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【発明の名称】 自走式播種敷設装置
【発明者】 【氏名】鈴木 貞夫

【氏名】永井 英寿

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下方に走行装置2を有する機体フレーム1の上方位置に、前記走行装置2の走行方向に対して並行方向に育苗箱Aを移送しうる育苗箱移送台11と該育苗箱移送台11の上方位置に設けた土、水、種子等を供給する供給装置とを有する播種装置10を設け、前記育苗箱移送台11には該育苗箱移送台11からの育苗箱Aを搬送するレール部86と、該レール部86に続いて該レール部86より移動してくる育苗箱Aを左右に振り分けて敷設するときの並列状態に並列させ得る幅を有する敷設部87とからなる敷設用レール85を設け、少なくとも敷設用レール85は搬送方向始端部側を高く終端は圃場に接触するようにした自走式播種敷設装置。
【請求項2】 請求項1において、前記敷設部87には、長さ方向の略中間位置に育苗箱Aを堰き止める堰き止め位置と退避する退避位置の間移動する堰き止めシャッタ88を設けた自走式播種敷設装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記レール部86の両側部には側方に突き出る板部材により形成し終端に至るに従い幅広でレール部86の案内ロール84の上面より低く振分け部93を設けた自走式播種敷設装置。
【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3において、前記走行装置2は左右一対の走行車輪3を前後に配置して構成し、前記育苗箱移送台11の両側部には側方に突き出る載置台94を設け、該載置台94は前記前後の走行車輪3の間は作業者が乗れる低い作業台作業台95に兼用した自走式播種敷設装置。
【請求項5】 請求項4において、前記育苗箱移送台11の上方位置に設けた床土供給装置19の側部には複数の床土袋98を上下に載置しうるリフト台97を有するリフト装置96を設けた自走式播種敷設装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、育苗箱に土、種子等を供給する播種装置により播種した播種済の育苗箱を床あるいは圃場に直ちに並べるまで行う自走式播種敷設装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の実開昭58−50651号公報には、育苗箱を始端部より終端部に移送する床上に水平に載置された育苗箱移送台と、育苗箱に床土を供給する床土供給装置と、供給された床土上面を均平する回転ブラシと、床土に灌水する灌水装置と、種子を供給する種子供給装置と、覆土を供給する覆土供給装置とにより構成した播種装置について記載されている。また、育苗箱移送台に空の育苗箱を自動供給する育苗箱自動供給装置および回転ブラシにより均平除去できない育苗箱の少なくとも後壁の隅部を均平する隅部押圧装置の構成も公知である。また、先願の特願平9−131671号には、下方に走行装置を有する機体フレームの一側上方位置に、前記走行装置の走行方向に対して並行方向に育苗箱を移送しうる育苗箱移送台と該育苗箱移送台の上方位置に設けた土、水、種子等を供給する供給装置とを有する播種装置を設け、前記走行装置による走行中に前記播種装置により播種された播種済の育苗箱を床面に載置し得るように、始端部を高く終端部を床面に摺接するように低く傾斜させ、前記走行装置の走行速度を前記育苗箱移送台の育苗箱Aの移送速度に同期させた構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例の播種装置は、単に育苗箱に播種するだけであるから、その後の育苗箱の取出、運搬、育苗管理は考慮されていない。それゆえ、播種する作業を機械化しているが、それ以外の作業は容易でないという課題がある。また、播種済の育苗箱は、単に重いだけでなく、落下させると土と種子が混ざって使用不能になるから、その運搬作業は慎重にしなくてはならず、相当に面倒であるという課題がある。前期先行技術は、播種済の育苗箱をそのまま敷設するので、前記課題は解決するが、一列のみ敷設するから、何回も往復する必要があり、作業が面倒である課題がある。本発明は、播種および取出運搬敷設まで連続して、容易にできるようにしたものである。
