| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷本 真丈
【氏名】野村 勝
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| 【要約】 |
【課題】走行車体に対し作業装置を上昇させて路上走行する農作業機の安定性を向上する。
【解決手段】走行車体2に作業装置4を昇降可能に装着した農作業機1において、前記作業装置4に接地可能な走行推進体84を設け、該走行推進体が接地した状態では前記作業装置4が地面の凹凸に追従して昇降するように構成し、作業装置4を上昇させたときの機体の重心を低くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体に作業装置を昇降可能に装着した農作業機において、前記作業装置に接地可能な走行推進体を設け、該走行推進体が接地した状態では前記作業装置が地面の凹凸に追従して昇降するように構成したことを特徴とする農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば乗用型田植機等のように、走行車体に作業装置を昇降可能に装着した農作業機に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】上記農作業機は、路上走行時に作業装置を上昇させると、重心が高くなり機体のバランスが悪くなるという問題を有していた。特に、小型の農作業機、例えば田植機ならば4条植えの機種の場合、走行車体の重量が軽く、かつ重心位置が比較的高いので、上記問題傾向がより顕著で、左右傾斜がきつい路上を走行中や高速で急旋回した場合に転倒するおそれがあった。本発明は上記事情に鑑み、安全に路上走行を行えるようにすることを課題としている。 【0003】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のような構成とした。すなわち、本発明にかかる農作業機は、走行車体に作業装置を昇降可能に装着した農作業機において、前記作業装置に接地可能な走行推進体を設け、該走行推進体が接地した状態では前記作業装置が地面の凹凸に追従して昇降するように構成したことを特徴としている。これにより、重心が低い状態で走行することが可能となる。 【0004】 【発明の実施の形態】図1乃至図6は本発明の実施の一形態を表している。この農作業機1は4条植え乗用型田植機で、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して作業装置である苗植付部4が昇降可能に装着されている。 【0005】走行車体2は、左右各一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部に配したミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、その前輪ファイナルケース13,13から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にはメインフレーム15の前端部が固着され、そのメインフレーム15の後端左右中央部にローリング自在に取り付けられた後輪フレーム16の左右両端に設けられている後輪ギヤケース17,17から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。 【0006】エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、エンジン出力軸20aに取り出されるエンジンの回転動力が、第一ベルト伝動装置21を介して油圧ポンプ22の駆動軸22aに伝達され、さらに油圧ポンプ駆動軸22aから高速伝動と低速伝動に切替可能な副変速装置である第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース入力軸12aに伝達される。 【0007】ミッションケース12に入力された動力は、主クラッチを経由して主変速装置に伝達され、該主変速装置によって移動速、作業速、後進速、及び中立に選択的に切り替えられる。そして、変速後の動力が、前輪10,10及び後輪11,11に伝達されて走行車体2を走行させると共に、苗植付部4の後記伝動ケース85に伝達されて苗植付部の各部を駆動する。後輪への伝動系統中には、左右の後輪11,11に個別にブレーキをかけられる後輪ブレーキ装置が設けられている。この後輪ブレーキ装置は、左右のブレーキソレノイド25L,25Rによって作動させるようになっている。 【0008】エンジン20の上側はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には、左右の前輪10,10を操向するハンドル32が設けられている。ハンドル32の下方には各種操作機構が収納され、該各種操作機構を覆うフロントカバー34の左側面部に主変速と副変速を変速操作する変速レバー35、右側面部に苗植付部4の作動の入・切操作と昇降操作をする植付・昇降レバー36がそれぞれ上向きに突出させて設けられている。また、操向ハンドル32の下側には、作業中における旋回時の諸動作を行うためのフィンガレバー37が右側方に突出させて設けられている。さらに、足元部には、主クラッチを切操作する主クラッチペダル38と、左右の後輪ブレーキ装置をそれぞれ個別に作動させる後輪ブレーキペダル39L,39Rとが設けられている。座席31の右側には、各種制御を行う制御部40aを収納したコントロールボックス40が設けられている。 【0009】変速レバー35は、左右方向及び前後方向に回動自在に設けられている。変速レバー35を左右方向に回動させると主変速が切り替えられる。主変速のシフト位置は、外側から内側に向かって「移動速」「作業速」「中立」「後進速」となっている。この変速レバー35の主変速シフト位置は変速レバー位置センサ41に検出される。また、変速レバー35を前後方向に回動させると副変速が切り替えられる。前側のシフト位置が「高速」、後側のシフト位置が「低速」となっている。