| 【発明の名称】 |
田植機のエンジン制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 悟
【氏名】小山 実
【氏名】井上 輝政
【氏名】山田 隆史
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| 【要約】 |
【課題】ガバナによりに保持するエンジンを搭載した田植機において、エンジンへの負荷が急増した際の回転数低下による植付結果の悪化を防止する。
【解決手段】上記エンジンで駆動される各種機器のうち、植付作業への悪影響が少ない機器の順で動力消費を停止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガバナ(43)により回転数を一定に保持するエンジン(E) を搭載した田植機(B) において、エンジン(E) への負荷が増加した際に、該エンジン(E) で駆動される各種機器のうち、植付作業への悪影響が少ない機器の動力消費を停止させることを特徴とする田植機のエンジン制御装置。 【請求項2】 エンジン(E) の負荷が増加した際に、エンジン(E) に付設した発電機(52)の発電のための動力消費を停止させることを特徴とする請求項1記載の田植機のエンジン制御装置。 【請求項3】 エンジン(E) の負荷が増加した際に、植付装置(C) の水平を保持するための水平保持油圧回路(61)中の水平保持用油圧制御弁(64)の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同水平保持用油圧制御弁(64)と水平保持用油圧シリンダ(35)との間の往復油路を連通させて、植付装置水平保持のための動力消費を停止することを特徴とする請求項1記載の田植機のエンジン制御装置。 【請求項4】 エンジン(E) の負荷が増加した際に、パワステアリング用油圧制御弁(66)の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同パワステアリング用油圧制御弁(66)とパワステアリング用油圧シリンダ(67)との間の往復油路を連通させて、パワステアリングのための動力消費を停止することを特徴とする請求項1記載の田植機のエンジン制御装置。 【請求項5】 上記動力消費の停止に際し、エンジン(E) への負荷が増加するに従って、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの順で、動力消費を停止する優先順位を設定し、しかも、エンジン(E) への負荷が更に増加すると、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの動力消費のいずれかの組合わせ又は全部を停止可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の田植機のエンジン制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、田植機のエンジン制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、田植機に搭載したエンジンは、植付作業に不可欠な走行部や植付装置を駆動するほかに、バッテリ充電のための発電機、植付装置の水平制御、パワステアリング機構等に動力を供給しており、しかも、ガバナで一定回転数を保持するように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、走行部が硬盤のくぼみに落ちたりしてエンジンの負荷が増大すると、ガバナの回転数制御が間に合わず走行速度や植付速度が低下して、苗の植付状態が悪化するという問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ガバナにより回転数を一定に保持するエンジンを搭載した田植機において、エンジンへの負荷が増加した際に、該エンジンで駆動される各種機器のうち、植付作業への悪影響が少ない機器の動力消費を停止させることを特徴とする田植機のエンジン制御装置を提供せんとするものである。 【0005】また、次のような特徴を併せ有するものである。 【0006】エンジンの負荷が増加した際に、エンジンに付設した発電機の発電のための動力消費を停止させること。 【0007】エンジンの負荷が増加した際に、植付装置の水平を保持するための水平保持油圧回路中の水平保持用油圧制御弁の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同水平保持用油圧制御弁と水平保持用油圧シリンダとの間の往復油路を連通させて、植付装置水平保持のための動力消費を停止すること。 