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【発明の名称】 種子のゲル被覆加工装置
【発明者】 【氏名】中司 和志

【氏名】河野 靖司

【氏名】前島 孝通

【要約】 【課題】従来の種子をゲル化剤で被覆する装置は、微小種子から大粒の種子まての範囲で連続的に複数同時にゲル被覆加工する装置はなかった。

【解決手段】種子供給部1と種子をゲル被覆する加工部2と硬化部3と水洗部4よりなるゲル被覆加工装置において、種子5を吸着して搬送する複数の吸着チップ16を備えた搬送ブロック46と、ゲル化剤を吐出する複数のノズル60を備えたノズルブロック58を種子の大きさに合わせて変更可能とすると共に、前記搬送ブロックの両側に高さ調節機構を設け、種子を溜めるストッカー31との間の距離を種子の大きさに合わせて調節可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置において、種子を吸着して搬送する複数の吸着チップを備えた搬送ブロックと、ゲル化剤を吐出する複数のノズルを備えたノズルブロックを種子の大きさに合わせて変更可能とすると共に、前記搬送ブロックの両側に高さ調節機構を設け、種子を溜めるストッカーとの間の距離を種子の大きさに合わせて調節可能としたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項2】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の種子供給部において、種子を溜めるストッカーと加工位置上方位置との間に搬送装置を設け、該搬送装置を斜め上下方向に配置したことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項3】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の加工部において、ノズルへゲル化剤を供給するバルブケースの流入側に第一バルブを設け、吐出側に第二バルブを設け、該第一バルブと第二バルブの間にプランジャを配置すると共に、前記第一バルブと第二バルブをそれぞれシャフト状に構成し、複数並列に配置したゲル流通路を同時に開閉するようにしたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項4】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の加工部において、ゲル化剤を吐出するノズルの下方にシャッターを設け、ゲル被覆種子の落下後にノズル下方を閉じるようにしたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項5】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の加工部において、ゲル化剤の流入を制御する第一バルブと、吐出を制御する第二バルブを設けると共に、ゲル化剤を吐出するノズルの下方にシャッターを設け、前記第一バルブと第二バルブとシャッターを連結し、同時に駆動するようにしたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項6】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の加工部において、ゲル化剤を吐出するノズルの中央部に落下孔を設け、該落下孔の中心に対して180度ずれた位置にゲル吐出孔を設けたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項7】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置の加工部において、ゲル化剤を吐出駆動するアクチュエーターを数段階で駆動するようにしたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項8】 種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置において、硬化部と水洗部を同一の搬送構造とし、液槽内の一側と他側に軸を横架して該軸上にベルトを巻回し、該ベルト上に液槽の内幅と略等しいパドルを一定間隔で設け、該パドルの回転でゲル被覆種子を搬送可能とすると共に、該パドルを基板よりシャフト状体を複数突出した櫛状としたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【請求項9】 