トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 植物栽培用包装体
【発明者】 【氏名】青沼 武三

【要約】 【課題】種子を肥料成分や土壌成分等と区分して個別に包装し、長期間の保管を行い得るとともに、種子を散布してから植物の成長に必要な肥料等を容易に供給できるようにする。

【解決手段】包装体1には植物の種子10と栽培土壌成分11および肥料成分12を個別に区分して包装し、前記各包装体をシールを介して1つのユニットとして組み合わせたものを、区分シール5に設けたミシン目6を介して切り離し得るように構成する。前記包装のためには、シート材料2を水溶性のシートを用いて構成し、散布した後でシート材料を自然に溶解させるとともに、発芽した種子に成長するための土と肥料成分を供給できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分との3種類の成分を、水溶性のシート状材料を用いて別個の包装体として構成し、前記3種類の成分を前記包装体中で個別に分割して設け、前記3種類の包装物を1つのユニットとして種蒔き可能に構成することを特徴とする植物栽培用包装体。
【請求項2】 前記包装体に含まれる肥料成分としては、速効性肥料と遅効性肥料成分を混合して収容することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培用包装体。
【請求項3】 前記植物の種子には、発芽時期や花の咲く時期の異なるものを混合して収容し、緑化する場所に散布可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培用包装体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の種子を培養土および肥料成分とともに包装した植物栽培用包装体に関し、特に、肥料成分等と種子とを別個のパックに包装したものを組み合わせて栽培可能な植物栽培用包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】花等を栽培する場合には、温室の苗床に種蒔きし、発芽後に所定の長さにまで成長してから、数本ずつ小型のポットに植え代えて、成長させるような方法が用いられている。そして、その成長時期に合わせて肥料等を随時供給する等の、栽培の管理方法が用いられている。また、畑等に直接種蒔きをする場合にも、発芽後にその成長に合わせた肥料の散布を行って、花や植物の栽培を行っている。そして、例えば、花壇に花等を飾る場合には、温室で栽培した苗を花壇に移植することにより、その時期に合わせた花を飾るようなことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、広い花壇に時節に合わせた花等を植え代えることと、植物の成長時期に合わせた肥料の供給等の管理を行うことは、非常に多くの手間を必要とする等の問題がある。そこで、本発明者は、特開平9−215407号公報に示しているように、植物の種子と肥料成分とを一体化して構成することにより、荒れ地等に種子を散布してから、手間をかけずに花等を栽培できるような栽培方法を提案した。前記従来例においては、種子を肥料等の影響を受けないように気泡を多く含む粉末材料を用いて被覆し、その周囲を肥料成分や栽培土壌成分で覆って、所定のサイズの粒状に形成したものを用いることによって、花等の栽培を容易に行い得るようにしている。
【0004】しかしながら、ケシ粒のように、種子が非常に細かいものである場合や、種子が傷付きやすいものの場合には、粒状に形成できないことがある。また、春から秋までに咲く複数の種類の花を一度に撒いて、管理を容易に行い得るようにすることが考えられているが、その場合には、多数の種類の種子を混合したものを、荒れ地等に散布する方法が用いられている。ところが、そのような種子の散布方法を用いる場合には、種子を無駄にすることが多くあり、発芽した後での肥料の供給等にも問題が残っている。
【0005】本発明は、前述したような従来の植物栽培方法の課題を解消するもので、種子と土壌成分、肥料成分等をそれぞれの対象とされる種子に合わせて、水溶性の包装物に収容した個別の包装体として形成しておき、花等を容易に栽培可能な植物栽培用包装体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物栽培用包装体に関するもので、本発明の請求項1の発明は、植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分とを、水溶性のシート状材料を用いて別個の包装体として構成し、前記植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分とを、前記包装体中で個別に分割して設け、前記3種類の包装物を1つのユニットとして種蒔き可能に構成することを特徴とする。請求項2の発明は、前記包装体に含まれる肥料成分としては、速効性肥料と遅効性肥料成分を混合して収容することを特徴とする。請求項3の発明は、前記植物の種子には、発芽時期や花の咲く時期の異なるものを混合して収容し、緑化する場所に散布可能とすることを特徴とする。
