トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 移植機の植付装置
【発明者】 【氏名】福本 仁志

【氏名】福高 恭史

【氏名】出原 政司

【氏名】柳川 信英

【要約】 【課題】開閉カップの開閉動作を円滑にすること。

【解決手段】走行装置1と、該走行装置1に設けられた移植装置2とからなる移植機の前記移植装置2は、苗供給装置20と、該苗供給装置20の苗を取出す苗取出装置21と、該取出装置21からの苗を受け取って圃場に植付ける植付装置22とを有し、該植付装置22は、苗を受け取る上方開口の案内筒60と、該案内筒60の下部外周域に前後一対の枢支部63により開閉自在に設けられた開閉カップ38とからなる植付筒33を備え、前記枢支部63は、案内筒60と開閉カップ38との間に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置と、該走行装置に設けられた移植装置とからなる移植機の前記移植装置は、苗供給装置と、該苗供給装置の苗を取出す苗取出装置と、該取出装置からの苗を受け取って圃場に植付ける植付装置とを有し、該植付装置は、苗を受け取る上方開口の案内筒と、該案内筒の下部外周域に前後一対の枢支部により開閉自在に設けられた開閉カップとからなる植付筒を備え、前記枢支部は、案内筒と開閉カップとの間に設けられている移植機の植付装置。
【請求項2】 前記開閉カップは、側面視において、上部の垂直壁部と、該垂直壁部から中心側に傾斜する傾斜壁部に形成され、前記垂直壁部にスクレーパ挿入用の開口部が設けられている請求項1記載の移植機の植付装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植機の植付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の移植機として、例えば、特開平10−4726号公報に記載のものが公知である。この従来の移植機は、走行装置と、該走行装置に設けられた移植装置とからなり、前記移植装置は、苗供給装置と、該苗供給装置の苗を取出す苗取出装置と、該取出装置からの苗を受け取って圃場に植付ける植付装置とを有し、該植付装置は、苗を受け取る上方開口の案内筒と、該案内筒の下部外周域に前後一対の枢支部により開閉自在に設けられた開閉カップとからなる植付筒を備えたものであった。そして、前記枢支部の下部は連結板で塞がれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のものは、植付筒の枢支部の下部が連結板で塞がれていたので、この部分に泥土等が詰まり、開閉カップの開閉に支障を来すものであった。そこで、本発明は、前記枢支部に泥土等の詰まりを無くした移植機の植付装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明は、走行装置と、該走行装置に設けられた移植装置とからなる移植機の前記移植装置は、苗供給装置と、該苗供給装置の苗を取出す苗取出装置と、該取出装置からの苗を受け取って圃場に植付ける植付装置とを有し、該植付装置は、苗を受け取る上方開口の案内筒と、該案内筒の下部外周域に前後一対の枢支部により開閉自在に設けられた開閉カップとからなる植付筒を備え、前記枢支部は、案内筒と開閉カップとの間に設けられている。
【0005】前記構成を採用することにより、開閉カップの枢支部に泥土等が詰まりにくくなり、開閉カップの開閉動作が円滑になる。尚、前記開閉カップは、側面視において、上部の垂直壁部と、該垂直壁部から中心側に傾斜する傾斜壁部に形成され、前記垂直壁部にスクレーパ挿入用の開口部が設けられているのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1、2において、移植機は、走行装置1と、該走行装置1に設けられた移植装置2とにより構成されている。走行装置1は、車体3を有し、該車体3にエンジン(図示省略)、ミッションケース4等が取り付けられている。エンジンやミッションケース4はボンネット5で覆われている。車体3の前部には、左右一対の前輪支軸6が左右方向に張出状に設けられ、該支軸6に前輪アーム7が設けられ、該アーム7の先端に前輪8が回動自在に支持されている。前記ミッションケース4の左右両側から後輪支軸9が左右方向張出状に設けられ、該支軸9に伝動ケース10が取り付けられ、該伝動ケース10の先端部に後輪11が支持されている。前記後輪支軸9の軸心部に走行動力伝動軸12が挿通され、該伝動軸12から伝動ケース10内を経由して前記後輪11にエンジンの動力が伝達されるよう構成されている。