【0004】
【発明の目的】播種から敷設までの作業の連続化、作業効率の向上、作業の機械化、作業の自動化。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下方に走行装置2を有する機体フレーム1の上方位置に、前記走行装置2の走行方向に対して並行方向に育苗箱Aを移送しうる育苗箱移送台11と該育苗箱移送台11の上方位置に設けた土、水、種子等を供給する供給装置とを有する播種装置10を設け、前記育苗箱移送台11には該育苗箱移送台11からの育苗箱Aを搬送するレール部86と、該レール部86に続いて該レール部86より移動してくる育苗箱Aを左右に振り分けて敷設するときの並列状態に並列させ得る幅を有する敷設部87とからなる敷設用レール85を設け、少なくとも敷設用レール85は搬送方向始端部側を高く終端は圃場に接触するようにした自走式播種敷設装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明すると、1は機体フレームであり、その下方に下方には走行装置2を設ける。走行装置2は走行車輪3あるいはクローラ5により構成する。図1の実施例では左右一対のクローラ5により構成しており、6は転輪、7は走行フレーム、8は駆動輪、9は遊動輪である。図2の実施例では左右一対の走行車輪3を前後に配置している。前記機体フレーム1の一側上方位置には播種装置10の育苗箱移送台11を設ける。育苗箱移送台11は始端部より終端部に向けて育苗箱Aを移送するように移送方向に長く形成し、1 に合わせて略水平に設け、育苗箱移送台11には育苗箱Aの移送手段を設ける。移送手段は育苗箱Aを移送できればよく、実施例では移送ローラー12を所定間隔を置いて並設している。また、前記育苗箱Aは合成樹脂等により上面を開放した引出し形状の四角箱に形成される。
【0007】育苗箱移送台11の移送方向の始端部上方位置には、空の育苗箱Aを移送手段に自動供給する育苗箱自動供給装置13を設ける。育苗箱自動供給装置13は底抜けの四角フレーム14に上方に突き出る案内ガイド15を起立させて育苗箱Aを供給する供給用の収容空間16を形成する。前記案内ガイド15は作業する側の高さを低く形成して育苗箱Aの挿入を容易にしている。四角フレーム14には、前後または左右位置に相対峙するように一対の上段係合部17および下段係合部18を設ける。上段係合部17および下段係合部18は図示は省略するがモータによって夫々交互に出入りし、上段係合部17は段積育苗箱Aのうち下から2段目の育苗箱Aに係合し、下段係合部18は最下段の育苗箱Aに係合し、上段係合部17と下段係合部18とが育苗箱Aの下面に係合することにより、一箱づつ前記移送手段に育苗箱Aを供給する。この場合、前記上段係合部17は下段係合部18に対して相対的高さ位置等を変更し得る様に各種形状のものを用意し、これらを適宜交換使用することにより下段係合部18との間隔を育苗箱Aの高さ(厚さ)に対応させる。
【0008】しかして、育苗箱自動供給装置13の移送方向下手側(終端側)には床土供給装置19を設ける(図7)。床土供給装置19は公知のものであり、上方に供給ホッパー20を設け、供給ホッパー20の下方に育苗箱Aの移送方向に回転移動する繰出ベルト21を有している。22は繰出口、23は繰出口22の開口度合いを調節する調節体である。床土供給装置19の下手側には駆動回転の回転ブラシ24を設ける。回転ブラシ24は育苗箱Aに供給した床土のうち余分な土を除去して、上面を均平させる作用を期待し、高さ調節自在に設ける。回転ブラシ24の下手側の育苗箱移送台11には、育苗箱Aの移送方向後側の後壁25および前壁26の隅部の床土を押圧する隅部押圧装置27を設ける。前記育苗箱移送台11に隅部押圧装置27のフレーム28を固定し、前記フレーム28には上下する左右一対の取付板29をリンク機構30を介して夫々取付ける。31は高さ調節ダイヤル、32は不使用時に解除する係合板部である。
