トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 故紙を利用した植生用シート
【発明者】 【氏名】岡部 昌明

【要約】 【課題】

【解決手段】テ−プ状の故紙による細片12群の中に種子16や肥料などの植生基材18が充填され、テ−プ状の故紙による細片12群が圧搾成形されたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 故紙の細片群中に少なくとも植物用の種子が介在されてなるものであって、かつ故紙の細片群が圧搾成形されてなることを特徴とする故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項2】 故紙の細片群の少なくとも一側に紙片が当接され圧搾成形されてなることを特徴とする請求項1記載の故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項3】 空隙を多数備えた故紙上に少なくとも植物用の種子が付着されてなることを特徴とする故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項4】 空隙を多数備えた故紙層が設けられ、故紙層中に少なくとも植物用の種子が介在されてなるものであって、かつ故紙層が植物用の種子とともに固着されてなることを特徴とする故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項5】 一定の間隔毎に多数の種子用のポケット部が設けられ、種子用のポケット部に少なくとも植物用の種子が充填されてなることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項6】 植生基材が添加されてなることを特徴とする請求項1,2、3または4記載の故紙を利用した植生用シ−ト。
【請求項7】 多数の種子用のポケット部に植生基材が添加されてなることを特徴とする請求項5記載の故紙を利用した植生用シ−ト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農産物の種子や植林用の種子を耕作土壌、山腹、河川の法面などに播種することにより植物を育成する植生用シ−トに関する。とりわけ、故紙の再生活用を図った植生用シ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】故紙を利用したこの種の従来例としてたとえば特開平10−66408号公報に記載された発明が知られている。
【0003】従来例は、故紙の分散懸濁液を乾燥させた漉き延べ基板と漉き延べ包被板基板との間に種子や胞子が設けられたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の故紙を利用した植生用シ−トは、故紙の再生活用による有利性があるものの、種子や胞子を保護する漉き延べ基板と漉き延べ包被板を得るため、予め故紙の分散懸濁液を乾燥させる生産工程を必要としている。
【0005】したがって、漉き延べ基板と漉き延べ包被板の生産は、故紙の水中での拡散工程やその後の乾燥工程を必要とするから、生産工程の煩雑化、そして相当な生産設備を必要とする問題点のあることを回避できなかった。
【0006】その上、従来例の漉き延べ基板と漉き延べ包被板は、一切空隙が存在しないものであるから、種子の成育時に発芽や根の成育が漉き延べ基板と漉き延べ包被板に干渉されることを回避できないので、この従来例をそのまま利用することはできなかった。
【0007】従来例は、発芽を図るため種子を除く耕作土壌面に前記した漉き延べ基板と漉き延べ包被板からなる敷き延べ板を敷くことにより種子の成育を図ろうとするものであるから、種子の成育に面倒な手間がかかることを回避できなかった。
【0008】この発明は、故紙の再生活用を行うことにより、植生用シ−トを得るに際して生産工程の簡素化を図ることを目的としており、さらに、種子の成育における発芽と根の成育の促進を図ることを目的としている。そして、さらに故紙の再生活用の有利性の向上化を図ることも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1記載の故紙を利用した植生用シ−トのの発明は、故紙の細片群中に少なくとも植物用の種子が介在されてなるものであって、かつ故紙の細片群が圧搾成形されてなることを特徴とするものである。
【0010】この明細書において、故紙の細片とは、知られるようにオフィスから発生するいわゆるテ−プ状のシュレッダ−片が一般的であるが、そのほか、テ−プ状のシュレッダ−片をさらに短く裁断したもの、そして、新聞紙等の故紙を積極的に裁断した細片を含む。
