| 【発明の名称】 |
水田作業機の操向操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】児島 祥之
【氏名】山下 眞
【氏名】松木 直樹
【氏名】清水 孝式
【氏名】小谷 伸介
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| 【要約】 |
【課題】枕地での植付状態を良好にする為に、田植機の旋回作動において、旋回内側の走行装置の引き摺り現象を阻止する点にある。
【解決手段】左右後輪に対するサイドクラッチブレーキに作用して、クラッチ切り状態からブレーキ状態に切り換えるレリーズ部材45を設け、レリーズ部材45と対向して配置されたクラッチ部材51との対向側面に凹凸カム面50Aと51Aとを設け、クラッチ部材51を操向ペダルによってレリーズ部材45に近接させてカム面50A,51Aとを係合させて、レリーズ部材45を軸芯方向に正逆移動させ、クラッチ切り状態とクラッチ入り状態とを交互に切り換えて、旋回内側の後輪を引きずることのない程度で間欠回転させる、半伝動状態を現出するようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右後輪に対する各サイドクラッチブレーキを左右の人為的操作具への全ストローク操作で、クラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換える連係機構を設け、作業走行時には、一方の人為的操作具への全ストローク操作によっても、対応する一方の前記サイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態までに切換規制する規制機構を、前記連係機構に設けてある水田作業機の操向操作装置。 【請求項2】 左右後輪に対する左右のサイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換え可能に構成するとともに、作業走行時には、前記サイドクラッチブレーキを人為的操作具への全ストローク操作によっても半伝動状態を現出する機構を設けてある水田作業機の操向操作装置。 【請求項3】 左右後輪に対する各サイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換え可能に構成するとともに、作業走行時には、旋回操作によって、旋回内側の後輪に対応する一方の前記サイドクラッチブレーキを、クラッチ切り状態又は半伝動状態に切り換える切換機構を設けてある水田作業機の操向操作装置。 【請求項4】 前記切換機構が、ステアリングギヤボックス内に設けたステアリング用伝動機構と走行装置に対する左右のサイドクラッチブレーキとを連係するものである請求項3記載の水田作業機の操向操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、後輪に対する左右のサイドブレーキを左右の人為的操作具への操作で、ブレーキ入り状態に切り換える連係機構を設けてある水田作業機の操向操作装置に関する。 【0002】 【従来の技術】畦際での旋回操作においては、小回り旋回をする必要性より、左右一方の人為的操作具を操作して、旋回内側の後輪にブレーキを作用させるように構成してある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような構造の場合においては、旋回時において、旋回内側の走行装置にブレーキが作用する為に、ブレーキがかかっていない旋回外側の走行装置にひっぱられて、旋回内側の走行装置が引き摺られて圃面を荒らすことがあった。 【0004】本発明の目的は、サイドクラッチブレーキを備えた走行装置であっても、できるだけ小回り旋回を行いながら、圃場を荒らすことの少ない水田作業機の操向操作装置を提供する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1にかかる発明による特徴構成は、左右後輪に対する各サイドクラッチブレーキを左右の人為的操作具への全ストローク操作で、クラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換える連係機構を設け、作業走行時には、一方の人為的操作具への全ストローク操作によっても、対応する一方の前記サイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態までに切換規制する規制機構を、前記連係機構に設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0006】〔作用〕つまり、作業走行時においては、規制機構の働きによって、人為的操作具を操作してもクラッチ切り状態が現出されるだけで、旋回内側の後輪は自由転動可能であり、圃場を荒らすことは少ない。 