【0009】前記取付板29には左右一対の後壁隅用平行リンク33の後壁隅用第一アーム34の中間部を取付軸35により、後壁隅用第二アーム36の上部を取付軸37により夫々取付ける。左右の後壁隅用第一アーム34と後壁隅用第二アーム36の下部には側面視前後逆L型形状の育苗箱Aの後壁25の隅部を押圧する後壁隅部押圧体38を取付ける。前記後壁隅部押圧体38と前記取付軸37との間には、後壁隅用第一アーム34を常時上方回動させるように付勢する後リンク用バネ39を設ける。前記取付軸35よりも上方の後壁隅用第一アーム34の後壁隅用上側アーム部40の回動軌跡内には押圧深さ調節用ストッパー41を設ける。押圧深さ調節用ストッパー41は前後に移動自在に構成し、押圧深さ調節用ストッパー41の位置を変更して後壁隅用上側アーム部40の前縁の当接位置を変更して、後壁隅用平行リンク33の傾斜を変更することにより後壁隅部押圧体38の上下幅を変更して、押圧深さ(育苗箱Aの上面から床土上面までの深さ)を調節する。
【0010】前記後壁隅用平行リンク33の育苗箱Aの移送方向後側には左右一対の前壁隅用平行リンク42の前壁隅用第一アーム43の上部を取付軸44により、前壁隅用平行リンク42の前壁隅用第二アーム45の中間部を取付軸46に夫々固定し、取付軸44、46は前記取付板29に軸装し、前壁隅用平行リンク42の下部には側面視L型形状の育苗箱Aの前壁26の隅部を押圧する前壁隅部押圧体47を取付ける。前記前壁隅用第一アーム43と前記後壁隅部押圧体38との間には、前壁隅用平行リンク42を常時下方回動させるように付勢する前リンク用バネ48を設ける。また、取付軸46よりも上方の前壁隅用第二アーム45の前壁隅用上側アーム部49には係合軸50を設け、係合軸50には軸形状の待機用連結体51の後端側に形成した長孔52を係合させ、待機用連結体51の先端を前記後壁隅用第一アーム34の後壁隅用上側アーム部40の上部に軸53により軸着する。
【0011】後リンク用バネ39により上方回動するように付勢された後壁隅用平行リンク33は、後壁隅用上側アーム部40の前縁が押圧深さ調節用ストッパー41に当接して回動が規制され、その結果、後壁隅用平行リンク33全体の上方回動が規制されて後壁隅部押圧体38を育苗箱A内の床土上面には接触しないが育苗箱Aの後壁25と衝突する高さにて待機し、前壁隅用平行リンク42は、前リンク用バネ48により常時下方回動するように付勢されているが、後壁隅用平行リンク33側と待機用連結体51により連結され、係合軸50は待機用連結体51により牽引されているから、前壁隅用第二アーム45の回動が規制され、その結果、前壁隅用平行リンク42全体の下方回動が規制され、育苗箱Aの前後壁25、26に接触しない上方位置にて待機させる。即ち、前壁隅用第一アーム43は常時下方回動しようとするが、待機用連結体51が係合軸50を牽引してこれを規制し、前壁隅部押圧体47を、前記後壁隅部押圧装置33の後壁隅部押圧体38の後側であって、育苗箱Aの前壁26よりも上方に待機させる。それゆえ、前リンク用バネ48より後リンク用バネ39の弾力を強く設定する。