前記硬化部のパドルの搬送駆動を間欠駆動としたことを特徴とする請求項8記載の種子のゲル被覆加工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種子をゲル化剤で被覆する装置、特に、微小種子から大粒の種子まての全範囲の種子を連続的に複数同時にゲル被覆加工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から栄養物質や薬剤等を混ぜたゲル化剤を用いて、種子を被覆する技術は公知となっている。例えば、特開平9−149711号の技術である。該技術は小さな粒の種子をゲル被覆する技術であって、複数の吸着チップにそれぞれ一粒ずつ種子を吸引して、該吸着チップをノズル上まで移動して、各ノズルにそれぞれ一粒ずつ種子を挿入して、ゲル化剤を吐出してゲル被覆種子を製造するものであった。そして、ゲル被覆種子は硬化槽に落下されて、硬化液中をパドルを移動させて搬送して、その搬送過程で硬化させ、更に、水洗部へ落下させ、スクリュー型の搬送装置で水洗しながら搬送するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術のゲル被覆加工装置は小種子のゲル被覆種子しか製造できず、大粒の種子は別の製造装置によって製造していた。また、ゲル被覆加工装置では、吸着チップは前後方向の移動と上下方向の移動によって種子を搬送していたので、種子はシリンダーの伸縮後の停止毎に慣性によって落下する可能性があり、搬送装置の構造も複雑となっていた。
【0004】また、ノズル部において、ゲル化剤は前後または左右の一側から環状の空間内に送る構成としていたので、ゲル化剤を送る圧力が強いと、一側から他方へ押されながら落下することになり、真下に落下することなくズレた位置に落下して、硬化槽の所定位置に落下しないことがあった。
【0005】また、硬化部と水洗部に於ける搬送装置は異なる構成としていたので、部品点数が多く、複雑な機械となり、コストアップにもなっていたのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置において、種子を吸着して搬送する複数の吸着チップを備えた搬送ブロックと、ゲル化剤を吐出する複数のノズルを備えたノズルブロックを種子の大きさに合わせて変更可能とすると共に、前記搬送ブロックの両側に高さ調節機構を設け、種子を溜めるストッカーとの間の距離を種子の大きさに合わせて調節可能としたものである。
【0007】また、種子供給部において、種子を溜めるストッカーと加工位置上方位置との間に搬送装置を設け、該搬送装置を斜め上下方向に配置したものである。
【0008】また、加工部において、ノズルへゲル化剤を供給するバルブケースの流入側に第一バルブを設け、吐出側に第二バルブを設け、該第一バルブと第二バルブの間にプランジャを配置すると共に、前記第一バルブと第二バルブをそれぞれシャフト状に構成し、複数並列に配置したゲル流通路を同時に開閉するようにし、また、ゲル化剤を吐出するノズルの下方にシャッターを設け、ゲル被覆種子の落下後にノズル下方を閉じるようにし、また、前記第一バルブと第二バルブとシャッターを連結し、同時に駆動するようにしたものである。
【0009】また、加工部において、ゲル化剤を吐出するノズルの中央部に落下孔を設け、該落下孔の中心に対して180度ずれた位置にゲル吐出孔を設け、また、ゲル化剤を吐出駆動するアクチュエーターを数段階で駆動するようにしたことを特徴とする種子のゲル被覆加工装置。
