| 【発明の名称】 |
真空吸着式播種装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】武野 節生
【氏名】大前 健介
|
| 【要約】 |
【課題】吸着ノズルを、育苗ポット上方の放出位置と、ホッパーの上方位置と、ホッパー内の種子を吸着する吸着位置の間を移動させて播種するようにした播種装置において、吸着ノズルに余分な種子が吸着し、取り除くことが難しかった。
【解決手段】ホッパー23上方の吸着ノズル15の上昇過程途中に、叩圧体40を配置し、前記叩圧体の一端を上方に回動自在に枢支し、該叩圧体の他端に叩圧体の叩圧力を調節する錘体48を位置調整可能に取り付けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸着ノズルを、育苗ポット上方の放出位置と、ホッパーの上方位置と、ホッパー内の種子を吸着する吸着位置の間を移動させて播種する播種装置において、前記ホッパー上方の吸着ノズルの上昇過程途中に、叩圧体を配置したことを特徴としたことを特徴とする真空吸着式播種装置。 【請求項2】 前記叩圧体の一端を上方に回動自在に枢支し、該叩圧体の他端に叩圧体の叩圧力を調節する錘体を位置調整可能に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の真空吸着式播種装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、搬送されるトレイ上の育苗ポットに播種する真空吸着式播種装置において、吸着ノズルに確実に一粒の種子が吸着されるようにする技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、種子ホッパーより吸着ノズルにて種子を吸着し、鉛直方向に上昇して吸着ノズルを種子ホッパー上方に移動させた後に、水平方向に移動し、吸着した種子を種子落下ガイドの種子放出部内に放出して、更に種子を播種用ホース内を落下させて育苗ポットの各ポット内に播種する構成の真空吸着式播種装置は公知となっている。この種子を吸着した吸着ノズルを鉛直方向に上昇させるためにエアシリンダーが用いられ、該エアシリンダーにはバネやダンパー等の緩衝部材を配置せずロッド伸長終端位置において、伸長を急激に停止して、その衝撃で吸着ノズルに吸着した余分な種子を落下させるようにしていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のように、エアシリンダーのロッドを伸長させた終端位置にダンパー等の緩衝部材を配置しない構成においては、吸着ノズルへの衝撃の伝達が弱く、吸着ノズルで吸着した余分な種子を確実に落下させることができず、育苗ポットに余分な種子まで播種することがあった。また、この構成は、エアシリンダー自身への衝撃が大きく、耐久性が悪くなっていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点を解消するために、吸着ノズルを、育苗ポット上方の放出位置と、ホッパーの上方位置と、ホッパー内の種子を吸着する吸着位置の間を移動させて播種する播種装置において、前記ホッパー上方の吸着ノズルの上昇過程途中に、叩圧体を配置したものである。また、前記叩圧体の一端を上方に回動自在に枢支し、該叩圧体の他端に叩圧体の叩圧力を調節する錘体を位置調整可能に取り付けたものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題及び解決するための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明する。図1はノズル叩圧体を配した真空吸着式播種装置の側面図、図2は真空吸着式播種装置の正面図一部断面図、図3は同じく後面図一部断面図、図4は種子吸着構造を示す真空吸着式播種装置の部分側面図、図5は真空吸着式播種装置の枠体及び種子ホッパーの後面図、図6は本発明のノズルの上昇位置にノズル叩圧体を配した側面図、図7は種子ホッパーの部分断面斜視図である。 【0006】真空吸着式播種装置は、育苗ポットを内包するトレイを搬送する搬送装置31上に配設される。