| 【発明の名称】 |
堆肥散布機 |
| 【発明者】 |
【氏名】昆 明彦
【氏名】森 素広
【氏名】松下 淳一
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| 【要約】 |
【課題】何らかのトラブルによりビータの回転が停止しても散布装置を破損させることのない堆肥散布装置を提供する。
【解決手段】走行する台車に設けられ堆肥を積載するための荷箱と、荷箱の進行方向後端に設けられ荷箱内の堆肥を圃場に散布する散布装置と、荷箱の前端に設けられ荷箱内の堆肥を後方の散布装置に向けて押し込む堆肥押込手段とを有する堆肥散布機において、上記散布装置の異常を検出する散布異常検出手段102と、上記散布異常検出手段102が異常を検出したときに上記堆肥押込手段を停止させる緊急停止手段103とを備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行する台車に設けられ堆肥を積載するための荷箱と、荷箱の進行方向後端に設けられ荷箱内の堆肥を圃場に散布する散布装置と、荷箱の前端に設けられ荷箱内の堆肥を後方の散布装置に向けて押し込む堆肥押込手段とを有する堆肥散布機において、上記散布装置の異常を検出する散布異常検出手段と、上記散布異常検出手段が異常を検出したときに上記堆肥押込手段を停止させる緊急停止手段とを備えたことを特徴とする堆肥散布機。 【請求項2】 上記散布装置が回転するビータからなり、上記散布異常検出手段がビータの回転を検出するセンサからなる請求項1に記載の堆肥散布機。 【請求項3】 上記堆肥押込手段が、荷箱の前方に設けられ油圧を供することにより進行方向後方に伸長する油圧伸縮手段と、該油圧伸縮手段の後端に連結され上記荷箱内を摺動することにより荷箱内の堆肥を後方に押し込む押出板とを備え、上記緊急停止手段が、上記油圧伸縮手段への圧油の供給を停止する油圧バルブ手段からなる請求項1又は2に記載の堆肥散布機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、堆肥散布機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】堆肥散布機としては、本願出願人が先に出願した特願平9−179610号の明細書等に記載したものがある。 【0003】図8に示すように、この堆肥散布機110は、台車111上に設けられた荷箱112の進行方向A(以下、進行方向Aを前方とする)前端に、油圧駆動手段113で前後方向に移動する押出板114を設け、押出板114を後方へ移動させることにより荷箱112内の堆肥を荷箱112後端に設けられた散布装置115へ押し込むようになっている。 【0004】散布装置115は、前方から押し込まれる堆肥を後方へ飛ばすためのビータ116を有し、ビータ116は、牽引車(図示せず)から出力軸(図示せず)及びユニバーサル伝動軸(図示せず)を介して伝達される駆動力で回転するようになっている。 【0005】さらに具体的には、ユニバーサル伝動軸から入力軸に伝達された回転動力は、ミッション、スプロケット、チェーン等の公知の伝動機構を介してビータ116に伝達され、ビータ116を回転させるようになっている。 【0006】そして、押出板114により散布装置115へ向けて押された堆肥は、回転するビータ116によって圃場に散布される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、堆肥を散布している過程で散布装置115へ動力を伝達する動力伝達機構(図示せず)に何らかのトラブルが生じ、ビータ116の回転が停止した場合、荷箱112中の堆肥は散布されることなく滞り、押出板114によって後方へ押し出される堆肥により散布装置115を破損させてしまうという課題がある。 【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、何らかのトラブルによりビータの回転が停止しても散布装置を破損させることのない堆肥散布装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、走行する台車に設けられ堆肥を積載するための荷箱と、荷箱の進行方向後端に設けられ荷箱内の堆肥を圃場に散布する散布装置と、荷箱の前端に設けられ荷箱内の堆肥を後方の散布装置に向けて押し込む堆肥押込手段とを有する堆肥散布機において、上記散布装置の異常を検出する散布異常検出手段と、上記散布異常検出手段が異常を検出したときに上記堆肥押込手段を停止させる緊急停止手段とを備えたものである。 