【0010】また、種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置において、硬化部と水洗部を同一の搬送構造とし、液槽内の一側と他側に軸を横架して該軸上にベルトを巻回し、該ベルト上に液槽の内幅と略等しいパドルを一定間隔で設け、該パドルの回転でゲル被覆種子を搬送可能とすると共に、該パドルを基板よりシャフト状体を複数突出した櫛状とし、また、前記硬化部のパドルの搬送駆動を間欠駆動としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の一実施を説明する。図1は本発明のゲル被覆加工装置の正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく側面図、図4は種子供給部の正面図、図5は同じく平面図、図6は同じく側面図、図7は加工部の平面図一部断面図、図8は同じく側面図、図9は同じく拡大正面断面図、図10は同じく一部平面断面図、図11は硬化部の正面図、図12は同じく側面図一部断面図、図13はパドルの正面図と側面図、図14はゲル被覆の過程を示す図である。
【0012】図1、図2、図3において、本発明のゲル被覆加工装置の全体構成から説明する。ゲル被覆加工装置は種子供給部1、加工部2、硬化部3、水洗部4からなり、これらは架台10によって支持されている。該架台10の下部にキャスター輪12・12・・・を設けて移動容易としている。後述する種子供給部1はホッパー13と、吸着チップ16と、該吸着チップ16を移動する搬送装置17等からなり、後述する加工部2は架台10の中央上方に位置して、種子供給部1より種子を受け取り、ゲル化剤6によって種子5を被覆して所定の大きさに形成して落下させるようにしている。
【0013】前記硬化部3は架台10上で前記加工部2の下方より右方に液槽19を横設し、該液槽19内には硬化剤を充填し、加工部2と反対側の右端に落下口20を形成している。また、液槽19の上方に搬送ベルト21を配置し、該搬送ベルト21の外周上には一定間隔をおいてパドル22・22・・・が搬送ベルト21の搬送方向に対して直角方向に突設されている。該搬送ベルト21はモーター26によって駆動される。
【0014】こうして、前記加工部2より落下した未硬化のゲル被覆種子は液槽19内に落下して硬化剤と接触し、このゲル被覆種子は搬送ベルト21の回転駆動によってパドル22によって液槽19内を搬送され、落下口20に至り水洗部4に落下される。この液槽19内に落ちてから水洗部4に至るまでの時間で硬化するようにしており、この硬化時間は前記モーター26の回転数を制御することによって搬送速度が調節され、硬度を調節できるようにしている。
【0015】水洗部4は前記架台10内の略中央に位置し、落下口20の下方より左方へ延設されており、該左端に排出口23を形成して、該排出口23の下方に製品収納容器24を配置している。水洗部4は前記硬化部3と略同じ構成として、パドル28・28・・・を付設したベルト29をモーター27で駆動して搬送され、製品収納容器24に落下させる構成としている。
【0016】このような構成において、液槽25内には水洗用の水が充填され、所定の硬さに硬化したゲル被覆種子が落下口20よりガイド体30を介して水洗槽25の右端に落下して水に漬けられる。そして、モーター27の回動によって、ゲル被覆種子が排出口23まで搬送され、この搬送時にゲル被覆種子外周に付着した硬化剤が洗い落とされて、ゲル剤の硬化が停止される。そして、ゲル被覆種子が排出口23から製品収納容器14に落下して収容されるのである。
【0017】次に各部の構成を詳述する。まず、種子供給部1について図4、図5、図6より説明する。前記ホッパー13下部の落下口が搬送装置17下部に設けたストッカー31上まで延設されている。該ストッカー31は一定量の種子5を溜めておき、吸着チップ16で一つずつの種子を容易に吸着できるようにするためのものであり、前記架台10上にフレーム32を固設し、該フレーム32上に支持台33をボルト・ナットを介して高さ調節可能に取り付け、該支持台33上にバイブレータ34と防振ゴム35を介して振動板36が配置され、該バイブレータ34の駆動軸が振動板36に固定されている。該振動板36の右側には種子5を溜める凹部36aを形成している。
【0018】このようにして、種子5は振動板36の凹部36a上に溜められ、バイブレータ34を駆動することによって振動板36が振動し、凹部36a上の種子5は固まることなく浮遊し、適度にバラついて、後述する吸着チップ16のノズルに吸着するようにしている。
