トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 施肥装置
【発明者】 【氏名】塩崎 孝秀

【氏名】山崎 仁史

【氏名】中西 康仁

【要約】 【課題】エア切替シャッタが肥料詰まりにより誤作動することの防止、並びに肥料移送経路部のメンテナンスの容易化。

【解決手段】肥料を貯蔵する肥料貯蔵部60と、該肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部61と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部99b,62と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエア供給部68とを備えた施肥装置において、前記肥料貯蔵部及び肥料繰出部に残留する肥料を取り出す際に前記肥料移送経路部にエアを供給しないようにエアの流路を切り替えるエア切替シャッタ105を、前記肥料繰出部による肥料繰出位置よりもエア供給部側に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肥料を貯蔵する肥料貯蔵部と、該肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエア供給部とを備えた施肥装置において、前記肥料貯蔵部及び肥料繰出部に残留する肥料を取り出す際に前記肥料移送経路部にエアを供給しないようにエアの流路を切り替えるエア切替シャッタを、前記肥料繰出部による肥料繰出位置よりもエア供給部側に設けたことを特徴とする施肥装置。
【請求項2】 肥料を貯蔵する肥料貯蔵部と、該肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエアチャンバとを備えた施肥装置において、前記エアチャンバの下側に近接して肥料の落下を防止するカバーを設けると共に、前記エアチャンバの下部が上部よりも平面視で狭くならない形状としたことを特徴とする施肥装置。
【請求項3】 肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部が各条ごとに左右並列に複数設けられた施肥装置において、各条の肥料繰出部に個別に動力を入力する入力軸の軸受部と、前記各条の入力軸に動力を伝達する各条共通の繰出駆動軸の軸受部とを、前記肥料繰出部のケースに一体に支持させたことを特徴とする施肥装置。
【請求項4】 肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部の内部に、外周部に回転軸方向の肥料繰出溝が形成された第一回転体と、該第一回転体の肥料繰出溝に回転軸方向に摺動自在に係合する爪状突起を有する第二回転体との組み合わせからなる肥料繰出体が設けられた施肥装置において、前記第一回転体と第二回転体をそれぞれ個別に回転軸方向にスライドさせて前記肥料繰出部のケースから着脱できるように構成したことを特徴とする施肥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥田植機等に設けられる施肥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】施肥田植機等に設けられる施肥装置として、肥料を貯蔵する肥料貯蔵部と、該肥料貯蔵部の肥料を下方に繰り出す肥料繰出体を内蔵する肥料繰出部と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエア供給部としてのエアチャンバとを備えた構成のものがある。従来のこの種の施肥装置には、解決すべき下記の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の施肥装置は、作業終了後、肥料貯蔵部及び肥料繰出部に残留する肥料を取り出せるようになっている。この肥料取出時にはエアチャンバから前記肥料移送経路部にエアを供給しないようにエアの流路を切り替える必要がある。そのためのエア切替シャッタを、肥料繰出部による肥料繰出位置よりも下手側の肥料移送経路部中に設けたものが従来より知られているが、上記位置にエア切替シャッタを設けると、その部分の肥料移送経路部の内径が狭くなるため、そこに肥料が溜ってエア切替シャッタが誤作動を起こしやすく、しかも、肥料移送経路部の取り外しが困難であるので、肥料移送経路部内の清掃等のメンテンスが容易でなかった。これが第一の問題点である。
【0004】一般的に、前記肥料貯蔵部、肥料繰出部、及びエアチャンバの下方には肥料補給時や肥料回収時にこぼれ落ちた肥料が下方にある植付部連結装置等にかからないように受け止めるカバーが設けられているが、従来のエアチャンバは円筒状をしており、該カバーの上側に近接して設けられていたので、肥料補給時や肥料回収時にこぼれ落ちた肥料がエアチャンバとカバーとの隙間に溜り、金属製のエアチャンバの腐食を助長するということがあった。これが第二の問題点である。
