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【発明の名称】 繰出装置
【発明者】 【氏名】仲 弘和

【氏名】福村 善宏

【要約】 【課題】タンク内に残留している粉粒体を取り出すとき、ロールの前の排出口を開き、ロールに近接しているブラシを取り外すが、誤ってブラシを先に取り外すと、粉粒体が流れ落ちて詰るおそれがある。

【解決手段】外周に繰出溝45aを備えたロール45が粉粒体を収容するタンク42の下の誘導筒44内に横軸46の回りに回転するように設けられ、毛先が筒面に近接して繰出溝45aから溢れている粉粒体を掻き落すブラシ56がロール45上に配置され、ロール45の前の誘導筒44の排出口44aを開閉するカバー60を備え、カバー60とブラシ56は排出口44aを開くとブラシ56がロール45の筒面から離れるように連結されている繰出装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周に繰出溝45aを備えたロール45が粉粒体を収容するタンク42の下の誘導筒44内に横軸46の回りに回転するように設けられ、毛先が筒面に近接して繰出溝45aから溢れている粉粒体を掻き落すブラシ56がロール45上に接するように配置され、ロール45の前の誘導筒44の排出口44aを開閉するカバー60を備え、カバー60とブラシ56は排出口44aを開くとブラシ56がロール45の筒面から離れるように連結されている繰出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タンクに収容されている種子や肥料などの粉粒体を繰り出して散布する播種機や施肥機などに用いるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の播種機や施肥機などは、外周に繰出溝を備えたロールが粉粒体を収容するタンクの下の誘導筒内に横軸の回りに回転するように設けられ、毛先が筒面に近接して繰出溝から溢れている粉粒体を掻き落すブラシがロールの上に配置され、ロールの前の誘導筒の排出口がカバーで開閉されるように設けられている。そして、排出口を開いてブラシを取り除くと、タンク内に残留している粉粒体がその排出口から取り出されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】誤まって、排出口が閉じた状態でブラシを取り除くと、タンク内の粉粒体が誘導筒の下に流れ出たり、構成によっては、次の吐出管内その他に詰ったりするおそれがある。また、カバーの開閉とブラシの着脱の二工程が必要で操作が煩雑である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、外周に繰出溝45aを備えたロール45が粉粒体を収容するタンク42の下の誘導筒44内に横軸46の回りに回転するように設けられ、毛先が筒面に近接して繰出溝45aから溢れている粉粒体を掻き落すブラシ56がロール45上に接するように配置され、ロール45の前の誘導筒44の排出口44aを開閉するカバー60を備え、カバー60とブラシ56は排出口44aを開くとブラシ56がロール45の筒面から離れるように連結されている繰出装置とした。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1の後部に播種装置2と施肥装置3が装着されて、播種と施肥が同時に行なわれる湛水直播機となっている(図1、図2)。その走行車体1がつぎのようにに構成されている。フレーム4の前後に主歯車箱5と後輪歯車箱6が取付けられ、それぞれの外側に一対の前輪7と一対の後輪8が配置されている。エンジン9がフレーム4の上に取付けられ、その動力がベルト10で調車11に達したのち、ベルト12で調車13に達して主歯車箱5内に導入されている。その動力は、主変速機14で「中立(停止)」「作業速(低速)」、「移動速(高速)」又は「後進」のどれかに選択されたのち、それぞれの差動装置15,16を経由して前輪7と後輪8に達し(図5)、作業時には、水田の耕盤上でこれらが回転して走行車体1が前進するようになっている。
【0006】カバー17でエンジン9が被われ、その上に座席18が設けられている。ハンドルフレーム19が座席18の前に設けられ、その上のステアリングホイル20の操作で前輪7が操縦されて、走行車体1の進路が変わるように出来ている。ベルト12を巻き掛けた調車が可変式に構成されて無段変速機21となり、ハンドルフレーム19の左(正面から見て)に配置した副変速レバー22の操作で調車13の回転が無段階に変わるようになっている。