【0010】また、上記散布装置が回転するビータからなり、上記散布異常検出手段がビータの回転を検出するセンサからなるものとするとよい。 【0011】そして、上記堆肥押込手段が、荷箱の前方に設けられ油圧を供することにより進行方向後方に伸長する油圧伸縮手段と、該油圧伸縮手段の後端に連結され上記荷箱内を摺動することにより荷箱内の堆肥を後方に押し込む押出板とを備え、上記緊急停止手段が、上記油圧伸縮手段への圧油の供給を停止する油圧バルブ手段からなるものとするとよい。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。 【0013】図1、図4及び図5に示すように、堆肥散布機Tは、牽引される台車1aと、台車1a上に設けられる荷箱17と、荷箱17の進行方向後端に設けられ荷箱17内の堆肥を圃場に散布するための散布装置11と、荷箱17の前端に設けられ荷箱17内の堆肥を後方の散布装置11に向けて押し込む堆肥押込手段100と、散布装置11の異常を検出する散布異常検出手段102と、散布異常検出手段102が異常を検出したときに堆肥押込手段100を停止させる緊急停止手段103とからなる。 【0014】台車1aは、機体を支持する機枠1と、機枠1の下部に上下方向回動自在に支承されシーソー状に若干の角度揺動できる車軸受部材3と、車軸受部材3の前後両端近傍に固定され先端を機枠1の横方に突出させる車軸4,4と、車軸4,4の先端に回転自在に枢支される車輪5,5とからなる。 【0015】図3に示すように、機枠1は、機体の左右両側に配され前後方向に延びる一対の側枠16,16と、側枠16,16間に設けられ側枠同士を連結する複数の横杆15とからなり、平面視ほぼ梯子状に組み付けられている。 【0016】また、図1及び図4に示すように、機枠1の下部には前方に向けて延び、前端部を牽引車に連結される牽引杆2が固定されている。 【0017】車軸受部材3は、機枠1の前後方向中央より後方寄りの位置に固定された横部材に軸18を介して揺動可能に軸支されている。 【0018】図3及び図4に示すように、荷箱17は、機枠1の両側に起立して固定される側板6,7と、機枠1上に設けられ両側端を側板6,7に密着される床板8と、側板6,7の間に起立して配され床板8上に摺りつつ前後方向に移動できるように設けられた押出板9とからなる。 【0019】押出板9は、左右側板6,7との間及び床板8との間に適当間隔を有する形状に形成され、幅方向中央下端に後述する案内レール35との当接を回避するための切欠37を有する押板38と、押板38の前側である裏面の中央近傍に上下方向に延びて固定される一対並行な第1補強板39と、第1補強板39の下方で水平方向に延びて固定される第2補強板40と、第2補強板40の下端に隣接し、かつ、切欠37の側縁に沿って配置される左右一対のL字部材41と、L字部材41の案内レール35に臨む側に締着され、案内レール35に沿って摺動する摺動部材43とで構成されている。 【0020】図1、図2及び図4に示すように、散布装置11は、側板6,7のそれぞれに固定されて後方に延びる後部側板19,20と、後部側板19,20間に掛け渡されて枢支されるビータ21と、ビータの前方かつ上方の位置に配置され後部側板19,20間に掛け渡されて枢支される補助ビータ22と、ビータ21及び補助ビータ22に牽引車の動力を伝達する駆動力伝達装置14とからなる。 【0021】ビータ21は、後部側板19,20に軸受支持される第1回転軸23と、第1回転軸23の外周に放射方向に突出するようにして設けられた複数の散布羽根24とからなり、下端をほぼ床板8の高さに配置されている。 【0022】第1回転軸23は、軸中央に形成された大径部23aと、軸の両端に形成され大径部23aより小径の小径部23b,23cとからなる。小径部23b,23cは、それぞれ後部側板19,20に軸受支持されている。 