| 【発明の名称】 |
乗用型田植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】高尾 裕
【氏名】園田 義昭
【氏名】坂野 倫祥
【氏名】中村 正一
【氏名】中川 善清
【氏名】松村 哲也
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| 【要約】 |
【課題】苗の植付作業と同時に施肥作業を行えるように構成された乗用型田植機において、田面に薬剤を送り込む施薬作業を行える構造を簡素に構成する。
【解決手段】肥料ホッパー17及び肥料繰り出し部16を、機体の後部における運転座席の後側に備えて、肥料繰り出し部16と苗植付装置側の送り込み部とを案内路19,26で接続し、案内路19,26に風を送り込むことにより肥料を案内路19,26に沿って送り込み部に搬送する送風機構を備える。薬剤ホッパー43と薬剤繰り出し部44とを備えて、薬剤繰り出し部43からの薬剤を案内路19,26に供給する補助案内路49を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体の後部に昇降操作自在に連結されたリンク機構に、苗植付装置及び田面に肥料を送り込む送り込み部を備え、肥料を貯留する肥料ホッパーと、前記肥料ホッパーから肥料を繰り出す肥料繰り出し部とを、機体の後部における運転座席の後側に備えて、前記肥料繰り出し部と前記送り込み部とを接続する案内路を備え、前記案内路に風を送り込むことにより、前記肥料繰り出し部から前記案内路に繰り出された肥料を前記案内路に沿って前記送り込み部に搬送する送風機構を備えると共に、薬剤を貯留する薬剤ホッパーと、前記薬剤ホッパーから薬剤を繰り出す薬剤繰り出し部とを機体に備えて、前記薬剤繰り出し部からの薬剤を前記案内路に供給する補助案内路を備えてある乗用型田植機。 【請求項2】 機体の後部における運転座席の後側において肥料ホッパー及び肥料繰り出し部の後側に、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部を配置してある請求項1記載の乗用型田植機。 【請求項3】 機体の後部における運転座席の後側において肥料ホッパー及び肥料繰り出し部の前側に、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部を配置してある請求項1記載の乗用型田植機。 【請求項4】 送風機構から前記案内路に風が送り込まれる部分よりも肥料繰り出し部側の部分に、補助案内路を接続してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。 【請求項5】 肥料繰り出し部を肥料ホッパーよりも幅狭に形成し、前記肥料ホッパーの下部に前記肥料繰り出し部を配置すると共に、前記肥料ホッパーの一側部に薬剤ホッパーを入り込ませて配置し、前記薬剤ホッパーの下部で前記肥料繰り出し部の一側部に、薬剤繰り出し部を配置してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。 【請求項6】 案内路に薬剤を供給する供給位置及び案内路への薬剤の供給を遮断する遮断位置に亘って操作自在なシャッターを備えてある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。 【請求項7】 シャッターを供給位置に操作している状態において、所定の大きさ以下の薬剤の通過を許す複数のふるい孔を、前記シャッターに備えてある請求項6に記載の乗用型田植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機体の後部に昇降操作自在に連結されたリンク機構に、苗植付装置を備えた乗用型田植機の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】前述のような乗用型田植機では、機体の後部に昇降操作自在に連結されたリンク機構に、苗植付装置及び田面に肥料を送り込む送り込み部を備え、肥料を貯留する肥料ホッパーと、肥料ホッパーから肥料を繰り出す肥料繰り出し部とを、機体の後部における運転座席の後側に備えて、肥料繰り出し部と送り込み部とを案内路で接続し、案内路に風を送り込む送風機構を備えたものがある。