| 【発明の名称】 |
苗植付装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高見 幸徳
【氏名】渡里 圭介
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| 【要約】 |
【課題】植付爪機構の手動逆転操作力を軽減して植付爪に挟まった障害物の除去作業等を容易にする。
【解決手段】植付アーム10に植付動力を伝動する経路に、植付動力を入切りする条止めクラッチ18を介設すると共に、該条止めクラッチ18に、定位置停止範囲以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止用のストッパ部27bを設けたものにおいて、前記条止めクラッチ18に、ストッパ部27bがクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付アーム10の手動逆転操作を許容する逃がし機構(逃がし面23d)を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付動力を植付爪機構に伝動する植付動力伝動経路に、植付動力を入切りする植付クラッチを介設すると共に、該植付クラッチに、所定の停止位置以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止機構を設けた苗植付装置において、前記植付クラッチに、定位置停止機構がクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付爪機構の手動逆転操作を許容する逃がし機構を設けたことを特徴とする苗植付装置。 【請求項2】 植付動力を複数の植付爪機構に分配する植付動力分配経路に、植付動力を入切りする条止めクラッチをそれぞれ介設すると共に、該条止めクラッチに、所定の停止位置以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止機構を設けた苗植付装置において、前記条止めクラッチに、定位置停止機構がクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付爪機構の手動逆転操作を許容する逃がし機構を設けたことを特徴とする苗植付装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2において、逃がし機構は、クラッチ爪に形成された傾斜面であることを特徴とする苗植付装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等の苗植付装置の技術分野に属するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種乗用田植機等の苗植付装置は、エンジンから植付爪機構に至る植付動力伝動経路に、植付動力および走行動力を入切りするメインクラッチと、全ての植付爪機構に対する動力伝動を入切りする植付クラッチと、所定の植付爪機構に対する動力伝動を入切りする条止めクラッチとを介設しているが、植付クラッチおよび条止めクラッチには、所定の停止位置以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止機構を設ける必要がある。即ち、クラッチ切り作動に伴って植付爪が下限位置付近で停止すると、植付爪を引き摺って破損する可能性があるため、下限位置よりも浮上した所定の位置で植付爪を停止させるように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、植付爪に石等の障害物が挟まって植付作動が停止(トルクリミッタによる停止等)した場合には、メインクラッチを切り操作してエンジンを停止させてから障害物を取り除く必要があり、このとき、植付爪を手動逆転操作すれば障害物を容易に除去できることが知られている。しかるに、植付クラッチおよび条止めクラッチは、定位置以外で切り操作してもクラッチを切ることができない許りでなく、定位置で切り操作すると植付爪の逆転操作をロックしてしまうため、両クラッチを入り状態にして植付爪を手動逆転操作する必要があった。従って、全ての植付爪がメインクラッチまで繋がった状態で逆転操作することになり、その結果、大きな操作力が必要になる不都合があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、植付動力を植付爪機構に伝動する植付動力伝動経路に、植付動力を入切りする植付クラッチを介設すると共に、該植付クラッチに、所定の停止位置以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止機構を設けた苗植付装置において、前記植付クラッチに、定位置停止機構がクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付爪機構の手動逆転操作を許容する逃がし機構を設けたことを特徴とするものである。