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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】大内 建之

【氏名】重松 文雄

【要約】 【課題】走行車体に取付けた苗植装置が油圧シリンダから出没するピストンロッドでローリング軸の回りに揺動するように設けられているが、油圧シリンダ、モータ、タンクなどがばらばらに配置されていて、まとまりが悪く大型化している。

【解決手段】走行車体に苗植装置2が前後方向のローリング軸19の回りに揺動し得るように装着され、油圧シリンダ35、ポンプ、モータ、タンク36を一体に組み込んだパワーユニット32が走行車体1に取付けられ、油圧シリンダ35から突出したピストンロッド38の出没で苗植装置2がローリング軸19の回りに揺動するようにパワーユニット32と苗植装置2が連結され、苗植装置2は前上りに傾斜した苗載台27を備え、パワーユニット32はその下に配置されて上記の傾斜に沿うように傾けて設けられている田植機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体1に苗植装置2が前後方向のローリング軸19の回りに揺動し得るように装着され、油圧シリンダ35、ポンプ34、モータ37、タンク36を一体に組み込んだパワーユニット32が走行車体1に取付けられ、油圧シリンダ35から突出したピストンロッド38の出没で苗植装置2がローリング軸19の回りに揺動するようにパワーユニット32と苗植装置2が連結され、苗植装置2は前上りに傾斜した苗載台27を備え、パワーユニット32はその下に配置されて上記の傾斜に沿うように傾けて設けられている田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乗用型の田植機に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】走行車体の昇降枠に苗植装置がローリング軸でその回りに揺動するように取付けられ、水田の耕盤の凹凸などで苗植装置が横方向に傾斜すると、又は傾斜しようとすると、油圧シリンダやモータなどのアクチュエータが作動して苗植装置をローリング軸の回りに揺動させ、もって上記の傾斜を水平に復帰させたり、事前に傾斜が生じないようにさせている。そして、苗植装置を強制的に揺動させるモータ、ポンプ、タンク及び油圧シリンダが個々別々に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のものは、モータ、ポンプ、タンクおよび油圧シリンダがばらばらに配置されているので、まとまりが悪いうえ、コスト高になるおそれがあった。この発明は、これらを一つのパワーユニットとして一体に構成するとともに、その形状を苗載台の傾斜に沿わせてその下に配置することにより、上記の課題を解消しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、走行車体1に苗植装置2が前後方向のローリング軸19の回りに揺動し得るように装着され、油圧シリンダ35、ポンプ34、モータ37、タンク36を一体に組み込んだパワーユニット32が走行車体1に取付けられ、油圧シリンダ35から突出したピストンロッド38の出没で苗植装置2がローリング軸19の回りに揺動するようにパワーユニット32と苗植装置2が連結され、苗植装置2は前上りに傾斜した苗載台27を備え、パワーユニット32はその下に配置されて上記の傾斜し沿うように傾けて設けられている田植機とした。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1に苗植装置2が装着されて田植機となっている(図1,図2)。走行車体1がつぎのように構成されている。フレーム3の前後に取付けた主歯車箱4と後輪歯車箱5の両横に前輪6と後輪7が取付けられている。エンジン8がフレーム3の上に設けられ、その動力が主歯車箱4内の変速機で所定の回転に調整されたのち、前輪6と後輪7に達し、水田の耕盤上におけるこれらの回転で走行車体1が進行するように出来ている。フロア9が主歯車箱4とフレーム3の上に設けられ、これと一体のカバー10がエンジン8を被っている。座席11がカバー10の上に設けられ、その前のステアリングホイル12を操作すると、左右の前輪6が操縦されて走行車体1の進路が変わるように出来ている。
【0006】支柱13がフレーム3の後部から上に伸び、これと後の昇降枠14に平行リンク15の両端が回動自在に取付けられている。平行リンク15は、それぞれ平行な単一の上リンク15aと一対の下リンク15bを後から見て二等辺三角形の頂点に配置して構成されている。昇降シリンダ16の前部がフレーム3に取付けられ、これから斜後上に突出したピストンロッドの突端が上リンク15aと一体のアーム17の下端に接続し、昇降シリンダ16に油を供給すると、ピストンロッドが突出して昇降枠14が上昇し、その油をタンクに戻すと、昇降枠14が下降するようになっている。