【0019】前記搬送装置17は前記支持台33の前後両側に側板40・40が立設され、該側板40は右斜め上方へ延設されて、その傾斜上面の側板40・40間に支持プレート41・41が左右平行に横架されている。該支持プレート41・41の中央上に取付板41a・41aを立設し、該取付板41a・41a間にシリンダー42のロッド42aと支持レール43・43が右上がりの傾斜状に横架されて、搬送装置17が斜めに配置される。該ロッド42aと支持レール43・43にシリンダー42が嵌合され、該シリンダー42上面に側面視Ω状にプレートを折り曲げた取付ブラケット44の前後中央が固定されている。
【0020】また、前記取付板41a・41aの側面間にセンサー取付プレート47が固定され、該センサー取付プレート47上の上端と下端にそれぞれ近接センサー等からなる位置検出センサー48・49が設けられ、シリンダー42の位置、即ち、吸着チップ16が上昇端または下降端に位置しているかを検知している。
【0021】また、該取付ブラケット44の両側の縁部44a・44aにボルト45・45が螺装固定され、該ボルト45・45に搬送ブロック46の両側が固定され、該搬送ブロック46はボルト45・45を回動することによって高さを変更できるようにしている。該搬送ブロック46に複数(本実施例では8個)の吸着チップ16・16・・・が前後方向に一定間隔をおいて配置され、該吸着チップ16・16・・・は垂直方向の下方に突出されて、図示しない真空ポンプと連通したホースが搬送ブロック46に接続され、吸着チップ16・16・・・で種子を吸着できるようにしている。
【0022】そして、前記吸着チップ16・16・・・を配置した搬送ブロック46は種子5の大きさに応じて取り替えられ、微小種子から大粒の種子までその大きさに合わせた吸着チップによって種子を吸着できるようにしている。
【0023】また、搬送ブロック46を取り替えると、該搬送ブロック46を取り付けるボルト45・45を回動して高さを変更し、前記吸着チップ16・16・・・下端とストッカー31(振動板36の凹部36a上面)との間の距離を調節して、吸着チップ16が振動板36に当たったり、種子をつぶしたりし、種子が溜まった表面より浮き上がったりしないようにして、常に、種子を吸着できるようにしている。なお、本実施例では吸着チップ16・16・・・は8個取り付けられているが、限定するものではなく、そして、吸着チップ16の吸引口には図示しない押し込みピンが進退自在に挿入されており、種子放出時に押し込みピンを突出するようにしている。
【0024】このように構成することによって、吸着チップ16・16・・・を凹部36a上に位置させて、吸引することによって種子5・5・・・が吸着チップ16・16・・・先端に吸着され、この状態からシリンダー42を作動させると、搬送ブロック46は斜め上方へ移動され、上昇端に至ると位置検出センサー48によってその位置が検知されて、シリンダー42の駆動を停止し、吸引を停止させて、押し込みピンが突出されて、種子5を強制的に放出して、後述する加工部2のノズル内へ落下させるようにしている。次にシリンダー42を逆方向に作動させて斜め下方へ下降させると、下端で位置検出センサー49によって検知されて、再び吸引されて種子5を吸着し、前記動作が繰り返されるのである。
【0025】従って、このように吸着チップ16・16・・・は上下斜め方向に昇降され、従来のように上下方向と水平方向に搬送する必要がないので、アクチュエーターを減少でき、移動距離も少なく、駆動と停止によるショックも小さくなり、スムースに種子を搬送できて、途中で種子が落下することを防止できるのである。なお、斜めに昇降させる途中で、搬送途中で種子が他の機器に当たらないように、ストッカー31や後述するノズル等と干渉しないように配置している。
【0026】次に、加工部2について、図1、図7〜図10より説明する。加工部2は図1に示すように、前記架台10の左右方向中央部の前後両側に取付プレート51・51が立設され、該取付プレート51・51上にベースプレート53が横設されている。図7、図8、図9に示すように、該ベースプレート53上にバルブケース54とバルブシリンダー55と押し出しシリンダー56が固設されている。
【0027】前記バルブケース54の下面にゲル供給ケース57が固設され、前記ベースプレート53の中央に開口した孔53aよりゲル供給ケース57が下方へ突出されている。該ゲル供給ケース57は前後方向に配設されて、その中心部に供給孔57aが穿設され、該供給孔57aから上方に連通孔57b・57b・・・が穿設されて第一バルブ61と連通させ、前記供給孔57aの後端はホース等を介してゲル(被覆剤)収容タンクと連通している。