【0007】〔効果〕これによって、畦際での旋回時において圃面の状態が荒らされることが少なく、植付作業最終工程での回り植え時において、植付を良好に行うことができる。特に、クラッチ切り状態にできるので、直進植付状態において走行機体の進行方向を基準状態に修正する際に、一方の後輪を駆動状態に維持しながら他方の後輪を遊転状態にして走行向きを変更でき、有効にこのクラッチ切り状態を活用できる。 【0008】〔構成〕請求項2にかかる発明による特徴構成は、左右後輪に対する左右のサイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換え可能に構成するとともに、作業走行時には、前記サイドクラッチブレーキを人為的操作具への全ストローク操作によっても半伝動状態を現出する機構を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0009】〔作用効果〕この発明においては、人為的操作具への操作によって半伝動状態が現出されるので、旋回内側の対応する後輪はクラッチが繋がった状態とクラッチが繋がらない状態との中間状態で作動することになり、走行機体の旋回作動を阻害することはなく、かつ、圃面をあらすことも少ない。 【0010】〔構成〕請求項3にかかる発明による特徴構成は、左右後輪に対する各サイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態を経てブレーキ入り状態まで切り換え可能に構成するとともに、作業走行時には、旋回操作によって、旋回内側の後輪に対応する一方の前記サイドクラッチブレーキを、クラッチ切り状態又は半伝動状態に切り換える切換機構を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0011】〔作用効果〕この発明においては、切換機構によって、旋回操作があると、旋回内側のサイドクラッチブレーキがクラッチ切り状態等になるので、圃面を荒らすことのない走行状態を得ることができる。 【0012】請求項4にかかる発明の目的は、請求項3にかかる発明の目的に加えて、サイドクラッチブレーキと旋回操作機構とを連係する連係機構を、圃面よりの影響を抑えて円滑な作動を維持するようにする点にある。 【0013】〔構成〕請求項4にかかる発明による特徴構成は、請求項3にかかる発明において、前記切換機構が、ステアリングギヤボックス内に設けたステアリング用伝動機構と走行装置に対する左右のサイドクラッチブレーキとを連係するものである点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0014】〔作用効果〕ステアリングケース内の伝動機構からサイドクラッチブレーキを操作する操作力を取り出しているので、伝動機構との連係部位をステアリングケースで保護することができ、圃面からの撥ね上げられた泥土等が連係部位に付着することを防止でき、連係機構の作動を円滑に維持することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)作業機の一例である乗用型田植機は、図1に示すように、走行機体1の後部に苗植付装置2をリンク機構3及び油圧シリンダ4を介して昇降操作自在に連結して構成されている。 【0016】前記走行機体1は、左右一対の操舵用の駆動前輪(走行装置の一例)5と左右一対の駆動後輪(走行装置の一例)6とを備えた機体フレーム7の前部に、エンジン8と、これからベルト式の無段変速装置9を介して動力が伝えられる走行・植付用のミッションケース10とを搭載し、機体フレーム7に、前記乗用運転部を構成する駆動前輪5に対する操縦ハンドル11と運転座席12とを取り付けて構成されている。 【0017】前記駆動後輪6は、機体フレーム7の後部に前後軸心P周りに一定範囲内でローリング可能に支持された車軸ケース22の左右筒状部22A,22Bに取り付けられており、車軸ケース22は、図3に示すように、前記ミッションケース10の後輪駆動用の動力取り出し軸に伝動軸23を介して連動する入力軸24を備えた左右向き姿勢の筒状伝動ケース25と、それの両端に連結した左右のギヤケース26L,26Rとからなり、左のギヤケース26Lの下端部に左の駆動後輪6に対する左車軸27Lが、かつ、右のギヤケース26Rの下端部に右の駆動後輪6に対する右車軸27Rがそれぞれ支承されている。 