【0023】散布羽根24は、第1回転軸23の大径部23aに放射状に固定されている。補助ビータ22は、後部側板19,20に軸受支持される第2回転軸25と、第2回転軸25の外周に放射方向に突出するようにして設けられた複数の散布補助羽根26とからなり、軸心を堆肥の積み込みレベルよりも高く位置させると共に下端をビータ21の上端とほぼ同じ高さに位置させている。 【0024】第2回転軸25は、軸中央に形成された大径部25aと,軸の両端に形成され大径部25aより小径の小径部25b,25cとからなる。小径部25b,25cは、それぞれ後部側板19,20に軸受支持されている。 【0025】散布補助羽根26は、第2回転軸25の大径部25aに放射状に固定されている。 【0026】図4に示すように、駆動力伝達装置14は、牽引杆2の前端近傍まで延びて牽引車のユニバーサル伝動軸(図示せず)に連結される第1入力軸68と、第1入力軸68の後端にホルダ70,73及びシャーピン69を介して同軸上に接続される第2入力軸71と、第2入力軸の後端にギヤボックスを介して接続され進行方向左側に延びて後部側板19から突出する出力軸76と、出力軸76とビータ21の第1回転軸23を接続する第1チェーン伝動部104と、第1回転軸23と第2回転軸25を接続する第2チェーン伝動部105とからなる。 【0027】第1入力軸68は、機枠1の下部に軸受支持されており、後端にはホルダ70が固定されている。 【0028】第2入力軸71は、前端側を機枠1下部に軸受支持されており、後端を機枠1下部に固定されたギヤボックス72に軸受支持されている。第2入力軸71の前端にはホルダ73が固定されており、第1入力軸68のホルダ70とシャーピン69により連通されて固定されている。 【0029】ギヤボックス72は、内部に互いに噛合される2つのベベルギヤ74,75を有し、一方のベベルギヤ74は第2入力軸71の後端に固定され、他方のベベルギヤ75は出力軸76の端部に固定されている。すなわち、ギヤボックス72は、互いに直交する第2入力軸71と出力軸76をベベルギヤを介して接続し、第2入力軸71の回転を出力軸76に伝達するようになっている。 【0030】出力軸76は、一端がギヤボックス72に軸受支持されており、他端が左側の後部側板19に軸受支持されている。 【0031】第1チェーン伝動部104は、左後部側板19から側方に延出する出力軸76の第1延出部76aに設けられる第1スプロケット77と、左後部側板19から側方に延出する第1回転軸23の第1延出部23bに設けられる第2スプロケット78と、第1スプロケット77と第2スプロケット78に掛け渡された第1チェーン81とからなり、出力軸76の回転が第1回転軸23に伝達されるようになっている。 【0032】また、図2に示すように、第1スプロケット77、第2スプロケット78及び第1チェーン81は、カバー94により覆われており、第1チェーン伝動部104内に異物が入り込まないようになっている。 【0033】第2チェーン伝動部105は、右後部側板20から側方に延出する第1回転軸23の第3延出部23cに設けられる第3スプロケット79と、右後部側板20から側方に延出する第2回転軸25の第4延出部25cに設けられる第4スプロケット80と、第3スプロケット79と第4スプロケット80に掛け渡された第2チェーン82とからなり、第1回転軸23の回転が第2回転軸25に伝達されるようになっている。 【0034】また、図1に示すように、第3スプロケット79、第4スプロケット80及び第2チェーン82は、カバー95により覆われており、第2チェーン伝動部105内に異物が入り込まないようになっている。 【0035】図1及び図2に示すように、散布装置11の前方には堆肥積み込み時など堆肥を散布しないときに荷箱17の後端を閉じるための遮蔽装置12が設けられている。 【0036】遮蔽装置12は、荷箱17の両側にそれぞれ伏仰自在に設けられたアーム27,27と、両アーム27,27の先端に固定されアーム27,27を伏せたときに散布装置11の直前に位置される遮蔽板28とからなる。 【0037】両アーム27,27は、前端側の基端部を荷箱17側に枢支されており、後端側を伏仰自在としている。