【0028】また、前記バルブケース54にはシャフト状に形成された第一バルブ61と第二バルブ62が前後方向に摺動自在に貫通挿入され、該第一バルブ61と第二バルブ62及び後述するシャッター63の前端は連結体64に固定され、該連結体64は前記バルブシリンダー55のピストンロッド55aに固定されている。従って、バルブシリンダー55を駆動することによって、第一バルブ61と第二バルブ62とシャッター63を同時に駆動して、複数の弁部および孔を同時に開閉できるようにしているのである。
【0029】そして、加工部2は前記吸着チップ16の数に合わせた複数(本実施例では8個)の押し出しシリンダー56・56・・・やノズル60・60・・・等を設けて、複数同時にゲル被覆加工できるようにしており、各押し出しシリンダー56・56・・・やノズル60・60・・・の構成は同じであるので、その一つについて説明する。図7〜図10に示すように、バルブケース54には左右方向に貫通孔54aを穿設して、右側にプランジャ65を収納し、左側を吐出側のゲル通路として、その途中に第二バルブ62を収納し、左側の開口端にノズル60を連設している。前記貫通孔54aの中央部から下方に流入側のゲル通路54bを穿設し、該ゲル通路54bの下端開口部を前記ゲル供給ケース57の連通孔57bに連通し、ゲル通路54bの中途部に前記第一バルブ61を配置している。
【0030】前記第一バルブ61はゲル通路54bに合わせて上下方向に連通孔61aを開口し、第二バルブ62は前記貫通孔54aに合わせて左右方向に連通孔62aを開口している。また、前記シャッター63はノズル60下方に配置され、ノズル60の落下孔60aの位置に合わせて開口部63a・63a・・・が開口され、図10に示すように、左右方向において、前記連通孔62aと開口部63aの位置を合わせ、連通孔61aとは1ピッチずらせて配置し、開口部63aは吐出しないときは落下孔60aと位置をずらせて閉じるように配置している。
【0031】このように構成することで、まず、ゲル通路にゲル化剤を充填した状態から、第一バルブ61を閉じて、つまり、連通孔61aをゲル通路54bからずらせて、ゲル化剤がゲル供給ケース57内へ入らないようにして、第二バルブ62の連通孔62aは貫通孔54aと一致させて開き、次に、プランジャ65を前進摺動させると、ゲル化剤がノズル60へ送られ、種子5を被覆してシャッター63の開口部63aより落下するのである。このとき、第一バルブ61によって逆流を防止して、チェック弁を廃止することができて構造を簡単としている。
【0032】次に、バルブシリンダー55を駆動して、第一バルブ61と第二バルブ62とシャッター63を同時に摺動すると、第一バルブ61は開けられて第二バルブ62は閉じ、プランジャ65の後進摺動によって、ゲル化剤が貫通孔54a側へ入り、ゲル化剤はノズル60側へ送られないのである。このときシャッター63は閉じており、ゲル被覆種子が硬化剤中へ落ちたときに、硬化剤が飛び跳ねてノズル60側へ飛び散ってもシャッター63が閉じているのでノズル60の落下孔60aに形成されている膜は硬化されないのである。
【0033】前記プランジャ65の後部はストッパー67を介して押し出しシリンダー56のピストンロッド56aに連結され、該プランジャ65の後部外周部の貫通孔54aにはバネ59を収容して調整ネジ66が螺装され、該調整ネジ66を回動することによって、ストッパー67の当たる位置が前後調節されて、押し出しシリンダー56を作動させたときのプランジャ65のストロークが変更でき、ゲル化剤の押し出し量を調整できるようにしている。
【0034】また、押し出しシリンダー56は数段階で摺動できるようにしており、本実施例では二つの第一シリンダー56bと第二シリンダー56cを直列に接続して、一つのプランジャ65で二段階で摺動する構成としている。つまり、ゲル化剤を押し出すとき、まず第一段階で第一シリンダー56bを伸長させて少し前進摺動させ、ゲル化剤を少し押し出してノズル60下端の膜厚を増加させ、次に、種子を落下させた後に、第二シリンダー56cを伸長してプランジャ65を前進摺動させて、種子を被覆して落下する構成としている。前記第一シリンダー56bの摺動量は調整ネジ68を回動することによって調整できるようにしている。なお、前記シリンダーはエアシリンダーより構成しているが、限定するものではなく電動シリンダーやソレノイド等で構成することも可能である。