【0011】この明細書において、故紙の細片群中に少なくとも植物用の種子が介在されてなるとは、植物用の種子のほか、用途に応じて肥料などの植生基材を更に介在することを予定していることである。また、種子の概念には胞子も含む。
【0012】 請求項2記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、請求項1記載の発明において、故紙の細片群の少なくとも一側に紙片が当接されて圧搾成形されてなるものである。
【0013】故紙の細片群の少なくとも一側に紙片が当接されてなるとは、一側のほか両側に紙片が当接されてなることを予定していることである。
【0014】この明細書において、紙片とは、好ましくは、薄い柔軟な故紙が望ましいものの、薄い柔軟な故紙に制約するものではなく、非故紙による紙片のほか天然繊維による布地の廃棄物でもよい。
【0015】請求項3記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、空隙を多数備えた故紙上に少なくとも植物用の種子が付着されてなることを特徴とするものである。
【0016】請求項4記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、空隙を多数備えた故紙層が設けられ、故紙層中に少なくとも植物用の種子が介在されてなるものであって、かつ故紙層が植物用の種子とともに固着されてなることを特徴とするものである。
【0017】請求項5記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、請求項1,2,3または4記載の発明において、一定の間隔毎に多数の種子用のポケット部が設けられ、種子用のポケット部に少なくとも植物用の種子が充填されてなることを特徴とするものである。
【0018】請求項6記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、請求項1,2,3または4記載の発明において、植生基材が添加されてなることを特徴とするものである。
【0019】この明細書において、植生基材とは、各種の有機質肥料、無機質肥料、発芽促進剤、微生物繁殖剤、土壌改良剤、保水剤、保湿剤などで種子の成育に寄与する一切のもののことであり、これらが用途に応じて単独にあるいは複合して採用される。さらに、最近、廃棄処理に問題の多いおからや、おがくずも植生基材として利用してもよい。
【0020】請求項7記載の故紙を利用した植生用シ−トの発明は、請求項5記載の発明において、多数の種子用のポケット部に植生基材が添加されてなることを特徴とするものである。
【0021】
【作用効果】請求項1記載の発明は、上記のように構成されているから、故紙を利用した植生用シ−トを耕作土壌中に敷設し、必要な植生基材を散布し、さらに土壌を盛り、水を散布することにより種子を成育する。もっとも使用法については、前記した方法は一般的であり、水中に埋設して使用されるいわゆる水耕栽培に供することも予定されている。
【0022】かくして、種子の周囲は、故紙の細片群により囲まれることになるから、隣接する細片との間に多数の空隙が存在することになる。したがって、水を散布することにより、水が細片群に浸透するので比較的長期に亘って細片群に保水ができ、その保水を発芽時に種子に作用させることができる。
【0023】また、植生基材を添加した場合は、植生基材が土壌中に分散化することが少なく、細片群の保水に溶け込むから、水と同様に比較的長期に亘って植生基材が細片群に保全され、保全された植生基材が徐々に種子に奏する。
【0024】その上、この発明による故紙を利用した植生用シ−トは、細片群間に多数の空隙が形成されるから、空隙により空気部が得られので、発芽時に種子の子葉は空気部の酵素と水の働きにより、芽となり空隙を通じて地上に伸びるし、根は空隙を通じて土壌中に伸びる。
【0025】他方、残存する非空隙部分が雑草の発生に干渉することが期待できるから、雑草の発生の抑制に寄与する。
【0026】また、この植生用シ−トは故紙の細片によるものであるから、柔軟性に富んでいるので凹凸のある土壌の表面や法面に対して馴染み易く敷設することもできる。
【0027】さらに、この発明による植生用シ−トは、故紙の細片群を利用したものであるから、土壌中において比較的短時間に土壌中に存在する微生物の作用を受けて分解し、そして腐朽が進行し、その後、パルプ繊維を主成分とする有機質に変化し、有機肥料化する有利性を有する。