更に具体的には、アーム27の基端部は、側板6,7に締着された第3支柱29に、U字形のブラケット30を介して回動自在に軸支されている。ブラケット30は、U字の開放部を上方へ向けて第3支柱29に固定されており、U字溝内にアーム27の基端部を挟んで枢支するようになっている。 【0038】また、遮蔽装置12のアーム27,27にはそれぞれ遮蔽板28を昇降させるための昇降装置13が設けられている。 【0039】昇降装置13は、アクチュエータたる2本の油圧シリンダ31,31からなる。油圧シリンダ31,31は、図4及び図5に示すように、それぞれチューブ(シリンダ部)31dの基端側に基端側油室31aを有すると共にピストンロッド31c側に先端側油室31bを有する複動式のシリンダである。油圧シリンダ31,31は、チューブ31dの基端部を荷箱17側に上下方向回動自在に連結されると共に、ピストンロッド31cの先端部を遮蔽装置12のアーム27の長手方向中間部に連結されている。 【0040】更に具体的には、チューブ31dの基端部は、第3支柱29の後方に位置する第4支柱32にU字形のブラケット33を介して回動自在に軸支されている。ブラケット33は、U字の開放部を上方に向けて第4支柱32に固定されており、U字の溝内にチューブ31dの基端部を挟んで枢支するようになっている。また、ピストンロッド31cの先端部は、アーム27の中間部に板34を介して軸支されている。 【0041】昇降装置13の第1油圧回路106について説明する。 【0042】昇降装置13を構成する左右の油圧シリンダ31,31の基端側油室31a,31aは、油圧ホース55を介して牽引車に設けられた切換弁(図示せず)に接続されている。油圧ホース55は、昇降装置13に接続される側を二股に分岐させて基端側油室31a,31aにそれぞれ接続されており、基端側油室31a,31a同士は、油圧ホース55を介して連通された状態になっている。 【0043】また、牽引車側の切換弁と昇降装置13の間に位置される油圧ホース55の中間部には、ストップバルブ56、パイロットチェック弁57、クイックカプラ58が設けられている。パイロットチェック弁57は、油圧ホース55内の油圧が所定値以上になると開き、後述する第2油圧回路107に油圧を供給するようになっている。 【0044】そして、油圧シリンダ31,31の先端側油室31b,31bは、油圧ホース60を介して上述の牽引車側の切換弁に接続されている。油圧ホース60は、昇降装置13に接続される側を二股に分岐させて先端側油室31b,31bにそれぞれ接続されており、先端側油室31b,31b同士は、油圧ホース60を介して連通された状態になっている。 【0045】また、牽引車側の切換弁と昇降装置13の間に位置される油圧ホース60の中間部には、クイックカプラ59が設けられている。 【0046】図1、図2及び図3に示すように、堆肥押込手段100は、荷箱17内に進行方向に延びるように設けられた案内レール35と、案内レール35に沿って設けられ押出板9を前後方向に移動させるための移動装置10とからなる。 【0047】案内レール35は、前端を牽引杆2の前端近傍まで延出させると共に後端を散布装置11に近接させて床板8上に固定されており、前端は突部材36で牽引杆2に固定されている。また、案内レール35は、断面H形を横倒しにした形状(エ字型)に形成されており、両側に形成される案内溝42に押出板9の摺動部材43を前後方向摺動自在に遊嵌させるようになっている。 【0048】移動装置10は、複数の油圧シリンダを組み合わせて荷箱17の前端から後端まで伸縮するようにした油圧伸縮手段からなり、具体的には、下端部を案内レール35に摺動させ案内レール35に沿って前後方向移動自在な第1、第2及び第3摺動枠44,45,46と、これら摺動枠44,45,46に上下三段並行に支持される第1、第2及び第3油圧シリンダ47,48,49とからなる。 【0049】第1摺動枠44と第2摺動枠45は、それぞれ縦長の矩形状に形成されており、第1油圧シリンダ47の下方に延出した部分の案内レール35に臨む側に案内レール35の案内溝42に遊嵌される摺動部材53を有する。 【0050】第3摺動枠46は、その上部が後述する第2油圧シリンダ48のピストンロッド先端部に軸を介して連結されており、案内レール35に臨む側に案内レール35の案内溝42に遊嵌される摺動部材54を有する。 