【0007】主クラッチ23(図5)が調車13の左に設けられ、ハンドルフレーム19の後に配置した主クラッチペタル24を踏み込むと、主歯車箱5内に導入される前記の動力が「切り」になり、その足を離すと「入り」になるように出来ている。主変速レバー25がハンドルフレーム19の右に配置され、その操作で主変速機14のそれぞれの速度が選択できるようになっている。
【0008】支柱26がフレーム4から上に伸び、これと後のヒッチ27が上下で平行なリンク28で連結されている。昇降シリンダ29の前部がフレーム4に取付けられ、ピストンロッド30がこれから斜後上に伸び、上のリンク28と一体のアーム31の下端にその突端が接続している。そして、昇降シリンダ29に対する油の給排でピストンロッド30が出没してヒッチ27が昇降するように出来ている。
【0009】播種装置2がつぎのように構成されている。枠32がヒッチ27の後に着脱自在に設けられ、その下部の後にパイプフレーム33が横長に取付けられている。4本の支持フレーム34がパイプフレーム33から等間隔で斜後下に伸び、それぞれの下腹部に配置したアーム35の後端に取付けたフロート36が、走行車体1の前記の前進で泥面を滑走するように出来ている。
【0010】一対の播種用作溝器37がそれぞれのフロート36に固定され、上記の滑走で泥面に8条の播種溝を等間隔に作るようになっている。支持アーム32aが枠32の上端から斜前上に伸び、横長のパイプ状のエアチャンバー38がその上端に支持板39(図3)を介して固定されている。8本の吐出管40がエアチャンバー38から後に突出し、その右に設けた送風機41が吹き込んだ空気が吹き出されるようになっている。種子タンク42が吐出管40の上に配置されている。この種子タンク42は、横長に作られて底に横並びの8個の谷を備え、上の入口が蓋43で開閉できるようになっている。それぞれの谷は、誘導筒44でそれぞれの吐出管40に連結固定されている(図3)。筒面に複数の繰出溝45aを有するロール45がそれぞれの誘導筒44内に配置され、エンジン9の動力で横軸46の回りに反時計方向に回転すると、種子タンク42内の種もみがそれぞれの吐出管40の中間部に連続的に繰り出されるようになっている(その詳細とエンジン9からの動力伝達機構は後記)。対応する吐出管40の後端と播種用作溝器37の上端が可撓性のチューブ47で連結されて、吐出管40内に繰り出された種もみがエアチャンバー38から吹き出される前記の空気で送られ、それぞれの播種溝内に散布される。なお、吐出管40と種子タンク42の谷をそれぞれ4個で構成し、前端を吐出管40に取付けたチューブ47の後部を2又に分けて8本の端末とし、それぞれの端末を8個の播種用作溝器37の一つに連結することが出来る。
【0011】施肥装置3がつぎのように構成されている。それぞれのフロート36に、播種用作溝器37の内側で一対の施肥用作溝器48が固定され、その滑走で泥面に8条の施肥溝を作るようになっている。パイプ状のエアチャンバー49が座席18の後で走行車体1に横長に固定されている。8本の吐出管50がエアチャンバー49から後に突出し、その右に設けた送風機51が吹き込んだ空気が吹き出されるようになっている。肥料タンク52が吐出管50の上に配置されている。この肥料タンク52も横長に作られて底に8個の横並びの谷を備え、上の入口が蓋53で開閉できるようになっている。それぞれの谷は、誘導筒54でそれぞれの吐出管50に連結固定されている。そして、筒面に繰出溝を有するロールがそれぞれの誘導筒54内に配置され、エンジンの動力で回転すると、肥料タンク52内の粉状又は粒状の肥料を誘導筒54の中間部に連続的に繰り出すようになっている。対応する吐出管50の後端と施肥用作溝器48の上端が可撓性のチューブ55で連結され、吐出管50内に繰り出された肥料がエアチャンバー49から吹き出される空気で送られて、前記の施肥溝内に散布されるようになっている。
【0012】種もみと肥料が散布されたそれぞれの播種溝と施肥溝は、フロートの下面の埋戻具の滑走で埋め戻される。誘導筒44,54とその内部が図3のように構成されている。なお、両者は同一のため、誘導筒44についてのみ説明する。ブラシ56を固定した保持具57が板ばね58で押し下げられて、ブラシ56の毛先がロール45の筒面に上から接触するようになっている。従って、上側の繰出溝45aに入った種子タンク42内の種もみのうち、この繰出溝45aから溢れているものが、ロール45の反時計回りの回転でブラシ56で掻き落され、定量の種もみがその下から誘導筒44を通って吐出管40に流れ込む。
【0013】排出口44aがロール45の前で誘導筒44の壁面に設けられ、下部の軸59の回りに回動するカバー60で開閉されるようになっている。カバー60に固定された案内板61が誘導筒44内に配置され、カバー60が排出口44aを閉じると、時計方向に回ってその先のゴム板62がロール45から離れ、排出口44aを開くと、逆に回ってゴム板62がロール45に接触するように出来ている。排出口44aを閉じたカバー60は、上端がフック63で止められている。