これにより、肥料ホッパーの肥料が肥料繰り出し部によって繰り出されると、送風機構の風による搬送作用により、肥料が案内路に沿って送り込み部まで搬送され、送り込み部から肥料が田面に送り込まれて、苗の植付作業と同時に施肥作業が行われる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年では乗用型田植機において苗の植付作業と同時に、殺虫剤や殺菌剤等の薬剤を田面に送り込む施薬作業を行うことが提案されている。前述のような乗用型田植機において施薬作業を行う場合には、肥料ホッパー及び肥料繰り出し部と同様に、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部を備える必要がある。本発明は、苗の植付作業と同時に施肥作業を行えるように構成された乗用型田植機において、田面に薬剤を送り込む施薬作業を行える構造を簡素に構成することを目的としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によると、肥料ホッパーから肥料が繰り出されて、送風機構の風による搬送作用により、肥料が案内路に沿って送り込み部まで搬送され、送り込み部から肥料が田面に送り込まれて、苗の植付作業と同時に施肥作業が行われる。この場合、薬剤ホッパーから薬剤繰り出し部により薬剤が繰り出されて、補助案内路を介して薬剤が案内路に供給されるのであり、送風機構の風による搬送作用により、薬剤が案内路に沿って送り込み部まで搬送され、送り込み部から薬剤が田面に送り込まれて施薬作業が行われる。 【0005】このように請求項1の特徴によると、既存の構成と言ってよい肥料の案内路、送風機構及び送り込み部を利用して、薬剤を田面に送り込むことができるので、肥料の案内路、送風機構及び送り込み部を、薬剤の案内路、送風機構及び送り込み部に兼用することができて、薬剤の専用の案内路、送風機構及び送り込み部を備える必要がなくなる。 【0006】[II]請求項2及び3の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。機体の後部に昇降操作自在に連結されたリンク機構に苗植付装置を備えた乗用型田植機では、苗植付装置が重量物なので機体の後側が重くなる傾向にあり、比較的重量のある肥料ホッパー及び肥料繰り出し部を苗植付装置に備えると、機体の後側がさらに重くなる傾向になる。 【0007】請求項1の特徴によると、比較的重量のある肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が、機体の後部における運転座席の後側に備えられており、苗植付装置よりも前側に肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が配置されているので、乗用型田植機の前後の重量バランスと言う面で好ましいものとなっている。請求項2及び3の特徴によると、機体の後部における運転座席の後側に、肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が備えられるのに加えて、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部が備えられているので、乗用型田植機の前後の重量バランスと言う面でさらに好ましいものとなる。 【0008】請求項2の特徴のように、機体の後部における運転座席の後側において、前側に肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が配置され、後側に薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部が配置されると、運転座席に肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が近いものとなる。これにより、作業者が比較的重量のある肥料袋を手で持って運転座席側から肥料ホッパーに肥料を補給する際、あまり手を延ばさずに楽な状態で、肥料ホッパーに肥料を補給することができる。 【0009】一般に田面に送り込む肥料の量に比べて、田面に送り込む薬剤の量は少ないので、肥料ホッパーに比べて薬剤ホッパーは小さなものでよい。これにより、請求項3の特徴のように、機体の後部における運転座席の後側において、後側に肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が配置され、前側に薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部が配置されると、運転座席側から肥料ホッパーの前面と薬剤ホッパーの前面の両方を目視することができるので(肥料ホッパーよりも薬剤ホッパーの方が小さくなる点による)、運転座席側の作業者が肥料ホッパーの残量及び薬剤ホッパーの残量の両方を容易に確認することができる。 