【0051】図5に示すように、第1、第2及び第3油圧シリンダ47,48,49は、それぞれチューブ(シリンダ部)47d,48d,49dの基端側に基端側油室47a,48a,49aを有すると共にピストンロッド47c,48c,49cの側に先端側油室47b,48b,49bを有する複動式のシリンダである。 【0052】図1、図2及び図3に示すように、第1シリンダ47は、ピストンロッド47cを前方に向けて最下段に配設されている。ピストンロッド47cの先端部は、案内レール35の前端上部に立設された立設板50に軸支されており、伸長することによりいるチューブ(シリンダ部)47dを後方に押し出すようになっている。チューブ47dは、前端部と略中間部を第1摺動枠44及び第2摺動枠45に固定されている。 【0053】第2油圧シリンダ48は、ピストンロッド48cを後方に向けて第1油圧シリンダ47から所定間隔隔てた上方の最上段に位置されている。また、第2油圧シリンダ48は、チューブ48dの前端部と略中間部を第1摺動枠44及び第2摺動枠45の上端部に固定されると共に、チューブ48d後端部を固定板52を介して第1シリンダ47のチューブ47d後端部に固定されており、第1油圧シリンダ47のチューブ47dに一体に固定されている。 【0054】第3油圧シリンダ49は、ピストンロッド49cを後方に向けて第1油圧シリンダ47と第2油圧シリンダ48の中間の中段に位置されている。第3油圧シリンダ49の前端部には第1油圧シリンダ47のチューブ47d外周に摺接すると共に第2油圧シリンダ48のチューブ48d外周に摺接する第2摺動部材51が締着されている。 【0055】また、第3油圧シリンダ49のチューブ49d後端部には、連結板(図示せず)を介して第2油圧シリンダ48のピストンロッド48c後端が連結されており、第2油圧シリンダ48が伸長されることにより第3油圧シリンダ49が第1及び第2油圧シリンダ47,48に沿って後方へスライド移動するようになっている。連結板(図示せず)と第2油圧シリンダ48のピストンロッド48c先端は、軸を介して連結されており、第1、第2及び第3油圧シリンダ47,48,49をそれぞれ円滑に伸縮できるようになっている。 【0056】そして、第3油圧シリンダ48のピストンロッド48c先端は、押出板9の第1補強板39に接続されて軸支されている。 【0057】次に、図5に示す第1、第2及び第3油圧シリンダ47,48,49を作動させるための第2油圧回路107について説明する。 【0058】第1油圧シリンダ47の基端側油室47aは、油圧ホース61を介して第3油圧シリンダ49の基端側油室49aに接続されており、第3油圧シリンダ49の基端側油室49aは、油圧ホース62を介して第2油圧シリンダ48の基端側油室48aに接続されている。 【0059】また、第1油圧シリンダ47の基端油室47aには、パイロットチェック弁57を介して第1油圧回路106に接続される油圧ホース63が接続されている。 【0060】そして、第1油圧シリンダ47の先端側油室47bは、油圧ホース65を介して第3油圧シリンダ49の先端側油室49bに接続されており、第3油圧シリンダ49の先端側油室49bは、油圧ホース66を介して第2油圧シリンダ48の先端側油室48bに接続されている。 【0061】また、第1油圧シリンダ47の先端側油室47bには、クイックカプラ59を経由して牽引車側の切換弁に接続される油圧ホース67が接続されている。 【0062】図4及び図5に示すように、散布異常検出手段102は、ビータ21が回転しているか否かを検出する第1近接センサ85と、補助ビータ22が回転しているか否かを検出する第2近接センサ86とからなる。 【0063】第1近接センサ85は、検出部85aをビータ21の第1回転軸23左端部に向けて配置されている。検出部85aが向けられる第1回転軸23左端部には永久磁石等からなる磁石片(図示せず)が一体に固定されている。そして、第1回転軸23が回転されることにより磁石片が検出部85aの前に回転周期ごとに現れて所定のパルス状の信号を発するようになっている。 【0064】また、第1近接センサ85は、左後部側板19に左方向に延出するように設けられた第1ブラケット83に固定されている。 