【0028】とりわけ、故紙が細片されたものであるから、細片の内部に水や微生物が浸入し易いので比較的短時間に有機肥料化することを期待でき、微生物繁殖剤、保水剤、保湿剤などの植生基材を添加することにより、一層、有機肥料化の促進を期待できる。
【0029】この発明による故紙を利用した植生用シ−トは、社会的に大きな問題となっている故紙廃棄物の再生処理について、面倒な再生パルプ化することなく、二次加工を少なくして再生利用できるから、故紙廃棄物の再生活用を経済的にかつ合理的にできる。
【0030】因みに、従来、焼却するか、埋め立てるより廃棄方法のなかったいわゆるシュレッダ−片を廃棄することなく、植生用シ−トに採用することを可能とし、かつシュレッダ−片の有機肥料化に寄与することも可能にしたから、技術的のみならず、社会的意義も極めて大きい。
【0031】請求項2記載の発明は上記の通り構成されているから、請求項1記載の発明が奏する作用効果のほか、少なくとも一側に紙片が存在しているから、この植生用シ−トの紙片側を下方に向けて運搬することにより、種子が脱落しないし、取り扱いが楽である。また、両側に紙片を設けることにより、一層、種子を脱落させないようにできるし、取り扱いが楽である。
【0032】請求項3記載の発明は上記の通り構成されているから、新聞紙などの故紙に単に空隙を多数設け、微生物分解性の接着剤や水分解性の接着剤により、種子を故紙に付着させることにより、再生活用に問題のあった故紙の有効活用を図りつつ、植生用シ−トを手軽に得ることができる。
【0033】種子の下層は、空隙を備えた故紙によって支持されているから、水を散布することにより、水が故紙に浸透するので比較的長期に亘って故紙に保水ができ、その保水を発芽時に種子に作用させることができる。
【0034】また、植生基材を添加した場合は、植生基材が土壌中に分散化することが少なく、故紙の保水に溶け込むから、水と同様に比較的長期に亘って植生基材が故紙に保全され、保全された植生基材が徐々に種子に奏する。
【0035】その上、この発明による故紙を利用した植生用シ−トは、故紙中に多数の空隙が形成されているから、発芽時に種子の子葉は空気の酵素と水の働きにより、芽となって土壌を通じて地上に伸びるし、根は空隙を通じて土壌中に伸びる。他方、残存する非空隙部分が雑草の発生に干渉することが期待できるから、雑草の発生の抑制に寄与する。
【0036】さらに、この発明による植生用シ−トは、故紙を利用したものであるから、土壌中において比較的短時間に土壌中に存在する微生物の作用を受けて分解し、そして腐朽が進行し、その後、パルプ繊維を主成分とする有機質に変化し、有機肥料化する有利性を有する。
【0037】とりわけ、空隙を多数設けた故紙であるから、故紙の内部に水や微生物が浸入し易いので比較的短時間に有機肥料化することを期待でき、微生物繁殖剤、保水剤、保湿剤などの植生基材を添加すことにより、一層、有機肥料化の促進を期待できる。
【0038】この発明による故紙を利用した植生用シ−トは、現在社会的に大きな問題となっている故紙廃棄物の処理について、再生パルプ化することなく、二次加工を少なくして再生利用できるから、故紙廃棄物の再生活用を経済的にかつ合理的にできる。
【0039】因みに、従来、焼却するか、埋め立てるより廃棄方法のなかったいわゆるシュレッダ−片を廃棄することなく、植生用シ−トに採用することを可能とし、かつシュレッダ−片の有機肥料化に寄与することも可能にしたから、技術的のみならず、社会的意義も極めて大きい。
【0040】請求項4記載の発明は上記の通り構成されているから、請求項3記載の発明が奏する作用効果を一層効果的に生ずる。
【0041】請求項5記載の発明は、上記の通り構成されているから、請求項1、2、3または4記載の発明の奏する作用効果のほかに、種子用のポケット部が一定の間隔毎に設けられているから、種子の育成を耕作土壌に手間をかけることなく所定の間隔毎に行うことができる。
【0042】ポケット部に種子や植生基材を添加しさえすればよいから、種子や植生基材rの使用に無駄を生じることがない。
【0043】請求項6記載の発明は、上記の通り構成されているから、請求項1、2、3または4記載の発明の奏する作用効果を奏することのほか、予め植生基材が添加されているから、種子の成育時に植生基材を散布する手間を省略できる。
【0044】請求項7記載の発明は、上記の通り構成されているから、請求項5記載の発明の奏する作用効果を奏することのほか、予め植生基材が添加されているから、種子の成育時に植生基材を種子用のポケット部に散布する手間を省略できる。