【0007】前述したように、植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分の成分を個別に包装したものを1つのユニットとして組み合わせ、緑化する荒れ地や野原等の場所に散布することにより、種子が発芽してから花の咲く時期まで楽しむことができる。そして、特に手入れをしなくても、緑化場所を維持することが可能となり、その植物の成育を良好に維持することができる。また、花の咲く時期の異なる種子と、遅効性肥料とを組み合わせたユニットを用いる場合には、その花の発芽と成長時期に合わせて肥料成分を作用させることができるので、緑化の状態を良好に維持できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発明の植物栽培用包装体を説明する。図1に示す例は、植物の種子10と栽培土壌成分11および肥料成分12をそれぞれシート材料2により区分して、包装体1を構成する場合を示している。前記包装体1においては、例えば、2枚のシート材料2の間に各成分を挿入して、両側を側部シール3、3aによりシールし、植物の種子、栽培土壌成分および肥料成分の各構成材料を、中部シール4、4……により区分して構成する。また、前記包装体1においては、植物の種子10、栽培土壌成分11、肥料成分12を1つのユニットとして区分するために、そのユニットを区分する位置に巾の広い区分シール5を設け、前記区分シール5にミシン目6のような切り離し部分を設けている。
【0009】図2に示す包装体1aにおいては、巾の広いシート材料2を用いて包装体を形成した場合を示しているもので、包装体の巾方向に植物の種子10、栽培土壌成分11および肥料成分12の各包装体を平行に配置し、各包装体の間には中部シール4……を形成し、側部には側部シール3、3aを設けている。また、各ユニットの間には、ミシン目6を設けた巾の広い区分シール5設け、3種類の包装体を1つのユニットとして、ミシン目6を介して切り離すことができるように構成している。
【0010】前述したように構成した包装体において、例えば、種子を畑やプランター等に撒く場合には、図3に示すように、植物の種子10と栽培土壌成分11および肥料成分12を図のように重ねて、畑の土の中に埋めるようにする。また、前記図3のように重ねないで、3つの包装体を任意に土に埋めても良く、地面に包装体のユニットを置くだけでも良い。さらに、畑に種を蒔く場合の他に、堤防の法面や荒れ地等に花や植物を栽培しようとする場合には、包装体のユニットを切り離した状態で、そのまま地面上に散布してもよい。
【0011】前記図1、2に示すような包装体において、シート材料2としては、水溶性の紙や水溶性のプラスチック材料等を、薄いシート状に形成したものを用いることが可能である。前記シート材料を水溶性のシートで構成する場合には、例えば、植物の種子を散布してから、シート材料が水の影響を受けて溶解するまでの時間を任意に設定することができる。そして、種蒔きをしてから、シート材料が一部溶解して植物の種子に水分が供給されることにより植物の種子が発芽し始め、シート材料が溶解されるにつれて植物の芽が成長する状態となる。前記植物の種子の発芽と合わせて、栽培土壌成分11を包装しているシート材料と、肥料成分12を包装しているシート材料のそれぞれが溶解して、栽培土壌成分と肥料成分の各々が露出されるので、発芽した植物では、栽培土壌成分に根を成長させ、肥料成分を吸収して成長することができる。
【0012】前記栽培土壌成分11に包装する材料として、例えば、通常の黒土に加えて、ゼオライトやバーミキュライト、パーライト等のような内部に空隙を多く包含する無機質成分、木炭や活性炭等のような炭素成分、貝やさんご等のような多孔質のカルシウム成分等を任意の比率で混合したものを用いることができる。また、前記各成分に加えて、従来より土壌改良剤として用いられている任意の成分を混合して用いることができ、それ等の成分に加えて、磁化した鉄分や、その他の微量ミネラル成分を混合すると良い。そして、前述したような栽培土壌成分に植物の幼い根が触れても、根を痛めたりすることがなく、根の成長を促進できるような作用を行わせる。