【0065】第2近接センサ86は、検出部86aを補助ビータ22の第2回転軸25左端部に向けて配置されている。検出部86aが向けられる第2回転軸25左端部には第1回転軸23左端部と同様に磁石片(図示せず)が一体に固定されており、第2回転軸25が回転されることにより磁石片が検出部86aの前に回転周期ごとに現れて所定のパルス状の信号を発するようになっている。 【0066】また、第2近接センサ86は、左後部側板19に左方向に延出するように設けられた第2ブラケット84に固定されている。 【0067】図5、図6及び図7に示すように、緊急停止手段103は、第1油圧シリンダ47の基端側油室47aに油圧を供給する油圧ホース63中に設けられる油圧バルブ手段たる流量制御弁64と、流量制御弁64を制御するコントロールボックス87とからなる。 【0068】流量制御弁64は、ソレノイド96を有し、コントロールボックス87から電気的に開閉制御されるようになっている。 【0069】コントロールボックス87は、流量制御弁64の開度を調節し、また、散布異常検出手段102から散布装置11の異常を受けて流量制御弁64を閉塞するコントローラ87aを有する。コントローラ87aは、第1コード92を介して第1近接センサ85及び第2近接センサ86に接続されると共に、第2コード93を介して流量制御弁64に接続されている。そして、コントローラ87aは、第1近接センサ85または第2近接センサ86のいずれかでパルス状の信号が検出されなくなったときに流量制御弁64を絞って閉塞するようになっている。 【0070】また、コントローラ87aは、調節つまみ87bにより手動で流量制御弁64の開度を調節することができるようになっており、この調節つまみ87bを回すことにより第1、第2及び第3油圧シリンダ47,48,49へ供給される油の単位時間当たりの量を調節して堆肥を押し込む速さを調節できるようになっている。 【0071】そして、第1近接センサ85と第2近接センサ86の両方でパルス状の信号が検出されている間、コントローラ87aは、調節つまみ87bで指定された開度で流量制御弁64を開放するようになっている。 【0072】また、コントロールボックス87には、第1近接センサ85と第2近接センサ86からの信号を基に流量制御弁64を閉塞する上述の制御をキャンセルする安全装置無効スイッチ89が設けられている。 【0073】そして、安全装置無効スイッチ89が押されている間は、第1近接センサ85と第2近接センサ86からの信号を無効にするようになっている。 【0074】また、コントローラ87aには、電源コード91を介して電源が供給されるようになっており、コントロールボックス87に設けられた電源スイッチ90を押すことで通電されるようになっている。 【0075】なお、図7に示す電気回路図には近接センサ85,86としての近接スイッチを記した。 【0076】次に作用を述べる。 【0077】堆肥を散布するときは、押出板9が最前方位置にあることを確認すると共に、遮蔽板28が最下位置にあることを確認し、荷箱17内に堆肥を積載する。 【0078】堆肥を散布する圃場に牽引車を移動した後、牽引車の出力軸のクラッチを接続する。このことにより出力軸が回転し、ユニバーサル伝動軸を介して出力軸に連結された第1入力軸68が回転する。 【0079】そして、第1入力軸68に伝達された回転動力は、第2入力軸71、ベベルギヤ74,75、出力軸76の順に伝達され、第1チェーン伝動部104の第1スプロケット77を回転させる。第1スプロケット77の回転は、第1チェーン81を介して第2スプロケット78に伝達され、ビータ21が回転される。 【0080】また、ビータ21の回転は、第3スプロケット79及び第2チェーン82を介して第4スプロケット80に伝達され、補助ビータ22が回転される。 【0081】次に牽引車に設けられた切換弁を開くように操作し、昇降装置13の油圧シリンダ31の基端側油室31aへ通じる第1油圧回路106に油を供給する。 【0082】第1、第2油圧回路106,107内のパイロットチェック弁57は、第1油圧回路106内の圧力が所定の設定値に達するまでは昇降装置13の油圧シリンダ31,31の基端側油室31a,31aへの第1油圧回路106のみを開放し、油圧シリンダ31,31が伸長される。