| 【発明の名称】 |
粉粒体繰出装置付き苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 仁史
【氏名】中西 康仁
【氏名】仲 弘和
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| 【要約】 |
【課題】作業時の位置とそれ以外の位置とに移動可能に設けられた粉粒体貯蔵部の支持を安定させる。
【解決手段】前輪と後輪11,11を有する四輪走行車体の後方に苗植付部を設けると共に、走行車体の後部に粉粒体繰出装置の粉粒体貯蔵部60を設けた粉粒体繰出装置付き苗移植機において、前記粉粒体貯蔵部60を作業時の位置とそれ以外の位置とに移動可能に設け、粉粒体貯蔵部60を上記両位置間で移動させるための移動機構93,93,97,97を正面視で後輪11,11と重複するように後輪車軸の前側に設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪と後輪を有する走行車体の後方に苗植付部を設けると共に、走行車体の後部に粉粒体繰出装置の粉粒体貯蔵部を設けた粉粒体繰出装置付き苗移植機において、前記粉粒体貯蔵部を作業時の位置とそれ以外の位置とに移動可能に設け、粉粒体貯蔵部を上記両位置間で移動させるための移動機構を正面視で後輪と重複するように後輪車軸の前側に設けたことを特徴とする粉粒体繰出装置付き苗移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、苗を植えながら植えた苗の近傍に施肥する施肥田植機等の粉粒体繰出装置付き苗移植機に関する。 【0002】 【従来の技術】走行車体の後方に苗植付部を昇降可能に設けると共に、走行車体の後部に肥料貯蔵部及び肥料繰出部等からなる施肥装置本体部を設け、苗植付部が圃場に苗を植付けながら、その植付けた苗の近傍に施肥装置が施肥する施肥田植機において、走行車体の座席と苗植付部の苗載台との間に位置する施肥装置本体部のメンテナンス作業がしやすいように、施肥装置本体部を通常の植付作業時の位置よりも上昇させられるように構成したものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の施肥田植機は、施肥装置本体部を植付作業時の位置と上昇時の位置とに移動させるための移動機構が施肥装置本体部の左右中心付近に設けられていたので、施肥装置本体部の左右両端部が上下にガタつきやすく、支持が不安定であるという問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる粉粒体繰出装置付き苗移植機は、前輪と後輪を有する走行車体の後方に苗植付部を設けると共に、走行車体の後部に粉粒体繰出装置の粉粒体貯蔵部を設けた粉粒体繰出装置付き苗移植機において、前記粉粒体貯蔵部を作業時の位置とそれ以外の位置とに移動可能に設け、粉粒体貯蔵部を上記両位置間で移動させるための移動機構を正面視で後輪と重複するように後輪車軸の前側に設けたことを特徴としている。 【0005】 【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明による粉粒体繰出装置付き苗移植機の一例としての施肥田植機を表している。この施肥田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、また走行車体2の後部に施肥装置5の本体部が設けられている。 【0006】走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両で、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該前輪ファイナルケースの変向可能な前輪支持部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸11a,11aに後輪11,11が取り付けられている。 【0007】エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されている。エンジン20の左側面に突出するエンジン出力軸20aに取り出される回転動力が、第一ベルト伝動装置21を介して油圧ポンプ22の駆動軸22aに伝達され、更にその油圧ポンプ駆動軸22aから変速操作可能な第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12の前部左側に突出するミッション入力軸12aに伝達される。 【0008】ミッション入力軸12aよりミッションケース12に入力された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース28に伝達され、それから植付伝動軸29を介して苗植付部4に伝達されると共に、後述する施肥駆動機構を介して施肥装置5の肥料繰出部61,…へ伝達される。 【0009】エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32が配置され、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。