【0035】図9、図10に示すように、前記ノズルブロック58は、上ケース70と下ケース71とノズルパイプ72から構成され、このノズルブロック58に前記吸着チップ16・16・・・と同数のノズル60・60・・・が構成され、該ノズル60には種子の大きさに合わせた落下孔60aを有し、種子を変更すると、このノズルブロック58と前記吸着チップ16を設けた搬送ブロック46が同時に付け替えるのである。
【0036】前記ノズルパイプ72はパイプ状に構成して、上ケース70及び下ケース71に上下方向に開口された開口部70a・71aに挿入されて、上下中途部外周に設けた縁部72aが上ケース70と下ケース71とによって挟持されて固定されている。下ケース71の開口部71aの上部はノズルパイプ72の外周よりも大きく構成して、この下部の開口部71aとノズルパイプ72で落下孔60aを形成している。該開口部71aの下部はノズルパイプ72の内径と略同じ径として、開口部71aとノズルパイプ72の間には一定の隙間を形成してゲル流通路60bを形成している。
【0037】また、前記貫通孔54aとゲル流通路60bの間の下ケース71には平面視略Y字状に形成したゲル通路71bが形成され、該ゲル通路71bの一端を貫通孔54aに連通し、ゲル通路71bの他端をゲル吐出孔71c・71cとして、該ゲル吐出孔71c・71cをゲル流通路60bの両側、つまり、落下孔60aの中心に対して180度位置をズラせた位置に設け、ゲル化剤が中心方向に向かってゲル流通路60b内に入るように構成している。
【0038】このように構成することによって、ゲル化剤は前後方向から中心方向に向かって送られて、ゲル通路71b下端より落下するときには前後または左右一方に押されて斜め方向に落下することがなく、真下方向に落下させることができるようになり、前記硬化部3のパドル22とパドル22の間に確実に落下させることができるのである。
【0039】このような構成において、種子5をゲル化剤6によって被覆する過程を図14にて説明する。ゲル通路71b及びゲル流通路60b内全体にはゲル化剤6が充填され、第一バルブ61は閉じられ、第二バルブ62が開けられている。この状態において、開口部71a下端に充填後の一部が残ったゲル膜6aが形成されている(図14a)。この状態から押し出しシリンダー56が第一段階作動されてプランジャ65が少し伸長されると、膜厚が増加される(図14b)。この膜厚の増加によって種子5が落下孔60aより落下されても、ゲル膜6aが破れて種子蚤が落下することなく、種子5はゲル膜6a上に載置される。
【0040】そして、押し出しシリンダー56が第二段階作動されてプランジャ65が最伸長されると、図14cに示すように、ゲル化剤6が押し出されて種子5と気泡を含んで一定の厚さで被覆して、ゲル膜6aで自重を支えられなくなり、落下するときに表面張力で球状となってゲル被覆種子6bとして落下され、硬化部3へ落下するのである。そして、前記第一バルブ61を開けて、第二バルブ62を閉じてプランジャ65が後退することでゲル化剤が貫通孔54a内に充填される。以上の動作を繰り返して連続的に加工が行われ、複数のノズル60・60・・・で同時に平行して加工され、大量のゲル被覆種子を加工できるのである。
【0041】次に、硬化部3と水洗部4は略同じ構成としてコスト低減化を図っており、その構成を硬化部3について、図11、図12、図13より説明する。硬化部3は架台10上の前後に側板75・75を立設し、その間に液槽19を配置し、前記側板75・75間の右側に駆動軸76、その左側に従動軸77、左側にテンション軸78を軸受を介して回転自在に支持し、該テンション軸78はボルト79を回動することにより左右へ摺動されてテンション力を調整できるようにしている。
【0042】前記駆動軸76上にはプーリー80と幅広のプーリー81が前後に固定され、従動軸77にはプーリー82・82が固定され、テンション軸78にはプーリー83・83が固設され、該プーリー80・81・82・83上にベルト21・21が巻回されている。また、前記側板75・75の右上には載置プレート86を横設し、該載置プレート86上にモーター26を固設し、該モーター26の駆動軸上にプーリー84が固定され、該プーリー84と前記プーリー81の間にベルト85が巻回されている。