【0005】複数条植えの施肥田植機の場合、肥料繰出部は各条ごとに左右並列に複数設けられており、走行車体からの動力は、まず左右方向に設けた各条共通の繰出駆動軸に伝達され、該繰出駆動軸から各肥料繰出部の入力軸へ伝達される。従来、繰出伝動軸は肥料繰出部とは別のフレームに支持されていたため、繰出伝動軸と入力軸の位置関係に狂いが生じやすく、伝動が不安定になりがちであるということが第三の問題点である。
【0006】肥料繰出部の内部に設けられている肥料繰出体は、外周部に回転軸方向の肥料繰出溝が形成された第一回転体と、該第一回転体の肥料繰出溝に回転軸方向に摺動自在に係合する爪状突起を有する第二回転体との組み合わせからなり、両回転体が所定方向に回転することにより、前記肥料繰出溝に肥料が一定量づつ保持されて下方に繰り出されるようになっている。第一回転体に対し第二回転体を回転軸方向に摺動させて、肥料繰出溝の有効容積を変更すると、肥料繰出量が調節される。従来の肥料繰出体は、第一回転体と第二回転体をそれぞれ単独で肥料繰出部のケースから取り外すことができなかった。このため、肥料繰出溝の清掃等のメンテナンスを行うには、両回転体を一体的にケースから取り外した後、両回転体を組み付けている固定具を外して分離しなければならず、肥料繰出体のメンテナンスが非常に面倒であった、これが第四の問題点である。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの問題点に対し、下記の技術的手段を講じた。まず第一の問題点を解決する施肥装置は、肥料を貯蔵する肥料貯蔵部と、該肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエア供給部とを備えた施肥装置において、前記肥料貯蔵部及び肥料繰出部に残留する肥料を取り出す際に前記肥料移送経路部にエアを供給しないようにエアの流路を切り替えるエア切替シャッタを、前記肥料繰出部による肥料繰出位置よりもエア供給部側に設けたことを特徴としている。
【0008】次に、第二の問題点を解決する施肥装置は、肥料を貯蔵する肥料貯蔵部と、該肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部と、該肥料繰出部によって繰り出される肥料を圃場に導く肥料移送経路部と、該肥料移送経路部に肥料移送用のエアを供給するエアチャンバとを備えた施肥装置において、前記エアチャンバの下側に近接して肥料の落下を防止するカバーを設けると共に、前記エアチャンバの下部が上部よりも平面視で狭くならない形状としたことを特徴としている。
【0009】また、第三の問題点を解決する施肥装置は、肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部が各条ごとに左右並列に複数設けられた施肥装置において、各条の肥料繰出部に個別に動力を入力する入力軸の軸受部と、前記各条の入力軸に動力を伝達する各条共通の繰出駆動軸の軸受部とを、前記肥料繰出部のケースに一体に支持させたことを特徴としている。
【0010】さらに、第四の問題点を解決する施肥装置は、肥料貯蔵部の肥料を繰り出す肥料繰出部の内部に、外周部に回転軸方向の肥料繰出溝が形成された第一回転体と、該第一回転体の肥料繰出溝に回転軸方向に摺動自在に係合する爪状突起を有する第二回転体との組み合わせからなる肥料繰出体が設けられた施肥装置において、前記第一回転体と第二回転体をそれぞれ個別に回転軸方向にスライドさせて前記肥料繰出部のケースから着脱できるように構成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1及び図2は本発明の施肥装置を装備した施肥田植機を表している。この施肥田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、また走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0012】走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該前輪ファイナルケースの変向可能な前輪支持部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。
【0013】エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジンの回転動力が、第一ベルト伝動装置21と第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に入力された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動軸27によって施肥装置5へ伝動される。
【0014】エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
