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【発明の名称】 播種装置
【発明者】 【氏名】山 田 久 也

【氏名】大 前 健 介

【氏名】上 山 正 直

【氏名】橋 本 敏 雄

【要約】 【課題】種子ホッパ内より取出して搬送部材で搬送する所定粒数の種子を正確に検出して播種精度を向上させる。

【解決手段】種子ホッパ(4)内の種子(A)を複数の種子搬送部材(6)を介して播種位置上方まで空気搬送するようにした播種装置において、各種子搬送部材(6)内を移動する所定粒数の種子(A)を検出する種子センサ(35)をそれぞれ設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種子ホッパ内の種子を複数の種子搬送部材を介して播種位置上方まで空気搬送するようにした播種装置において、各種子搬送部材内を移動する所定粒数の種子を検出する種子センサをそれぞれ設けたことを特徴とする播種装置。
【請求項2】 各種子搬送部材を透明とし、種子センサを光電センサで形成したことを特徴とする請求項1記載の播種装置。
【請求項3】 各種子センサが種子の所定粒数以外を検出するとき、該当の搬送部材による播種を中断させるように設けたことを特徴とする請求項1記載の播種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばキュウリ或いはカボチャ等の野菜苗の接ぎ木作業の前工程にあって、これら偏平状種子の整列播種を行って、苗の子葉を略一定方向に揃えるようにした播種装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、種子ホッパ内に下側から種子台を突入させて、種子台上端に取出す1粒の種子を例えばパイプ等の搬送部材内を空気流でもって播種位置上方まで搬送するようにした手段があるが、播種台上端に2粒以上の種子が吸着する場合には搬送部材で2粒以上の種子を同時に搬送して、播種トレイの1ポット当り1粒の播種を行う必要があるのに対し、1ポット当り2粒以上の播種が行われるなどして播種精度が極めて悪くなるという欠点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、種子ホッパ内の種子を複数の種子搬送部材を介して播種位置上方まで空気搬送するようにした播種装置において、各種子搬送部材内を移動する所定粒数の種子を検出する種子センサをそれぞれ設けて、1粒など所定粒数の種子の搬送を種子センサで確実に検出して、播種トレイの各1ポットに対する所定粒数毎の正確な播種を可能とさせて、播種精度を向上させるものである。
【0004】また、各種子搬送部材を透明とし、種子センサを光電センサで形成して、搬送部材の外側に光電センサを設置するだけの簡単な構成によって、播種精度を向上させるものである。
【0005】さらに、各種子センサが種子の所定粒数以外を検出するとき、該当の搬送部材による播種を中断させるように設けて、各搬送部材による欠株などの発生のない確実な種子の搬送を行って、常に1ポット当り所定粒数の正確な播種を可能とさせて播種精度を向上させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は播種装置の側面図、図2は同正面図であり、例えば8×16穴のポットを有するトレイ(1)を搬送する播種コンベア(2)上に播種装置(3)を配備させるもので、前記播種装置(3)は、キュウリ或いはカボチャなどの偏平種子(A)を貯留する種子ホッパ(4)と、前記ホッパ(4)内から1粒の種子(A)を吸着して一定高さ上昇させる横一列8つの種子台(5)と、一定高さ上昇させる種子台(5)上端の種子(A)を送風機からの送風圧(負圧)でもって吸引して播種位置まで搬送する種子搬送部材である逆U字形の搬送パイプ(6)と、前記搬送パイプ(6)の出口下方位置に配設して該パイプ(6)からの種子(A)を投入する播種ガイド(7)と、前記播種ガイド(7)の下端開口部を開閉する播種シャッタ(8)と、図7に示す如く前記播種シャッタ(8)の前方位置に配設して播種トレイ(1)の各ポット(1a)内に充填される養土(B)表面に側面視V字形の播種溝(C)を形成する鎮圧具(9)とを備え、前記鎮圧具(9)によって形成される播種溝(C)上に、前記シャッタ(8)の開時に播種ガイド(7)より放出される種子(A)を落下させて播種を行うように構成している。