育苗ポットには碁盤目上に凹部を形成したポットが形成されており、各ポット内には、該真空播種装置に搬入されてくるまでに用土が充填されている。真空吸着式播種装置は、搬入されてきた育苗ポットの各ポット内の用土上に、鎮圧具にて播種用の穴を穿ち、さらに、種子ホッパー7内の種子を吸着ノズル4にて真空吸着して、種子落下ガイド19へ放出し、播種用ホース10を通過させて各ポット内の用土上の穴に落下させ、播種するものである。 【0007】まず、吸着式播種装置の全体的構成より説明すると、図1〜図3に示すように、搬送装置31上の両側に側板1・1を固設し、該側板1の最前部(図1の左側)に支持プレート2を横設し、該支持プレート2に鎮圧具3の位置調整用の支持部材を支持し、該支持プレート2より上方に逆L字形状にフレーム20を立設しており、該側板1・1の最後部には種子ホッパー23を内包する枠体16を配設している。前記枠体16の前部には種子落下ガイド19を横設し、該種子落下ガイド19下部より播種用ホース10・10・・・を前記鎮圧具3の後方に配した播種ノズル8・8・・・上に垂下している。また、前記側板1の中央部分において、種子ホッパー23より種子を吸着して種子落下ガイド19に種子を放出するための吸着ノズル15を支持するノズル支持体14を立設しているのである。 【0008】前記鎮圧具3は、図1、図2に示すように、鎮圧具ホルダー3aに保持され、鎮圧具用昇降シリンダー4のピストンロッドの下端に付設されており、該シリンダー4の伸縮により昇降し、該シリンダー4伸長時に育苗ポットのポット内用土上に達して、播種用の穴を穿つものである。また、該鎮圧具3及び鎮圧具用昇降シリンダー4の位置調整のため、ツマミ5aにてロッド5bを伸縮させる構成の前後位置調整具5を、側板1・1間で装着し、前後方向に架設した支持プレート2に固設し、同様にツマミ6aにてロッド6bに外嵌した上下位置調整具6を昇降させるようにし、該上下位置調整具6に鎮圧昇降用シリンダー4を固設して、両ロッド5b及び6bの先端を連結具7に固定する。このようにして、鎮圧具3の上下及び前後位置が、ツマミ5a及び6aの回動により調整され、搬送される育苗ポットの各ポット位置に正確に播種用穴を穿つことができるのである。 【0009】前記播種ノズル8は、図1、図3に示すように、播種ノズルホルダー8aに保持され、前後位置調整具9に連結されて前後移動可能となっている。各播種ノズル8は、前記種子落下ガイド19に配設した播種シュート18より垂下する播種用ホース10の下端に付設されているのであり、吸着ノズル15により種子を播種シュート18内に放出し、種子が播種ホース10内を落下して播種ノズル8よりポット内の用土に穿孔された播種用穴に播種されるのである。 【0010】次に、種子ホッパー23内の種子を吸着する構成について説明する。まず、前記吸着ノズル15の移動構成について、図1、図2、図4より説明する。一方の側板1の中央側部に、前後方向に移動する横シリンダー11を配設し、該横シリンダー11のピストンロッド11a・11aの端部を側板1に固定して、該横シリンダー11を前後動可能とする。そして、該横シリンダー11の側面に連結板12を固設し、該連結板12に上下シリンダー13を固設する。該上下シリンダー13のピストンロッド13a・13aの先端部は、吸着ノズル15を取り付けるノズル支持体14に固定する。こうして、前記ノズル支持体14を上下及び前後方向に移動可能とし、吸着ノズル15の、図4における(A)〜(C)位置間の移動を可能とするのである。また、前記吸着ノズル15の(C)位置は、吸着ノズル高さ調整ツマミ14aの回動によって調整可能とし、最適の種子吸着位置を得ることができる。 【0011】前記ノズル支持体14の先端には、搬送方向に対して直角(上下)方向に吸着ノズル15が突設されており、該吸着ノズル15は、育苗ポットの横一列ポット数の二倍の数の吸着口15aを垂設し、吸着ノズル15基部にホースを介して真空ポンプ及びコンプレッサーが接続され、該吸着ノズル15への空気の流れを切り換えて、種子吸着、及び種子放出を可能とするのである。