【0015】昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0016】苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、苗を載せて左右往復動し苗を一株づつ各条の苗取出口51a,…に供給する苗載台51、苗取出口51a,…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52,…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53,53等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56,56がそれぞれ設けられている。これらフロートを圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52,…により苗が植付けられる。各フロート55,56,56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0017】施肥装置5は、各条共用の肥料貯蔵部である肥料ホッパ60と各条ごとにある肥料繰出部61,…等からなる本体部を走行車体2の後部上側に備え、各肥料繰出部61,…の下部に肥料移送経路部としての施肥ホース62,…の一端部が接続され、該施肥ホースの他端部がフロート55,56,56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63,…に接続されている。肥料ホッパ60に貯えられている粒状の肥料が肥料繰出部61,…によって一定量づつ繰り出され、その肥料が施肥ホース62,…に案内されて施肥ガイド63,…まで運ばれ、施肥ガイド63,…の前側に設けた作溝体64,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込まれる。また、施肥装置本体部にはモータ66で駆動されるブロア67と、エア供給部としての左右方向に長いエアチャンバ68とが設けられており、ブロア67から吹き出されるエアがエアチャンバ68を通って各条の施肥ホース62,…へ吹き込まれ、そのエアで肥料を強制的に移送するようになっている。
【0018】次に、図3〜図13に示す施肥装置本体部の各部の構成について説明する。肥料ホッパ60の上部に設けられた肥料投入口には、開閉可能な蓋60aが取り付けられている。肥料ホッパ60の下部60b,…は各条ごと漏斗状になっていて、その下端が肥料繰出部61,…のケース70,…の上端に取付フック71A,71A,…にて着脱可能に取り付けられている。肥料ホッパ60内の肥料は自由落下で各肥料繰出部61,…に供給される。
【0019】肥料繰出部ケース70の内部には、肥料繰出体である繰出ロール73が収納されている。この繰出ロール73は、外周部に肥料繰出溝74,…を有する回転体で、左右方向に設けた断面六角形の繰出軸75と一体回転するように組み付けられている。なお、肥料繰出部61,…は左から1番目と2番目、3番目と4番目、及び5番目と6番目がそれぞれ左右対称形に配置されており、これら一対の肥料繰出部の繰出軸75は互いに直結している。前記施肥伝動軸27より繰出伝動ケース77内のギヤ機構を介して回転動力が伝達される繰出駆動軸78が肥料繰出部61の後部に左右方向に設けられ、この繰出駆動軸78に取り付けた駆動ギヤ79,…と各肥料繰出部61,…の入力軸である繰出軸75,…に取り付けた従動ギヤ80,…とが噛み合っている。繰出駆動軸78は各肥料繰出部61,…に一体に設けた軸受部81,…に支承されているので、繰出駆動軸78と繰出軸75,…の位置関係が狂わず、安定した伝動を行える。この繰出伝動機構により繰出軸75と共に繰出ロール73が図8の矢印方向に回転し、肥料ホッパ60から供給される肥料を前記肥料繰出溝74,…が保持して下方へ搬送する。
【0020】肥料繰出溝74が下方に移動する側(前側)の繰出ロール73の外周面に摺接するように均しブラシ82が設けられており、肥料が凹部74に摺り切り状態で収容されるようになっている。これにより、肥料繰出量が一定に保たれる。均しブラシ82は、回動軸82aに取り付けられ、上記繰出時の状態と、繰出ロール73の外周面に摺接しない肥料回収時の状態(図11参照)とに切り替えられるようになっている。この均しブラシの切替操作は、ケース70の外部に設けられた回動軸82aと一体のレバー83で行う。
【0021】肥料繰出溝74が上方に移動する側(後側)には仕切り壁85が設けられ、繰出ロール73の後方からの肥料漏出を防止している。さらに、繰出ロール73の外周部には半円筒形の繰出停止シャッタ86が、繰出軸75を中心に回動可能に設けられている。図8に示すように、繰出停止シャッタ86を仕切り壁85よりも下側に位置させると、シャッタが開き、通常の肥料繰出状態となる。また、図10に示すように、繰出停止シャッタ86を繰出ロール73の上側を覆う位置に回動させると、シャッタが閉じ、繰出ロール73による肥料繰出が停止されるようになる。この繰出停止シャッタ86の開閉操作は、一対の肥料繰出部における左右内側の側面に設けたシャッタ開閉レバー87で行う。
