| 【発明の名称】 |
種 子 |
| 【発明者】 |
【氏名】熊川 四郎
【氏名】芳田 利春
【氏名】田中 裕作
【氏名】森 鐘一
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| 【要約】 |
【課題】種子の付着した播種シートを製造する際に、大気中に放置しても、発芽性や発根性が悪化したり、死滅したりすることがないのみならず、濡れたままの種子より取り扱い易い種子を提供すること。
【解決手段】湿潤生物活性を有する種子12の全表面を水溶性高分子の被膜41で覆う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 湿潤生物活性を有する種子の全表面を水溶性高分子の被膜で覆ったことを特徴とする種子。 【請求項2】 水溶性高分子が30重量%以上の保水率(20℃×65%相対湿度条件下)を有する請求項1記載の種子。 【請求項3】 水溶性高分子が、カルボキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースの群から選ばれた少なくとも1種を主体とする請求項1又は2記載の種子。 【請求項4】 被膜の厚さが、30〜200μmである請求項1記載の種子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性高分子の被膜で全表面が覆われている種子に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、人工的な魚場の造成に関連する事業として、海底に人工的な藻場を造成しようとする試みが行われている。人工的な藻場を形成できる海草類のうち、例えば、アマモは、花枝を伸ばして種子を形成する生殖株と、地下茎が生長する栄養株との二種類があり、種子による繁殖と、地下茎の生長及び分枝による繁殖との二通りの繁殖手段を備えている。 【0003】アマモを移植によって繁殖させる場合は、草体をそのまま海底に移植するので、比較的、高い確率で藻場を造成することができる。しかし、移植作業は、潜水士の手作業になるため、誰でも安全にできる作業ではなく、人件費が嵩むという問題がある。また、アマモの種子を播いて繁殖させる場合は、作業船から海中にアマモの種子を播くだけなので、播種作業は、潜水士による移植作業より安全で、かつ、簡単であるが、播いた種子が潮流などの影響によって造成区域外に流出しまう可能性が高く、目標とするアマモの繁殖密度に対して大量の種子を播く必要があり、不経済である。一方、種子の付着した播種シート及び該播種シートを海底に敷設する播種方法が提案されている。ところが、種子の付着した播種シートを製造する場合、アマモの種子など湿潤生物活性を有する種子は、乾燥状態で放置すると、発芽性や発根性が悪化し、最悪の場合、死滅することがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、種子の付着した播種シートを製造する際に、大気中に放置しても、発芽性や発根性が悪化したり、死滅したりすることがないのみならず、濡れたままの種子より取り扱い易い種子を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明の種子は、湿潤生物活性を有する種子の全表面を水溶性高分子の被膜で覆っている。このように、湿潤生物活性を有する種子の全表面を水溶性高分子の被膜で覆うことにより、湿潤生物活性を有する種子を湿潤状態で保持することができる。水溶性高分子としては、30重量%以上の保水率(20℃×65%相対湿度条件下)を有するものが望ましく、具体的には、カルボキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースの群から選ばれた少なくとも1種を主体とすることが望ましく使用される。また、被膜の厚さは、30〜200μmが望ましい。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1に示すように、アマモの種子12は、水溶性高分子の被膜41によって全表面が覆われている。水溶性高分子としては、30重量%以上の保水率(20℃×65%相対湿度条件下)を有するものが望ましく、例えば、カルボキシルセルロース、ヒドロキシルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから選ばれたものを主体とするものが望ましく使用される。 【0007】また、被膜41の厚さは、30〜200μmが望ましい。被膜の厚さが30μm未満の場合は、アマモの種子を湿潤状態で保持することが難しい。一方、被膜の厚さが200μmを超えると、アマモの種子の発芽や発根に悪影響を及ぼす恐れがある。 【0008】上記のように、アマモの種子12の全表面を水溶性高分子の被膜41によって覆うと、海水に濡れたままのアマモの種子より取り扱い易くなり、播種シートの製造が容易になる。播種シートは、後述するシート状物の上に、一定の間隔で穴を開けた板を載せ、その上にアマモの種子を分散させた固着剤のエマルジョン液を流した後、余分な固着剤を掻き落とすことによって製造される。