つまり、所定の停止位置以外で植付爪が停止した場合には、クラッチ切り操作に応じて植付クラッチが植付爪機構の手動逆転操作を許容することになり、その結果、メインクラッチまで繋がった状態で植付爪機構を手動逆転操作していた従来に比して操作力を軽減することができる許りでなく、植付爪と苗掻取口との隙間調整における植付爪機構の手動逆転操作も容易にすることができる。また、植付動力を複数の植付爪機構に分配する植付動力分配経路に、植付動力を入切りする条止めクラッチをそれぞれ介設すると共に、該条止めクラッチに、所定の停止位置以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止機構を設けた苗植付装置において、前記条止めクラッチに、定位置停止機構がクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付爪機構の手動逆転操作を許容する逃がし機構を設けたことを特徴とするものである。つまり、所定の停止位置以外で植付爪が停止した場合には、クラッチ切り操作に応じて条止めクラッチが植付爪機構の手動逆転操作を許容することになり、その結果、メインクラッチまで繋がった状態で植付爪機構を手動逆転操作していた従来にして操作力を軽減することができる許りでなく、植付爪と苗掻取口との隙間調整における植付爪機構の手動逆転操作も容易にすることができる。しかも、条止めクラッチは、植付爪機構に近い植付動力分配経路に介設されるものであるため、所定の植付爪機構のみを少ない操作力で逆転操作することができる。また、逃がし機構は、クラッチ爪に形成された傾斜面であることを特徴とするものである。つまり、クラッチ爪に傾斜面を形成する程度の簡単な変更で手動逆転操作を許容する機能を付加することができるため、構造の複雑化や部品点数の増加を伴うことなく実施できる利点がある。 【0005】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1は乗用田植機(苗植付装置)の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付部3が装着されている。そして、植付部3は、昇降リンク機構2に着脱自在に装着されるホルダフレーム4、該ホルダフレーム4にローリング支軸5を介して左右傾斜自在に支持される植付部フレーム6、該植付部フレーム6から立ち上がる苗載台支持ステー7等で左右スライド自在に支持される苗載台8、該苗載台8の下端部に沿って配設されるエプロン9、該エプロン9に形成される掻取り口から植付苗を掻取って田面に植付ける複数の植付アーム(植付爪機構)10、該植付アーム10が組付けられる複数のプランタケース11、田面を滑走するフロート12等で構成されるが、これらの基本構成は何れも従来通りである。 【0006】13は前記走行機体1に搭載されるエンジンであって、該エンジン13の動力は、変速機構14およびメインクラッチ15を経た後、走行動力と植付動力とに分配されるが、さらに植付動力は、トルクリミッタ16および植付クラッチ17を経た後、各プランタケース11に内装される条止めクラッチ18を介して複数の植付アーム10に分配されるようになっている。つまり、複数の植付アーム10に植付動力を分配するにあたり、分配点の上手側に植付クラッチ17を介設する一方、分配点もしくは分配点の下手側にそれぞれ条止めクラッチ18を介設しているため、植付クラッチ17の操作に基づいて全ての植付アーム10に対する動力伝動を入切りすることができる一方、条止めクラッチ18の操作に基づいて所定の植付アーム10に対する動力伝動を入切りすることができるようになっている。 【0007】前記各プランタケース11には、前端側に左右方向を向いて軸支される入力軸19、後端側に左右方向を向いて軸支される植付アーム駆動軸(図示せず)、入力軸19の外周部に条止めクラッチ18を介して連動連結される駆動側スプロケット20、植付アーム駆動軸の外周部に一体的に設けられる従動側スプロケット(図示せず)、両スプロケット間に懸回される伝動チェン21等が組み込まれている。つまり、プランタケース11は、分配された植付動力を入力し、該入力した動力を、条止めクラッチ18、駆動側スプロケット20、伝動チェン21、従動側スプロケットおよび植付アーム駆動軸を介して植付アーム10に伝動するようになっている。 【0008】前記条止めクラッチ18は、入力軸19に軸方向摺動自在にスプライン嵌合する第一クラッチ部材22と、入力軸19に回転自在に外嵌し、かつ外周部に前記駆動側スプロケット20を一体的に有する第二クラッチ部材23と、第一クラッチ部材22を第二クラッチ部材23に向けて押圧付勢するクラッチスプリング24とを備えている。そして、第一クラッチ部材22および第二クラッチ部材23の対向面部には、互いに噛合するクラッチ爪22a、23aがそれぞれ形成されているため、第一クラッチ部材22がクラッチスプリング24の付勢力を受けて第二クラッチ部材23に噛合した状態では、入力軸19の動力を駆動スプロケット20に伝動する一方、第一クラッチ部材22がクラッチスプリング24の付勢力に抗して第二クラッチ部材23から離間した状態では、駆動スプロケット20への動力伝動を断って植付アーム10の作動を停止させることができるようになっている。 