| 【発明の名称】 |
田植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 悟
|
| 【要約】 |
【課題】自走可能の走行機体の後方に植付装置を連結し、同植付装置の田面からの高さを検出し、同検出値に基づき植付装置昇降機構の昇降用油圧シリンダの伸縮作動を制御して、植付装置の田面からの高さを一定に保持すべく構成した田植機において、走行機体のピッチングによる植付深さの変動を抑制する。
【解決手段】上記走行機体に、同走行機体のピッチングの角速度を検出する角速度センサを設けて、同角速度センサの検出値に基づいて、昇降用油圧シリンダの作動速度を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走可能の走行機体(B) の後方に植付装置(D) を連結し、同植付装置(D) の田面からの高さを検出し、同検出値に基づき植付装置昇降機構(E) の昇降用油圧シリンダ(18)の伸縮作動を制御して、植付装置(D) の田面からの高さを一定に保持すべく構成した田植機(A) において、上記走行機体(B) に同走行機体(B) のピッチングの角速度を検出する角速度センサ(31)を設けて、同角速度センサ(31)の検出値に基づいて、昇降用油圧シリンダ(18)の作動速度を制御することを特徴とする田植機。 【請求項2】 上記走行機体(B) に油圧感度設定器(52)を設けて、同油圧感度設定器(52)の設定値に基づいて、上記角速度センサ(31)の検出値による昇降用油圧シリンダ(18)の作動速度への影響度を修正することを特徴とする請求項1記載の田植機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、田植機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、自走可能の走行機体の後方に植付装置を連結し、同植付装置の田面からの高さを検出し、同検出値に基づき植付装置昇降機構の昇降用油圧シリンダの伸縮作動を制御して、植付装置の田面からの高さを一定に保持して、苗の植付高さを一定に保持するようにした田植機がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、圃場の硬盤の凹凸等により走行機体がピッチングすると、これに伴って植付装置が上下動するのであるが、ハンチングを防止できる程度に設定した昇降用油圧シリンダの作動速度では、周期の速いピッチングに追従して植付装置を昇降できず、そのため、苗の植付深さが変動するという問題がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、自走可能の走行機体の後方に植付装置を連結し、同植付装置の田面からの高さを検出し、同検出値に基づき植付装置昇降機構の昇降用油圧シリンダの伸縮作動を制御して、植付装置の田面からの高さを一定に保持すべく構成した田植機において、上記走行機体に同走行機体のピッチングの角速度を検出する角速度センサを設けて、同角速度センサの検出値に基づいて、昇降用油圧シリンダの作動速度を制御することを特徴とする田植機ことを特徴とする田植機を提供せんとするものである。 【0005】また、次のような特徴を併せ有するものである。 【0006】上記走行機体に油圧感度設定器を設けて、同油圧感度設定器の設定値に基づいて、上記角速度センサの検出値による昇降用油圧シリンダの作動速度への影響度を修正すること。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態は、自走可能の走行機体の後方に植付装置を連結し、同植付装置に田面からの高さを検出するフロートセンサを設け、同検出値に基づいて植付装置昇降機構の昇降用油圧シリンダの伸縮作動を制御して、植付装置の田面からの高さを一定に保持するように構成し、しかも、走行機体にピッチングを検出する角速度センサを設けて、走行機体のピッチングの角速度を検出し、同角速度センサの検出値に比例して、昇降用油圧シリンダの作動速度を増減して、走行機体にピッチングが発生した時だけ、昇降用油圧シリンダの作動速度を増速して、ハンチンングを防止しながら、植付装置の昇降作動がピッチングに追従できるようにしている。 