【0022】繰出ロール73は、外周部に複数本の前記肥料繰出溝74,…が軸方向に形成された溝ロール(第一回転体)73aと該溝ロールの溝に摺動自在に係合する爪状突起が形成された爪ロール(第二回転体)73bとを組み合わせてなり、爪状突起が係合していない溝74,…の有効部分に肥料が保持されて繰り出されるようになっている。爪ロール73bには、従動側開度調節ギヤ89の筒状部分89aが回転自在かつ軸方向に一体的に摺動するように取り付けられている。筒状部分89aの内周部には雌ねじが切られており、この雌ねじ部にケース70に対し位置固定された雄ねじ体90に螺合している。従動側開度調節ギヤ89は、肥料繰出部の後部に左右方向に設けた開度調節軸92に取り付けた駆動側開度調節ギヤ93と噛み合っている。開度調節ハンドル94を用いて開度調節軸92を回転させると、雄ねじ体90に対し筒状部89及び爪ロール73bが軸方向に移動し、それにより肥料繰出溝74,…の有効容積が変わり、各条の肥料繰出部61の肥料繰出量が調節される。
【0023】繰出ロール73の爪ロール73bは、従動側開度調節ギヤ89及び雄ねじ体90と共に予め固定部材96に装着してある。繰出ロール73を肥料繰出部ケース70に組み付けるに際しては、溝ロール73aを単独で繰出軸75に嵌合させた後、固定部材96を取付フック71B,71Cでケース70に固定する。このように、溝ロール73aと爪ロール73bが分離しており、両者をそれぞれ別々にケース70から容易に外すことができるので、繰出ロール73の肥料繰出溝74,…の清掃を容易に行える。なお、従動側開度調節ギヤの筒状部89aと固定部材96との摺動部には、肥料漏れ防止シール97が設けられている。
【0024】肥料繰出部61の下部には、ケース70の下端部に接続された漏斗部99aと、前後に連通する管状部99bとからなる接続管99が設けられている。この接続管99は、取付フック71C,71Dにてケース70に着脱可能に取り付けられている。管状部99bの前端部には、シャッタ取付管100が着脱可能に接続されている。そして、その管状部99bの後端部には施肥ホース62が接続されている。管状部99bは施肥ホース62と共に肥料移送経路部を構成している。また、シャッタ取付管100の前端部は、左右方向に設けたエアチャンバ68の背面部に挿入されている。エアチャンバ68の左端部はエア吹込み口となっており、ここに止め金具101によってブロア67の吹出し口が接続されている。ブロア67から吹き出されるエアが、エアチャンバ68を通って各条のシャッタ取付管100及び接続管の管状部99bに吹き込まれ、このエアにより、漏斗部99aを通って管状部99bに落下してくる肥料を施肥ホース62の先端側へ強制的に移送する。ブロア67には吸気取込管102と吸気ダクト103を通じてエンジン20後方の暖気が供給される。
【0025】エアチャンバ68は、上部が半円形かつ下部が方形をした断面形状をしている。このすぐ下側には前記リヤステップ36があるが、エアチャンバ68の下面が平面になっているので、エアチャンバ68とリヤステップ36との隙間Sを狭くすることができ、その隙間に肥料等が溜りにくい。また、エアチャンバ68の上部が半円形であるため、肥料ホッパ60,…への肥料補給時にこぼれた肥料がエアチャンバ68の上に載りにくく、しかも、エアチャンバ68は下部にいくにつれて狭くなっていないので、エアチャンバ68の上部から滑り落ちた肥料が前記隙間Sに入りにくい。
【0026】接続管の管状部99bとシャッタ取付管100の接続部には、シャッタ取付管側の方が内径が大きい段差104が形成されている。そして、閉じた状態では前記段差104に密接するように、エア切替シャッタ105がシャッタ取付管100に開閉可能に取り付けられている。エア切替シャッタ105の回動軸105aと一体のレバー106がケース70の外部に設けられ、該レバーを操作することでエア切替シャッタ105を開閉させる。エア切替シャッタの開閉レバー106は均しブラシの操作レバー83と連結ロッド107で連結されており、均しブラシ82を繰出時の状態にするとエア切替シャッタ105が開き、均しブラシ82を肥料回収時の状態にするとエア切替シャッタ105が閉じるよう互いに連動するようになっている。
【0027】エアチャンバ68の上面部には、各肥料繰出部ケース70の内部に連通する肥料取出口109が形成されている。ケース70内には、上記肥料取出口109のシャッタを兼ねる肥料取出ブラシ110が設けられている。この肥料取出ブラシ110は、回動軸110aに回動自在に取り付けられ、毛の支持体部分が肥料取出口109を塞ぐ状態と、毛の先端部が繰出ロール73の外周面に摺接する状態とに切り替えられる。この肥料取出ブラシの回動操作は、ケース70の外部に設けたレバー111で行う。
【0028】また、エアチャンバ68の右端部には、肥料回収管113が接続されている。この肥料回収管113は、エアチャンバとの接続部の近傍で下向きに屈曲しており、その下端に開口する肥料回収口に蓋114がヒンジにて取り付けられている。
【0029】図8に示すように、均しブラシ82を繰出ロール73の外周面に摺接させ、かつエア切替シャッタ105を開き、かつ肥料取出ブラシ110で肥料取出口109を塞ぐ状態にすると、肥料ホッパ60の肥料が繰出ロール73によって接続管99に繰り出される通常肥料通路となると共に、エアチャンバ68から施肥ホース62へエアが吹き込まれる。これにより、接続管99に繰り出された肥料が施肥ホース62を通って圃場に導かれる。エア切替シャッタ105が肥料繰出位置よりもエアチャンバ68側に設けられているので、この部分での肥料詰まりが生じず、エア切替シャッタ105が誤作動を起こにくい。肥料繰出部ケース70の前面部は後述する透明なカバー116になっているので、肥料の繰出状況を確認できる。