【0009】前記クラッチ爪22a、23aは、正方向回転(植付アーム駆動回転)を伝える正転側噛合面22b、23bと、逆方向回転を伝える逆転側噛合面22c、23cとを有するが、正転側噛合面22b、23bは、回転をそのまま伝える直立面に形成される一方、逆転側噛合面22c、23cは、回転を逃がす傾斜面に形成されているため、正方向回転のみを伝動する一方向回転クラッチとしても機能するようになっている。 【0010】23dは前記第二クラッチ部材23のクラッチ爪23aに形成される逃がし面(逃がし機構)であって、該逃がし面23dは、正転側噛合面23bの先端側に傾斜面として形成されている。つまり、条止めクラッチ18の入り状態では、正転側噛合面23bの基端側直立面が第一クラッチ部材22の爪クラッチ22aに噛合する一方、後述する半クラッチ状態では、正転側噛合面23bの逃がし面23dが第一クラッチ部材22の爪クラッチ22aに噛合するようになっている。そして、前記半クラッチ状態であっても、第一クラッチ部材22の回転は第二クラッチ部材23に伝達(トルクリミッタ的な伝達)されるが、入力軸19が停止状態で、かつ条止めクラッチ18が半クラッチ状態である場合には、第二クラッチ部材23の逆転に伴って逃がし面23dが第一クラッチ部材22を切り側に押圧するため、植付アーム10の手動逆転操作が許容されるようになっている。 【0011】25は前記条止めクラッチ18を入切り作動させるための条止め用シフタであって、該条止め用シフタ25は、プランタケース11に回動自在に支持されるシフト軸26と、該シフト軸26の中間部に一体的に設けられるシフトフォーク27と、プランタケース11から突出するシフト軸26の上端部に一体的に設けられるシフトレバー28とで構成されている。つまり、スプリング28aを介してシフトレバー28を前方に引張操作すると、シフトフォーク27に形成される一対の接当部27aが第一クラッチ部材22のフランジ部22dを切り側に押すように構成されている。 【0012】27bはシフトフォーク27の一方の接当部27aに形成される定位置停止用のストッパ部であって、該ストッパ部27bは、第二クラッチ部材23のフランジ部23eに形成される切欠き部23fがストッパ位置に合致した場合、即ち、植付アーム10が所定の停止範囲に位置する場合に、切欠き部23fに嵌入して第一クラッチ部材22の切り動作を許容する一方、それ以外の位置では、第二クラッチ部材23のフランジ部23eに接当して第一クラッチ部材22の切り動作を規制するようになっている。そして、第一クラッチ部材22の切り動作を規制した状態は、条止めクラッチ18の噛合ストロークが浅くなった前述の半クラッチ状態であるため、前記逃がし面23bの傾斜ガイド作用に基づいて植付アーム10の手動逆転操作が許容されることになる。 【0013】また、前記植付クラッチ17は、定位置停止範囲が多少広く設定されている点が条止めクラッチ18と相違するが、基本的な構造や本願特有の構造(半クラッチ状態で植付アーム10の手動逆転操作を許容する構造)は略同様であるため、条止めクラッチ18の図面および詳細な説明を援用する。 【0014】叙述の如く構成されたものにおいて、植付アーム10に植付動力を伝動する経路に、植付動力を入切りする条止めクラッチ18(植付クラッチ17)を介設すると共に、該条止めクラッチ18(植付クラッチ17)に、定位置停止範囲以外でのクラッチ切り作動を規制する定位置停止用のストッパ部27bを設けたものであるが、前記条止めクラッチ18に、ストッパ部27bがクラッチ切り作動を規制している半クラッチ状態で、植付アーム10の手動逆転操作を許容する逃がし機構(逃がし面23d)を設けたため、植付アーム10が障害物の挟み込み等に基づいて定位置停止範囲以外で停止した場合に、クラッチ切り操作に応じて条止めクラッチ18(植付クラッチ17)が植付アーム10の手動逆転操作を許容することになる。従って、障害物の除去作業等に際し、メインクラッチ15まで繋がった状態で植付アーム10を手動逆転操作していた従来にして、手動逆転操作の操作力を軽減することができ、しかも、植付アーム10に設けられる植付爪とエプロン9に形成される苗掻取口との隙間を調整する際にも、上記クラッチ操作に基づいて植付アーム10を容易に手動逆転操作することができる。 【0015】また、条止めクラッチ18は、植付アーム10に近い植付動力分配経路に介設されるものであるから、所定の植付アーム10のみをより少ない操作力で手動逆転操作できる利点がある。 【0016】また、クラッチ爪23aの正転側噛合面23bに、逃がし面23d(傾斜面)を形成する程度の簡単な構成で植付アーム10の手動逆転操作を可能にしたため、構造の複雑化や部品点数の増加を伴うことなく実施できる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−332340 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−143123 |
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