【0007】苗植装置2がつぎのように構成されている。歯車箱18が前後方向のローリング軸19(図3,図4)の回りに揺動し得るように昇降枠14の下部に取付けられている。歯車箱18と、これから左右に突出したスリーブ20の両端から植込フレーム21が後に突出し、それぞれの後部の両横に小判形の回転ケース22が取付けられている。一対の植込杆23がそれぞれの回転ケース22の両端に取付けられ、回転ケース22がエンジン8の動力で、右(図1)から見て反時計回りに回転すると、その中の遊星歯車で植込杆23が同じような姿勢を保って旋回するようになっている。
【0008】6個の苗取口24aを有する苗受板24が植込フレーム21に固定され、上記の旋回の下降の初期に一対の植込杆23の先端がそれぞれの苗取口24aを交互に通過するようになっている。支柱25が左右の植込フレーム21の前部から斜前上に伸び、それぞれの上端を結ぶ横杆26(図4)のスライダー26aと苗受板24の前部で苗載台27が左右に移動するように支持されている。この苗載台27は、前上りの斜に傾斜し、歯車箱18から左右に突出してエンジン8の動力で左右に往復駆動される横移動棒28に連杆29で連結されている。また、左右の側壁の間が5個の隔壁で区隔され、マット状の集団苗が後部を苗取板24上に突出させてそれぞれの区隔に載る。すなわち、集団苗は、苗載台27とともにエンジン8の動力で左右に往復移動する。その後部は、上記の移動で苗取口24aの上に来ると、植込杆23の先端で一株分が欠ぎ取られる。欠ぎ取られた一株分の苗は、植込杆23とともに下降し、その旋回の下端で泥土に差し込むようにして移植される。苗載台27のそれぞれの区隔にベルトコンベア式の苗送装置30が設けられ、集団苗の後部の横端終端の欠ぎ取りが終わると、作動して集団苗を苗受板24側に繰出すようになっている。そののち、苗載台27は、逆向きの横移動を始める。このとき、走行車体1が前進していて、上記の繰り返しにより、6枚の集団苗から苗が6条に連続して移植される。
【0009】フロート31がそれぞれの植込フレーム21の下に設けられ、走行車体1の前進で泥面を滑走し、それぞれの前部の張出部が上記の苗が移植される位置を予め整地するようになっている。パワーユニット32が昇降枠14に固定されている(図3,図4)。そのパワーユニット32は、上下方向のケース33内に設けたポンプ34(図5)と、その下部から左右に突出した油圧シリンダ35と、その上部から右に突出したタンク36と、その上部から左に突出するように設けた直流モータ37で構成され、これらが一体に設けられている。また、このパワーユニット32は、苗載台27の下に配置されて、横から見てその傾斜に沿うように傾いている。ピストンロッド38が油圧シリンダ35から左右に突出し、それぞれの突端がリンク39でそれぞれの支柱25の技杆25aに連結されている。そして、直流モータ37がバッテリー(図示していない)の電力で正転すると、ポンプ34が時計方向(図5)に回り、タンク36内の油が左逆止弁40Aを通って油圧シリンダ35の左室35aに供給され、その圧力で右逆止弁40Bが開き、ピストン38aが右に押されて右室35bの油がタンク36又はポンプ34に戻り、ピストンロッド38が右に移動して苗植装置2がローリング軸19の回りに時計方向に回動する。これとは逆に、直流モータ37が逆転すると、同じようにして苗植装置2が反時計方向に回動するようになっている。
【0010】横方向の傾斜角を検出する傾斜センサ41が歯車箱18に取付けられ、その検出値で制御装置42が上記の直流モータ37がつぎのように作動する。すなわち、苗植装置2(歯車箱18)が泥面に対して右上りに傾斜すると、傾斜センサ41からの入力で制御装置42が直流モータ37を正転させる。すると、上記のように苗植装置2が時計方向に回り、これが水平に復帰してその回転が止まる。これとは逆に、苗植装置2が左上りに傾斜すると、苗植装置2が反時計方向に回って水平に復帰する。
【0011】以上は、フィードバック回路による苗植装置2の自動水平復帰であるが、横方向の傾斜の角速度を検出する角速度センサ43を走行車体1に取付け、走行車体1が耕盤の凹凸で傾斜し、これに引き続いて苗植装置2が傾こうとすると、両者の検出値にもとづいて、事前に苗植装置2をローリング軸19の回りに揺動させて傾斜が生じないようにすることが出来る。この構成を用いると、追従性が向上して走行車体1の車速の高速化に対応できる。
【0012】図6,図7は、変形したパワーユニット32Aを示している。すなわち、油圧シリンダ35Aの外周にタンク36Aが設けられている。また、ポンプを収納したケース33Aがタンク36Aの右から下に伸び、その右に直流モータ37Aが固定されている。この構成によると、パワーユニット32Aがコンパクトに構成できるとともに、オイルの冷却効果が向上する。
【0013】
【効果】以上のように、この発明によると、苗植装置を強制的に揺動させるためのモータ、ポンプ、油圧シリンダ、タンクが一つのパワーユニットとして一体に構成されるので、まとまりが良く、しかもこれが苗載台の下に配置されてその傾斜に沿うように設けられているので、コンパクトな構成が得られる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−285307
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−90191