【0045】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を説明する。この発明は、現在社会的に大きな問題となっている故紙廃棄物の有効活用に着目されたものである。 植生用シ−ト10の素材としてこの発明の実施の形態では、故紙廃棄物の例であるオフイスから大量に発生しているいわゆるシュレッダ−片が採用されている。
【0046】この発明の植生用シ−ト10の素材として、図1に示されるようにオフィスなどから発生するいわゆるシュレッダ−機によって裁断されたシュレッダ−片と称されているテ−プ状の故紙の細片12を採用することが有利である。とりわけ、最近では、前記したシュレッダ−片の廃棄物の増加が顕著であるから、この廃棄物の再生活用が希望される。
【0047】テ−プ状の故紙の細片12の供給源は前記したシュレッダ−片の廃棄物のほか、新聞紙などの故紙に求め、多少の加工コストの負担を必要とするものの、故紙を積極的にシュレッダ−片化ないしチップ化することによりテ−プ状の故紙の細片12を得るようにしてもよい。
【0048】また、廃棄処分されているシュレッダ−片は、一般的に幅2〜4mm、長さ20〜40mm程度のものであるが、さらに裁断しチップ化することも予定されている。廃棄物であるシュレッダ−片をさらに裁断することにより、植生用シ−ト10の素材として利用する場合、発芽に必要な空隙14を増加できるし、有機肥料化の促進に寄与できる。
【0049】新聞紙、雑誌類の故紙には印刷インクが付着しているが、一般的な組成は、植物油10%、鉱物油30%、顔料、カ−ボンなどが60%であるから、土壌32中で弊害にならないし、肥料化を期待できる。
【0050】そこで、さらにこの発明の構成を引き続き説明すると、故紙の細片12群の中に植物用の種子16が介在されている(図2を参照)。図2は説明の便宜のため略示的な断面図として表してあるが、細片12群において隣接する細片12の間には空隙14が多数形成される。
【0051】この多数の空隙14が存在することにより、種子16の発芽時に芽30は上方の空隙14から土壌32を通じて地上へ、根34は下方に位置する空隙14を通じて土壌32中へ伸びるように図られている(図3を参照)。もっとも、非空隙部は土壌32中で水や微生物の作用を受けて崩壊するから、芽30や根34は、空隙14から発芽し、根34が伸びる場合に比較して遅くなることがあるとしての発芽などは期待できる。
【0052】この場合、故紙の細片12群は、圧搾成形されているものの、嵩密度の低いものであるから、細片12群中には空気部が残存している。したがって、その空気部中の酵素と水の働きが種子16の種皮内に存する子細に作用し、芽30として発芽する。
【0053】故紙の細片12はそのままでは、散乱し保形性を維持できないから、保形性を図るため、この発明では、細片12中に種子16を介在させた後、種子16が圧潰されない程度に圧搾成形する。
【0054】圧搾成形する場合、用途によって異なるものの、綿状に柔らかくすることも、また、板状に比較的硬くすることも予定される。比較的硬く圧搾成形しても、土壌中の水分により劣化されるから、何らの問題はない。
【0055】シ−ト状に成形することが一般的であるが、用途により塊とすることも考えられる。
【0056】故紙の細片12群の保形手段は、圧搾成形することがこの素材の有する固有の特徴を活用することになる。つまり嵩密度の低いものであるから、その特徴を活かしつつ圧搾成形することが好ましい。
【0057】肥料などの植生基材18は、必要に応じて播種後に散布することが予定されているが、種子16とともに予め細片12群内に介在させてもよい。
【0058】ここに植生基材18とは、種子18の成育に寄与すものであって、各種の有機質肥料、無機質肥料、発芽促進剤、微生物繁殖剤、土壌改良剤、保水剤、保湿剤などである。これらは、種子16の種類の相違、植生季節の相違、土壌現場の相違などにより変化することはいうまでもない。
【0059】また、肥料、土壌改良剤や保水剤などの植生基材18を予め故紙の細片12中に含浸させることや付着させることも発明者は予定している。
【0060】種子16を細片12群中に介在させるに際して脱落を抑制するためには、種子16を細片12群に接着剤を介して行うこよが好ましい。この場合、発明の目的から、土壌32中の微生物によって分解するたとえば、澱粉を原料とする接着剤や、水分により崩壊するタルク、カオリン、クレ−、セピオライト、酸化チタンなどの微粉末の接着剤が適当であり、アルカリ性接着剤を採用すれば、土壌の酸性化の抑制にも寄与できる。