【0043】また、前記ベルト21・21の外周面上に一定間隔をおいて、プロフィル90・90・・・を固定し、該プロフィル90・90・・・に前後方向にパドル22・22・・・を平行に固定しており、更に、上側のベルト21上のパドル22と下側のベルト21上のパドル22は上下方向で一致するように配設され、この左部に位置するパドル22とパドル22の間に加工部2からゲル被覆種子6bが落下するようにしている(矢印A)。
【0044】前記パドル22の構成は図13に示すように、液槽19の内幅内に入るように長さを合わせた基板22aに、棒状体22b・22b・・・を一定間隔をおいて一列に挿入固定しており、その間隔はゲル被覆種子6bが通り抜けない間隔としている。従来はプレートに略長方形状の開口を設けて硬化剤が通り抜けるように構成していたので、その抵抗が大きく、硬化剤を押して落下口20より押し流し出すことがあったのであるが、本発明のパドル22は棒状体であるために抵抗が小さく、硬化剤を押し出すことはないのである。
【0045】また、前記液槽19の排出側(右側端)に落下口20が内幅に合わせて開口さされ、その左側には前記駆動軸76と従動軸77の間の傾斜と平行な傾斜面が形成されて水切り部19aとしている。また、液槽19の下面の中央部に排出口91が設けられ、前面の任意位置に硬化剤供給口92が設けられ、該硬化剤供給口92は図示しないホースを介して、架台10右側上部に配置した(図1)リザーブタンク93と連通させて、減少した硬化剤を補給する構成としている。
【0046】また、前記載置プレート86上にパドル22を検知するセンサー94が配置され(図2、図11)、該センサー94はパドル22上端が当接片94aに当接すると、センサー94がONして、モーター26の駆動を停止するようにしており、前述のように、パドル22とパドル22の間にゲル被覆種子6bが落下するように定位置で停止するようにしている。そして、前記押し出しシリンダー56が作動されると、設定時間後にモーター26が駆動するように制御されて、ゲル被覆種子の落下とモーター26の停止が同期するように構成している。よって、モーター26は間欠駆動されることになり、停止している時にパドル22とパドル22の間から液槽19にゲル被覆種子が落下するようになる。そして、硬化時間の調整は前記モーター26の駆動開始時間を変更したり、ゲル被覆種子6bの落下数、例えば、一つ毎に駆動、或いは、二つ落下毎に駆動する等の変更で移動時間を調整したりすることで硬化硬さを調整できる。
【0047】また、水洗部4は前記加工部3を左右逆向きに配置して、硬化剤の代わりに水を液槽25に供給するようにし、モーター27は連続駆動する構成としている。そして、前記落下口20の下部にはガイド体30を垂設して、その加担を水洗部4の右側に配置し、ゲル被覆種子6bがこぼれないようにガイドしている。そして、水洗部4の排出口23からは前記と同様に水切り後に製品収納容器24に落下するようにしている。
【0048】また、図1に示すように、前記架台10の左側に制御ボックス11が設けられ、該制御ボックス11内にコントローラが収納され、該コントローラには前記モーター26、モーター27、シリンダー42の電磁ソレノイド、位置検出センサー48・49、バルブシリンダー55の電磁ソレノイド、押し出しシリンダー56の電磁ソレノイド、センサー94等が接続されて、前述した動作となるように制御している。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く、種子供給部と種子をゲル被覆する加工部と硬化部と水洗部よりなるゲル被覆加工装置において、種子を吸着して搬送する複数の吸着チップを備えた搬送ブロックと、ゲル化剤を吐出する複数のノズルを備えたノズルブロックを種子の大きさに合わせて変更可能とすると共に、前記搬送ブロックの両側に高さ調節機構を設け、種子を溜めるストッカーとの間の距離を種子の大きさに合わせて調節可能としたので、微小種子から大粒の種子までゲル被覆加工ができるようになり、小粒用と大粒用の被覆装置を用意する必要がなくなり、コスト低減化が図れるようになった。