【0007】前記伝動ケース10は昇降シリンダ13の動作により上下方向揺動自在とされている。この昇降シリンダ13の動きは、連動リンク14を介して前輪支軸6に伝達され、前輪アーム7も上下方向揺動し、前後輪8、11と車体3の高さが調整自在とされている。またローリングシリンダ15の動作により、左右の伝動ケース10が互いに逆方向に揺動し、またこの揺動は連動リンク14を介して左右の前輪アーム7を互いに逆方向に揺動させることにより、車体3を左右方向ローリング可能としている。更に左右の前輪アーム7の距離及び左右の伝動ケース10の距離を調整自在として、輪距調整可能とされている。
【0008】前記ミッションケース4の後部の上部には、後方に延出する機枠16が固定されている。この機枠16の後端にハンドル17が取り付けられている。更に、ミションケース4の後部の下部には、植付フレーム18が後方延出状に且つ上下方向揺動可能に取り付けられている。そして、前記機枠16及び植付フレーム18に、前記移植装置2が設けられている。
【0009】前記移植装置2は、前記ミッションケース4の下腹部に設けられた整地装置19と、前記機枠16の後部とハンドル17上にわたって設けられた苗供給装置20と、該苗供給装置20の前方の前記機枠16上に設けられた苗取出装置21と、該苗取出装置21の下方で前記植付フレーム18に設けられた植付装置22と、該植付装置22の後方で前記植付フレーム18に設けられた鎮圧装置23等を有する。
【0010】前記整地装置19は、ミッションケース4の下腹部に上下方向揺動自在に設けられたブラケット24を有し、該ブラケット24に整地ローラ25が回動自在に支持されている。この整地ローラ25は畝の頂面を転動するよう構成されている。前記苗供給装置20は、多数のポット苗(土付き苗)を縦横に収容した苗トレイを縦横に間欠送りする苗載台26を有する。この苗載台26は、苗トレイから苗を前方に取り出せるように、後方に至るに従い上方になるよう傾斜配置されている。
【0011】前記苗取出装置21は、前記苗トレイから土付き苗を一つづつ取り出して、植付装置22に供給するものであり、苗の根鉢部に突き刺さる左右一対の取出爪27と、該爪27を支持する爪支持装置28と、該爪支持装置28を運動させる爪駆動装置29とからなる。爪駆動装置29は、前記機枠16に固定され、前記ミッションケース4から伝動軸30を介してエンジンの動力が伝達される。この爪駆動装置29から前記苗供給装置20を駆動する駆動軸31が突出している。
【0012】図3〜図5に示すように、前記植付装置22は、平行リンク機構32に支持されて、上下方向に長く前後方向に短い楕円軌道を描いて移動する植付筒33を有する。この植付筒33はその上死点で前記苗取出装置21から苗を受け取り、その下死点で畝に苗を植え付けるものである。前記平行リンク機構32を揺動させて、前記植付筒33を前記楕円軌道で移動させる植付伝動装置34が、前記植付フレーム18に設けられている。この植付伝動装置34は、植付フレーム18の枢支部に同心状に設けられた出力軸35と、植付フレーム18に支持されたクランク軸36とをスプロケットを介してチェーンで連動してなる。前記出力軸35はエンジンの動力で駆動される。またクランク軸36のピン37が平行リンク機構32に連結され、該平行リンクを揺動させる。
【0013】前記植付筒33の下部は前後方向に開閉自在な開閉カップ38とされ、該開閉カップ38は図示省略の開閉機構により開閉動作される。前記機枠16には、前記開閉カップ38の内外面に付着した泥土をかき落とすスクレーパ装置が設けられている。即ち、前記機枠16にスクレーパアーム39が垂下状に前後方向揺動自在に設けられ、該アーム39の中途部にベアリング40が突設され、該アーム39の下端部に内面スクレーパ41と外面スクレーパ42が固定されている。これら両スクレーパ41、42は弾性部材で形成されている。前記開閉カップ38の後面側に、内面スクレーパ41が挿入される開口部43が設けられ、さらに前記植付筒33の側面には、前記ベアリング40に係合して前記スクレーパアーム39を揺動させる傾斜板44が突設されている。