このように製造された播種シート10は、図2及び図3に示すように、シート状物11と、アマモの種子12と、固着剤13とから構成され、シート状物11上に、アマモの種子12と固着剤13とが一体となってドット状に付着している。 【0009】シート状物11は、ネット状シート21と、ネット状シート21上に接着させた不織布シート22とから形成されている。ネット状シート21は、タテ方向の長繊維糸条31と、ヨコ方向の長繊維糸条32とを平織物の織組織を適用して織成したものであり、その交点は、互いに接着されている。長繊維糸条31及び長繊維糸条32は、それぞれ、平行に引き揃えた多数本の長繊維を樹脂で固めて製造されている。 【0010】従って、ネット状シート21は、不織布シート22より剛性、即ち、『腰』があり、不織布シート22の形崩れや収縮などを防止できる。シート状物11、即ち、ネット状シート21及び不織布シート22は、環境に悪影響を及ぼさないようにするため、生分解性樹脂の一種であるアセチルセルロースで製造されている。 【0011】また、シート状物11は、一定の間隔で開けられた無数の貫通孔23を有しているため、海底に播種シート10を敷設する際の水の抵抗が小さくなり、海底に播種シート10を円滑に敷設することができる。さらに、敷設後、海底に流動する海水が播種シートを容易に貫通することができ、シートが海水により巻き上がることもない。貫通孔23の開孔率は、播種シートの全表面積に対し、2〜50%が望ましい。貫通孔の開孔率が2%未満の場合は、海底に播種シートを敷設する際の水の抵抗が大きいため、播種シートを円滑に敷設することが難しい。一方、貫通孔の開孔率が50%を超えると、海底に播種シートを敷設する際の水の抵抗が小さくなり、播種シートを円滑に敷設できるが、シート状物自身の強度が低下する恐れがある。 【0012】固着剤としては、30重量%以上の保水率(20℃×65%相対湿度条件下)を有する水溶性高分子が好ましく、例えば、カルボキシルメチルセルロースを主体とするもの、メチルセルロースを主体とするものなどが好ましく使用される。この固着剤は、生分解性も兼ね備えていることが望ましい。 【0013】以上の説明では、アマモの種子を被覆した場合について説明したが、これに限らない。アマモの種子など湿潤生物活性を有する種子に広く適用することができる。また、所望により、種子12が付着しているシート状物11の上に不織布シートを貼りつけて種子12の脱落を防ぐようにしてもよい。この不織布シートは、シート状物11の貫通孔23に対峙する箇所に同様の孔が設けられている。 【0014】 【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。 実施例湿潤生物活性を有する種子として、海水中に浸漬中のアマモ種子200粒を取り出し、直ちにカルボキシメチルセルロース(ダイセル化成品株式会社製、製品名;CMCダイセル1110)水溶液に所定の被膜を形成させるように浸漬した。その後、20℃×65%相対湿度条件下に、3日間放置して、乾燥させ、乾燥前後の重量から、カルボキシメチルセルロースの保水率を測定したところ、40%であった。また、乾燥前後の種子の被膜を電子顕微鏡で測定した結果、40μmであった。さらに、3日経過後の被膜種子を、水深3mの砂泥質の海底に播種して発芽試験を行った。発芽性は、8週間後の発芽率が35%前後であり、通常法(海水中に浸漬中のアマモ種子を200粒取り出し、カルボキシメチルセルロース溶液処理をせず、そのまま播種シートと同時期に水深3mの砂泥質に播種した)の発芽率と同等であり、良好であった。さらに、生分解性を、浸漬1ケ月後に、種子のまわりに被膜残渣があるかどうかで判断した結果、1ケ月後に被膜残渣がなく、生分解性は良好であった。なお、被膜を形成させず、3日間放置した種子は、発芽しなかった。 【0015】 【発明の効果】上記のように、本発明は、湿潤生物活性を有する種子の全表面を水溶性高分子の被膜で覆うため、湿潤生物活性を有する種子を湿潤状態で保持することができる。このため、播種シートを製造する際に、大気中に種子を放置しても、発芽性や発根性が悪化したり、死滅したりすることがない。また、濡れたままの種子より取り扱い易く、播種シートの製造が容易になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003001 【氏名又は名称】帝人株式会社 【識別番号】000222668 【氏名又は名称】東洋建設株式会社 【識別番号】598033631 【氏名又は名称】モリエコロジー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】白井 重隆
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| 【公開番号】 |
特開平11−243718 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−61874 |
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