【0012】なお、前壁隅用平行リンク42は、後壁隅用平行リンク33と連動するが、後壁隅部押圧体38と前壁隅部押圧体47の間の距離が狭くなって、係合軸50と軸53の間隔が狭くなるときは係合軸50が待機用連結体51の長孔52内を移動してこれを吸収する。また、後壁隅部押圧体38の下方を前壁26および後壁25が通過すると、後壁隅用平行リンク33および前壁隅用平行リンク42は待機位置に復帰する。54は前記前壁隅用上側アーム部49の上部に設けた錘、55は隅部押圧装置27の前後側に設けた前側案内ローラー及び後側案内ローラーである。しかして、隅部押圧装置27の下手側には、灌水装置56を設ける(図1、図13)。灌水装置56は前記育苗箱移送台11の上方に、育苗箱Aの移送方向と交差する灌水ノズル57を設ける。灌水ノズル57は下面に多数の噴出口を有し、灌水ノズル57の一端は栓58により閉塞し、灌水ノズル57の他端には水量計(圧力計)59および開閉弁60を設け、開閉弁60にはポンプ61を接続し、ポンプ61は前記機体フレーム1の上方位置に設けたタンク62と吸水管63により接続する。また、64は所望位置に設けた薬剤・肥料等を入れる溶液タンクであり、前記灌水ノズル57より吸引した薬剤等を散布する。
【0013】しかして、前記タンク62は、水を貯留するように四角の箱形状に形成するが、上面も閉塞して塵埃等の侵入を防止できるだけでなく、床土供給装置19に補給する土、種子を載せる載置部に使用している。また、タンク62は図示は省略するが、上面に開閉自在の開口部を設け、該開口部から水を補給し、タンク62の容積を最大にしている。しかして、灌水装置灌水装置56の下手側には、種子供給装置65を設ける(図1、図14)。種子供給装置65の種籾供給ホッパー66の下部は流穀板67により漏斗状に形成し、一方の流穀板67の先端を左右方向の横軸繰出ロール68の外周面に可及的に近接させる。横軸繰出ロール68の外周面には母線方向に平行な横条溝69を所定間隔をおいて全周に形成する。また、横軸繰出ロール68の外周面には左右方向に所望の間隔(一粒の種籾より小の間隔)をおいてスリット70を全周に設け、スリット70の深さは横条溝69よりも若干深く形成し、各スリット70には掻出体71を嵌合させる。
【0014】横軸繰出ロール68の直上位置よりも回転下降側に寄った位置には均平兼芒付籾除去ブラシ72を設ける。均平兼芒付籾除去ブラシ72は横軸繰出ロール68の横条溝69に嵌合していない種籾を掃き戻す作用と芒付種籾を持ち回って取出す作用を奏する。横軸繰出ロール68の回転下降側の側面には種籾誘導板73を当接させる。種籾誘導板73は、その内側にスポンジ74を設け、スポンジ74の内側に合成樹脂膜75を設け、合成樹脂膜75を横軸繰出ロール68の側面に摺接させる。前記横条溝69に嵌合した種籾は種籾誘導板73により上方位置から下方の落下点まで誘導される。なお、横軸繰出ロール68の下方には、左右に分割落下口76を並設した籾ガイド77を設けることがある。前記種子供給装置65は、前記移送台育苗箱移送台11に対して上下動装置78により種子供給装置65全体を上下しうるように取付け、高さの相違する育苗箱Aを使用するとき、前記横軸繰出ロール68と育苗箱Aとの間の距離を切替えて最適な状態に取付ける。
【0015】しかして、種子供給装置65の下手側には、覆土供給装置79を設ける(図1)。覆土供給装置79は、床土供給装置19と同様に公知のもので略同一構成であり、上方に供給ホッパーを設け、供給ホッパーの下方に育苗箱Aの移送方向に回転移動する繰出ベルトを有し、繰出口22を狭くしている点が、床土供給装置19と相違している。しかして、前記育苗箱移送台11には、取出用傾斜レール80を設ける。取出用傾斜レール80は播種された育苗箱Aを斜めに搬送するものであり、始端部を育苗箱移送台11の終端に着脱自在、かつ、回動自在に取付け、始端部を高く終端に至るに従い低く構成し、終端側には左右一対の支持転輪81を設ける。支持転輪81は任意の構成により取出用傾斜レール80の終端高さを変更して取出用傾斜レール80の傾斜角度を変更しうるように構成している。実施例では、支持転輪81はアーム82の先端に設け、アーム82の基部を取出用傾斜レール80に軸着し、アーム82はロッド83により吊設し、ロッド83の取付位置を選択的に変更して支持転輪81の高さを変更する。前記取出用傾斜レール80には所定間隔を置いて自由回転の案内ロール84を並設する。