【0018】そして、入力軸24から左車軸27Lへの伝動系と、入力軸24から右車軸27Rへの伝動系とのそれぞれには、図2に示すように、前記乗用運転部の足元部に設けた左右の操向ペダル(人為的操作具の一例)28L,28Rにより関連操作されるクラッチ29とブレーキ30との組が設けられている。このクラッチ29とブレーキ30との組を旋回操作時に使用されるサイドクラッチブレーキと称する。 【0019】前記クラッチ29は、前記入力軸24にベベルギヤ機構31を介して連動する横向き伝動軸32と、左車軸27L及び右車軸27Rのそれぞれに連動する左右の横向き受動軸33との間に介装されて横向き伝動軸32から横向き受動軸33への動力の伝達を断続する多板式のものである。詳しくは、図4に示すように、横向き伝動軸32に対して軸芯方向に摺動自在な状態でかつ横向き伝動軸32と一体的に回転する状態で摺動伝動体34を横向き伝動軸32にスプライン装着し、横向き受動軸33に対して軸芯方向位置固定状態でかつ横向き受動軸33と一体的に回転する状態でクラッチハウジング35を横向き受動軸33にスプライン装着し、軸芯方向に交互に位置する状態で軸芯方向で圧接されることにより伝動状態となりかつ圧接を解除されることにより非伝動状態となる複数枚ずつの伝動用クラッチディスク36と受動用クラッチディスク37とのうち伝動用クラッチディスク36を前記摺動伝動体34に対して軸芯方向に移動自在な状態でかつ摺動伝動体34と一体的に回転する状態で摺動伝動体34に装着し、前記受動用クラッチディスク37を前記クラッチハウジング35に対して軸芯方向に移動自在な状態でかつクラッチハウジング35と一体的に回転する状態でクラッチハウジング35に装着し、前記摺動伝動体34のクラッチハウジング35に対する横向き伝動軸32側への摺動に伴い前記クラッチハウジング35に付設の受け具40との共同で伝動用クラッチディスク36と受動用クラッチディスク37とを圧接作動させる押し具41を摺動伝動体34に装着し、前記横向き伝動軸32の軸端にボルト38を介して取り付けられるとともに前記クラッチハウジング35を回転自在に支持する支持部材39を受けとして前記摺動伝動体34を圧接方向に移動付勢する皿バネ42群を設け、前記操向ペダル28L,28Rの踏み込み操作に伴ってシフトフォーク43を介して横向き伝動軸32に対して軸芯方向摺動伝動体側に移動されることによりレリーズベアリング45aを介して摺動伝動体34を皿バネ42による付勢力に抗して圧接解除方向に押圧移動させるレリーズ部材45を設けて構成されている。43Aは、対応する操向ペダル28L,28Rにロッドなどを介して連動していて操向ペダル28L,28Rの踏み込み操作に伴ってシフトフォーク43を作動させるアームである。 【0020】前記ブレーキ30は、図4に示すように、前記クラッチハウジング35に作用して横向き受動軸33に制動力を付与するものであって、筒状伝動ケース25に対して軸芯方向に移動自在な状態でかつ回転不能状態に筒状伝動ケース25に取り付けた複数枚の固定ブレーキディスク46と、前記クラッチハウジング35に対して軸芯方向に移動自在な状態でかつクラッチハウジング35と一体的に回転する状態で取り付けた複数枚の回転ブレーキディスク47とを軸芯方向に交互に位置する状態で軸芯方向に重なるように配置し、筒状伝動ケース25の端部に嵌合するとともにギヤケース26への接当により抜け止めされて固定ブレーキディスク46及び回転ブレーキディスク47のギヤケース26側への移動を規制するリング状の規制具48を設け、前記レリーズ部材45に、レリーズ部材45のクラッチ切り方向への移動に伴い固定ブレーキディスク46及び回転ブレーキディスク47を押圧して規制具48とで挟持することにより固定ブレーキディスク46と回転ブレーキディスク47とを圧接させて制動作動させるブレーキ操作部49を形成して構成されている。つまり、ブレーキ30は、クラッチ29の外側に同芯状に配置形成されている。そして、レリーズ部材45の摺動伝動体34側への移動に伴い先ずクラッチ29が切れ、引き続く移動に伴いブレーキ30が制動作動するように設定されている。 【0021】次に組付け要領を説明する。 〈1〉先ず、レリーズ部材45を横向き伝動軸32に組み付ける。 〈2〉次いで、摺動伝動体34、クラッチハウジング35、伝動用クラッチディスク36、受動用クラッチディスク37、支持部材39、受け具40、押し具41、皿バネ42を組み付けたものをボルト38で横向き伝動軸33の端部に取り付ける。 〈3〉最後に、固定ブレーキディスク46、回転ブレーキディスク47、規制具48を組付け、横向き受動軸33にクラッチハウジング35を連動させる状態で筒状伝動ケース25にギヤケース26L,26Rを連結する。 