【0010】[III]請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項4の特徴によると、送風機構から案内路に風が送り込まれる部分よりも肥料繰り出し部側の部分に補助案内路が接続されているので、送風機構から案内路に風が送り込まれる部分に、肥料繰り出し部からの肥料に加えて薬剤繰り出し部からの薬剤も供給されて、送風機構の風による搬送作用により、肥料及び薬剤が案内路に沿って送り込み部まで搬送される。 【0011】従って、送風機構から案内路に風が送り込まれる部分と送り込み部との間において、薬剤が送り込まれる供給口を案内路に形成する必要がない。このように搬送機構の風にとって、乱流や圧力損失の発生源となる供給口が、前述のように案内路の途中に形成されていなければ、送風機構の風による搬送作用が乱されることなく、肥料及び薬剤が送り込み部まで安定して搬送される。 【0012】[IV]請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。前項[II]に記載のように、一般に田面に送り込む肥料の量に比べて、田面に送り込む薬剤の量は少なく、肥料ホッパーに比べて薬剤ホッパーは小さなものでよい。これにより、請求項5の特徴のように、肥料ホッパーの一側部に薬剤ホッパーを入り込ませて配置し、薬剤ホッパーの下部で肥料繰り出し部の一側部に薬剤繰り出し部を配置すると、肥料ホッパーに薬剤ホッパーが埋め込まれたような状態となるので、平面視において肥料ホッパーの範囲から、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部が大きく出ると言うような状態を避けることができる。 【0013】[V]請求項6の特徴によると、請求項1〜5のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項6の特徴のように、案内路に薬剤を供給する供給位置、及び案内路への薬剤の供給を遮断する遮断位置に亘って操作自在なシャッターを備えることにより、肥料のみを送り込む部に搬送して田面に送り込むようにする施肥作業のみを行う状態と、肥料及び薬剤を送り込む部に搬送して田面に送り込むようにする施肥作業及び施薬作業を行う状態とを、任意に選択することができる。 【0014】[VI]請求項7の特徴によると、請求項6の場合と同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項7の特徴のようにシャッターの供給位置に複数のふるい孔を備えると、大きな薬剤の粒や薬剤に入り込んだ大きな異物等が案内路に入り込むことを、シャッターによって阻止できるので、大きな薬剤の粒や大きな異物等が案内路に入り込むことによる詰まりを未然に防止することができる。この場合、複数のふるい孔を備えた専用のふるい部材を、シャッターとは別に備える必要がなく、シャッターがふるい部材に兼用されることになる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2で支持された機体の前部に、エンジン3及びミッションケース4を備えて、機体の中央部に運転部5を形成し、機体の後部にリンク機構6を昇降操作自在に連結して、リンク機構6に6条植えの苗植付装置7を備えて乗用型田植機が構成されている。苗植付装置7は6条植えに構成されており、3個の植付伝動ケース8、植付伝動ケース8の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース9、回転ケース9の両端に備えられる一対の植付爪10、3個の接地フロート11及び苗のせ台12等により構成されている。 【0016】次に施肥作業の構成について説明する。図1,2,3に示すように、機体の後部においてリンク機構6が連結されるフレーム13の上部に、機体左右方向に沿って支持フレーム14が固定されて、3個の肥料繰り出し部16が支持フレーム14に連結されている。透明樹脂製の3個の肥料ホッパー17が、3個の肥料繰り出し部16の上部に亘り取り付けられて、図2及び図4に示すように、3個の肥料ホッパー17が互いに連結されており、3個の肥料ホッパー17に亘る1個の蓋部17a(透明樹脂製)が、後側の横軸芯P3周りに開閉自在に備えられている。