【0013】前記肥料成分12としては、窒素、リン酸、カリの肥料の3要素を含む化成肥料を用いることができるが、望ましくは、完熟堆肥成分を主とする有機質の肥料成分を用いると、自然に優しい肥料として構成できる。また、前記完熟堆肥成分に化成肥料を混合して、その植物に適した肥料を構成することができる。さらに、前記肥料成分としては、例えば、特公平7−68073号公報に開示されているような遅効性肥料を、完熟堆肥成分や化成肥料の混合体に追加し、速効性と遅効性とを兼ね備えた肥料として構成することも可能である。
【0014】なお、前記植物の種子10には、任意の植物の種子を対象とすることができるものであり、野菜の場合には、1種類の種子を用いる。これに対して、花壇や堤防等の法面、河川敷等のようなできれば手入れをせずに済ませようとする場所等に対しては、春から夏、秋にそれぞれ花を咲かせるように、四季咲きの種子を混合して植物の種子を構成することができる。例えば、四季咲きに対応させた混合種子は、従来より市販されているものであるから、そのような混合種子を植物の種子として用いる場合には、一度の種蒔きにより、緑化を行うことができるといわれる。
【0015】前記植物の種子10として多数種類の種子を、発芽時期と花の時期が異なるように混合した場合には、各種類の種子の発芽時期が違うので、肥料成分の要求時期が数カ月ずつ異なることになる。そこで、前記包装体に含ませる肥料成分には、前記遅効性肥料成分を適量混合して用いることによって、春に包装体を散布して、春に発芽して成長する種類の花に対しては速効性の肥料成分を供給し、夏に発芽して秋に花を咲かせるような種類の花には、遅効性肥料を供給できるようにする。なお、前記包装体に含まれる栽培土壌成分成分は、春に発芽する植物に利用されるが、その後に発芽する植物においては、先に発芽した植物の根により耕された土と、その根の枯れたもの等を利用して根を張ることができるので、新たに土壌成分を追加して供給しなくても良いと考えられる。
【0016】
【実施例】前記包装体1において、植物の種子10、栽培土壌成分11、および肥料成分12を包装するシート材料2には、例えば、花の咲く時期に対応させて、印刷の色を代えることができる。例えば、春、夏、秋のそれぞれの咲く時期に合わせて、黄色、赤色、緑色等の印刷を施すことにより、種蒔き時期に合わせて色分けできるようにする。また、咲く花の色に合わせた色を、シート材料に印刷しても良く、それ等の色とともに、花の種類を印刷して表示することも可能である。前記花の種類や色をシート材料に表示することの他に、植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分のそれぞれを、異なる色で表示する場合には、3つの成分を組み合わせて容易に切り離し得るようにすることもできる。
【0017】前記包装体においては、植物の種子に含まれる種子の数と花の種類等に対して、栽培土壌成分と肥料成分の量がそれぞれ異なる場合が多くある。そこで、花の種類に応じて、栽培土壌成分を大量に含ませることや、肥料成分の量を変化させることが要求されるために、前記包装体1に組み合わせる栽培土壌成分と肥料成分の量を、各包装体に対応させて容積の異なるものとして形成する。また、種子を散布する場所に対応させて、栽培土壌成分成分と肥料成分成分等を適宜調整して包装体を構成すると、地山をカットした斜面等のように、特に肥料成分が少ない場所でも、種子を発芽させて花が咲くまでの期間、植物の成長を助長させることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の植物栽培用包装体は、前述したように構成するものであるから、植物の種子と栽培土壌成分および肥料成分の各成分を個別に包装し、肥料等に接した際に変質しやすい種子を長期間安全に保存することができる。そして、前記個別に包装したものを1つのユニットとして組み合わせ、緑化する荒れ地や野原等の場所に散布することにより、種子が発芽してから花の咲く時期まで楽しむことができる。そして、特に手入れをしなくても、緑化場所を維持することが可能となり、その植物の成育を良好に維持することができる。また、花の咲く時期の異なる種子と、遅効性肥料とを組み合わせたユニットを用いる場合には、その花の発芽と成長時期に合わせて肥料成分を作用させることができるので、緑化の状態を良好に維持できる。
【出願人】 【識別番号】000105822
【氏名又は名称】ゴールド興産株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 紘
【公開番号】 特開平11−225509
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−54397