【0016】前記取出用傾斜レール80の終端には敷設用レール85の始端部を接続する。敷設用レール85は始端側のレール部86と終端側の敷設部87とに構成し、前記レール部86は前記取出用傾斜レール80と同様に、左右一対のフレームに所定間隔を置いて自由回転の案内ロール84を並設している。前記敷設部87は前記育苗箱Aを敷設する左右幅を有して平板により形成し、育苗箱Aの長さの略2倍の長さを有して形成し、略前後中間位置には育苗箱Aを堰き止める堰き止めシャッタ88を設ける。堰き止めシャッタ88は左右方向の縦板89の左右両側を敷設部87に起立状態の堰き止め位置と敷設部87と並行の退避状態の間移動自在に設ければよく、その構成は任意であるが、実施例では堰き止めシャッタ88の左右両側の軸90により回動自在に軸装し、軸90にはアーム91を固定し、アーム91には堰き止めシャッタ88を開閉させるアクチュエータ92を接続する。
【0017】しかして、育苗箱Aは育苗箱移送台11上を移動中に播種され、育苗箱移送台11より傾斜する取出用傾斜レール80に乗り移り、取出用傾斜レール80より敷設用レール85のレール部86に乗り移り、レール部86を自重で搬送されて敷設部87に差し掛かり、手作業で敷設部87の上面にて左右に振り分けて並列させ、所定数並列すると、堰き止めシャッタ88を退避させ、並列状態で育苗箱Aを摺動して下端部(先端部)が圃場に設置し、この状態で、機体を一列分前進させる。これを反復して、圃場に播種済の育苗箱Aを敷設する。この場合、ビニールハウス内に敷設するときは、ビニールハウスの入口から奥側より敷設用レール85、取出用傾斜レール80、育苗箱移送台11の順にして一番奥側まで入り、奥側より敷設する。しかして、前記取出用傾斜レール80の一部と敷設用レール85のレール部86または、少なくともレール部86の左右両側には側方に突き出る板部材により形成した振分け部93を設ける。振分け部93は始端部は細く、終端は広くした平面視三角形状に形成し、その終端は敷設部87の前縁に接続する。また、振分け部93を設けた場合、振分け部93は案内ロール84の上面より低くし、搬送中の育苗箱Aを振分け部93上を摺動させることで、振り分け可能に構成する。
【0018】しかして、敷設用レール85は敷設部87の左右幅の相違するものを数種類用意し、選択的に取出用傾斜レール80に取付け、作業性を向上させている。しかして、前記機体フレーム1の左右両側には載置台94を設け、該載置台94上の所定位置に、タンク62、64を設け、他の部分には種子や覆土の入った袋を載置する。この場合、前記走行装置2を走行車輪3により構成した場合は、前後の車輪3の間の載置台94は低くして作業者が乗れる作業台95を兼用してもよい。また、前記床土供給装置19の左右何れかの側部には、リフト装置96を設ける。リフト装置96はリフト台97が上下する任意構成のものでよく、リフト台97を床土供給装置19の側部に配置して床土袋98の載置部として兼用する。したがって、リフト台97は当初一番低くしておき、リフト台97上には複数の床土袋98を載置し、一番上の床土袋98より補給すると、一袋分リフト台97を上昇させ、一番上の床土袋98を床土供給装置19の供給ホッパー20の上方に臨ませる。しかして、機体フレーム1の所望位置には動力源(図示省略)を設ける。実施例の動力源は、エンジンの形態の発電機であり、この電力により播種装置10および走行装置2を駆動する。また、前記播種装置10は、育苗箱自動供給装置13、床土供給装置19、種子供給装置65等の夫々にスイッチを設けると共に、任意の箇所に走行装置2を含めた全部の操作部(図示省略)を設ける。
【0019】
【作用】次に作用を述べる。
