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【発明の名称】 苗植付装置
【発明者】 【氏名】永田 久雄

【氏名】青木 伸浩

【氏名】横山 芳樹

【氏名】高見 幸徳

【氏名】加藤 俊彦

【氏名】渡里 圭介

【要約】 【課題】プランタケース内の条止めクラッチ機構を条止め用シフタで断続作動させる苗植付装置において、プランタケースを小型化すると共に、ケース構造を簡略化する。

【解決手段】プランタケース15内の条止めクラッチ機構18を断続作動させる条止め用シフタ30を設けるにあたり、該条止め用シフタ30を、プランタケース15を植付部フレーム6に取り付けるための取付ブラケット22に組付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付機構が取付けられるプランタケースに、植付機構に対する動力伝動を断続する条止めクラッチ機構を内装した苗植付装置であって、該苗植付装置のメインフレームに、プランタケースを取付けるためのブラケットを設けると共に、該ブラケットに、条止めクラッチ機構を断続作動させる条止め用シフタを取付けたことを特徴とする苗植付装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等に設けられる苗植付装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種乗用田植機等に設けられる苗植付装置は、植付機構が取付けられるプランタケースを複数備えると共に、各プランタケースに取付けられる植付機構を同時に作動させて所謂全条植えを行うように構成されているが、最終行程付近では、一部の植付機構を停止させた状態で植付けを行う所謂端数条植えが必要になる場合があるため、植付機構に対する動力伝動をプランタケース単位で断続する条止めクラッチ機構を設けることが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで従来では、プランタケースに条止めクラッチ機構を内装しているが、条止めクラッチ機構を断続作動させる条止め用シフタもプランタケースに取付けられているため、プランタケースが大型化する許りでなく、ケース構造が複雑になる不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、植付機構が取付けられるプランタケースに、植付機構に対する動力伝動を断続する条止めクラッチ機構を内装した苗植付装置であって、該苗植付装置のメインフレームに、プランタケースを取付けるためのブラケットを設けると共に、該ブラケットに、条止めクラッチ機構を断続作動させる条止め用シフタを取付けたことを特徴とするものである。つまり、プランタケース用のブラケットを利用して条止め用シフタを取付けたため、条止め用シフタをプランタケースに取付けていた従来のものに比してプランタケースを小型化することができる許りでなく、ケース構造を簡略化することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1は乗用田植機の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構を介して植付部(苗植付装置)3が装着されている。そして、前記植付部3は、昇降リンク機構2に着脱自在に装着されるホルダフレーム4、該ホルダフレーム4にローリング支軸5を介して左右傾斜自在に支持される植付部フレーム(メインフレーム)6、該植付部フレーム6から立ち上がる苗載台支持ステー7に左右スライド自在に支持される苗載台8、該苗載台8から植付苗を掻取って田面に植付ける植付アーム(植付機構)9、田面を滑走するフロート10等で構成されるが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】前記植付部フレーム6は、植付部3の下部に左右方向を向いて配置され、前記ローリング支軸5や苗載台支持ステー7以外にも各種の部材が組付けされるものであるが、本実施形態では、断面略正方形の角パイプを用いて植付部フレーム6を形成すると共に、各周面(前面、後面、上面および下面)の中央部に、ナット11等の固定金具を長手方向の任意の位置で係止(抜止めおよび回止め)することが可能な取付溝(固定金具係止溝)6aを全長に亘って形成している。つまり、前記取付溝6aは、両溝縁部を形成する係止部(抜止め部)6bと、該係止部6bからパイプ内方に延びる一対の溝側部(回止め部)6cと、該溝側部6c同志を連結する溝底部6dとで形成されており、そして、長手方向の端面から取付溝6a内にナット11を装着した場合、装着されたナット11は、係止部6bで抜止めされ、かつ溝側部6cで回止めされた状態でのスライドが許容されるため、ナット11にボルト12を螺入することにより、植付部フレーム6の長手方向の任意位置に各種の部材を取付けることができるようになっている。
【0007】13(13L、13R)は前記植付部フレーム6の後方下方位置に並列状に配置される植付駆動軸であって、該植付駆動軸13は、入力ギヤ機構14を介して走行機体1側から入力したPTO動力を、植付動力と横送り動力とに分配するものであるが、本実施形態の植付駆動軸13は、非円形断面(本実施形態では六角形)を有する軸部材を用いて形成されている。