【0022】上記の構成によれば、左への旋回時、操縦ハンドル11を左に操作すると同時に、左の操向ペダル28Lを踏み込み操作することにより、左の駆動後輪6への伝動を断つとともに左の駆動後輪6を制動停止させての左旋回を行え、右への旋回時、操縦ハンドル11を右に操作すると同時に、右の操向ペダル28Rを踏み込み操作することにより、右の駆動後輪6への伝動を断つとともに右の駆動後輪6を制動停止させての右旋回を行え、両操向ペダル28L,28Rをともに踏み込み操作することにより、両駆動後輪6への伝動を断つとともに両駆動後輪6を制動停止しての機体停止を行えるのである。 【0023】次に、操向ペダル28L,28Rへの操作によって、サイドクラッチブレーキを駆動操作する構造について説明する。図6に示すように、サイドクラッチブレーキに対するシフトフォーク43のアーム43Aに、制御用油圧シリンダ19を連結してアーム43Aを揺動駆動する。一方、操向ペダル28L,28Rには、その操作量を検出するポテンショメータ式の操作検出センサ20を設け、操作検出センサ20からの検出情報を制御装置21に投入して、制御用油圧シリンダ19の作動を制御する。つまり、アーム43Aの操作量を全操作量に満たない操作量に抑えれば、レリーズ部材45を固定ブレーキディスク46に接当しない範囲で移動させることができて、クラッチディスク36,37を離間させて、クラッチ29を切り操作することができる。この状態より油圧シリンダ19を伸長作動させると、ブレーキ操作具49をブレーキディスク46,47に接当作用させて、ブレーキ作動させることができる。ブレーキ操作具49をブレーキディスク46,47に接当作用させた状態でブレーキディスク46,47の圧接力を高めるように油圧力を高めるとブレーキ力を高めることができる。ここに、制御装置21、及び、油圧シリンダ19、操作検出センサ20を、サイドクラッチブレーキと操向ペダル28L,28Rとを関係つける連係機構Aと称する。 【0024】操向ペダル28L,28Rを全ストローク踏み込み操作した場合に、サイドクラッチブレーキを次に記す3状態に切り換えることのできる構造について説明する。図6に示すように、油圧シリンダ19への圧油を制御する制御弁44を設けるとともに、制御弁44に対して油圧シリンダ19の伸長状態を切換え得るように、3状態切換式の人為的選択スイッチ74を設ける。選択スイッチ74への切換操作結果にもとづいて、油圧シリンダ19の伸長状態を切換え、クラッチ29を切り状態にする第1状態と、ブレーキ30を弱ブレーキ力を発揮させる第2状態と、強ブレーキ力を発揮させる第3状態とに切換え設定できる。第1状態に設定することによって、旋回時には旋回内側の駆動後輪6による引き摺り現象を回避できるとともに、植付作業時において、条合わせ等を行う際に、走行機体1の向き修正が容易に行える。走行ペダル28L,28Rとは運転者の右足元に並設してあるので、両走行ペダル28L,28Rが同時に踏み込み操作された場合にのみ、第3状態に設定できるようにしてもよい。第3状態に設定する方法として選択スイッチ74を利用する方法もあるが、走行ペダル28L,28Rの操作状態を検出する操作検出センサ20からの情報を基に切り換える方法を採ってもよい。 【0025】(第2実施形態)第1実施形態においては、操向ペダル28L,28Rへの踏み込み操作によってクラッチ29を切り状態に設定する構成について示したが、第1実施形態の構成を維持しながら、操向ペダル28L,28Rへの全ストローク操作によって、半伝動状態を現出できる構成について説明する。図8に示すように、固定ブレーキディスク46の外周縁を回り止め固定する為に車軸ケース22内面にスプライン部を形成しているが、レリーズ部材45の先端に形成してあるブレーキ操作部49をそのスプライン部に嵌入保持して、レリーズ部材45を車軸ケース22に対して回転しない状態にする。 【0026】一方、横向き伝動軸32に対して回転しない状態に設定したレリーズ部材45を横向き伝動軸32の軸芯方向に駆動移動されるカム構造について説明する。図8に示すように、レリーズ部材45の横向き伝動軸32に遊嵌したボス部を大径化して大径ボス部50を形成し、大径ボス部50の外側面に受けカム面50Aを形成する。大径ボス部50と対向する状態でクラッチ部材51を横向き伝動軸32にスプライン外嵌し、クラッチ部材51にシフトフォーク43を係合させて、クラッチ部材51を大径ボス部50に対して遠近移動可能に構成する。クラッチ部材51の大径ボス部50に対向する側面に受けカム面50Aに作用する駆動カム面51Aを形成する。