このことにより、遮蔽板28は、最上位置へ上昇される。 【0083】遮蔽装置12が最上位置に達すると、第1油圧回路106内の油圧が上昇し、設定値に達する。このことにより、パイロットチェック弁57が作動して開成され、移動装置10の第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の基端側油室47a,48a,49aに通じる第2油圧回路107への流路が開かれる。そして、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49が伸長する。 【0084】第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49が伸長されると、これに連動して押出板9が後方へ移動され、荷箱17内の堆肥を散布装置11へ向けて押し込む。散布装置11に押し込まれた堆肥は回転するビータ21により圃場に散布される。 【0085】ビータ21の上方かつ前方に位置する補助ビータ22は、送られてくる堆肥の上部を前方に向けて掻き飛ばし、ビータ21に供給される堆肥の床板8からの高さを略一定にする。 【0086】このようにして堆肥を散布している途中で、例えばビータ21や補助ビータ22に異物がからまる等、何らかの要因により散布装置11の駆動力伝達装置14に過負荷が加わると、駆動力伝達装置14内で最も強度の小さいシャーピン69が切断され、ビータ21と補助ビータ22の回転が停止する。 【0087】このことにより、第1回転軸23と第2回転軸25の回転も止まり、第1近接センサ85と第2近接センサ86に、パルス状の信号が検出されなくなる。 【0088】コントロールボックス87内のコントローラ(CPU)87aには、第1近接センサ85及び第2近接センサ86からパルス状の信号が送られず、コントローラ87aは、パルス状の信号が送られてこないことによってビータ21または補助ビータの回転が停止したことを検知する。そして、コントローラ87aは、流量制御弁64のソレノイド96を遠隔操作して流量制御弁64を閉じる。 【0089】このことにより、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の基端側油室47a,48a,49aに通じる第2油圧回路107は閉塞され、基端側油室47a,48a,49aへの油圧の供給は停止される。 【0090】第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49は伸長を停止し、荷箱17内の堆肥の移動が停止される。このため、停止した散布装置11に大きな圧力がかかることはなく、散布装置11を破損させることはない。 【0091】この状態から正常な散布作業状態へ復帰させるためには、まず、牽引車の出力軸のクラッチを切り、牽引車に設けられた切換弁を操作して切換弁内の回路(図示せず)を閉塞する。 【0092】次に、駆動力伝達装置14に加わった過負荷の要因を取り除いた後、切断されたシャーピン69を新たなものに交換して第1入力軸68のホルダ70と第2入力軸71のホルダ73を連結固定する。 【0093】そして、牽引車の出力軸のクラッチを接続すると、散布装置11に動力が伝達されてビータ21及び補助ビータ22が回転する。 【0094】ビータ21及び補助ビータ22が回転すると、第1、第2近接センサ85,86にパルス状の信号が検出され、この信号をコントロールボックス87内のコントローラ87aへ送る。 【0095】ビータ21及び補助ビータ22の回転を示す信号を受けたコントローラ87aは、流量制御弁64のソレノイド96を制御して流量制御弁64を開成させる。そして、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の基端側油室47a,48a,49aへ通じる第2油圧回路107は開放される。 【0096】次に、牽引車に設けられた切換弁を操作して第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の基端側油室47a,48a,49aに油を供給すると、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49は伸長し、押出板9が後方へ移動される。