【0014】押棒64が支持板65の孔に通され、カバー60が排出口44aを開くと、案内板61が押棒64を押し上げ、押上げられたその押棒64が、板ばね58に抗して保持具57を押し上げて、ブラシ56の毛先がロール45から上昇するようになっている。すると、種子タンク42内に残留する種もみは、ロール45とブラシ56の間から案内板61上に落下したのち、開いたカバー60の内面を通って所定の容器内に取り出される。そのカバー60が排出口44aを閉じると、案内板61が時計方向に回り、押棒64による上記の押上げ力が解除され、板ばね58が保持具57を押し下げてブラシ56の毛先がロール45に接触する。
【0015】なお、この構成によると、種子タンク42内に種もみが無いとき、板ばね58の端を持ち上げることにより、ブラシ56を保持具57とともに取り外すことができ、ブラシ56の保守点検その他も容易に行なわれる。播種用作溝器37とチューブ47および施肥用作溝器48とチューブ55の接続部が図4のように構成されている。なお、両者は同一のため、播種用作溝器37側について説明して他を省略する。
【0016】播種用作溝器37が、フロート36の下面に固定された楔形の作溝部37aと、その後部から上に伸びる案内筒37bで構成されてその下部の後が開いている。チューブ47の後端と案内筒37bの上端に伸縮性のある蛇腹66の上下両端が固定され、その中に案内筒67が配置されて、蛇腹66の中を流れる粉粒体がその襞に入り込まないようになっている。衝撃式のセンサ68が案内筒67内に取付けられ、粉粒体がその中を流れているか否かを検出するようになっている。なお、案内筒67の上端をチューブ47に固定し、その下部にセンサ68を取付けると好都合である。上記の構成によると、案内筒67中の滑らかな面に沿って流れている粉粒体がセンサ68に当るので、センサ68の誤感知が軽減される。
【0017】播種量の検査装置をつぎのように構成することができる。主変速機14の前から取出したエンジン9の動力が、播種クラッチケース69内の播種クラッチ70を経由したのち、伝動軸70aで播種伝動ケース71内に伝わり、その横のクランク72、ロッド73、アーム74、ラチエット75および伝動軸76をこの順に経由して前記の横軸46に伝わるようになっている(図5、図3)。
【0018】試しスイッチ78が所定の位置に設けられ、そのONが制御装置79に入力されるようになっている。ダイヤル80が所定の位置に設けられ、走行車体1が10m、15mおよび20m前進する間の伝動軸70aの回転数が選択されて入力されるようになっている。
【0019】主変速レバーセンサ25aが主変速レバー25の作動部に設けられ、主変速機14の「作業速」又は「中立」が選択されているか否かが入力されている。播種クラッチレバー81が播種装置2に設けられ、その作動部に播種クラッチセンサ81aが配置されている。回転数センサ82が伝動軸70aの回転数を制御装置79に入力するようになっている。
【0020】そして、それぞれの入力で制御装置79が播種クラッチ70につぎのよう出力するようになっている。
(1)主変速レバーセンサ25aからの入力が「作業速」で、播種クラッチセンサ81aからの入力が「入り」であると、播種クラッチ70の「入り」を継続させる(通常の作業)。
(2)主変速レバーセンサ25aからの入力が「中立」で、播種クラッチセンサ81aからの入力が「入り」のとき、試しスイッチ78を「ON」にすると、ダイヤル80で選択した走行車体1の前進距離に相当する伝動軸70aの回転の間播種クラッチ70が「入り」になる。
【0021】すなわち、走行車体1が停止している状態で、その10m、15m又は20m前進する間の種もみの繰出量を受け止めることが出来る。そして、その量が適正か否かを判別し、種もみの繰出量の調節する。
(3)播種クラッチセンサ81aからの入力が「切り」であると、播種クラッチ70の「切り」を継続させる。
【0022】
【効果】以上のように、この発明によると、タンク内に残留している粉粒体を取り出すために、カバーで排出口を開くと、ブラシの毛先がロールから自動的に上昇するので、従来のカバーの開放とブラシの取外しの工数が半減することはもとより、ブラシを先に取外して流れ出した粉粒体がその下に詰まるような誤動作が解消される。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月14日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−318122
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−132171