【0008】エンジンの負荷が増加した際に、パワステアリング用油圧制御弁の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同パワステアリング用油圧制御弁とパワステアリング用油圧シリンダとの間の往復油路を連通させて、パワステアリングのための動力消費を停止すること。 【0009】上記動力消費の停止に際し、エンジンへの負荷が増加するに従って、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの順で動力消費を停止する優先順位を設定し、しかも、エンジンへの負荷が更に増加すると、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの動力消費のいずれかの組合わせ又は全部を停止可能としたこと。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、エンジンに回転センサを付設して、同回転センサが回転数の低下を検出すると、エンジンへの負荷が増加したものとして、田植機に搭載した各種機器のうち、植付作業への悪影響が少なく、かつ、動力消費の小さい順、即ち、発電機、植付装置の水平制御、パワステアリングの順で動力消費を停止して、エンジンへの負荷を軽減することで、エンジン回転数の低下を防止するようにしており、更に、エンジン回転数が低下したときは、発電機、植付装置の水平制御、パワステアリングの動力消費のいずれかの組合わせ又は全部を停止することで、更に、エンジンへの負荷を軽減して、エンジン回転数の低下を防止するようにしている。 【0011】 【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明する。 【0012】図1及び図2は、本発明に係るエンジン制御装置を具備した田植機Bを示しており、同田植機Bは、自走可能の走行機体1の後方に、昇降リンク機構2と、左右傾動機構3とを介して、植付装置Cを昇降及び左右傾動自在に連結して、走行機体1で植付装置Cを牽引しながら、田面に苗を植付けるようにしている。 【0013】走行機体1は、左右前車輪4,4 と左右後車輪5,5 とを共に駆動する四輪駆動車に構成されており、ボンネット6の内部にエンジンEを配置し、同ボンネット6の後部にステアリングホイル7を突設し、同ステアリングホイル7の下方左右側に各種ペダル8を設けている。 【0014】また、ステアリングホイル7の右側方にアクセルレバー9を設け、座席10の右側に、副変速ガイド溝11を挿通した植付装置昇降兼副変速レバー12を配設している。 【0015】副変速ガイド溝11は、前後方向に伸延して形成されており、植付装置昇降兼副変速レバー12の可動範囲の前部では、副変速機の変速比を、前方が高速に、後方が低速になるように操作でき、後部では、前方が植付装置Cの下げ、後方が上げになるように操作でき、前部から中途部にかけて植付クラッチを「入」、中途部から後部にかけて植付クラッチを「切」に操作できる。 【0016】また、上記副変速ガイド溝11の中途部の前方寄りと後方寄りの位置に、それぞれ左右凹部13と後凹部14とを形成して、左右凹部13のいずれかに植付装置昇降兼副変速レバー12を位置させるとその側のサイドマーカが下降し、後凹部14に位置させると植付装置Cの昇降作動を停止させるようにしている。 【0017】座席10の左側部には、主変速ガイド溝17を挿通した主変速レバー18を配設しており、上記主変速ガイド溝17は、後方に拡開した略Y字状に形成されており、主変速レバー18を主変速ガイド溝17の前端部に位置させたときは、主クラッチが「入」で、かつ、路上走行に適した主変速機が変速比になり、右側後端部に位置させたときは、主クラッチが「入」で、かつ、後進になり、左側後端部に位置させたときは主クラッチが「切」になるようにしている。 【0018】植付装置Cは、中央植付ケース19に左右方向に伸延した連結パイプ20を挿通し、同連結パイプ20に適宜間隔を保持して複数の植付ケース21を配置し、これらの上方に、左右方向に伸延した上下レール22,23 を介して前高後低に傾斜した苗載台24を左右往復移動自在に配設し、各植付ケース21に装着した植付爪25の作動により、苗載台24に載置した苗マットから所定量の苗を削り取って田面に植付けるようにしている。図中、26はフロートである。 【0019】昇降リンク機構2は、図2及び図3で示すように、走行機体1の後部に立設した枠体27の上下部と、植付装置Cの下部前面に連設した門型フレーム28の上下部とを、それぞれトップリンク29とロアリンク30とで連結し、走行機体1に設けた昇降用油圧シリンダ31の伸縮作動により、植付装置Cを昇降作動させるようにしている。 