受けカム面50Aと駆動カム面51Aとは図8に示すように形成されており、駆動カム面51Aが横向き回転軸32と一体で回転し受けカム面50Aに対して相対回動し、カム面の凹凸が交互に切り換わって互い作用を及ぼして、レリーズ部材45を正逆移動可能に構成する。 【0027】以上のような構成により、操向ペダル28L,28Rへの操作を受けて、クラッチ部材51をアーム43Aによってレリーズ部材45に近接させると、受けカム面50Aと駆動カム面51Aとが係合状態になる。そうすると、駆動カム面51Aが横向き伝動軸32と一体で回転するので、アーム43Aの係合によって軸芯方向での移動が阻止されているクラッチ部材51からの反力を受けて、レリーズ部材45は軸芯方向に正逆移動して、クラッチ29を入り切りする半伝動状態が現出できる。クラッチ29の入り切りは、駆動カム面51Aの円周方向における設置個数によってそのタイミングは決まる。そのタイミングは図7に示すように1周期Tの間の入切によって行われる。半伝動状態は、前記した選択スイッチ74によって第1状態を選択した状態で、操向ベダル28L,28Rを全ストローク操作をすると、現出することができる。ここに、受けカム面50Aと駆動カム面51Aとを、半伝動状態を現出する機構と称する。また、ここでは、クラッチを入り切りする状態を半伝動状態と称することにしたが、一般的に使用される半クラッチ状態を含めることとする。 【0028】(第3実施形態)ここでは、操縦ハンドル11への操向操作に基づいて、クラッチ操作を行う第2連係系と、操向ペダル28L,28Rへの操作に基づいて、ブレーキ操作まで行える第1連係系との二つの構成を持つものについて説明する。図9に示すように、操縦ハンドル11への操作を受けて揺動操作されるピットマンアーム13にシフトフォーク43を連係する第2連係機構52を構成する。第2連係機構52は次のように構成されている。つまり、機体中間位置に天秤式揺動アーム53を設け、この天秤式揺動アーム53とピットマンアーム13とを第1連結ロッド15で連結する。天秤式揺動アーム53の両端より連結ロッド54,54を延出し、左右サイドクラッチブレーキに対する後記する第2シフトフォーク55のアーム55A,55Aに連結する。天秤式揺動アーム53と各連結ロッド54との連結部位においては、緩衝用のバネ58,58を介装してあり、操縦ハンドル11の遊びや僅かな切り返し等においてはサイドクラッチブレーキが作動しないようにしてある。 【0029】第1実施形態において記載したシフトフォーク43をここでは第1シフトフォーク43と称し、図10に示すように、レリーズ部材45のシフトフォーク43を係合させているボス部50をさらに延長し、このボス部50に受けカム部材57を一体回転可能に取付固定する。受けカム部材57の外向き面には、前記したような受けカム面50Aと同様なカム面57Aを形成する。受けカム部材57の対向する側には第2実施形態において示した駆動カム面51Aを形成したクラッチ部材51を横向き駆動軸32に一体回転可能にスプライン外嵌する。クラッチ部材51に対して前記した第2シフトフォーク55を連係する。以上のような構成によって、操縦ハンドル11への操向操作によって、サイドクラッチブレーキを第2状態として記載した半伝動作動をさせることができる。ここでは、クラッチ29を操作する状態として、操縦ハンドル11の操向操作によって、半伝動状態を得るような構成について記載したが、第1実施形態で示したようにクラッチ29のみが切れるようにしてもよい。この場合には、レリーズ部材45を車軸ケース22のスプライン部に嵌合させる必要はなく、また、クラッチ部材51を伝動軸23と一体回転させる必要もない。 【0030】一方、図9及び図10に示すように、レリーズ部材45のボス部50基端部には、第1シフトフォーク43を係合し、左右第1シフトフォーク43のアーム43Aと左右操向ペダル28L,28Rとを連結している。アーム43Aと操向ペダル28L,28Rとの間に連係ロッド59とバネ60とを介装して、アーム43Aと操向ペダル28L等と連係している。この連係ロッド59とバネ60とを第1連係機構75と称する。このような構成によって、操向ペダル28L,28Rへの踏み込みによって、サイドクラッチブレーキをクラッチ29のみを切り作動する状態からブレーキ30を作動させる状態まで操作することができる。以上のような構成によって、旋回時に半伝動状態で旋回作動させたい場合は、操向ペダル28L,28Rへの操作を行わないようにすればよい。 【0031】〔第4実施形態〕第1,第2実施形態においては、油圧シリンダ19のストローク調節によって、操向ペダル28L,28Rを全ストローク操作した場合にも、サイドクラッチブレーキをクラッチ切り状態にしか操作できないようにしていたが、操向ペダル28L,28Rとシフトフォーク43との連係機構内に、同様の機能を発揮するものを形成する。