これにより、図1及び図3に示すように、肥料繰り出し部16及び肥料ホッパー17が、運転部5の運転座席23の後側に配置されている。 【0017】図1に示すように植付爪10によって植え付けられた苗の横側部に、溝を形成しながら肥料及び薬剤を田面に送り込んでいく作溝器18が備えられ、6個の作溝器18が接地フロート11に各々2個ずつ取り付けられている。図1,2,3,5,6に示すように、1個の肥料繰り出し部16と2個の作溝器18とが、2個の漏斗部26及び2本のホース19によって接続されている。 【0018】図5及び図6に示すように、肥料繰り出し部16において駆動軸15が回転自在に支持されている。外周部にフィン24a及び仕切り板24b(片面のみ)を備えた3種類のリング部材24が、駆動軸15に2個ずつ合計6個固定されており、リング部材24のフィン24a及び仕切り板24bにより凹部が形成されている。図6に示すように3種類のリング部材24において、横幅及びフィン24aの長さ(凹部の深さ)が各々異なるものに設定されている。 【0019】図2,3,5,6に示すように、3個の肥料繰り出し部16のボス部16aに亘り、断面六角状の1本の駆動軸32が回転自在に支持されており、駆動軸32に相対回転自在に外嵌されたギヤ30が、駆動軸15のギヤ15aに咬合している。シフト部材31が駆動軸32に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、シフト部材31をギヤ30への咬合側に付勢するバネ35が備えられている。図1及び図2に示すように、苗植付装置7に動力を伝達するPTO軸29がミッションケース4から延出され、PTO軸29から動力を取り出す伝動ケース28がPTO軸29に外嵌されており、伝動ケース28の両側に位相が異なる一対の駆動アーム34が備えられている。図1,2,3に示すように駆動軸32にワンウェイクラッチ33が外嵌され、駆動アーム34とワンウェイクラッチ33のアーム33aとが連係ロッド37により連結されている。 【0020】図1及び図2に示すように、支持フレーム14の端部にブロア20及びブロア20を駆動するモータ22が支持されて、ブロア20から支持フレーム14に沿って1本のパイプ39が延出されている。図2及び図3に示すように、肥料繰り出し部16の下部に接続された2個の漏斗部26において、漏斗部26の送風口26aがパイプ39に挿入されている。 【0021】以上の構造により、PTO軸29の動力によって苗植付装置7の回転ケース9が回転駆動され、一対の植付爪10により苗のせ台12から交互に苗が取り出され田面に植え付けられて、苗の植付作業が行われる。これと同時に、伝動ケース28の駆動アーム34の回転運動による連係ロッド37の往復運動が、ワンウェイクラッチ33により回転運動に変換されて、駆動軸32,15が間欠的に回転駆動される。 【0022】これにより、図5及び図6に示すようにリング部材24のフィン24a及び仕切り板24bにより形成された凹部に、肥料ホッパー17から肥料が入り込み、駆動軸15の間欠的な回転により肥料が漏斗部26に繰り出される。ブロア20からの高圧の風が、パイプ39及び漏斗部26を通ってホース19に供給されており、高圧の風により肥料がホース19を通って作溝器18に供給され、作溝器18により田面に形成された溝に肥料が送り込まれて施肥作業が行われる。 【0023】図3に示すように、ワンウェイクラッチ33のアーム33aにおいて、連係ロッド37の連結位置を変更することができるように構成されている。このように連係ロッド37のアーム33aへの連結位置を変更することにより、連係ロッド37の往復運動に対するアーム33aの揺動角度を変更し、駆動軸32及びリング部材24の回転速度を変更して、繰り出される肥料の量を調節することができる。 【0024】図5及び図6に示すように、リング部材24の上側にシャッター40が挿入自在及び抜き取り自在に配置されている。これにより、図6に示すようにリング部材24に対してシャッター40を挿入すると、残りのリング部材24のフィン24a及び仕切り板24bにより形成される凹部にしか肥料が入り込まず、繰り出される肥料が少ないものとなる。逆に図6に示す状態から全てのシャッター40を抜き取ると、全てのリング部材24のフィン24a及び仕切り板24bにより形成される凹部に肥料が入り込んで、繰り出される肥料が多いものとなる。このようにシャッター40を任意に挿入及び抜き取ることによって、繰り出される肥料の量を調節することができる。 