【0008】また、走行機体に油圧感度設定器を設けて、同油圧感度設定器で上記昇降用油圧シリンダの作動速度への影響度を、圃場の状態に合わせて適切に設定できるようにしている。 【0009】 【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明する。 【0010】図1は、本発明に係る田植機Aを示しており、同田植機Aは、自走可能の走行機体Bの後方に、3点リンク機構Cを介して植付装置Dを昇降自在に連結し、走行機体Bで植付装置Dを牽引走行しながら、圃場の田面に苗を植え付けるようにしている。 【0011】走行機体Bは、機体フレーム1の前後部下面に、それぞれ、左右両端に左右前車輪2を取付けた前車軸ケース3と、左右両端に左右後車輪4を取付けた後車軸ケース5とを配設し、機体フレーム1の前部上面にエンジン6を被包したボンネット7を配置し、同エンジン6の後方に、ステアリングホイル8、表示盤9及び座席10等を具備した運転部11を設けている。 【0012】そして、前記エンジン6からの動力を、機体フレーム1の下面に配設したミッションケース12に伝達して変速し、同ミッションケース12からの動力を後車軸ケース5を介して左右後車輪4に伝達すると共に、ミッションケース12から前駆動軸13と前車軸ケース3とを介して左右前車輪2に動力を伝達するようにしている。 【0013】3点リンク機構Cは、走行機体Bの後端部に設けたリンク取付基部14と、植付装置Dのフレームを兼ねる植付駆動ケース20の前端部に連設したリンク取付枠15との間に左右一対のロアリンク16とトップリンク17とを架設し、走行機体Bの後部に配設した植付装置昇降機構Eの昇降用油圧シリンダ18を上記ロアリンク16に連動連結して、植付装置Dを略平行移動させながら昇降作動させるようにしている。上記、昇降用油圧シリンダ18は単動型であって、油圧で植付装置Dを上昇させ、同油圧を解除して植付装置Dを下降させるようにしている。また、上記トップリンク17の中途に伸縮機構19を設けて、植付装置Dの前後傾斜姿勢を調整できるようにしている。 【0014】植付装置Dは、植付駆動ケース20の上方に、複数の苗マットを左右方向に並列して積載可能に形成した苗載台21を左右往復移動自在に配設し、上記植付駆動ケース20の後端部に左右方向に伸延した駆動軸ケース22を連設し、同駆動軸ケース22の後面に、複数の植付ケース23を所定間隔を保持して後方向に連設し、同植付ケース23の後端部左右側面にそれぞれロータリケース24を軸着し、同ロータリケース24に植付爪25を装着して、ロータリケース24の回転により、植付爪25で苗載台21の上面に載置した苗マットから所定量の苗を採取して田面に植付けるようにしている。 【0015】前記植付駆動ケース20に左右方向に伸延した枢軸27を回動及び固定自在に架設し、同枢軸27から後方向に延出したフロート支持杆26の後端に、センタフロート28の後部上面を回動自在に枢着して、センタフロート28の後部の高さを調節可能にすると共に、リンク取付枠15にポテンショメータ型可変抵抗器で構成したフロートセンサ29を配設して、同フロートセンサ29とセンタフロート28の前部上面とをセンサリンク30を介して連動連結して、センタフロート28の植付装置Dに対する前後傾斜姿勢から苗の植付深さを検出し、この検出値を後述する制御装置50に入力すると共に、走行機体Bに角速度センサ31を配設して、走行機体Bのピッチングの角速度を検出して制御装置50に入力するようにし、更に、前記ボンネット7の上面に、ダイアル型のポテンショメータ型可変抵抗器で構成した油圧感度設定器52を配設して、同油圧感度設定器52での設定値を制御装置50に入力するようにしている。 【0016】図2は、油圧回路Hを示しており、エンジン6に油圧ポンプ40を連動連結し、同油圧ポンプ40にPWM制御方式の電磁比例制御弁41を連通連結し、同電磁比例制御弁41に前記昇降用油圧シリンダ18を連通連結して、後述する制御装置50から電磁比例制御弁41に入力する制御信号のデューティ比に基づいて、昇降用油圧シリンダ18の作動速度を制御できるようにしている。図中、42は植付装置Dのローリング制御用油圧回路、43はパワステアリング用油圧回路、45は植付装置Dの昇降作動をロックするための手動弁である。 