| 【発明の名称】 |
温湯浸種槽および温湯浸種装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川島 謙蔵
【氏名】村田 和昭
【氏名】荒川 秀明
【氏名】川島 誠蔵
|
| 【要約】 |
【課題】農場レベルで必要な量の種籾の殺菌を確実に行なえるようにする。
【解決手段】温湯浸種槽は、種籾を所定の温度の温水に浸漬するための上面が開放された箱状の温水槽1と、温水槽1に所定の温度に温度調節された温水を供給するための温水器2と、枠体7に互いに間隔をおいて支持された複数の収納籠8からなりかつ温水槽1に出し入れ自在な種籾収納容器9を備えている。加えて、温水槽1に、一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて温水を同時に吐出するための複数の吐出口5を有する供給管4と、略中央部における底部近傍部位から温水を排出するための排出口6aを有する排出管6とを設けることによって、温水が一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて流動するように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面が開放された箱状の温水槽と、所定の温度に温度調節された温水を供給するための温水器と、枠体に互いに隙間をおいて支持された複数の収納籠からなりかつ前記温水槽に出し入れ自在な種籾収納容器を備え、前記温水槽に、その互いに対向する側壁のうちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて前記温水器より供給された前記温水を同時に吐出するための複数の吐出口を有する供給管と、前記温水槽の略中央部における底部近傍部位から前記温水を排出するための排出口を有する排出管とを設けることによって、前記温水が前記一方の側壁の近傍から前記他方の側壁に向けて流動するように構成したことを特徴とする温湯浸種槽。 【請求項2】 請求項1記載の温湯浸種槽を2個併設してそのうちの一方を予浸用とするとともに他方を浸種用とし、前記浸種用の温湯浸種槽に隣接して冷水槽を配設し、さらに、前記予浸用および浸種用の温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、逐次種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設したことを特徴とする温湯浸種装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、種籾の殺菌を所定の温度の温水により行なう、いわゆる冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法の実施に用いるための温湯浸種槽および温湯浸種装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】褐条病、苗立枯細菌病等の細菌病に対する対策としては、有効な薬剤が存在しないことから、次に説明する冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法が有効であることが実験室レベルで確認されている。 【0003】冷水温湯浸種方法は、種籾を20℃以下の冷水に16〜24時間浸漬したのち48〜49℃の温湯に1〜2分間浸し、ついで、51℃の温湯に約7分間浸したのち20℃以下の冷水で冷却する。また、温湯浸種方法は、種籾を57℃の温湯に15分間浸漬したのち20℃以下の冷水で冷却する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法は、正確な温水温度および浸漬時間の厳守が肝要であるが、実際に農場レベルで必要な量の種籾の殺菌に用いる場合、単に実験室で用いられる温水槽を大型化しただけでは、正確な温水温度および浸漬時間の厳守が困難であるばかりでなく、温水槽に浸された種籾全体を均一な殺菌温度に維持することが困難であった。 【0005】本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、農場レベルで必要な量の種籾の殺菌を確実に行なうことができる温湯浸種槽および温湯浸種装置を実現することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の温湯浸種槽は、上面が開放された箱状の温水槽と、所定の温度に温度調節された温水を供給するための温水器と、枠体に互いに隙間をおいて支持された複数の収納籠からなりかつ前記温水槽に出し入れ自在な種籾収納容器を備え、前記温水槽に、その互いに対向する側壁のうちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて前記温水器より供給された前記温水を同時に吐出するための複数の吐出口を有する供給管と、前記温水槽の略中央部における底部近傍部位から前記温水を排出するための排出口を有する排出管とを設けることによって、前記温水が前記一方の側壁の近傍から前記他方の側壁に向けて流動するように構成したことを特徴とするものである。 【0007】また、本発明の温湯浸種装置は、請求項1記載の温湯浸種槽を2個併設してそのうちの一方を予浸用とするとともに他方を浸種用とし、前記浸種用の温湯浸種槽に隣接して冷水槽を配設し、さらに、前記予浸用および浸種用の温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、逐次種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設したことを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の温湯浸種槽の一実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0009】図1に示すように、温湯浸種槽は、種籾を所定の温度の温水に浸漬するための上面が開放された箱状の温水槽1と、温水槽1に所定の温度に温度調節された温水を供給するための温水器2と、枠体7に互いに隙間をおいて支持された4個の収納籠8からなりかつ温水槽1に出し入れ自在な種籾収納容器9を備えている。 