【0014】前記植付筒33は上死点で苗を受け取って後、下降して畝の頂面に突き刺さり、植付孔を穿孔し、図示省略の開閉機構で開閉カップ38を開きつつ上昇し、苗を植付孔に残して植え付けると共に、前記上昇工程において、傾斜板44がベアリング40に係合し、アーム39を揺動させて内面スクレーパ41を開口部43から開閉カップ38の内部に挿入し、該開閉カップ38の内面に付着した土をかき落とすと共に、外面スクレーパ42で開閉カップ38の後面側外面に付着した土をかき落とす。
【0015】前記鎮圧装置23は、前記植付フレーム18の中途部に下方に突設された脚部45に上下動自在に枢支された鎮圧輪支持フレーム46を有する。該支持フレーム46の左右両側にブラケット47が左右方向の位置調整可能に設けられている。このブラケット47に鎮圧輪支持体48が左右一対のボルト49で取り付けられ、該支持体48に鎮圧部材の一例として示す鎮圧輪50が回動自在に支持されている。左右一対の鎮圧輪50は、正面視ハの字状に配置され、支持体48の長孔51と前記ボルト49との調整により、ハの字配置の傾斜を調整自在とされている。
【0016】図5に示す如く、前記鎮圧輪50は、植付孔52の左右両側の畝頂面を転動するよう配置され、植付孔52の上部を崩壊させずに、植付孔52の下部を押出固めるように、植付孔周縁を押圧するよう前記傾斜角度が調整される。即ち、前記鎮圧輪50の植付孔側端部における押圧方向線が、植付孔52に収納された苗の根鉢部53の外側方を通過するように傾斜配置されている。
【0017】タバコ苗の移植においては、植付孔52を深くして苗を植えるが、このように植付孔52の上部を崩壊させないようにすることにより、苗の育成が良好になる。尚、前記機枠16の後部には、鎮圧強さ調整レバー54が、前後方向揺動可能に設けられ、該レバー54と機枠16の後部に枢支されたL型リンク55とがスプリング56で連結されると共に、該L型リンク55と前記植付フレーム18の後端とが連結されている。従って、植付フレーム18は、前記スプリング56によって機枠16に弾支されている。
【0018】前記植付フレーム18の後部には、植付深さ調整レバー57が上下方揺動自在に枢支され、該レバー57の揺動端部と前記鎮圧輪支持フレーム46とが結合されている。この植付深さ調整レバー57を回動させることにより、植付フレーム18に支持された植付筒33と鎮圧輪50との相対高さが調整され、植付孔52の深さが調整される。
【0019】尚、植付フレーム18の後部には、整地ローラ調整レバー58が設けられ、該レバー58にワイヤ59が結合され、該ワイヤ59は、前記整地ブラケット24に結合され、整地ローラ25の接地圧を調整可能としている。図6〜図8に示すのは、前記植付筒33の詳細であり、該植付筒33は、上部の案内筒60と下部の開閉カップ38とからなる。案内筒60に前記平行リンク機構32の平行リンクが結合されている。この平行リンクの結合部と反対側の外側面に前記傾斜板44が設けられている。前記案内筒60の上方開口部は、前記苗取出装置21との苗受渡し位置において、前記取出爪27下方の側面が、該取出爪27の苗放出方向と平行な傾斜面61に形成されている。
【0020】更に、図7に示すように、前記案内筒60の上部開口部の周面は、苗を中央部に案内するよう筒中心に向かった傾斜面62に形成されている。前記開閉カップ38は、案内筒60の前後に配置された枢支部63により、前後方向に揺動して開閉自在とされている。この枢支部63は、案内筒60と開閉カップ38との間に設けられている。そして、その下方は何ら遮蔽されていない。
【0021】また、前記開閉カップ38は、側面視において、上部の垂直壁部64と、該垂直壁部64から中心側に傾斜する傾斜壁部65に形成され、前記垂直壁部64に前記スクレーパ挿入用の開口部43が設けられている。前記構成の植付筒33によれば、枢支部63に泥土等の付着が防止される。尚、本発明は、前記実施の形態に示したものに限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、開閉カップの開閉動作の阻害が防止される。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−266620
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−76269