(イ)に示すように、バッテリーカバー20のバッリー搭載台13に固定されている側とは反対側をバッテリー9の後側から上側に被せることにより、バッテリーカバー20がバッテリー9の上側を覆う本来のバッテリーカバー状態になる。図5(ロ)に示すように、バッテリーカバー9のバッテリー搭載台側とは反対側を仕切り部材14に対してバッテリー9とは反対側に移動させて燃料ポンプ11に被せることにより、バッテリーカバー20が燃料ポンプ11を覆うポンプカバーの状態になる。
【0032】つまり、燃料ポンプ11を点検するなどの際、燃料がもれても、仕切り部材14によってバッテリー9の方に流れることを回避しながら、かつ、バッテリーカバー20によってバッテリー9に付着することを回避しながら作業できる。バッテリー9の点検や載せ降ろしを行うに当たり、バッテリカバー20を前記バッテリーカバー状態から前記ポンプカバー状態に切り換えておく。すると、バッテリー9にスパークが発生することがあっても、このスパークが燃料ポンプ11に影響することをカバー20によって回避しながら作業できる。
【0033】〔別実施形態〕請求項1〜5に記載の本発明は、前記袋詰め用の脱穀粒回収部6に替え、穀粒タンクを採用して実施する場合にも適用できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)6月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−36
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平9−152140