図11及び12に示すように、サイドクラッチブレーキを入り切りするアーム43Aに長手方向に沿った長孔43aを設け、この長孔43aの両端で、操向ペダル28L,28Rとアーム43Aとを結ぶ連係ロッド62の連結位置を固定する係留点を設けている。アーム43Aに対する連係ロッド62の連結ピン位置には、この連結ピンを長孔に沿って移動させるソレノイド63を設けてあり、付勢バネ64によってアーム43Aの回転軸芯より遠い位置に付勢されている連結ピン位置をソレノイド63によって回転軸芯に近接する位置に強制移動させることができる。ソレノイド63の駆動は、前記した操向ペダル28L,28Rへの操作状態を検出する操作検出センサ20、又は、操縦ハンドル11の操作を検出するハンドル検出センサ16、或いは、苗植付装置2を昇降操作する昇降操作レバー17の操作位置を検出する操作位置検出センサ18等からの信号に基づいて制御装置21で制御するようにする。以上のようなセンサより、作業走行状態であることが判明するならば、ソレノイド63を作動させて、クラッチ切り状態又は半伝動状態を得ることができる。ここでは、ソレノイド63を連係機構Aに設けた規制機構と称する。前記ソレノイド63の代わりにシリンダを使用すれば付勢バネ64は必要ではない。 【0032】〔別実施形態〕 (1)次に、半伝動状態を得るのにカムを利用して行う形態について説明したが、ここでは、伝動軸23の回転を利用してアーム43Aを正逆揺動させて行う形態について説明する。図13及び14に示すように、伝動軸23に装着した出力ギヤ65を介して左右に各中間軸66及び出力軸67を架設し、中間軸66にドグクラッチ66Aを設けるとともに出力軸67に駆動カム板68を取り付ける。駆動カム板68は、図14で示すように、円周方向に二つのカム部を有している。ドグクラッチ66Aについては、操縦ハンドル11への操向操作に基づいて入り切りを行うように、ピットマンアーム13とドグクラッチ66Aとを機械的に連係し、操向操作に基づいてクラッチが入り状態となるようにする。切り状態へはバネ69で付勢する。以上のような構成によって、操向操作が行われると、クラッチ66Aが作動して駆動カム板68が回転を始め、アーム43Aに接当作用して、アーム43Aを押圧駆動する。アーム43Aはバネ69によって戻し付勢されている。これによって、クラッチ29は半クラッチ状態となる。一方、操向ペダル28L,28Rには、アーム43Aがワイヤ等で連係されており、一杯に踏み込むとブレーキ30まで操作できるようになっている。 【0033】(2) 上記別実施形態の(1)においては、アーム43Aを揺動させて半クラッチ状態を得るのにカム板を利用して行うようにしたが、第1実施形態においてアーム43Aを駆動揺動する制御用油圧シリンダ19を利用して半クラッチ状態を得るようにしてもよい。つまり、油圧シリンダ19を制御する制御弁44に対して、図7に示すような、パルスを与えることによって、半伝動状態を現出するようにしてもよい。 【0034】(3) 第3実施形態においては、操縦ハンドル11への操作によってサイドクラッチブレーキを入り切り操作するのに、ピットマンアーム13とアーム55Aとを連係する機構について説明したが、ここでは、ステアリングギヤボックス70に設けた扇形ギヤ71より出力を取り出すようにする。図15に示すように、ステアリングギヤボックス70に対して架設した出力ロッド72にピン72Aを立設し、このピン72Aをステアリング用伝動機構としての扇形ギヤ71と係合させて、出力ロッド72を軸芯方向に正逆移動可能に構成する。ステアリングギヤボックス70より突出した出力ロッド72の一端を天秤揺動する駆動アーム73に係合させて、駆動アーム73にアーム43A等をワイヤ連係して、操向操作によってサイドクラッチ操作が行えるようにする。ここでは、出力ロッド72のスライド移動によってクラッチを操作するようにしたが、図16に示すように、扇型ギヤ71を駆動する軸よりウォームギヤ機構を介して出力アーム72Aを一体形成した出力ロッド72をその軸芯回りで回転させ、その回転の動きを駆動アーム73に伝達する構成を採ってもよい。 【0035】上記実施の形態では、田植機への適用例を示したが、本発明は、直播機等に適用してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−196630 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−2450 |
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