荷箱17内の堆肥は、押出板9の後方移動により散布装置11に向けて押し込まれ、回転するビータ21によって圃場に散布されることとなる。 【0097】押出板9の移動速度を調節するときは、コントロールボックス87の調節つまみ87bを時計方向あるいは半時計方向に回動する。このことによりバルブ調整ボリューム88が調整され、コントローラ87aは、調整されたボリューム量に基づいて流量制御弁64のソレノイド96を制御し、流量制御弁64の開度が調節される。 【0098】遮蔽板28を最下位置に降下させる場合、油圧シリンダ31,31の先端側油室31b,31bに連結される油圧ホース60に油圧を供給する。このことにより、油圧シリンダ31,31は縮退され、遮蔽板28が下降する。 【0099】押出板9を前端位置に戻す場合、第1油圧シリンダ47の先端側油室47bに接続される油圧ホース60に油圧ホースに油圧を供給する。このことにより、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49はそれぞれ縮退され、押出板9が前方へ移動される。 【0100】また、コントロールボックス87の安全装置無効スイッチ89を押してONにすると、第1、第2近接センサ85,86が検出する信号に係わりなく、流量制御弁64を制御することができる。例えば、機体から散布装置11を取り外し、運搬車として使用する場合に利用するとよい。 【0101】このように、堆肥散布機Tを、散布装置11の異常を検出する散布異常検出手段102と、散布異常検出手段102が異常を検出したときに堆肥押込手段100を停止させる緊急停止手段103とを備えたものとしたため、何らかのトラブルによってビータ21又は補助ビータ22の回転が停止しても散布装置11が破損されるのを防ぐことができる。 【0102】また、散布異常検出手段102を、ビータ21の回転を検出するセンサ85と、補助ビータ22の回転を検出するセンサ86とからなるものとしたため、確実かつ迅速に散布装置11の異常を検出することができる。 【0103】そして、センサ85,86を近接センサ85,86からなるものとしたため、ビータ21又は補助ビータ22に接触することなくビータ21又は補助ビータ22の回転を検出することができ、たとえ土や堆肥がセンサとビータ21又は補助ビータ22の間に入り込んでも、確実かつ正確にビータ21又は補助ビータ22の回転を検出することができる。 【0104】また、第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の基端側油室47a,48a,49aに油を供給する油圧ホース63に流量制御弁64を設け、流量制御弁64を閉塞することにより第1、第2、第3油圧シリンダ47,48,49の伸長を止め、押出板9の移動を止めるものとしたため、確実、迅速かつ容易に押出板9の移動を止めることができる。 【0105】なお、本実施の形態において、ビータ21及び補助ビータ22の双方に近接センサ85,86を設けたが、第2入力軸71からビータ21までの駆動力伝達装置14の強度がシャーピン69の強度に対して十分に大きな強度を有していれば第2入力軸71、出力軸76、補助ビータ22またはビータ21のいずれかの回転を感知できるように1個の近接センサを設けるものとしても良い。 【0106】 【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。 【0107】(1)堆肥散布中に散布装置が停止してしまっても散布装置が破損されるのを防ぐことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000107653 【氏名又は名称】スター農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−299310 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−109595 |
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