【0008】15は前記植付部フレーム6に取付けられるプランタケースであって、該プランタケース15は、後端部の左右両側に左右一対の植付アーム9が設けられる場合と、後端部の左右何れか一側に単一の植付アーム9が設けられる場合とがあるが、本実施形態の植付部3は6条植え仕様であるため、前者のプランタケース15が左右方向に所定間隔を存して3つ設けられている。
【0009】前記各プランタケース15には、前端側に左右方向を向いて軸支される筒状の入力軸16、後端側に左右方向を向いて軸支される植付アーム駆動軸17、入力軸16の外周部に後述する条止めクラッチ機構18を介して連動連結される駆動側スプロケット19、植付アーム駆動軸17の外周部に一体的に設けられる従動側スプロケット20、両スプロケット19、20間に懸回される伝動チェン21等が組み込まれている。つまり、前記入力軸16の六角孔16aに一体回転可能に挿通される植付駆動軸13から動力を入力し、該入力した動力を、条止めクラッチ機構18、駆動側スプロケット19、伝動チェン21、従動側スプロケット20および植付アーム駆動軸17を介して左右の植付アーム9に伝動するが、プランタケース15の前端面には開口部15aが形成されている。
【0010】22はプランタケース15の取付ブラケットであって、該取付ブラケット22は、各プランタケース15の前端部に組付けられた後、植付部フレーム6の所定位置(植付条数の異なる仕様毎に設定されるプランタケース取付位置)に前記ボルト12およびナット11を用いて取付けられるようになっている。即ち、複数のプランタケース15を、植付駆動軸13を覆うシャフトケース23を介して連結支持することなく、取付けブラケット22を介して植付部フレーム6に直接取付けるように構成されている。
【0011】前記取付ブラケット22は、下側後面部でプランタケース15の前端開口部15aを覆うように組付けられるプレート形状の第一取付ブラケット24と、該第一取付ブラケット24の下側前面部に一体的に組付けられる正面視冂字形状の第二取付ブラケット25とで構成されており、前記第一取付ブラケット24の上側前面部を植付部フレーム6の後面部に固定する一方、第二取付ブラケット25の上面部を植付部フレーム6の下面部に固定されことでプランタケース15が植付フレーム6に一体的に取付けられるようになっている。
【0012】さて、前記条止めクラッチ機構18は、入力軸16の外周部に一体回転可能に外嵌し、かつクラッチ爪26aを右側部に有する第一クラッチ部材26と、入力軸16の外周部に軸方向摺動自在に外嵌し、かつ前記クラッチ爪26aに噛合可能なクラッチ爪27aを左側部に有する第二クラッチ部材27と、該第二クラッチ部材27を第一クラッチ部材26に向けて押圧付勢するクラッチスプリング28とを備えており、さらに、第二クラッチ部材27の右側部には、前記駆動スプロケット19の左側部に形成される噛合部19aに対し、クラッチ爪26a、27a同士の噛合ストロークよりも長い範囲で噛合する噛合部27bが形成されている。つまり、第二クラッチ部材27がクラッチスプリング28の付勢力を受けて第一クラッチ部材26に噛合した状態では、入力軸16の動力を駆動スプロケット19に伝動する一方、第二クラッチ部材27がクラッチスプリング28の付勢力に抗して第一クラッチ部材26から離間した状態では、駆動スプロケット19への動力伝動を断って植付アーム9の作動を停止させるようになっている。尚、29は所定の停止位置で植付アーム9を停止させるための定位置停止用ストッパピンであって、該ストッパピン29は、第二クラッチ部材27のフランジ部27cに形成される切欠き部27dがストッパピン位置に合致した場合にのみ第二クラッチ部材27の切り動作を許容することで植付アーム9を所定の停止位置で停止させるようになっている。
【0013】30は前記条止めクラッチ機構18を断続作動させるための条止め用シフタであって、該条止め用シフタ30は、回動自在なシフト軸31と、該シフト軸31の一端部に一体的に設けられるシフトフォーク32と、シフト軸31の他端部に一体的に設けられるシフトレバー33とを備えている。そして、プランタケース15の外部に位置するシフトレバー33を一側方に引張操作すると、プランタケース15の内部に位置するシフトフォーク32がシフト軸31を支点として一側方に揺動し、この揺動に伴って条止めクラッチ機構18の第二クラッチ部材27を切り側に作動させることになるが、前記シフト軸31は、プランタケース15を植付部フレーム6に取り付けるための取付ブラケット22(第一取付ブラケット24)に貫通状に組み付けられている。つまり、プランタケース用ブラケット部材を利用して条止め用シフタ30を取付けているため、条止め用シフタ30をプランタケース15に取付けていた従来の様に、プランタケース15が大型化する不都合を回避することができる許りでなく、プランタケース15のケース構造も簡略化することができるようになっている。