【0020】左右傾動機構3は、図3及び図4で示すように、前記門型フレーム28と中央植付ケース19とを、軸芯を略前後方向に伸延させて配設したローリング軸32を介して回動自在に連結すると共に、前記上レール22を支持するために中央植付ケース19に立設した支柱33と、門型フレーム28の上面に立設した支持体34との間に両ロッド型の水平保持用油圧シリンダ35を介設して、同水平保持用油圧シリンダ35の伸縮作動により、植付装置Cを走行機体1に対して左右傾動させるようにしている。 【0021】図5はエンジン制御装置Aを示しており、同エンジン制御装置Aは、演算機能と記憶機能とを有するマイクロコンピュータよりなるコントローラ40の入力側に、前述したアクセルレバー9の操作位置を検出するアクセルレバー位置センサ9sと、植付装置昇降兼副変速レバー12の変速位置を検出する変速レバー位置センサ12s と、主変速レバー18の操作位置を検出する主変速レバー位置センサ18s と、エンジンEの回転数を検出する回転センサ41と、燃料噴射ポンプ42に付設した電子ガバナ43に連動連結されて燃料噴射量を制御するラックの位置を検出するラック位置センサ44と、キースイッチ45と、出力モード切換スイッチ46とを接続しており、出力側には、前述したラックを移動させるためのラックアクチュエータ48と、エンジンEの回転数を表示する回転数表示盤50、故障表示盤51、発電機52の発電をON・OFFする充電リレー53等を接続して、各センサやスイッチ等から入力する信号を処理して、各アクチュエータ及び各リレー等の作動を制御するようにしている。 【0022】特に、前記電子ガバナ43のラックアクチュエータ48は、エンジン回転数制御の応答を高速にしたアイソクロナス制御と、負荷が急激に増加した際に、目標回転数を高めてストールを防止する逆ドループ制御とを受けており、このようにしたことで、定格出力が小さいエンジンEでの高速植付作業を可能にしたり、最小燃料消費率を示す回転数領域での植付作業を可能にして燃料消費を節減できるようにしている。 【0023】また、充電リレー53は、エンジンEに連動連結した発電機52とバッテリ54等の電気的負荷との間に介設されており、エンジンEの負荷が設定値以上に増加すると、発電機52と電気的負荷との導通を遮断して、発電機52での動力消費を停止するようにしている。 【0024】図6は、油圧回路60のうち、本発明に関係する水平保持油圧回路61と、パワステアリング用油圧回路62とを示している。 【0025】水平保持油圧回路61は、エンジンEに連動連結した油圧ポンプ63に、P−Tオープン型の水平保持用油圧制御弁64を介し、植付装置Cの左右水平保持制御のための水平保持用油圧シリンダ35を接続しており、特に、水平保持用油圧制御弁64と水平保持用油圧シリンダ35との間の往復油路を、相互に短絡電磁弁65を介して接続している。 【0026】パワステアリング用油圧回路62は、上記油圧ポンプ63に、ステアリングホイル7と連動連結したパワステアリング用油圧制御弁66を介してパワステアリング用油圧シリンダ67を接続している。 【0027】特に、上記油圧ポンプ63とパワステアリング用油圧制御弁66と作動油タンク68間の往復油路、及び、パワステアリング用油圧制御弁66とパワステアリング用油圧シリンダ67間の往復油路を、それぞれ短絡電磁弁69,69 を介して接続している。 【0028】そして、上記各短絡電磁弁65,69,69をコントローラ40の出力側に接続して、コントローラ40からの信号により、上記各往復油路を個別に短絡できるようにしている。図中、70は操向操作系中に設けたベルクランクである。 【0029】かかる田植機Bにおいて、本実施例では、アクセルレバー9でエンジンEの回転数を設定しての植付作業中に、エンジンEへの負荷が設定値を超えると、コントローラ40からの信号により、植付作業への悪影響が小さい機器から順に動力消費を停止して、エンジン回転数の低下を防止するようにしている。 【0030】即ち、表1で示すように、エンジンEへの負荷が、定格出力の60%を超えると、充電リレー53の導通を遮断して発電機52の動力消費を停止する(表中、×は動力消費停止、○は作動を示す)。なお、この際、電気関係の機器はバッテリ54に蓄積した電力で支障なく駆動される。また、発電機52の動力消費を停止するには、上記の他に、発電機52のロータの励磁電流をカットしたり、エンジンEと発電機52との間に電磁クラッチを設けて、同電磁クラッチの動力伝達を遮断するなどの手段がある。 