尚、前記吸着ノズル15は、播種しようとする種子の種類や育苗ポットの形状により、別の種類のものに交換可能となっている。 【0012】前記種子ホッパー23を内包する枠体16は、側板1・1間に架設され、枠体16内下方は、種子ホッパー23下部より下方に傾斜する形状の種子回収用受台17を配設しており、飛散した種子や、播種が終了して種子ホッパー23より取り出した残りの種子を受けるもので、底部にはプラグ17aを設け、底部に溜まった種子を回収できるように構成している。また、L字状の前記フレーム20の先端に、漏斗状の補助ホッパ21を保持し、該補助ホッパ21より補充用ホース22を種子ホッパー23につなぎ、種子ホッパー23内の種子を補充する。 【0013】また、前記種子ホッパー23は揺動自在に支持されている。即ち、図5に示すように、種子ホッパー23は、ホッパー回動軸24を回動支点として上下回動可能となっているもので、該ホッパー回動軸24の両端部は、ボルト25・25にて枠体16に固定されている。また、前記ホッパー回動軸24には、下降した吸着ノズル15の各吸着口15aが挿入する如く挿入口24a・24a・・・が設けてあり、中央部には種子補充用ホース22を挿入可能な補充用口24bを開口している。また、前記種子ホッパー23の両側面にリンク26・26をボルト27・27にて枢支し、枠体16の下方にて横設されているアーム回動軸28より突設するアーム29・29に該リンク26先端を枢結する。該アーム回動軸28は、ロータリーシリンダー30により回転駆動されるものであり、該アーム回動軸28が回転することによってアーム29及びリンク26が上下に往復動され、種子ホッパー23を上下揺動する。 【0014】また、本実施例において、図5〜図7に示すように、前記吸着口15a・15a・・・の下降位置となる前記種子ホッパー23の底面前部の角部には、仕切板39・39・・・が一定間隔をおいて設けている。該仕切板39・39・・・は種子ホッパー23を製作するときに、射出成形等で一体的に形成して、加工を容易としているが、三角錘状の板材を底面前部の角部に固設することも可能である。前記仕切板39は屋根状に構成して、種子は谷側に集中させる構成とし、種子ホッパー23内の種子量が少なくなっても、吸着口15a・15a・・・の下降位置には種子が集まるようにしている。また、前記吸着口15a・15a・・・の間隔が異なる種子ホッパー23を数種類形成し、吸着ノズル15を別の種類のものに交換するのに対応させて、種子ホッパー23を交換し、播種作業が行えるようにしている。 【0015】以上のようにして、前記吸着ノズル15が横シリンダー11及び上下シリンダー13の伸縮と真空ポンプの駆動によって、吸着ノズル15の(B)位置より(C)位置に下降し、各吸着口15aが挿入口24a内に挿入され、種子ホッパー23内の種子を真空吸着した後に上昇し、播種シュート18側の(A)位置に移動し、播種シュート18内に種子を放出することによって、播種ノズル8を通じて育苗ポットに播種される。 【0016】次に、本発明の上昇位置で吸着ノズル15に吸着された余分な種子を落とす構成について説明する。図1、図6に示すように、前記フレーム20途中部より下方に支持体41を突設し、該支持体41下部に支持フレーム42を搬送方向に対して直角で水平方向に横設している。該支持フレーム42より前方にアーム43を突設している。該アーム43の側方には、側面視略逆L形の吸着ノズル叩圧体40が配され、吸着ノズル叩圧体40後部が枢支ピン44によってアーム43の前部に枢支される。 【0017】前記吸着ノズル叩圧体40後下部は、支持フレーム42下部より前方に突設する板バネ45に当接され、吸着ノズル叩圧体40の下方回動が規制され、吸着ノズル叩圧体40前部を前方に向けている。該吸着ノズル叩圧体40前部は、種子ホッパー23上方の吸着ノズル15が上昇した位置に配置されている。前記吸着ノズル叩圧体40前部下面は、前高後低に傾斜状の叩圧ガイド面40aが形成され、該叩圧ガイド面40aに上昇する吸着ノズル15上部が叩圧される。また、前記吸着ノズル叩圧体40は図6中の二点鎖線40’のように、前部を上方に持ち上げて回動し、退避させた位置に保持することができる。