また、フロントカバー32及びフロアステップ35の後方部分は、フロアステップ35よりも高くなったリヤステップ36になっている。走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。 【0010】昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0011】苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、苗を載せて左右往復動し苗を一株づつ各条の苗取出口51a,…に供給する苗載台51、苗取出口51a,…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52,…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53,53等を備えている。また、苗載台51には、横一列分の苗が苗取出口51a,…に供給されると台上の苗を苗取出口51a,…に搬送する苗送りベルト装置54,…が設けられている。苗植付装置52,…及び苗送りベルト装置54,…は2条分づつの単位で作動を入・切できるようになっている。 【0012】苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56,56がそれぞれ設けられており、これらフロートを圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に植付装置52,…により苗が植付けられる。各フロート55,56,56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。 【0013】粉粒体繰出装置である施肥装置5は、走行車体2の後部上側に粉粒体貯蔵部としての各条共用の肥料ホッパ60と各条ごとの肥料繰出部61,…を設け、肥料ホッパ60に貯えられている粒状の肥料を肥料繰出部61,…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を肥料ホース62,…を通してフロート55,56,56に取り付けた施肥ガイド63,…へ移送し、その施肥ガイド63,…の前側に設けた作溝体64,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に肥料を落とし込む構成となっている。以下、施肥装置本体部の構造を説明する(図3〜図7参照)。 【0014】肥料ホッパ60の上面は肥料投入のために開口しており、その開口部に蓋60aが開閉可能に取り付けられている。肥料ホッパ60の下部は各条ごと漏斗状になっていて、内部の肥料が自由落下で肥料繰出部61,…へ供給される。 【0015】肥料繰出部61は、外周部に肥料搬送用凹部66a,…が形成された繰出ロール66を備え、この繰出ロール66が繰出軸66bを中心にして図3の矢印方向に回転することにより、肥料ホッパ60内の肥料を凹部66a,…が保持して下方へ搬送するようになっている。肥料繰出部61のケーシングの前側壁面と繰出ロール66の間には、肥料ホッパ60内の肥料の自由落下を防止すると共に凹部66a,…に保持されて下方へ搬送中の肥料の表面部を均すブラシ67が着脱自在に取り付けられている。また、ケーシングの後側壁面と繰出ロール66とは隙間無く接していて、その後側壁面の繰出ロール66よりも上側の位置に、肥料ホッパ60内に残留する肥料を取り出すための肥料排出口68が形成されている。この肥料排出口68には、開閉レバー69aの操作により上端部を支点に回動させる開閉シャッタ69が取り付けられている。 【0016】繰出ロールを駆動する施肥駆動機構は、前記植付クラッチケース28から施肥駆動軸71を介して中継軸72に動力を伝達し、さらに該中継軸から伝動入・切可能なベルト伝動装置73,73,73を介して隣接する2条づつの繰出ロールで共用の繰出軸66b,66b,66bに動力を伝達し、各繰出ロール66,…を駆動するように構成されている。なお、符号74は肥料繰出量調節軸で、肥料繰出量調節ハンドル75で回転操作するようになっている。 【0017】肥料繰出部61,…の下端部には前後に連通する接続管77,…が形成されており、この接続管77,…の後端部に肥料ホース62,…が接続されている。また、各条の接続管77,…の前端部は左右方向に設けたエアチャンバ78の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ78の左端部にはモータ79で駆動されるブロア80が設けられ、このブロア80から吹き出されるエアがエアチャンバ78を通って各条の接続管77,…に吹き込まれ、肥料繰出部61,…から繰り出される肥料をエアと共に肥料ホース62,…内を施肥ガイド73,…まで搬送する。 【0018】エアチャンバ78の内周部には樹脂パイプ78aが嵌め込まれており、この樹脂パイプ78aに固定したグロメット78bに接続管77の前端部を挿入して、エアチャンバ78に接続管77を連結するようにしている。後述する如く、エアチャンバ78は施肥装置本体部を支持するフレームを兼ねているため剛性の高い金属パイプを使用する必要がある。このため、そのままでは肥料が付着して錆びやすい。