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【発明の名称】 乗用移動農機のステップ構造
【発明者】 【氏名】平井 博

【氏名】津田 輝彦

【要約】 【課題】運転や苗補給時等、或は機体への乗降の際に、ペダル穴(ステップに設けた開口部)に足が入り込むようなことがなく安全性が一層高められると共に誤操作を防止できる乗用移動農機のステップ構造を提供する。

【解決手段】ステップ12aに設けた開口部12e,12fからブレーキペダル17やクラッチペダル16等のペダルをペダルアーム16a,17aと共にステップ12a上に突出させた乗用移動農機において、前記開口部12e,12fの後部側にペダルアーム16a,17aの上方突出基端側を上方から覆う上向け湾曲状のカバー25を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フラット状のステップ上に設けた開口部から足踏み操作用のブレーキペダルやクラッチペダル等のペダル類を各ペダルアームと共に前記ステップ上へ傾斜状に突出させた乗用移動農機において、前記各開口部の後部側に前記ペダルアームの上方突出基端側を上方から覆う上向き湾曲状のカバーをステップに設けたことを特徴とする乗用移動農機のステップ構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機や農用トラクタ等の乗用移動農機におけるステップ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用田植機等の乗用移動農機においては、通常、図8に示すように、運転席ステップSの前部側にはクラッチペダル用の開口部Hとブレーキペダル用の開口部H’を左右に振分け状に設けてあり、これらの開口部H,H’はペダルアームの移動領域に沿って前後方向に長く切欠かれている。そして、この開口部H,H’から夫々クラッチペダルとブレーキペダルを各々のペダルアームと共にステップS上に突出させた構造となっている。
【0003】そして、上記開口部H,H’は、ペダルの踏込み操作時に、ペダルアームが開口部H,H’の前後端縁及び左右側端縁に干渉しないよう、また、寸法誤差や組立誤差、或は経時的なガタの発生等をも考慮して予め前後幅及び左右幅とも十分な余裕を持たせて開口面積を大きく取っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来、ペダルの踏込み操作時や苗補給作業時、或は機体への乗降時に、足が開口部H,H’に入り込んだり、左右片側のブレーキペダルを踏込む必要があるとき、不用意に隣のペダルアームを踏み込んでしまう等の不都合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る乗用移動農機のステップ構造は、上記のような実状に基きその問題点を解消すべく創案されたものであって、フラット状のステップ上に設けた開口部から足踏み操作用のブレーキペダルやクラッチペダル等のペダル類を各ペダルアームと共に前記ステップ上へ傾斜状に突出させた乗用移動農機において、前記各開口部の後部側に前記ペダルアームの上方突出基端側を上方から覆う上向き湾曲状のカバーをステップに設けたことを要旨とする。
【0006】
【作用】ペダルをフラット状のステップ上へ傾斜状に突出させるため、開口部の後部側に上向き湾曲状のカバーが設けられているので、該カバーにより、ペダルの操作領域を犠牲にすることなく、しかも開口部の片側を覆うのみで開口部面積を小さくして、運転や苗補給等の時、或は機体への乗降の際に、上記開口部に足が入り込むようなことがなく、安全性が一層高められる。また、同じ開口部から複数のペダルが立ち上がっている時、誤って隣接のペダルアームを踏込むような誤操作が防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の構成を図面に示された一実施形態より説明する。図面には乗用移動農機として、前輪1及び後輪2を有する走行機体(本機)3の後方に、フロート4、プランタケース5aと一体のドライブケース5、植付杆6及び前高後低状で、かつ左右往復動自在に架設された苗載台7等からなる植付部8が昇降リンク9及び油圧シリンダ10を介して昇降可能に連結してなる乗用田植機が例示されている。上記走行機体3はホイールベースが短く、しかも機体前部のオーバーハング量が少なく設定されており、極力小型コンパクトで小回りが利く機体構成となっている。11は補助ステップ11aを一体に取付けた機体フレームで、この機体フレーム11は角パイプを主体として強固に枠組構成されており、その上面は運転席ステップ12a、リヤフエンダ12b、前部ステップ12c及び前部カバー12d等を一体成形してなる覆い体12により覆われている。そして、運転席ステップ12aの前部左側にはクラッチペダル用開口部12eが、また前部右側にはブレーキペダル用開口部12fが設けられている。Pは運転席ステップ12a及び前部ステップ12cの上面に貼付した滑り止め部材(ノンスリップシート)で、ステップ上での移動及び機体3への乗降が安全に行えるよう配慮されている。13はボンネット、14はステアリングハンドル、15は運転席、16は足踏み操作用のクラッチペダル、17は同じくブレーキペダルである。16a,17aは夫々上記開口部12e,12fから運転席ステップ12a上へ傾斜状に突出させたペダルアームで、各ペダルアーム16a,17aの基端側は機体フレーム11側にブラケット等を介して上下回動自在に枢結されている。なお、符号aは各ペダル16,17の踏込み作動方向を示す。