【0061】先に説明した実施の形態のほかに、故紙の細片12群中に少なくとも植物用の種子16が介在されてなるものであって、かつ故紙の細片12群の一側や両側に紙片20当接されて圧搾成形されてなるものである(図4および図5を参照)。
【0062】紙片20を当接させることにより、種子16を細片12群から脱落しないように抑制でき、両側に紙片20を設けることにより、一層、種子16の脱落を抑制できるし、取り扱いが楽である。
【0063】別の実施の形態は、多数の空隙22を備えた故紙24を植生用シ−ト40の素材とするものである(図6を参照)。新聞紙、雑誌類の故紙に制約されるものではなく、一般書籍類でもよく、新聞の折り込み広告紙でもよく、従前では廃棄せざるを得なかった廃棄物でもよく、故紙の種類を問わないし、さらに、一般的ではないが、経済性や故紙廃棄物の有効活用の課題を無視するならば、市販品の非故紙を利用することを否定する趣旨ではない。
【0064】この例は、植生用シ−ト40の素材が先の例と相違するものの、発明の本質について相違する点は少ないから、共通する点については、先の説明を援用し、省略してある。
【0065】新聞紙、雑誌などの故紙を素材として利用するが、先に説明したように故紙の種類を問わない。スリットなどの多数の空隙22を備えた故紙24を設ける。空隙22の形状については、問わない。この空隙22を設ける目的は、先の実施の形態の植生用シ−ト10の空隙14と変化しない。
【0066】空隙22を多数備えた一層からなる故紙24上に少なくとも種子16が付着されてなるものである。
【0067】種子16のほか、前記した植生基材18を添加することは自由である。また、種子16を故紙24上に付着させる手段は、前記した土壌32中の微生物によって分解する澱粉を原料とする接着剤や、水分により崩壊するタルクなどの微粉末の接着剤が適当である。
【0068】さらに別の形態について説明すると、空隙22を多数備えた故紙24をさらに故紙層として少なくとも一層の故紙24を積層し、故紙24層中に少なくとも種子16が介在されているものであり、故紙24層が種子16とともに分離しない程度に固着されている。固着手段は、圧搾成形のほか、前記した接着剤を採用して種子16とともに故紙24を接着してもよく、さらには、土壌32中の微生物によって分解するたとえば、綿糸によりミシン縫合することにより、故紙24層を種子16とともに固着させてもよい。固着する目的は、取り扱いや運搬時の便のためであり、土壌32中で固着されていることを意図するものではないから、いわば仮止め程度に軽く固着されておればよい。
【0069】また、先の形態と同様に一側あるいは両側に紙片20を当接させることも予定されている。
【0070】さらに、別の形態について図10ないし図17を参照して説明する。なお、図10ないし図17では、便宜上、先に図示した空隙14、22の記載が省略されていること明らかにする。この形態を簡単にいえば、先に説明した一切の植生用シ−ト10,40に種子16を一定間隔毎に収納できるポケット部36が設けられ、種子用のポケット部36に少なくとも植物用の種子16が充填されてなるものである。
【0071】これらのポケット部付植生用シ−ト10b,40bに植生基材18を添加することは自由である。
【0072】ポケット部付植生用シ−ト10bの素材は、言うまでもなく故紙の細片12であるが、故紙12群中のポケット部36内に種子16が封止されている場合と(図11ないし図13を参照)、ポケット部36が外部に露呈し、そのポケット部36に種子16や植生基材18が充填されている場合がある。
【0073】もっとも、図10に示す形態の場合、種子16や植生基材18をポケット部36に固定する手段を必要とするから、図示を省略したが、ポケット部36にシ−ル材を接着させてもよい。
【0074】図12および図13の一側または両側に当接されているものは先の実施の形態と同様に紙片20である。
【0075】他方、図14ないし図17に示されるポケット部付植生用シ−ト4bの素材は、言うまでもなく多数の空隙22を備えた故紙24である。しかし素材のほか、構成上の相違はポケット部付植生用シ−ト10bと比較してない。
【0076】ポケット部36を一定の間隔毎に設けることにより、種子を16手軽に一定の間隔毎に成育できることなどは先に説明した通りである。
【出願人】 【識別番号】391003174
【氏名又は名称】オカベエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】村山 信義
【公開番号】 特開平11−299307
【公開日】 平成11年(1999)11月2日
【出願番号】 特願平10−131323