【0010】本実施の形態において、種籾収納容器9は、4個の金網や多孔板等からなる収納籠8が互いに隙間をおいて枠体7に支持されており、かつ、種籾収納容器9と温水槽1の側壁との間に間隙が生じる形状に設定されている。しかしこれに限らず、収納籠の数を必要に応じ任意の数に変更したり、各収納籠を枠体に着脱自在に設けるように変更することができることはいうまでもない。 【0011】温水槽1に、その互いに対向する側壁のうちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて温水器2より供給された所定の温度の温水を同時に吐出するための4個の吐出口5を有する供給管4が、前記一方の側壁に沿って配設されており、該供給管4の略中央部が導入管3を介して温水器2に接続されている。また、温水槽1には、略中央部における底部近傍部位から温水を排出するための排出口6aを有する排出管6が配設されている。このため、温水槽1に供給された温水が、一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて流動する。 【0012】なお、本実施の形態では、供給管4に4個の吐出口5を設けたものを示したが、供給管に設ける吐出口の数は必要に応じて任意の数に変更できる。 【0013】続いて、本実施の形態による温湯浸種槽の動作について説明する。 【0014】種籾収納容器9の各収納籠8に種籾を詰めた網袋10を収納し、種籾収納容器9と温水槽1の側壁との間に隙間が生じると同時に、収納籠8の間の隙間が吐出口5から吐出される温水の方向と略平行になるように温水槽1内に配置する。 【0015】そして、温水器2により所定の温度に温度調節された温水を導入管3を介して供給管4に供給すると、前記温水は各吐出口5より同時に吐出されて矢印方向に流動したのち、温水槽1の略中央部の底部近傍の排出口6aより排出管6内へ流入する流れとなって槽外へ排出される。このため、温水槽1中において温水が滞留することがなく温水槽1中における温水の温度ムラの発生が防止され、各収納籠8中の籾を確実に殺菌することができる。 【0016】次に、本発明の温湯浸種装置の一実施の形態について説明する。 【0017】本実施の形態による温湯浸種装置は、図1に示した温湯浸種槽を用いたものである。図2に示すように、2個の図1と同様の温湯浸種槽を併設し、そのうちの一方を予浸用の温湯浸種槽20とするとともに他方を浸種用の温湯浸種槽30とし、浸種用の温湯浸種槽30に隣接して冷水槽40を配設し、さらに、予浸用の温湯浸種槽20、浸種用の温湯浸種槽30、冷水槽40に対し、逐次種籾収納容器9を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置50が配設されている。 【0018】なお、走行クレーン装置50は、支柱51によって支持されたガイドレール52と、該ガイドレール52に案内されて予浸用の温湯浸種槽20と冷水槽40との間で往復移動する自走クレーン53を備え、自走クレーン53のフック54を種籾収納容器9の枠体7に設けられた吊り具11に引っかけて吊り下げるように構成されたものを用いるとよい。 【0019】続いて、本実施の形態による温湯浸種装置の動作について説明する。 【0020】(冷水温湯浸種方法の場合) ■ 予浸用の温湯浸種槽20には、その温水器2により、48〜49℃に温度調節した温水を供給し、浸種用の温湯浸種槽30にはその温水器2により51℃に温度調節した温水を供給し、冷水槽40は20℃以下の冷水で満たしておく。 【0021】■ 上記■ののち、予め20℃以下の冷水に16〜24時間浸した網袋10に詰めた種籾を種籾収納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納し、該種籾収納容器9を自走クレーン53で吊り下げて予浸用の温湯浸種槽20へ搬送し、48〜49℃の温水中に1〜2分間浸たす。 【0022】■ 上記■ののち、種籾収納容器9を自走クレーン53により予浸用の温湯浸種槽20から引き上げて浸種用の温湯浸種槽30上へ搬送し、51℃の温湯中に15分間浸漬する。 【0023】■ 上記■ののち、種籾収納容器9を浸種用の温湯浸種槽30から自走クレーン53により引き上げて冷水槽40上へ搬送し、20℃以下の冷水に浸して冷却する。 【0024】(温湯浸種方法の場合) ■ 浸種用の温湯浸種槽30に、その温水器2により、57℃に温度調節した温水を供給し、冷水槽40は20℃以下の冷水で満たしておく。 【0025】■ 上記■ののち、網袋10に詰めた乾燥種籾を、種籾収納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納し、該種籾収納容器9を自走クレーン53で吊り下げて浸種用の温湯浸種槽30上に搬送し、57℃の温水に15分間浸漬する。 【0026】■ 上記■ののち、自走クレーン53によって種籾収納容器9を浸種用の温湯浸種槽30から引き上げて冷水槽40上に搬送し、20℃以下の冷水に浸して冷却する。 【0027】 【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されているので次に記載するような効果を奏する。 【0028】農場レベルで必要な大量の種籾を温水に浸漬して殺菌する際に、正確な温水温度および浸漬時間を厳守することができるため、大量の種籾を確実かつ迅速に殺菌することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000132792 【氏名又は名称】株式会社タイガーカワシマ
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】阪本 善朗
|
| 【公開番号】 |
特開平11−318118 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−153742 |
|