【0007】図3乃至図5にも示す如く、前記種子ホッパ(4)は側面及び正面からの断面形状をV字形状に形成し、上部及び下部の開口部(10)(11)を平面視長方形状に形成する一方、下部開口部(11)に正面視山形の仕切り板(12)を設けて、各種子台(5)に対応する開口(11a)を仕切り板(12)間及びホッパ(4)側板と仕切り板(12)間にそれぞれ形成している。そして空気流通孔(13)を中央部に貫設する円柱形の各種子台(5)下端を連結フレーム(14)に立設固定させると共に、播種装置(3)の播種フレーム(15)に固設する種子昇降シリンダ(16)のピストンロッド(17)先端に連結フレーム(14)を介して前記種子台(5)下端を連結支持させて、前記ホッパ(4)内に下部開口(11a)より種子台(5)を上下動自在に臨ませるように構成している。
【0008】前記種子台(5)上端には、Oリング(18)を介し種子吸着ノズル(19)を取外し自在に嵌着させるもので、該ノズル(19)の上端円錐面中央の平坦部(19a)には前記流通孔(13)に連通させる小径(約0.5〜1mm)の種子吸着孔(20)を開設する一方、前記流通孔(13)下部をホース(21a)などを介し真空ポンプなど吸引機やコンプレッサー或いは送風機に連通接続させて、前記シリンダ(16)により種子台(5)の一定高さ上昇時に各ノズル(19)の吸着孔(20)に各1粒毎の種子を吸着して上昇させるように構成している。そして吸着孔(20)の孔径の異なるノズル(19)との取替えを容易とさせて、種子(A)の品種や形状に対応させた吸着孔(20)のノズル(19)を用いて、該ノズル(19)の1粒吸着精度を向上させるように構成している。
【0009】また前記種子ホッパ(5)の上方位置に、エアエゼクタ(22)及びエアブロー部(23)を一体形成する種子吸引体(24)を配設させ、8本の各搬送パイプ(6)の入口側を吸引体(24)にボルト(25)を介し取外し自在に連通接続させるもので、前記吸引体(24)は各種子台(5)に対応する吸引筒(26)を下部にそれぞれ内設させ、吸引筒(26)の下部に形成する下傾斜の空気噴出部である空気噴出孔(27)によってエアブロー部(23)を形成すると共に、吸引筒(26)の上部に形成する上傾斜の空気噴出孔(28)と、噴出孔(28)に沿う吸引体(24)の空気流通路(29)のテーパ面(29a)と、吸引筒(26)の内径通路(30)とでエゼクタ(22)を形成している。そして、各噴出孔(27)(28)をホース(21b)(21c)などを介しコンプレッサー或いは送風機に連通接続させて、前記種子台(5)の上昇時には前記ノズル(19)の吸着孔(20)に吸着する種子(A)に対し、エアブロー部(23)から空気を噴出させて、吸着する以外の種子などを吹き飛ばし落下させると共に、エアブロー部(23)の空気噴出の停止、また吸着孔(20)の吸引の停止状態で、前記エゼクタ(22)において噴出孔(28)からの噴出流によって吸引筒(26)の内径通路(30)に負圧に伴う吸引流が発生するとき、前記ノズル(19)上面の種子(A)をこの吸引流で吸込んで播種位置まで気流搬送するように構成している。
【0010】また、前記空気噴出孔(27)(28)は吸引筒(26)の外周円周状に例えば3ケ所(120゜間隔)に設け、噴出孔(27)(28)の孔径や噴出方向(角度)の異なる吸引筒(26)との取替えを自在に吸引体(24)に嵌合固定させて、種子(A)の品種や形状に適正に対応させた空気噴出を行うように構成している。なお噴出孔(27)(28)の噴出方向(角度)や孔径の異なる吸引筒(26)の取換以外に、噴出孔(27)(28)の噴出方向(角度)や孔径を直接的に調節可能とする構成でも良い。
【0011】図6乃至図7に示す如く、前記播種ガイド(7)は搬送パイプ(6)の出口側に一体接続する放出ガイド(31)の出口下方に、上部をV形状とする種子投入穴(32)を臨ませ、該投入穴(32)の下側をシャッタ開閉シリンダ(33)によりシャッタ(8)で閉塞するとき、搬送パイプ(6)からの種子(A)を投入穴(32)内でシャッタ(8)上に滞留させ、シャッタ開閉シリンダ(33)によってシャッタ(8)を開とさせるとき、投入穴(32)内で種子(A)の姿勢を整えてトレイ(1)内に落下させ、前記鎮圧具(9)の昇降シリンダ(34)の下降動作時に鎮圧具(9)によって形成される播種溝(C)上に種子(A)の播種を行うように構成している。