そこで、金属製エアチャンバ78の内周部に樹脂パイプ78aを嵌め込むことにより、錆防止と、付着した肥料等の除去が容易にできるようにしているのである。なお、樹脂パイプの代わりにステンレスパイプを用いてもよい。 【0019】前記肥料排出口68には肥料排出管82が接続されている。そして、隣接する2条の肥料排出管82,82の先端部にY型管83が接続され、そのY型管83の下端部が肥料取出口83aとなっている。Y型管83における両肥料排出管82,82の合流部分の上部に、エアチャンバ78から分岐させたエアホース84のエア吐出口84aが設けられている。肥料取出時、このエア吐出口84aからエアが下向きに吹き出され、肥料排出管82,82からの肥料が肥料取出口83aへスムーズに搬送される。 【0020】次に、施肥装置本体部の支持構造について説明する。前記リンクベースフレーム42の上端前側に、リヤステップ36を支持する左右に長い角パイプ90が固定されている。この角パイプ90の左右両端部に固着した取付プレート91,91に下部リンク支持軸92,92が側方に突出させて設けられ、これに下部リンク93,93が回動自在に支持されている。一方、エアチャンバ78の左右端部付近に固着したブラケット95,95に上部リンク支持軸96,96が設けられ、これに上部リンク97,97が回動自在に支持されている。そして、これら両リンク93,93,97,97の支持軸と反対側の端部同士が連結ピン98,98で連結されている。下部リンク93,93及び上部リンク97,97は、施肥装置本体部を上げ位置と下げ位置間で移動させるための移動機構である。 【0021】また、エアチャンバ78の左右中央部に固着のブラケット100,100に上下方向のガイド部材101,101が取り付けられ、これがリンクベースフレーム42の縦パイプ部42a,42aの内部に摺動自在に嵌合している。これにより、前記上部及び下部下両リンク93,93,97,97を拡縮させると、施肥装置本体部が上下方向に移動する。 【0022】施肥装置本体部は、上下両端部をエアチャンバ78側と角パイプ90側とにそれぞれ取り付けたダンパ102,102によって上向きに付勢されている。よって、外力が加えられていない状態では、施肥装置本体部はメンテナンス等を行うときの上げ位置になっている。施肥装置本体部を植付作業時の下げ位置に固定するには、手動で施肥装置本体部を下げ位置まで押し下げ、上部リンク支持軸96,96に回動自在に取り付けられているロックアーム104,104を下部リンク支持軸92,92に係合させる。ロックアーム104,104はトルクスプリングによって下部リンク支持軸92,92に係合する側に付勢されているため、施肥装置本体部5aが下げ位置まで下降させると自動的にロック状態になる。ロックアーム104,104のロックを解除する場合は、該アームと一体のロックレバー105,105で操作する。また、施肥装置本体部が下げ位置にある状態では、リンクベースフレーム42の縦パイプ部42a,42aの上端部がブラケット100,100に当接し、施肥装置本体部の位置決めがなされる。 【0023】施肥装置本体部の押し下げには、エアチャンバ78に固定したガードフレーム107を利用すると便利である。このガードフレーム107は肥料ホッパ60の前側にあり、その上部水平部分は肥料ホッパ60の上端よりも上位に位置している。このため、肥料ホッパ60に肥料を補給する際、肥料袋をガードフレーム107の上部水平部分で支えるようにすると、補給作業を楽に行える。 【0024】下部リンク93,93及び上部リンク97,97で構成される移動機構は、その一部分が正面視で後輪11,11の上部と重複する位置に配置してある。これにより、施肥装置本体部の左右両端部が上下にガタつきにくく支持が安定すると共に、施肥装置本体部の位置を低くすることができる。また、上記移動機構は後輪車軸11a,11aよりも前側に設けられているので、後輪11,11が跳ね上げる泥土等が当該移動機構にかかりにくい。さらに、移動機構はリヤステップ36の外側に設けられているので、リヤステップ36を容易に取り外すことが可能で、リヤステップ36の下方にある装置のメンテナンス作業性がよい。 【0025】また、苗植付装置52,…、苗送りベルト装置54,…、及び肥料繰出部61,…を2条分づつの単位で作動入・切操作するレバー110,…をエアチャンバ78とベルト伝動装置75,…の間隔部に斜め前上りに設けることにより、座席側からこのレバー110,…の操作が可能となっている。 【0026】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる粉粒体繰出装置付き苗移植機は、粉粒体貯蔵部を作業時の位置とそれ以外の位置とに移動させるための移動機構を正面視で後輪と重複するように後輪車軸の前側に設けることにより、粉粒体貯蔵部の支持が安定すると共に、粉粒体貯蔵部を走行車体に対し低い位置に配置することができ、機体が安定するようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開平11−196620 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−22843 |
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