【0014】34は前記シフトレバー33を条止め操作レバー(図示せず)に連結するための条止め操作ワイヤであって、該条止め操作ワイヤ34は、アウタ受け35で移動規制されるアウタチューブ36に挿通され、その一端部が条止め操作レバーに連結される一方、他端部が引張スプリング37を介してシフトレバー33に連結されているが、条止め操作ワイヤ34の他端部は、前記第二取付ブラケット25の一側部に形成される挿通孔25aに挿通されると共に、第二取付ブラケット25で覆われるスペースにおいて引張スプリング37を介してシフトレバー33に連結されているため、引張スプリング37の取付スペースを別途確保する必要がない許りでなく、第二取付ブラケット25を利用して引張スプリング37およびシフトレバー33を保護することができ、また、前記アウタ受け35は、植付部フレーム6の下面部に形成される取付溝6aにナット11およびボルト12を用いて取り付けられているため、アウタ受け35の位置調整範囲を拡大することができるようになっている。
【0015】38は前記伝動チェン21の下側(弛み側)を押圧付勢すべくプランタケース15に内装されるチェンタイト(チェン張り部材)であって、該チェンタイト38は、弓状に湾曲した板バネで形成されると共に、伝動チェン21の下側とプランタケース15の底面との間に圧縮変形状態で介装されるが、本実施形態においては、プランタケース15の中間部に前後幅および左右幅が狭くなった絞り部15aを形成しているため、該絞り部15aでチェンタイト38の位置ズレ(左右方向)を規制することができるようになっている。
【0016】39は前記チェンタイト38の前端部を上下揺動自在に支持するチェンタイト支軸であって、該チェンタイト支軸39は、プランタケース15の前端側に左右方向を向いて取付けられるが、本実施形態では、プランタケース15の前端に、チェンタイト支軸39の両端部を前方から嵌合可能な嵌合溝(図示せず)を形成すると共に、該嵌合溝に嵌合したチェンタイト支軸39の両端部を前記第一取付ブラケット24で挟持状に抜止め固定しているため、プランタケース15内に、チェンタイト支軸39の固定部を形成していた従来に比してプランタケース15のケース構造を簡略化することができる許りでなく、チェンタイト38およびチェンタイト支軸39の取付作業を容易にすることができるようになっている。
【0017】一方、40は次行程の走行経路に指標ラインを引く左右一対の線引マーカであって、該線引マーカ40は、植付部3の左右両端部にそれぞれ起倒自在に設けられると共に、図示しないスプリングで倒伏姿勢側(線引姿勢側)に付勢されているが、連結ワイヤ41を介して連結されるマーカ切換装置(図示せず)の切換作動(植付部下降操作に連動する引張ワイヤ切換作動)に応じて交互に起立姿勢(格納姿勢)に変姿するようになっている。
【0018】42は前記線引マーカ40を支持するマーカブラケットであって、該マーカブラケット42は、線引マーカ40の基端部を支軸43を介して起倒自在に支持するマーカ支持部42aと、連結ワイヤ40のアウタチューブ44の移動規制をするアウタ受け部42bとを備えるが、本実施形態では、マーカブラケット42を、植付部フレーム6の端部上面に形成される取付溝6aにナット11およびボルト12を用いて一体的に取り付けているため、マーカブラケット42の取付位置を容易に調整することができる許りでなく、植付部フレーム6を補強することができるようになっている。
【0019】45は前記線引マーカ40の基端部に設けられるマーカストッパであって、該マーカストッパ45は、植付部フレーム6の端面に接当して線引姿勢を越える線引マーカ40の下降を規制するが、マーカストッパ45の接当部には、調整ボルト46が進退調整自在に設けられているため、線引マーカ40の線引姿勢位置を任意に調整することができるようになっている。
【0020】また、47は植付部3の着脱時等に使用される左右一対のスタンドであって、該スタンド47は、植付部3の左右両端部に設けられるスタンドブラケット48を回動支点として上方に跳ね上げられた格納姿勢と、下方に引き出されたスタンド姿勢とに変姿自在に設けられるものであるが、前記スタンドブラケット48は、植付部フレーム6の端部下面に形成される取付溝6aにナット11およびボルト12を用いて一体的に取り付けられているため、植付部フレーム6の側面部や上面部に取付けた場合に比してスタンド47の支持強度を高めることができる許りでなく、スタンド47の取付位置も容易に調整することができるようになっている。
【0021】叙述の如く構成されたものにおいて、プランタケース15内の条止めクラッチ機構18を断続作動させる条止め用シフタ30を設けるにあたり、該条止め用シフタ30は、プランタケース15を植付部フレーム6に取り付けるための取付ブラケット22に取り付けたため、条止め用シフタ30をプランタケース15に取付けていた従来の様に、プランタケース15が大型化する不都合を回避することができる許りでなく、プランタケース15のケース構造も簡略化することができる。
【0022】また、前記条止め用シフタ30のシフトレバー33を条止め操作ワイヤ34を介して条止め操作レバーに連結するにあたり、条止め操作ワイヤ34は、第二取付ブラケット25の一側部に形成される挿通孔25aに挿通されると共に、第二取付ブラケット25で覆われるスペースにおいて引張スプリング37を介してシフトレバー33に連結されているため、引張スプリング37の取付スペースを別途確保する必要がない許りでなく、第二取付ブラケット25を利用して引張スプリング37およびシフトレバー33を保護することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開平11−299314
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−110828