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【発明の名称】 代掻き植付機の施肥装置
【発明者】 【氏名】矢田 克之

【氏名】矢倉 秀

【要約】 【課題】施肥作業を円滑に行い、且つ安定した施肥効果を得ることができる代掻き植付機の施肥装置を提供する。

【解決手段】後方に連結した植付機6の前方に代掻き用ロータ13を設けた走行機体1に肥料タンク21を有する施肥装置24を取り付け、施肥装置24の肥料排出口18aを代掻きロータ13より前方に開口せしめた。また肥料排出口18aを備えた肥料排出部を、代掻き深さより深い位置に肥料を排出せしめる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(1)の後方に植付機(6)を連結し、該植付機(6)の前方に代掻き用ロータ(13)を設け、上記走行機体(1)に肥料タンク(21)を有する施肥装置(24)を取り付けた代掻き植付機において、上記施肥装置(24)の肥料排出口(18a)を代掻きロータ(13)より前方に開口せしめた代掻き植付機の施肥装置。
【請求項2】 施肥装置(24)における肥料排出口(18a)を備えた肥料排出部が、代掻き深さより深い位置に肥料を排出せしめる構成である請求項1の代掻き植付機の施肥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は代掻きと同時に植付けを行う代掻き植付機の施肥装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来田植え前の圃場への施肥として粒状肥料の散布が行われているが、代掻きと同時に植付けを行う代掻き植付機による植付け作業の場合は、植付時に水が多い時には、不要な水を圃場から排出せしめる落水が行われている。このため該落水時に散布した肥料が流出し、施肥効果を十分に得ることができないという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明の代掻き植付機の施肥装置は、走行機体1の後方に植付機6を連結し、該植付機6の前方に代掻き用ロータ13を設け、上記走行機体1に肥料タンク(施肥タンク)21を有する施肥装置24を取り付けた代掻き植付機において、上記施肥装置24の肥料排出口18aを代掻きロータ13より前方に開口せしめたことを第1の特徴としている。
【0004】また施肥装置24における肥料排出口18aを備えた肥料排出部が、代掻き深さより深い位置に肥料を排出せしめる構成であることを第2の特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下図面に従って本発明を応用した代掻き植付機の1実施形態について説明する。図1に示されるように、走行機体1が前後輪5,10に支持されており、該走行機体1には座席2等より構成される運転席3が設けられている。そして運転席3の後方(走行機体1の後方)には苗載せ台4を斜設した植付機6が従来同様の昇降リンク7を介して昇降自在に、且つローリング可能に連結されている。
【0006】上記植付機6は従来同様、植付機6側に斜設された苗載せ台4の背面側に、正面視において少なくとも縦方向に左右2本設けられている支柱8と、該支柱8に固定される横フレームとを備えており、該横フレーム両端に設けられているステー9に側面視において山型に湾曲した支持アーム11の後端が回動自在に取り付けられている。
【0007】そして該支持アーム11の前端に軸支されているロータ軸12には図1,図2に示されるように左右方向に従来同様の代掻き用ロータ13がロータ軸12と一体回転するように軸支されているが、このとき上記ロータ軸12側にはリヤの走行駆動部14側からPTO連結軸16等を介して駆動力が入力されており、従来同様上記走行駆動部14側からの駆動力によってロータ軸12を回転させることで、代掻き用ロータ13を回転動作させる構造になっている。
【0008】また上記横フレームには、従来同様横フレームの斜め下後方に横設され、走行機体1側から伝動ケースを介して駆動力が入力される伝動軸ケースが一体的に連結されているとともに、該伝動軸ケースに複数のプランタケースが配設されており、該プランタケースの上方にマット苗を載置する前記苗載せ台4が左右スライド自在に、各プランタケースの後端に苗載せ台4の下端より苗を掻き取って植付ける植付部17が取り付けられている。
【0009】一方上記代掻き用ロータ13の前方には図2に示されるように金属等の硬質な材料で角等のパイプ状に形成された施肥用のパイプ18がステー19を介して植付機6側に固定されて設けられており、該パイプ18の開口した下端18aは代掻き用ロータ13の下端より下方に突出している。
【0010】また走行機体1側における運転席3の後方には施肥用の肥料を充填せしめた肥料タンク21が設けられているとともに、該肥料タンク21側には肥料タンク21から肥料を排出せしめる施肥駆動部22が取り付けられており、上記パイプ18と施肥駆動部22側(施肥駆動部22の駆動により肥料を排出する排出部分)とがホース23により連結配管されている。