【0050】また、前記搬送ブロックの両側に高さ調節機構を設け、種子の大きさに合わせて種子を溜めるストッカーとの間の距離を調節可能としたので、ストッカーに溜めた種子を吸着するときに、種子を傷付けない高さに調整することができ、種子の大小に応じて微調節が可能となったのである。
【0051】また、請求項2の如く、種子を溜めるストッカーと加工位置上方位置との間に搬送装置を設け、該搬送装置を上下方向斜めに配置したので、搬送時に生じる振動を小さくしてスムーズな搬送が可能となり、搬送装置の構成も簡単とすることができ、コスト低減化が図れるようになった。
【0052】また、請求項3の如く、ノズルへゲル化剤を供給するバルブケースの流入側に第一バルブを設け、吐出側に第二バルブを設け、該第一バルブと第二バルブの間にプランジャを配置すると共に、前記第一バルブと第二バルブをそれぞれシャフト状に構成し、複数並列に配置したゲル流通路を同時に開閉するようにしたので、各列毎にバルブを設ける必要がなくなり、ゲル化剤を供給するバルブの構成を簡単にできて、制御も簡単に行え、コスト低減化が図れたのである。また、シャフト状に構成したので、ボールバルブの如く機械的誤差が小さく、漏れ等もなくなり、一定量のゲル化剤を吐出でき、更に、各列同一時間で同じ量が吐出できて、均一な大きさのゲル被覆種子を製造できるようになったのである。
【0053】また、請求項4の如く、ゲル化剤を吐出するノズルの下方にシャッターを設け、ゲル被覆種子の落下後にノズル下方を閉じるようにしたので、ゲル被覆種子を硬化剤へ落下したときに生じる跳ね返りが、ノズル側へ達することがなくなり、ノズルに充填されているゲル化剤が硬化されることがなく、確実にゲル被覆種子を製造することが可能となったのである。
【0054】また、請求項5の如く、ゲル化剤の流入を制御する第一バルブと、吐出を制御する第二バルブを設けると共に、ゲル化剤を吐出するノズルの下方にシャッターを設け、前記第一バルブと第二バルブとシャッターを連結し、同時に駆動するようにしたので、第一バルブと第二バルブとシャッターの駆動源が一つで済み、構造が簡単となり、制御構成も簡単となり、コスト低減化が図れたのである。
【0055】また、請求項6の如く、ゲル化剤を吐出するノズルの中央部に落下孔を設け、該落下孔の中心に対して180度ずれた位置にゲル吐出孔を設けたので、ゲル化剤をノズルから吐出するときに、左右または前後にずれることなく、中心部分に種子が位置するようになり、更に、真下に落下するようになって、硬化部の所定位置に正確に落下させることができるようになり、ゲル被覆種子を確実に製造できるようになったのである。
【0056】また、請求項7の如く、ゲル化剤を吐出駆動するアクチュエーターを数段階で駆動するようにしたので、ノズル先端に形成されるゲル膜が第一段階のゲル化剤の吐出でその膜を厚くすることができ、種子が落下したときに膜を破ることがなく、正確にゲル被覆種子を製造できるようになり、また、種子を取り巻くゲル化剤の層が均一に厚くなり、播種作業時に、ホースや繰出装置等を通過するときにゲル化剤が擦れて種子が飛び出したり、種子が傷付けられたりすることがないのである。
【0057】また、請求項8の如く、硬化部と水洗部を同一の搬送構造としたので、同一部品が使用できてコスト低減化が図れ、また、液槽内の一側と他側に軸を横架して該軸上にベルトを巻回し、該ベルト上に液槽の内幅と略等しいパドルを一定間隔で設け、該パドルの回転でゲル被覆種子を搬送可能とすると共に、該パドルを基板より棒状体を複数突出した櫛状としたので、パドルにおける搬送時の抵抗が小さくなり、硬化剤を押し出して無駄に消費することがなく、移動もスムースになってゲル被覆種子同志が当たって変形したりすることがなくなったのである。
【0058】また、請求項9の如く、硬化部のパドルの搬送駆動を間欠駆動としたので、加工部からゲル被覆種子を落下させる時間と、搬送を停止させる時間を用意に同期させることができるようになり、そして、パドルとパドルの間からゲル被覆種子を硬化槽へ落下することが可能となり、硬化部の長さを短くでき、コンパクトに構成することができるのである。
【出願人】 【識別番号】597041747
【氏名又は名称】アグリテクノ矢崎株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−299308
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−109815