【0012】また、前記搬送パイプ(6)を透明体で形成してパイプ(6)内を通過する種子(A)を外部より容易に確認可能とさせると共に、搬送パイプ(6)の略中間位置を通過する種子(A)をパイプ(6)外側より検出する投受光式の光電センサである種子センサ(35)をセンサ台(36)を介して鎮圧具(9)近傍の播種フレーム(15)上の各パイプ(6)対応位置にそれぞれ設け、前記ノズル(19)上面の種子(A)の1粒をパイプ(6)に吸込んで播種位置まで搬送するとき、種子センサ(35)でこの種子(A)を検出するように構成している。なお、前記種子センサ(35)は調節ボルト(37)を介して左右位置調節自在にセンサ台(36)それぞれ取付けたものである。
【0013】図8に示す如く、前記種子台(5)の上昇速度を調整する電磁式上昇制御弁(流量制御弁)(38)と、種子台(5)を上昇及び下降制御する電磁式上昇及び下降切換弁(39)とをコンプレッサー(40)と前記昇降シリンダ(16)の空圧回路間に介設すると共に、前記種子台(5)の空気流通孔(13)に送り込む空気圧及び真空圧の切換えを行う電磁式空気圧及び真空圧切換弁(41)と、空気圧及び真空圧のそれぞれの調整を行う電磁式空気圧及び真空圧調整弁(42)(43)とを前記種子台(5)とコンプレッサー(40)及び真空ポンプ(44)との接続回路間に介設し、前記吸引体(24)の空気噴出孔(27)(28)から噴出する空気圧を調整する電磁式エアブロー及びエゼクタ用空気圧調整弁(45)(46)と、前記コンプレッサー(40)からの送給空気をエアブロー部(23)及びエゼクタ(22)に切換える電磁式搬送用供給空気切換弁(47)とを各種子吸引筒(26)とコンプレッサー(40)との空気圧回路間にそれぞれ介設して、種子ホッパ(4)内から搬送パイプ(6)に種子1粒の取出しを行うように構成している。
【0014】そして図9に示す如く、播種作業の自動を開始する自動スイッチ(48)と、種子台(5)の上昇速度を設定する前記上昇制御弁(38)の種子台上昇速度設定器(49)と、前記種子台(5)のノズル(19)の空気吸込圧及び空気吹出圧を調整する前記調整弁(43)(42)の空気吸込圧及び吹出圧設定器(50)(51)と、前記空気噴出孔(27)(28)からの空気噴出圧を設定する前記空気圧調整弁(45)(46)のエアブロー圧及びエゼクタ圧設定器(52)(53)と、空気圧調整弁(45)(46)の動作時間を操作して空気噴出孔(27)(28)からの空気噴出時間の調整を行うエアブロー及びエゼクタ作動時間設定器(54)(55)と、前記種子センサ(35)とをコントローラ(56)に接続させると共に、前記種子台上昇制御弁(38)及び上昇及び下降切換弁(39)と、空気圧及び真空圧切換弁(41)と、空気圧及び真空圧調整弁(42)(43)と、エアブロー及びエゼクタ用空気圧調整弁(45)(46)と警報装置(57)とにコントローラ(56)を接続させて、前記種子ホッパ(4)内の種子(A)の1粒を上昇する種子台(5)のノズル(19)上端に吸着させてホッパ(4)より取出してから、搬送パイプ(6)にエゼクタ(22)の吸引力で吸込んで搬送するまでの一連の作業を自動で行うように構成している。
【0015】また、前記空気圧調整弁(46)と各吸引筒(26)との空気圧回路間には各エゼクタ(22)への空気の送給を停止させる電磁式空気開閉弁(58)をそれぞれ介設し、前記コントローラ(56)に開閉弁(58)を接続させて、必要とするパイプ(26)のみに種子(A)を吸引可能とさせるように構成している。
【0016】而して図10、図11に示す如く、自動スイッチ(48)のオン操作によって種子(A)の自動整列播種作業を行うに際しては、前記各設定器(49)〜(55)によって、種子台(5)の上昇速度、種子台(5)の空気吸込圧及び吹出圧、搬送パイプ(6)のエアブロー圧及びエゼクタ圧とエアブロー及びエゼクタ作動時間のそれぞれの設定を行うと共に、設定後で前記ノズル(19)上端面がホッパ(4)底部と略一致する種子台(5)の最下位置(図13の1)のとき、ホッパ(4)内の上下略中間高さ位置まで種子台(5)を上昇(図13の2)させた後、最下位置まで種子台(5)を下降(図13の3)させ、さらに種子台(5)をホッパ(4)内の上下略中間高さ位置まで上昇(図13の4)させた後、再度最下位置まで下降(図13の5)させ、この下降時に種子台(5)の流通孔(13)を真空吸引状態とさせて1粒の種子(A)をノズル(19)の吸着孔(20)に吸着させ、その後種子台(5)を最上位置まで上昇(図13の6)させて、ノズル(19)上端に吸着させる1粒の種子(A)を前記吸引筒(26)の下端部に近接させる(上昇及び下降の反覆回数は2回以上任意で良い)。このように種子台(5)を最下位置から最上位置まで上昇させる間に下降及び上昇の一定量の昇降動作を繰り返すことによって、ホッパ(4)内の種子(A)が掻き回されて、種子(A)の流動性が良好となって前記ノズル(19)に対する種子(A)1粒の吸着精度が向上するものであり、バイブレータなどを必要によりホッパ(4)に装備させることによって、種子(A)間で発生するブリッジ現象を防止してより一層の吸着精度の向上が図れるものである。