(全体の作用)走行装置2により所定位置まで走行し、取出用傾斜レール80の終端に圃場の育苗箱Aの並列幅に合わせた敷設部87を選択して取付ける。この場合、取出用傾斜レール80は育苗箱移送台11の終端に回動自在に取付けられ、取出用傾斜レール80の終端には左右一対の支持転輪81を設けているから、ロッド83とアーム82の取付位置を変更すると、アーム82は上下に回動してに支持転輪81の高さを変更し、取出用傾斜レール80と敷設部87の傾斜を最適にする。即ち、育苗箱Aが途中で止まらずに自重で滑走し、後述する振り分け作業するときに早過ぎない速さとなるように、傾斜角度調節する。この状態で、播種装置10の育苗箱自動供給装置13に空の育苗箱Aを上下に段積した状態で供給し、育苗箱自動供給装置13は最下段の育苗箱Aを一つづつ自動供給し、育苗箱Aは移送ローラー12により移送され、床土供給装置19の下方に至り通過するとき上方より床土の供給を受け、多目に供給された床土の上面を回転ブラシ24により余分のものを取り去って均平し、回転ブラシ24により均平除去できない育苗箱Aの後壁25および前壁26の隅部の余分な隅土を隅部押圧装置27により押圧する。次に、隅部が押圧均平された育苗箱Aは、灌水装置56の下方に至り、灌水装置56の灌水ノズル57より灌水を受け、灌水装置56の下手側の種子供給装置65の下方に至り、種子の供給を受け、次に、育苗箱Aは覆土供給装置79の下方に至り、覆土の供給を受け、播種が完了する。
【0020】播種済の育苗箱Aは、そのまま後続の育苗箱Aに押されて取出用傾斜レール80上に乗り移る。取出用傾斜レール80は前記したように終端が低く傾斜しているから、自重で少しづつ取出用傾斜レール80上を移動し、更に、後続の育苗箱Aに押されることによりゆっくりであるが、確実に、取出用傾斜レール80上を移動する。取出用傾斜レール80の終端には敷設用レール85のレール部86の始端部を接続しているから、更に、レール部86に乗り移って移動し、育苗箱Aは敷設用レール85の敷設部87に乗り移るが、敷設部87は育苗箱Aを並列させ得る左右幅を有した平板により形成しており、略前後中間位置には育苗箱Aを堰き止める堰き止めシャッタ88を設けているから、敷設部87に乗り移った育苗箱Aは手作業で振り分けると、堰き止めシャッタ88に当接して停止し、各育苗箱Aの振り分けが完了すると、堰き止めシャッタ88を退避させる。この各育苗箱Aの振り分け作業は敷設部87が傾斜しているので、摺動させながら行え、持ち上げるのに比し、頗る容易に、育苗箱Aを複数列に整列させられる。また、堰き止めシャッタ88により一旦堰き止めるので、整列姿勢を良好にできる。
【0021】次に、堰き止めシャッタ88を退避させると、敷設部87は傾斜しているから、育苗箱Aは自重で摺動降下し、その先端が圃場に接触し、この状態で、機体を一列分前進させると、育苗箱Aはそのまま圃場に敷設され、育苗箱Aの前端の所に敷設部87の終端が位置させたとき、機体全体の走行を停止させ、前記作業を反復する。この場合、堰き止めシャッタ88を育苗箱Aが通過したときに、堰き止めシャッタ88を堰き止め位置にすると、後続の育苗箱Aを振り分けておくことができ、作業効率を向上させる。しかして、前記取出用傾斜レール80の一部と敷設用レール85のレール部86または、少なくともレール部86の左右両側には側方に突き出る板部材により形成した振分け部93を設けているから、前記敷設部87に敷設の前状態のための並列作業は、レール部86の所からできるので、振り分けのための育苗箱Aの移動距離を少なくして、作業を容易にする。この場合、振分け部93は案内ロール84の上面より低くしているから、乗り越える段差がなく、作業を容易にしている。