【0017】図3は、制御装置50の構成を示しており、数値演算機能を有するコントローラ51の入力側に前記フロートセンサ29と角速度センサ31と油圧感度設定器52とを接続し、同コントローラ51の出力側に前記電磁比例制御弁41を接続して、フロートセンサ29からの入力に基づき、昇降用油圧シリンダ18の伸縮作動をフィードバック制御して、植付装置Dの田面からの高さを一定に保持することで、苗の植付深さを一定に保持するようにしており、上記昇降用油圧シリンダ18の作動速度はハンチングが発生しない範囲内に初期設定されている。 【0018】特に、本実施例では、コントローラ51で、上記フロートセンサ29からの高さ検出値と、角速度センサ31からの角速度検出値と、油圧感度設定器52での設定値とをコントローラ51で演算処理し、この演算結果に基づいて昇降用油圧シリンダ18の作動速度を制御するようにしており、硬盤Gの凹凸等により走行機体Bがピッチングして、植付装置Dが速い周期で上下動しても、前記制御動作が、上記ピッチングの速い周期に追従できるようにしている。 【0019】即ち、電磁比例制御弁41に出力する制御信号のデューティ比を、初期設定した作動速度が示す値に、角速度検出値の絶対値と感度設定値とを乗じた値を加えて算出した値に略比例させることにより、ピッチングの角速度が大きくなると、昇降用油圧シリンダ18の作動速度を速くなるようにしている。 【0020】また、田面が軟らかい場合には、油圧感度設定器52を敏感側(感度設定値大)に設定するのであるが、この場合は、植付装置Dの上昇作動時のみ感度設定値を大きくし、下降作動時には感度設定値を小さくして、アンダーシュートによるセンタフロート28の田面への沈み込みを防止している。 【0021】このように、走行機体Bにピッチングが発生していないときは、昇降用油圧シリンダ18の作動速度をハンチングが発生しない範囲内にとどまり、走行機体Bがピッチングすると、その角速度に対応して昇降用油圧シリンダ18の作動速度を増速して、走行機体Bのピッチングの速さに適した作動速度で植付装置Dを上下動させることで、走行機体Bのピッチングによる植付深さの変動を最小に抑制することができ、しかも、感度が、ピッチングが発生した時だけ敏感になり、他はハンチングが発生しない範囲内にとどまるので、ハンチングが発生せず、安定した植付深さ制御を行うことができる。 【0022】また本実施例では、前記機体フレーム1、昇降用油圧シリンダ18、ロアリンク16間に、植付装置Dの慣性力を吸収するための緩衝体を介設しておらず、昇降用油圧シリンダ18の伸縮作動が直接3点リンク機構Cに伝達されるようにして、昇降用油圧シリンダ18の伸縮作動に対する植付装置Dの作動の応答性と精度と向上させており、植付装置Dが上昇作動する際には作動速度を速くし、下降作動状態から停止する際には、真の不感帯の手前で下降作動を停止させるようにしている。なお、昇降用油圧シリンダ18と電磁比例制御弁41との間にリリーフバルブ44を介設して安全性の向上をはかっている。 【0023】 【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得ることができる。 【0024】請求項1記載の発明では、自走可能の走行機体の後方に植付装置を連結し、同植付装置の田面からの高さを検出し、同検出値に基づき植付装置昇降機構の昇降用油圧シリンダの伸縮作動を制御して、植付装置の田面からの高さを一定に保持すべく構成した田植機において、上記走行機体に同走行機体のピッチングの角速度を検出する角速度センサを設けて、同角速度センサの検出値に基づいて、昇降用油圧シリンダの作動速度を制御することによって、走行機体のピッチング角速度に植付装置昇降機構の制御作動を追従させることができ、従って、ピッチング発生時でも植付装置の高さを一定に保持して、苗の植付深さを一定に保持することができる。 【0025】請求項2記載の発明では、上記走行機体に油圧感度設定器を設けて、同油圧感度設定器の設定値に基づいて、上記角速度センサの検出値による昇降用油圧シリンダの作動速度への影響度を修正することによって、敏感な昇降制御動作を要する軟弱な田面と、鈍感な制御動作の方が適している堅い田面との両方に対応することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−187719 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−357822 |
|