【0011】そして施肥駆動部22を作動させることで肥料タンク21からパイプ18にホース23を介して肥料が送られ、パイプ18の開口した下端18aから圃場側に肥料が施肥される。つまり上記肥料タンク21,施肥駆動部22,ホース23,パイプ18等により圃場に肥料を排出(施肥)せしめる施肥装置24が構成され、走行機体1側に植付機6に亘るように設けられており、上記パイプ18の下端18aが肥料排出口として代掻き用ロータ13より前方に開口せしめられている。なお上記施肥駆動部22は上記走行駆動部14とロッド26を介して連結されており、走行駆動部14の駆動により作動せしめられるように構成されている。
【0012】本実施形態の代掻き植付機は以上に示されるように構成されており、昇降リンク7を下降せしめてフロート27により植付機6を圃場面に接地支持させて走行機体1を走行せしめることで、走行駆動部14の駆動により施肥装置24が駆動されて、該施肥装置24により上記のように施肥を行うとともに、代掻き用ロータ13により圃場の代掻きを行い、且つ伝動軸ケース側に入力される駆動力が各プランタケースに伝動されて植付部17が作動し、この植付部17によって植付作業を行う。
【0013】なお代掻き用ロータ13は従来同様耕起された土壌の表層部分を代掻し、それよりも下層は耕耘した段粒構造のままとして残す状態で圃場の代掻きを行うが、上記パイプ18は代掻き用ロータ13の下端より下方に突出しているため、代掻き深さよりも深い溝を圃場に作溝してこの溝に肥料を施肥する。つまりホース23,ノズル18等により構成される肥料排出口を備えた肥料排出部は代掻き深さより深い位置に施肥を行い、このため施肥された肥料が風により飛ばされたり泥水等により流されたりする不都合が防止される。
【0014】すなわち植付けと同時(代掻きも同時)に施肥を行うため、落水等による肥料の流出が防止され、肥料分の固定が良く安定した施肥効果を得ることができるとともに、従来同様施肥作業効率が高くなり、さらに施肥された肥料が風により飛ばされたり泥水等により流されたりする不都合が防止されるため、より確実に一定量の肥料を施肥することができ、施肥量のばらつきが少なくなる。
【0015】またパイプ18と肥料タンク21とが側面視で近接する(前後方向が近接する)ため、肥料タンク21側とパイプ18とのパイピング(ホース23の配管)を容易に行うことができる他、該パイピングが比較的急勾配となるため、これによってホース内部を自重により落下する肥料がより円滑にパイプ18側に供給され、肥料の排出量が安定すると共に、詰まり等が防止され、特に粒状の肥料の場合効果的である。
【0016】なお図3(b)に示されるようにパイプ18の下端18aを圃場の上方に位置させ、圃場面上に施肥する構造としても良い。さらに上記実施形態では施肥駆動部22の駆動がリヤの走行駆動部14から行われるように構成されているが、前述のプランタケース側等から駆動力を得る構成としても良く、また肥料以外に除草剤や薬剤の散布に応用しても良い。また上記パイプ18は本実施形態においては植付機6側に設けられているが走行機体1側に設けても良い。
【0017】一方上記走行機体1前方の左右両側には、左右に突出可能な揺動アーム31と該揺動アーム31先端に上下方向(圃場に対してほぼ垂直)に支持されたポール状のマーカ32等により構成されたトレースマーカ33が設けられており、従来同様植付け済みの苗の上をマーカ32でトレースしていきながら、走行機体1を進行させていくことで最初に植えた苗に平行で、且つ正しい隣接条間で植付作業を行うことができるように構成されている。
【0018】このときマーカ32は揺動アーム31に対して上下方向に位置調節自在に支持されているが、図4に示されるように下端部分が略逆U字形をなして、正面視で二股に開放しており、これによって前記二股の開放部分内に苗を位置させることでマーカ32による上記苗のトレースを容易に行うことができるような構造となっている。またマーカ32を上下移動させることによってマーカ32と苗との接触も容易に防止することができる。
【0019】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、植付けと同時に施肥を行うため肥料の流出が少なく、安定した施肥効果を得ることができるが、このとき走行機体に取り付けた施肥装置の肥料タンク(施肥タンク)と、肥料排出口との前後位置がより近接するため、肥料タンクと肥料排出口側とのパイピングを容易に行うことができるという利点がある。
【0020】また上記パイピングを比較的急勾配とすることができ、これによって肥料タンクから肥料排出口側への肥料の排出をより円滑に行わせることもできる。さらに代掻き深さより深い位置に施肥するように構成することで、風や泥水等による肥料の流出が防止され、施肥量のばらつきをより小さくすることができるという効果もある。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開平11−168931
【公開日】 平成11年(1999)6月29日
【出願番号】 特願平9−362754