【0017】そして、種子台(5)の最上位置までの上昇時にあっては、前記エアブロー部(23)の噴出孔(27)から所定圧力の空気が一定時間だけノズル(19)の種子(A)に向って噴出(エアブロー)されて、ノズル(19)に吸着される1粒以下を吹き飛ばしてノズル(19)上端には1粒の種子(A)のみを吸着保持させ、次に種子(A)の吸着をオフ(真空吸引を停止)とさせ、エゼクタ(22)の噴出孔(28)から所定圧の空気を一定時間噴出させるとき、エゼクタ(22)で発生する負圧吸引力でノズル(19)上端の種子(A)をパイプ(6)内に吸込んで、パイプ(6)他端の播種位置まで確実に空気力で搬送するもので、またエゼクタ(22)からの負圧吸引力で種子(A)の吸込時においては、ノズル(19)の吸着孔(20)からも一定時間の空気吹出しが行われてパイプ(6)内への種子(A)の吸込みが一層助長されるものである。
【0018】また、パイプ(6)内に1粒の種子(A)が吸引された後にあっては、種子台(5)は最下位置まで下降すると共に、パイプ(6)に吸込まれた種子(A)は播種位置までの移動途中に、種子センサ(35)によって種子(A)の検出が行われ、1粒の種子が検出されたときにはそのまま播種作業が続行されて、播種ガイド(7)の投入穴(32)に種子(A)は放出され、シャッタ(8)の開動作によって1ポット(1a)毎に種子(A)1粒の播種が行われる。
【0019】一方、前記種子センサ(35)によって種子(A)の検出が行われない欠株状態のときには、その欠株状態のパイプ(6)のみに種子(A)を再吸引させるもので、下降位置(図13の5)の種子台(5)のノズル(19)に1粒の種子(A)を吸着させて再び前述同様にこの種子台(5)を最上位置まで上昇させるとき(図13の6)、欠株状態のパイプ(6)の開閉弁(57)のみを開とさせて、欠株状態のエゼクタ(22)の噴出孔(28)から噴出させる空気の負圧吸引力でこのパイプ(6)のみに種子(A)を吸込んで播種位置まで搬送して欠株を防止するものである。
【0020】また、前記種子センサ(35)によって2粒以上種子(A)の検出が行われるときには、前記警報装置(57)を作動させて作業者にこれを報知すると共に、播種作業を中断させるものである。
【0021】なお、欠株状態のときにも警報装置(57)を作動させる構成でも良く、各搬送部材(6)のうち何れか1つの搬送部材(6)が欠株状態のときには、その搬送部材(6)による播種作業を中断させ、その搬送部材(6)にのみ種子(A)を吸込ませる作業を行って、その後各搬送部材(6)による播種作業を再び続行するものである。
【0022】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、種子ホッパ(4)内の種子(A)を複数の種子搬送部材(6)を介して播種位置上方まで空気搬送するようにした播種装置において、各種子搬送部材(6)内を移動する所定粒数の種子(A)を検出する種子センサ(35)をそれぞれ設けたものであるから、1粒など所定粒数の種子の搬送を確実に検出して、播種トレイの各1ポットに対する所定粒数毎の正確な播種を可能とさせて、播種精度を向上させることができるものである。
【0023】また、各種子搬送部材(6)を透明とし、種子センサ(35)を光電センサで形成したものであるから、搬送部材(6)の外側に光電センサを設置するだけの簡単な構成によって、播種精度を向上させることができるものである。
【0024】さらに、各種子センサ(35)が種子(A)の所定粒数以外を検出するとき、該当の搬送部材(6)による播種を中断させるものであるから、各搬送部材(6)による欠株などの発生のない確実な種子(A)の搬送を行って、常に1ポット当り所定粒数の正確な播種を可能とさせて播種精度を向上させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】391002111
【氏名又は名称】昭和精機工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)6月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開平11−341905
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−170652