【0030】また、図11に示すように、均しブラシ82を下方に回動させ、かつエア切替シャッタ105を閉め、かつ肥料取出ブラシ110を繰出ロール73の外周面に摺接させ、その状態で肥料回収口の蓋114を開くと、肥料ホッパ60の肥料が肥料取出口109を通ってエアチャンバ68に取り出される回収時肥料通路となると共に、エアチャンバ68内をエアが左から右へ吹き抜ける状態となる。エアチャンバ68に取り出された肥料は、上記エアの流れに乗って肥料回収管113へ搬送され、該肥料回収管113の肥料回収口から回収される。均しブラシ82を肥料回収時の位置にした状態で、肥料取出ブラシ110を繰出ロール73から離れる位置へ回動させることは構造上できないようになっているので、肥料回収時に過って肥料が接続管99に落ち込むことはない。
【0031】肥料繰出部ケース70の前面部には、透明樹脂で成形された着脱自在なメンテナンス用カバー116が取り付けられている。前記肥料取出ブラシ110はこのカバー116に取り付けられている。カバー116を外したときに形成されるケースの開口部117は、図12に示すように、上端は均しブラシ82の前方に位置し、下位側ほど繰出ロール73に近接するように傾斜している。また、カバー116を外したとき、前記肥料取出口109は露出した状態となる。開口部117は繰出ロール73や接続管99に近い位置にあるので、これらのメンテナンスが容易である。
【0032】また、図13に示すように、シャッタ取付管100をエアチャンバ68に接続したまま、肥料繰出部ケース70から接続管99を外し、肥料繰出部ケース70内及び接続管99の清掃を行うこともできる。エア切替シャッタ105が肥料繰出位置よりもエアチャンバ68側に設けられているので、接続管99を肥料繰出部ケース70から取り外すことが可能である。接続管99が取り外せると施肥ホース62の清掃も容易である。
【0033】前記吸気ダクト103は、肥料繰出部61,…の後方に左右方向に設けられ、リンクベースフレーム42の上端部に支柱120,120で支えられた側面視L型のプレート121に一体に取り付けられている。吸気ダクト103の左端はブロア67の吸気管67aに接続され、右端は塞がれている。そして、吸気ダクト103の左右中央部から下方に吸気取込管102が設けられている。吸気ダクト103は施肥装置5の本体部を支持する支持フレームを兼ね、その取付フレーム部103a,103bに肥料繰出部ケース70の背面部がボルトとナットによって連結されている。
【0034】吸気ダクト103は、肥料ホッパ60の後端部よりも後方に張り出しており、その上面は後方ほど下位となるよう傾斜している。このため、肥料投入時に肥料ホッパ60からこぼれた肥料が吸気ダクト103によって後方に導かれ、肥料繰出部61,…や繰出伝動機構に肥料がかからない。これにより、上記肥料繰出部61,…や繰出伝動機構の錆発生や作動不良を防止できる。
【0035】また、吸気ダクト103の左右端部に上支持パイプ122,122と下支持パイプ123,123が取り付けられ、これら支持パイプによりエアチャンバ68の左右端部が支持されている。さらに、左端部側の上支持パイプ122と下支持パイプ123に側面視コ字状の取付プレート124が取り付けられ、その取付プレートにブロア回動軸125によってブロア67が回動自在に取り付けられている。非作業時には、止め金具101を外してブロア67の吹出し口をエアチャンバ68から離し、図3において鎖線で示すように、ブロア回動軸125を支点にブロア67を前方に回動させられる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる施肥装置は、エア切替シャッタを肥料繰出部による肥料繰出位置よりもエアチャンバ側に設けることにより、エア切替シャッタ取付箇所における肥料詰まりを防止し、エア切替シャッタが常に正常に作動するようにできるとともに、肥料移送経路部の取り外しが可能であるので、肥料移送経路部内の清掃等のメンテンスが容易に行えるようになった。
【0037】また、エアチャンバの下部が上部よりも平面視で狭くならない形状とすることにより、エアチャンバとその下側に設けられるカバーとの隙間に肥料が溜りにくくすることができ、エアチャンバの腐食を防止できるようになった。
【0038】さらに、肥料繰出部の入力軸と、これに動力を伝達する繰出駆動軸とを、肥料繰出部のケースに一体的に軸受支持することにより、繰出駆動軸から入力軸への伝動が安定し、肥料繰出部の肥料繰出体を正確に作動させられるようになった。
【0039】加えて、肥料繰出体の第一回転体と第二回転体をそれぞれ個別に回転軸方向にスライドさせて肥料繰出部のケースから着脱できるように構成することにより、肥料繰出体の肥料繰出溝の清掃等のメンテナンスを容易に行えるようになった。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 弘志
【公開番号】 特開平11−332341
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−166209