【0025】一つの植付伝動ケース8(一対の回転ケース9)に対して動力を伝動及び伝動遮断操作自在な各条クラッチ(図示せず)、各条クラッチを伝動及び伝動遮断操作する各条クラッチレバー(図示せず)が備えられている。図6に示すように、肥料繰り出し部16の固定部の軸芯P1周りに、L字状の操作アーム36が揺動自在に支持されて、操作アーム36の端部がシフト部材31に係合しており、各条クラッチレバーと操作アーム36とがワイヤ38により接続されている。 【0026】これにより、例えば右側の植付伝動ケース8の各条クラッチレバーを伝動遮断側に操作して、右側の植付伝動ケース8の各条クラッチを伝動遮断操作すると、右側の植付伝動ケース8の一対の回転ケース9が停止して、右側の2つの植付条の植え付けが行われず、右側の2つの植付条に対応する肥料繰り出し部16の駆動軸15が停止して、右側の2つの植付条への肥料の供給が停止する。 【0027】図5及び図3に示すように、漏斗部26に切換板41が横軸芯P2周りに揺動操作自在に支持されており、切換板42の下側から排出ホース42が下方に延出されている。通常の苗の植付作業時には、切換板41は図5の実線で示す閉姿勢に操作されており、肥料ホッパー17からの肥料は漏斗部26に繰り出される。通常の苗の植付作業を終了した場合等において、ブロア20及び苗植付装置7(PTO軸29)を停止させた状態で、切換板41を開姿勢に操作すると、肥料ホッパー17に残った肥料が排出ホース42に入って排出される。 【0028】次に施薬作業の構成について説明する。図5及び図6に示すように、肥料ホッパー17は下すぼまり状に形成されて、肥料ホッパー17よりも肥料繰り出し部16が幅狭に形成されている。図1〜図5に示すように、肥料ホッパー17よりも幅狭で透明樹脂製の薬剤ホッパー43が備えられ、肥料ホッパー17における運転座席23とは反対側部において、肥料ホッパー17に薬剤ホッパー43が入り込むように配置されており、薬剤ホッパー43の下部が肥料ホッパー17の下部から下方に出ている。薬剤ホッパー43の下部に薬剤繰り出し部44が接続されており、薬剤繰り出し部44が肥料繰り出し部16の後側に位置するように支持フレーム14に連結されている。 【0029】図2,3,5に示すように、3個の薬剤繰り出し部44に亘り1本の駆動軸45が回転自在に支持されており、図5及び図7に示すように外周部に凹部46aを2列備えた繰り出しロール46が、薬剤繰り出し部44において駆動軸45に固定されている。図2及び図3に示すように駆動軸45にワンウェイクラッチ47が外嵌され、連係ロッド37とワンウェイクラッチ47のアーム47aとが連係ロッド48により連結されている。図5及び図7に示すように薬剤繰り出し部44の下部から2本のパイプ49が延出されており、パイプ49が漏斗部26に接続されている。 【0030】この場合、図5に示すように漏斗部26において、ブロア20から高圧の風が供給される送風口26aよりも上側(肥料繰り出し部16側)に、パイプ49が接続されている。漏斗部26において、送風口26aの上端部26bよりも上側に(肥料繰り出し部16側)、パイプ49が接続される部分の下端部26cを位置させており、送風口26aからの高圧の風がパイプ49に入り込まないようにしている。 【0031】以上の構造により、PTO軸29の動力による連係ロッド37の往復運動が、ワンウェイクラッチ47により回転運動に変換されて、駆動軸45及び繰り出しロール46が間欠的に回転駆動され、繰り出しロール46の凹部46aに、薬剤ホッパー43から薬剤が入り込んで、薬剤がパイプ49を介して漏斗部26に繰り出される。ブロア20からの高圧の風が、パイプ39及び漏斗部26を通ってホース19に供給されており、高圧の風により薬剤がホース19を通って作溝器18に供給され、作溝器18により田面に形成された溝に薬剤送り込まれて施薬作業が行われる。 【0032】図3に示すように、ワンウェイクラッチ47のアーム47aに、連係ロッド48を連結する為の多数の連結孔47bが形成されており、連係ロッド48のアーム47aへの連結位置を連結孔47bによって変更することができる。このように連係ロッド48のアーム47aへの連結位置を変更することにより、連係ロッド37の往復運動に対するアーム47aの揺動角度を変更し、駆動軸45及び繰り出しロール46の回転速度を変更して、繰り出される薬剤の量を調節することができる。 【0033】図7及び図8に示すように平板状のシャッター50が備えられ、シャッター50に長方形状の一対の開口部50aが形成され、開口部50aの間に長孔50bが形成されている。