なお、主変速が「作業速」である場合についてだけ副変速を切り替えることができ、主変速が「作業速」以外のときは副変速が「低速」に固定されている。 【0010】植付・昇降レバー36は、前後に回動操作するようになっていて、苗植付部4を上昇させる「上」、苗植付部4を一定高さに固定する「固定」、苗植付部4を下降させる「下」、及び苗植付部4が伝動入になると共に苗植付部4が作業位置で後記対地追従制御を行う「植付」の各操作位置を有している。植付・昇降レバー36の操作位置は、植付・昇降レバー位置センサ42に検出される。 【0011】フィンガレバー37は上下方向及び前後方向に操作するようになっている。フィンガレバー37を上側に操作すると、苗植付部4が伝動切になると共に苗植付部4が上昇し、フィンガレバー37を下側に操作すると、苗植付部4が伝動入になると共に苗植付部4が下降する。また、フィンガレバー37を前側に操作した状態でハンドル32の操向量が左に一定以上になると、左側の後輪ブレーキが自動的にかかり、フィンガレバー37を後側に操作した状態でハンドル32の操向量が右に一定以上になると、右側の後輪ブレーキが自動的にかかる。ハンドル32の操向量が一定以下になると、後輪ブレーキが自動的に切れ、フィンガレバー37が中立に復帰する。この後輪ブレーキの制御は、図6に示す制御装置にて、フィンガレバーの前後方向の操作位置を検出するフィンガレバーセンサ43と、ハンドル切れ角を検出するハンドル切れ角センサ44とからの信号に基づき、制御部40aから後輪ブレーキソレノイド25L,25Rに出力して制御するようにしている。 【0012】フィンガレバー37の操作は圃場での機体旋回時に行うものであって、具体的には次のように操作する。旋回直前にフィンガレバー37を上側に操作して苗植付部4を上昇(伝動切)させると共に、旋回内側の後輪ブレーキがかかるようにフィンガレバー37を前後いずれかに操作する。旋回が終了したならば、フィンガレバー37を下側に操作して、苗植付部4を下降(伝動入)させる。フィンガレバー37はハンドル32を握ったまま指先だけで操作することができるので、旋回時に確実なハンドル操作を行える。また、後輪ブレーキのための前後方向に操作については、ハンドル32の操作方向と同方向にフィンガレバー37を操作すれば良いので、操作を行いやすい。 【0013】主クラッチペダル38を踏圧操作すると、主クラッチが切になるようになっている。後輪ブレーキペダル39L,39Rを踏圧操作すると、ブレーキペダルスイッチ46L,46RがONになり、該センサの検出結果に基づき、踏み込んだ側の後輪ブレーキ装置が作動するように図6の制御装置で制御するようなっている。 【0014】また、主変速が「作業速」もしくは「後進速」である状態で、主クラッチが切になると、左右の後輪ブレーキが自動的にかかるようになっている。この制御は、図6に示す制御装置によって、変速レバーの操作位置は検出する変速レバーセンサ41と、主クラッチペダルの入・切状態を検出する主クラッチペダルセンサ45とからの信号に基づき、制御部40aから左右いずれかの後輪ブレーキソレノイド25L(或は25R)に出力して制御する。 【0015】例えば、トラックへ機体を積み込む時や傾斜地を走行する時には変速レバー35を「作業速」もしくは「後進速」にして遅い速度で機体を移動させるが、このとき主クラッチペダル38を踏んで主クラッチが切になっても機体が自走しないので、安全である。また、圃場内で苗補給するとき等に主変速を「植付」にしたまま主クラッチを「切」にロック状態にして機体を停車させることがあるが、この時に何らかの事情で前記ロックが外れても機体が自走しない。 【0016】走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく補助苗枠50が左右各2段づつ設けられている。上下2段の補助苗枠50,50は、車体に固定の補助苗枠支持フレーム51の上端部に支点軸52を支点に回動自在に支持されており、支点軸52よりも外側に張り出させた作業位置(図2及び図3において実線で示す)と、支点軸52よりも内側に収納した収納位置(同図において鎖線で示す)とに回動させられるようになっている。補助苗枠側に設けた回動固定ピン53を圃場苗枠支持フレーム側のプレート54に形成されたピン穴に挿入することにより、上記作業位置或は収納位置に固定する。符号55は回動固定ピン53をピン穴に出し入れ操作するためのレバーである。 【0017】通常、植付作業時には補助苗枠50,…を作業位置にし、路上走行時や運搬時には補助苗枠50,…を収納位置にする。車体左側の補助苗枠を収納位置にした状態において、その下段の補助苗枠50Aと「移動速」に操作した状態にある変速レバー35とが干渉しないように、当該補助苗枠50Aは内側上りに傾斜する姿勢に回動させられるようになっている。 【0018】なお、畦が高い圃場において、畦際の作業時や旋回時に補助苗枠が畦に当たることを防止するため、補助苗枠を収納位置にして植付作業を行う場合がある。この場合には、変速レバー35を「移動速」に操作することがないので、前記車体左側の下段の補助苗枠50Aを水平のままにしておいても何ら支障がない。むしろ、植付作業中に変速レバー35が「移動速」に切り替わることが防止されるので、安全上好ましい。 【0019】昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク60と左右一対の下リンク61,61を備えている。これらリンク60,61,61は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設したリンクベースフレーム62に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク63が連結されている。そして、この縦リンク63に苗植付部4から前方に突出するローリング軸64の前端部を連結し、苗植付部4を進行方向に対してローリング自在に装着している。