このとき、前記板バネ45によって下方へ回動することが規制されている。尚、前記支持フレーム42を支持体41に対して上下調整自在に配して、吸着ノズル叩圧体40の高さを調整可能に支持することもできる。 【0018】また、前記吸着ノズル叩圧体40の前上部にはナット体46がネジ孔の軸心方向を前後に向け固設されている。該ナット体46のネジ孔にネジ軸47が螺入され、該ネジ軸47の前端部に錘体48が固設されている。前記ネジ軸47を回して錘体48の位置を調節することで上昇する前記吸着ノズル15上部を叩圧する力を調整することができる。即ち、錘体48を枢支ピン44より離れる方向に移動させることで、吸着ノズル叩圧体40の枢支ピン44回りの回転モーメントが大きくなり、叩圧する力を大きくすることができる。逆に、ネジ軸47をナット体46にねじ込んで、錘体48を枢支ピン44に近づける方向に移動させることで、吸着ノズル叩圧体40の回転モーメントが小さくなり叩圧する力を小さくすることができ、種子の大きさや重さや吸引力等に合わせて種子が一つだけ吸着ノズル15に吸着されるように調節するのである。 【0019】また、前記ナット体46よりネジ軸47を外し、錘体48を交換することもできる。尚、前記支持フレーム42に複数個のアーム43を突設し、吸着ノズル叩圧体40の個数を多く取り付けて、各吸着ノズル15に均等に叩圧力を伝える構成にすることもできる。また、前記錘体48の取り付け位置を変え、叩圧力を調整する構成は、ネジ軸47とナット体46に限定するものでなく、錘体48を板状に形成し、ネジやピンを用いて吸着ノズル叩圧体40上の取り付け位置を調整し、吸着ノズル叩圧体40の叩圧力を調節する構成としてもよい。 【0020】このように構成したことによって、前記吸着ノズル15が横シリンダー11及び上下シリンダー13の伸縮によって移動し、真空ポンプの駆動によって、吸着ノズル15の(A)位置から水平後方に移動させると、吸着ノズル叩圧体40前部に引っ掛かることなく、叩圧ガイド面40aに沿って(B)位置に案内される。そして、吸着ノズル15が下降して、各吸着口15aが挿入口24a内に挿入され、(C)位置まで下降し、種子ホッパー23内の種子を真空吸着した後に上昇すると、(B)位置まで上昇する直前で吸着ノズル15上部が叩圧ガイド面40aに叩圧され、その衝撃で吸着ノズル15の各吸着口15aに複数の種子が吸着された場合には、余分な種子が落とされ、一粒の種子のみが吸着口15aに吸着されたまま残る。そして、播種シュート18側の(A)位置に移動し、播種シュート18内に種子を放出することによって、播種ノズル8を通じて育苗ポットに播種される。 【0021】 【発明の効果】以上のように構成したので、本発明は次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1記載のように、吸着ノズルを、育苗ポット上方の放出位置と、ホッパーの上方位置と、ホッパー内の種子を吸着する吸着位置の間を移動させて播種する播種装置において、前記ホッパー上方の吸着ノズルの上昇過程途中に、叩圧体を配置したことによって、吸着ノズルが上昇したときに叩圧体に当接し、そのときの衝撃によって、吸着ノズルに吸着した余剰種子を取り除くことができ、育苗ポットの各ポットに誤って複数個の種子が播種される不具合がなく、各ポットに一粒毎に種子が播種され、播種精度を向上することができる。 【0022】また、請求項2記載の如く、前記叩圧体の一端を上方に回動自在に枢支し、該叩圧体の他端に叩圧体の叩圧力を調節する錘体を位置調整可能に取り付けたことによって、種子の大きさや重さや吸引力等に合わせて叩圧力を変更することができ、単一の種子のみを確実に吸着することができる。よって、欠株がなく様々な種類の種子の播種作業を行うことができ、精度を向上できる。また、叩圧体を上方へ大きく回動することによって退避させることができ、不要な場合に当接させないようにできるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−187707 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−359487 |
|