これにより、薬剤繰り出し部44の内部において、一対のシャッター50が重ね合わされて、両方の長孔50bにビス51が挿入され、繰り出しロール46の2列の凹部46aを仕切る仕切り部44a(薬剤繰り出し部44に固定されている)に、ビス51が固定されており、シャッター50がスライド自在に支持されている。 【0034】従って、薬剤繰り出し部44において、図9(イ)に示すように両方のシャッター50を外側に引き出すと、両方のシャッター50の開口部50aが繰り出しロール46の2列の凹部46aの上側に位置して、薬剤が両方のパイプ49に繰り出される。図9(ロ)に示すように例えば紙面右側のシャッター50を押し込むと、紙面右側のシャッター50の開口部50aが、紙面左側のシャッター50の開口部50aに重なって、繰り出しロール46において紙面右側の列の凹部46aが閉じられた状態となり、紙面左側のパイプ49にしか薬剤が繰り出されない。同様に紙面左側のシャッター50を押し込むと、紙面右側のパイプ49にしか薬剤が繰り出されない。図9(ハ)に示すように両方のシャッター50を押し込むと、両方のシャッター50の開口部50aが閉じられて、両方のパイプ49に薬剤が繰り出されない。 【0035】これによって、各条クラッチが伝動操作されて苗の植付作業及び施肥作業が行われている2つの植付条において、図9(イ)に示すように薬剤繰り出し部44の両方のシャッター50を外側に引き出せば、2つの植付条(作溝器18)に薬剤が供給される。前述の状態において図9(ロ)に示すように、一方のシャッター50を押し込むと、苗の植付作業及び施肥作業が行われている2つの植付条において、一方の植付条(作溝器18)にのみ薬剤が供給される状態を設定することができる。前述の状態において図9(ハ)に示すように両方のシャッター50を押し込むと、苗の植付作業及び施肥作業が行われている2つの植付条において、両方の植付条(作溝器18)に薬剤が供給されない状態を設定することができる。前述のように各条クラッチを伝動遮断操作した場合には、両方のシャッター50を押し込んで、両方の植付条(作溝器18)に薬剤が供給されない状態を設定する。 【0036】図5に示すように薬剤繰り出し部44に排出パイプ44bが形成されており、排出パイプ44bにキャップ21が取り付けられている。通常の苗の植付作業時には、排出パイプ44bにキャップ21が取り付けられており、通常の苗の植付作業を終了した場合等において、ブロア20及び苗植付装置7(PTO軸29)を停止させた状態で、キャップ21を取り外すことにより、薬剤ホッパー43に残った薬剤が排出パイプ44bから排出される。 【0037】〔発明の実施の別形態〕図1〜図5に示す構成に代えて、図11に示すように構成してもよい。図11に示すように、互い連結された透明樹脂製の3個の肥料ホッパー17及び肥料繰り出し部16を、運転部5の運転座席23の後側に配置した状態において、肥料ホッパー17が下すぼまり状に形成され、肥料繰り出し部16が肥料ホッパー17よりも幅狭に形成されて支持フレーム14に連結されている。 【0038】肥料ホッパー17よりも幅狭で透明樹脂製の薬剤ホッパー43が備えられ、肥料ホッパー17における運転座席23側(図11の紙面左側)において、肥料ホッパー17に薬剤ホッパー43が入り込むように配置されており(図4の紙面左右の反転させたような状態)、薬剤ホッパー43の下部が肥料ホッパー17の下部から下方に出ている。薬剤ホッパー43の下部に薬剤繰り出し部44が接続されており、薬剤繰り出し部44が肥料繰り出し部16の前側に位置するように支持フレーム14に連結されている。 【0039】薬剤繰り出し部44の下部から2本のパイプ49が延出されており、パイプ49が漏斗部26に接続されている。この場合、漏斗部26において、ブロア20から高圧の風が供給される送風口26a及びパイプ39よりも上側(肥料繰り出し部16側)に、パイプ49が接続されている。 【0040】図9に示す構成におけるシャッター50の開口部50aに代えて、図10に示すように、小さな複数のふるい孔50cをシャッター50に形成して、大きな薬剤の粒や、薬剤に入り込んだ大きな異物等が、繰り出しロール46に達しないように構成してもよい。 【0041】 【発明の効果】請求項1の特徴によると、苗の植付作業と同時に施肥作業を行えるように構成された乗用型田植機において、肥料の案内路、送風機構及び送り込み部を、薬剤の案内路、送風機構及び送り込み部に兼用して、支障なく薬剤を田面に送り込んで施薬作業が行えるようになり、薬剤の専用の案内路、送風機構及び送り込み部を備える必要がなくなって、構造の簡素化の面で有利なものなった。 