【0022】しかして、敷設用レール85は敷設部87の左右幅の相違するものを数種類用意しているから、選択的に取出用傾斜レール80に取付け、作業性を向上させている。特に、ビニールハウス内に敷設するときは、並列幅を変更することで、往復移動回数を減少させて、作業効率を向上させる。しかして、前記機体フレーム1の左右両側には載置台94を設け、該載置台94上の所定位置に、タンク62、64を設け、他の部分には種子や覆土の入った袋を載置しているから、床土供給装置19、種子供給装置65等への土や種子の補給を容易にし、作業効率を向上させる。また、前記走行装置2を走行車輪3により構成した場合は、前後の車輪3の間の載置台94は低くして作業者が乗れる作業台95に兼用しているから、育苗箱移送台11の各装置に可及的に近づくことができ、補給作業を含めた全般の作業を容易にする。また、前記床土供給装置19の側部にはリフト装置96を設け、リフト装置96のリフト台97には複数の床土袋98を載置しているから、一番上の床土袋98より補給すると、一袋分リフト台97を上昇させ、一番上の床土袋98を床土供給装置19の供給ホッパー20の上方に臨ませることができ、床土袋98の載置スペースと昇降装置を兼用できる。
【0023】(各装置の作用) 以上が、全体の作用であるが、各装置の作用を簡単に説明すると、育苗箱自動供給装置13の収容空間16に空の育苗箱Aを入れると、供給された段積育苗箱Aは、その最下段の育苗箱Aが上段係合部17に係合し、次に、上段係合部17が引っ込むと、段積育苗箱A全体が落下し、最下段の育苗箱Aが下段係合部18に係合して支持され、次に、上段係合部17が突出して下から2段目の育苗箱Aの下面または鍔に係合し、下段係合部18が引っ込んで最下段の育苗箱Aのみが育苗箱移送台11の移送ローラー12上に供給され、これを反復することにより、育苗箱移送台11に順次育苗箱Aが自動供給される。しかして、隅部押圧装置27は、育苗箱Aの後壁25が後壁隅部押圧体38の後縁に当接すると、後壁25の前進移動により後壁隅部押圧体38を前進させ、後壁隅用平行リンク33の後壁隅用第一アーム34および後壁隅用第二アーム36が取付軸35、37を中心に回動し、後壁隅部押圧体38は後壁25の前面に摺接しながら下降し、後壁隅用第一アーム34および後壁隅用第二アーム36が略垂直状態のとき後壁25の隅土を最大に押圧して平坦にし、後壁隅用第一アーム34および後壁隅用第二アーム36が更に回動し、次に後壁隅部押圧体38は後壁25の前面に摺接しながら上昇し、後壁隅部押圧体38の下方を後壁25が通過すると、元の待機位置に後リンク用バネ39の弾力で復帰し、後壁隅用第一アーム34が押圧深さ調節用ストッパー41に当接し停止する。
【0024】また、後壁隅部押圧体38が前進すると、前リンク用バネ48は前壁隅用平行リンク42を牽引し、一方、後壁隅部押圧体38の前進により軸53は取付軸35中心に回動して後側に移動するから、待機用連結体51の規制が緩み、軸53が移動した分係合軸50が移動して前壁隅用第二アーム45を取付軸46中心に回動させ、その結果、前壁隅用平行リンク42は全体として下方回動する。しかして、種子供給装置65は、種籾供給ホッパー66内の種籾が流穀板67に誘導案内されて、流穀板67の先端と横軸繰出ロール68の外周面との間に溜る。次に、上昇回転する横軸繰出ロール68の外周面の横条溝69に嵌合し、横条溝69に嵌合した種籾は均平兼芒付籾除去ブラシ72の下方を通過し、そのまま、種籾誘導板73の合成樹脂膜75と横軸繰出ロール68の外周に挟まれながら下方の落下位置まで案内され、育苗箱A内に播種される。この場合、横条溝69に嵌合していない種籾は均平兼芒付籾除去ブラシ72により掃き戻される。また、落下位置でも嵌合したままの種籾は、掻出体71に当接して落下する。
【0025】しかして、種籾の供給を受けた育苗箱Aは覆土供給装置79の下方に至り、覆土の供給を受け、播種が完了する。前記の場合、育苗箱移送台11と取出用傾斜レール80の間に早送り装置を設けると、育苗箱移送台11では隙間なく育苗箱Aを移送して播種することができ、これを余裕をもって敷設できる。なお、前記育苗箱Aを敷設する圃場は、どこでもよいが、ビニールハウス内で加温・加湿可能にすると、出芽室で出芽させる工程を省略できる。また、ビニールハウス内で播種敷設するとき、圃場上面を均平にしておくと、敷設した育苗箱Aが平らになって、育苗状態が良好になるだけでなく、圃場の土を床土として利用でき、育苗を良好にする。また、前記したように、載置台94上に種子や覆土の入った袋を載置できるが、圃場の所定位置に土、種子を用意しておくと、一層、作業効率を向上させる。