【0008】18は走行機体3の前部左右両外側方に配設した補助苗台で、この補助苗台18は前後2本のステー19,19aを介して走行機体3に着脱自在に取り付けられている。そして、前後のステー19,19aの下端部には夫々ロッド20,21が内方へ向け一体に突設されており、前部側ロッド20は機体フレーム11の前端下面に固着のパイプ22に差込み固定され、後部側ロッド21は上記パイプ22よりも後方で前輪車軸1aよりも前方に位置して機体フレーム11に固設のL型取付座23にボルト24止めされている。本実施形態では、前後2本のステー19,19aは上端の水平部19bを介して一体に湾曲構成した変形コ字形状のものが例示されているが、前後のステー19,19aは別体のものでもよい。18aは苗箱を載置する苗受で、前後のステー19,19aに複数段(本実施形態では2段)片持ち状に装着されている。なお、Mは、左右のステー19a,19aの外側方に夫々装着したマーカーである。
【0009】ところで、上記クラッチペダル用開口部12eとブレーキペダル用開口部12fの後部側には、夫々ペダルアーム16a,17aの上方突出基端側を上方から覆う上向き湾曲状のカバー25が設けられている。このカバー25は、本実施形態では覆い体12の成形時に一体的に設けるものであるが、別体のカバーを覆い体12に後付けの方法で取付けても良い。なお、上記カバー25はペダルアーム16a,17aの突出方向に沿って前上り状に傾斜させてあるが、その上面側は踏み込み操作時において踵に対応する部分なので、安定感を持たせ、かつ操作フーリングを良くするため極力緩やかな湾曲面となるよう配慮されている。
【0010】上記の構成において、植付作業中、又は路上走行中に、クラッチペダル16やブレーキペダル17の踏込み操作を行う際には、足をペダル16又は17に載せて踏込むが、クラッチペダル用開口部12eとブレーキペダル用開口部12fの後部側には夫々ペダルアーム16a,17aの上方突出基端側を上方から覆う上向き湾曲状のカバー25が設けられているので、その分、各開口部12e,12fの開口面積が狭くなり、そのため、ペダル踏込み操作時に足が開口部12e又は12fに入り込むようなことがない。苗の補給作業時や機体への乗降時においても同様である。
【0011】また、左右いずれか一方側のブレーキペダル17を踏込む際、カバー25が左右一対のペダルアーム17aの突出基端側を上方からガードしているので、踏込み側足の踵部分が隣接する右ブレーキペダル側ペダルアーム17a又は左ブレーキペダル側ペダルアーム17aを不用意に踏込んでしまうとの誤操作を無くすことができる。
【0012】さらに、カバー25がペダル16,17の後方下方に位置しているので、ペダル16,17の踏込み操作時に、カバー25が丁度踏込み側足の踵部分を支持する受台ともなり、極めて好都合である。
【0013】また、従来の乗用移動農機のもののように、ペダルアーム16a,17aが運転席ステップ12a上へそのまま露出した構造のものでは、ペダルアーム16a,17aの突出長が長くなり、本機への乗り降り時に足がペダルアーム16a,17aに引掛かったりすることがあり、殊に、機体長が短い小型の乗用移動農機では、運転席ステップ12a(特にステップ前後幅)がスペース的に制約される関係上、本機への乗降時にペダルアーム16a,17aが邪魔となり易いものであるが、ペダルアーム16a,17aの突出基端側をカバー25で覆ったことにより、ペダルアーム16a,17aの運転席ステップ12a上への突出長(露出長)を短くすることができ、しかも、カバー25がアーム露出部分のうち運転席15寄り側部分をステップ12aの上面から上方に膨出させた状態で覆っているので、本機3への乗降を安全に行うことができる。
【0014】
【発明の効果】本願発明は上述のように構成したことにより、カバーにより、ペダルの操作領域を犠牲にすることなく開口部の片側を覆うのみで開口部の面積を小さく出来、運転や苗補給時等、或は機体への乗降の際に、上記開口部に足が入り込むようなことがなく、安全性が一層高められる。また、同じ開口部から複数のペダルが立上っている左右のブレーキペダルのような場合、近接して並ぶ隣のペダルアームに足が乗り、誤って同時にペダル操作がされようとしても、前記カバーがペダルアームのガードになるので誤って隣のペダルアームを踏込むような誤操作を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成4年(1992)12月18日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−318142
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平11−100777