【0031】また、エンジンEへの負荷が定格出力の70%を超えると、上記発電機52の動力消費の停止に加えて、水平保持用油圧制御弁64を中立にしてポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、短絡電磁弁65を開弁して水平保持用油圧制御弁64と水平保持用油圧シリンダ35との間の往復油路を短絡させることで、油圧ポンプ63の植付装置Cの水平保持制御のための動力消費を停止する。なお、この際、上記短絡電磁弁65の開弁により、水平保持用油圧シリンダ35がフリーとなって、植付装置Cの左右水平はフロート26によって保持されることになる。 【0032】更に、エンジンEへの負荷が定格出力の80%を超えると、上記発電機52の動力消費の停止と、植付装置Cの水平保持制御のための動力消費の停止とに加えて、短絡電磁弁69,69 を短絡して、パワステアリングのための動力消費を停止するようにしている。なお、この際、上記短絡電磁弁69,69 の開弁により、パワステアリング用油圧シリンダ67がフリーとなるので、パワーアシストは作用しなくなるが操向操作は可能である。 【0033】そして、エンジンEへの負荷が軽減すると、上記の逆順で機器の作動を再開するようにしている。 【0034】このように、エンジンEへの負荷が大きくなるに従って、植付作業への悪影響が小さい機器から順に動力消費を停止するので、負荷が急激に増加した際に、植付作業への悪影響を可及的に抑制しながら、エンジン回転数の低下を防止して良好な植付結果を得ることができる。 【0035】 【表1】
【0036】また、上記説明では、エンジンEへの負荷が増加するに従って、動力消費する機器を増やしているが、この他に、表2で示すように、各機器の動力消費を単独で、又は、組合わせて停止することができ、この場合、きめ細かい消費動力の停止を行って、植付作業への悪影響を前記よりも強く抑制することができる。 【0037】 【表2】
【0038】 【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得ることができる。 【0039】請求項1記載の発明では、ガバナにより回転数を一定に保持するエンジンを搭載した田植機において、エンジンへの負荷が増加した際に、該エンジンで駆動される各種機器のうち、植付作業への悪影響が少ない機器の動力消費を停止させることによって、エンジンへの負荷が急増した際に、エンジン回転数の低下を防止して、植付速度の不整による植付結果の悪化を防止することができる。 【0040】請求項2記載の発明では、エンジンの負荷が増加した際に、エンジンに付設した発電機の発電のための動力消費を停止させることによって、エンジンへの負荷が急増した際に、エンジン回転数の低下を防止して、植付速度の不整による植付結果の悪化を防止することができる。 【0041】請求項3記載の発明では、エンジンの負荷が増加した際に、植付装置の水平を保持するための水平保持油圧回路中の水平保持用油圧制御弁の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同水平保持用油圧制御弁と水平保持用油圧シリンダとの間の往復油路を連通させて、植付装置水平保持のための動力消費を停止することによって、エンジンへの負荷が急増した際に、エンジン回転数の低下を防止して、植付速度の不整による植付結果の悪化を防止することができる。 【0042】請求項4記載の発明では、エンジンの負荷が増加した際に、パワステアリング用油圧制御弁の油圧ポンプ側ポートとタンク側ポートとを連通させると共に、同パワステアリング用油圧制御弁とパワステアリング用油圧シリンダとの間の往復油路を連通させて、パワステアリングのための動力消費を停止することによって、エンジンへの負荷が急増した際に、エンジン回転数の低下を防止して、植付速度の不整による植付結果の悪化を防止することができる。 【0043】請求項5記載の発明では、上記動力消費の停止に際し、エンジンへの負荷が増加するに従って、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの順で動力消費を停止する優先順位を設定し、しかも、エンジンへの負荷が更に増加すると、発電、植付装置水平保持、パワステアリングの動力消費のいずれかの組合わせ又は全部を停止可能としたことによって、上記負荷の大きさに応じて植付作業への悪影響の小さい機器の順からきめ細かく動力消費を停止させて、植付作業への悪影響を可及的最小限に抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−332335 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−147950 |
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