【0026】
【効果】本発明は、下方に走行装置2を有する機体フレーム1の上方位置に、前記走行装置2の走行方向に対して並行方向に育苗箱Aを移送しうる育苗箱移送台11と該育苗箱移送台11の上方位置に設けた土、水、種子等を供給する供給装置とを有する播種装置10を設け、前記育苗箱移送台11には該育苗箱移送台11からの育苗箱Aを搬送するレール部86と、該レール部86に続いて該レール部86より移動してくる育苗箱Aを左右に振り分けて敷設するときの並列状態に並列させ得る幅を有する敷設部87とからなる敷設用レール85を設け、少なくとも敷設用レール85は搬送方向始端部側を高く終端は圃場に接触するようにした自走式播種敷設装置としたものであるから、走行装置2により走行中に育苗箱Aに播種し、この播種済の育苗箱Aをそのまま圃場等の床面に載置できるので、播種のみならず、取出、運搬敷設を機械化でき、作業の連続化もでき、作業効率を向上させることができる効果を奏する。また、手作業による運搬載置作業を省略できるので、播種済の育苗箱の落下する危険を回避でき、この点からも作業効率を向上させ、また、レール部86に続いて該レール部86より移動してくる育苗箱Aを左右に振り分けて敷設するときの並列状態に並列させ得る幅を有する敷設部87とからなる敷設用レール85を設けているから、一度に並列させる列幅を広くでき、往復回数を減少させて作業効率を向上させ、また、敷設用レール85は搬送方向始端部側を高く終端は圃場に接触するように傾斜させているから、振り分け作業を容易にできる。本発明は、前記敷設部87には、長さ方向の略中間位置に育苗箱Aを堰き止める堰き止め位置と退避する退避位置の間移動する堰き止めシャッタ88を設けた自走式播種敷設装置としたものであるから、整列姿勢を良好にでき、堰き止めシャッタ88により後続の育苗箱Aを振り分けておくことができ、作業効率を向上させる。本発明は、前記レール部86の両側部には側方に突き出る板部材により形成し終端に至るに従い幅広でレール部86の案内ロール84の上面より低く振分け部93を設けた自走式播種敷設装置としたものであるから、振り分け作業を容易にできる。本発明は、前記走行装置2は左右一対の走行車輪3を前後に配置して構成し、前記育苗箱移送台11の両側部には側方に突き出る載置台94を設け、該載置台94は前記前後の走行車輪3の間は作業者が乗れる低い作業台95に兼用した自走式播種敷設装置としたものであるから、床土供給装置19、種子供給装置65等への土や種子の補給を容易にし、作業効率を向上させ、育苗箱移送台11の各装置に可及的に近づくことができ、補給作業を含めた全般の作業を容易にする。本発明は、前記育苗箱移送台11の上方位置に設けた床土供給装置19の側部には複数の床土袋98を上下に載置しうるリフト台97を有するリフト装置96を設けた自走式播種敷設装置としたから、リフト台97に複数の床土袋98を載置でき、載置スペースを有効利用でき、また、補給作業を容易にする。なお、前記説明中、前後左右の方向は説明を容易にするためのもであり、走行装置2の走行方向を基準にすると、前進しながら育苗箱Aを敷設し、播種装置10の育苗箱Aの移送方向は走行方向の後側に向かって育苗箱Aを移送するが、播種装置10の説明では育苗箱Aの移送方向を基準にしており、説明部分によっては前後が整合しないことがあるが、この前後左右の方向は記載に限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
【出願日】 平成10年(1998)5月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−332314
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−159884