上リンク60に固着したスイングアーム66の先端部とメインフレーム15の前後中央部との間に油圧昇降シリンダ67が介装されており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク60が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。油圧昇降シリンダ67は、苗植付部4に設けた油圧バルブ68により伸縮制御される。 【0020】図5は油圧昇降シリンダ67とメインフレーム15の連結部を表している。符号70は左右方向の軸70aによってメインフレーム15に回動自在に取り付けたバネ式のダンパで、このダンパ70は、ダンパシリンダ71内に摺動自在に嵌合するピストン72を、その両側に設けた圧縮バネ73,73によって弾性的に位置規制するように構成されている。そして、上記ピストン72と一体のロッド74をシリンダ外に突出させ、その突出端部に油圧昇降シリンダ67が固着されている。 【0021】ダンパシリンダ71に固定した取付プレート75に、ダンパロック用のパンタグラフ機構76と、該パンタグラフ機構を開閉させるソレノイド77とが設けられている。パンタグラフ機構76の開閉リンク76a,76aの下端部にはパッド78,78が取り付けられている。パンタグラフ機構76を閉じると、ダンパシリンダ71に形成された長穴71aから上方に突出するピストンの凸部72aをパッド78,78が挟みつけ、ピストン72が中立位置に固定させる。 【0022】苗植付部4は、苗を載せて左右往復動し所定の苗取出口に苗を一株づつ供給する苗載台80、上記苗取出口から苗を取り出して圃場に植え付ける苗植付装置81,…、機体の進行に伴って圃場の表土面を滑走し苗植付け前の圃場を整地するセンターフロート82及びサイドフロート83,83、走行推進体である左右の補助車輪84,84等を備えている。 【0023】苗載台80及び苗植付装置81,…は公知の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース85に支持され、該伝動ケースから動力が伝達され作動する。 【0024】各フロート82,83,83は、植付作業時に表土面の凹凸に応じて前部が上下に揺動するように設けられている。そして、センターフロート82の前部の揺動に連動して前記油圧バルブ68のスプールが切り替わり、苗植付部4の昇降制御を行う。例えば、表土面が高い場合は、油圧昇降シリンダ67が伸びる側にスプールが駆動され、苗植付部4を上昇させる。逆に、表土面が低い場合は、油圧昇降シリンダ67が縮む側にスプールが駆動され、苗植付部4を下降させる。このように、表土面の高低変化に応じて苗植付部4を昇降制御することにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。なお、植付作業時には、前記ダンパ70のピストン72が中立位置に固定された状態となっている。 【0025】左右各補助車輪84は、伝動ケース85から左右側方に突出する補助車輪支持フレーム87に上下に回動自在に支持された昇降アーム88の先端部に回転自在に取り付けられている。また、苗載台支持フレーム89から左右側方に突出する電動シリンダ支持フレーム90に補助車輪昇降用電動シリンダ91L(91R)が左右方向の軸回りに回動自在に取り付けられ、そのピストンロッドの先端部が昇降アーム88と一体の回動アーム92に連結されている。これにより、電動シリンダ91L(91R)を伸縮作動させると、昇降アーム88が上下に回動し、補助車輪84が昇降するようになっている。 【0026】植付作業時には、電動シリンダ91L,91Rが伸長して補助車輪84,84が上昇した位置にある。路上走行の際、変速レバー35を「移動速」にし、且つ植付・昇降レバー36を「上」または「固定」にすると、図6の制御装置により、ダンパロック用ソレノイド77がOFFになり、ダンパピストン72のロックが解除されると共に、補助車輪昇降用電動シリンダ91L,91Rが収縮して、左右の補助車輪84,84が接地する。この状態で走行車体2を走行させると、苗植付部4は路面の凹凸に追従して上下動しながら移動する。苗植付部4の上下動はダンパ70に吸収される。このため、昇降リンク装置3や苗植付部4に過大な荷重が加わらず、これらの損傷や耐久性の低下が防がれている。 【0027】上記のように苗植付部の荷重を路面にあずけた状態で路上走行すると、機体全体の重心が下がり、機体が安定する。また、補助車輪84,84は前輪10,10及び後輪11,11よりも外側に位置しているので、機体が左右に転倒するのを防止する効果が大きい。機体の転倒を防止するために、下記のように構成してもよい。 【0028】図7及び図8に示す田植機は、メインフレーム15から側方に突出させた支持フレーム94,94にピストン側が下方外側になるように斜めに電動シリンダ95,95を固定し、その電動シリンダのピストンに補助車輪96,96が回転自在に支持されている。通常はピストンが引っ込んでおり、補助車輪96,96が地面から浮いた位置にあるが、左右傾斜センサ97によって検出される機体の左右傾斜が一定(例えば30度)以上になると、傾斜した側の電動シリンダ95のピストンが突出し、その側の補助車輪96が前輪10及び後輪11よりも外側の位置で接地する。これにより、補助車輪96が走行車体2の前後中央部左右側方の位置で機体を支え、機体の転倒を防止する。 【0029】 【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる農作業機は、路上走行時等には作業装置が接地した走行推進体によって地面に支えられ、地面の凹凸に追従して昇降するように構成されているので、機体全体の重心が下がり、旋回時等に機体が左右に転倒することが防止されるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開平11−187723 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−367776 |
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