【0042】請求項2及び3の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項2及び3の特徴によると、機体の後部における運転座席の後側に(苗植付装置よりも前側に)、肥料ホッパー及び肥料繰り出し部に加えて、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部を配置することにより、乗用型田植機の前後の重量バランスを好ましいものにすることができて、乗用型田植機の走行安定性を向上させることができた。 【0043】請求項2の特徴によると、運転座席に肥料ホッパー及び肥料繰り出し部が近いものとなり、比較的重量のある肥料袋であっても、あまり手を延ばさずに楽な状態で、肥料袋から肥料ホッパーに肥料を補給することができるようになって、乗用型田植機の作業性を向上させることができた。 【0044】請求項3の特徴によると、一般に田面に送り込む肥料の量に比べて、田面に送り込む薬剤の量は少なく、肥料ホッパーに比べて薬剤ホッパーは小さなものでよい点を有効に利用することにより、運転座席側から肥料ホッパーの前面と薬剤ホッパーの前面の両方を目視して、肥料ホッパーの残量及び薬剤ホッパーの残量の両方を容易に確認することができるようになり、乗用型田植機の作業性を向上させることができた。 【0045】請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜3のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項4の特徴によると、送風機構から案内路に風が送り込まれる部分と送り込み部との間において、薬剤が送り込まれる供給口を案内路に形成する必要がないので、乱流や圧力損失の発生を抑えながら、送風機構の風による搬送作用により肥料及び薬剤を送り込み部まで安定して搬送することができるようになって、施肥性能及び施薬性能を向上させることができた。 【0046】請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜4のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項5の特徴によると、一般に田面に送り込む肥料の量に比べて、田面に送り込む薬剤の量は少なく、肥料ホッパーに比べて薬剤ホッパーは小さなものでよい点を有効に利用することにより、平面視において肥料ホッパーの範囲から、薬剤ホッパー及び薬剤繰り出し部が大きく出ることがないように構成することができるようになって、乗用型田植機の全体のコンパクト化及び小型化を図ることができた。 【0047】請求項6の特徴によると、請求項1〜5のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜5のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項6の特徴によると、肥料のみを送り込む部に搬送して田面に送り込むようにする施肥作業のみを行う状態と、肥料及び薬剤を送り込む部に搬送して田面に送り込むようにする施肥作業及び施薬作業を行う状態とを、任意に選択することができるようになって、乗用型田植機の作業性をさらに向上させることができた。 【0048】請求項7の特徴によると、請求項6の場合と同様に前述の請求項6の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項7の特徴のように、シャッターの供給位置に複数のふるい孔を備えることにより、大きな薬剤の粒や大きな異物等が案内路に入り込むことによる詰まりを未然に防止することができるようになって、施肥性能及び施薬性能をさらに向上させることができた。この場合、複数のふるい孔を備えた専用のふるい部材をシャッターとは別に備える必要がなく、シャッターをふるい部材に兼用することができるので、構造の簡素化の面でも有利なものとなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−225523 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−29987 |
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