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【発明の名称】 肥料供給装置
【発明者】 【氏名】梶谷 博正

【氏名】近藤 健一

【要約】 【課題】肥料供給部内で肥料袋を確実に切開して、より粘度の高い肥料を排出きる肥料供給装置を提供する。

【解決手段】肥料袋Fを肥料供給部73内で切開することにより、肥料を肥料供給部73に通ずる肥料タンク4に送給させ、肥料供給部73内に収容された肥料袋Fを左右に振分け状に切開するカッティング機構6を設けた肥料供給装置である。また、カッティング機構6を、肥料供給口73に開閉可能に設けた蓋74の閉じ動作を連動させて肥料袋Fを切開できるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肥料袋Fを投入収容可能な肥料供給部73内で該肥料袋Fを切砕することにより、肥料を肥料タンク4に送給する肥料供給装置において、前記肥料供給部73内に収容された肥料袋Fを左右に振分け状に切開するカッティング機構6を設けてなる肥料供給装置。
【請求項2】 カッティング機構6を、肥料供給部73に開閉可能に設けた蓋74の閉じ動作に連動させて肥料袋Fを切砕する請求項1の肥料供給装置。
【請求項3】 カッティング機構6を、肥料供給部73の中心部から左右方向に振分けて縦向きに設けた複数のカッター61で構成した請求項1又は2の肥料供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗の植付けと同時にペースト状の肥料等を施肥する移植機に設置可能な肥料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、苗の植付と同時にペースト状の肥料を施肥するようにした施肥同時田植機は、特公平6−85650号公報に示されるように、肥料タンク内に肥料を充填した肥料袋を直接投入した状態で切断刃(カッター)を有するカッティング機構によってこの肥料袋を切砕して、その内部の肥料を肥料タンク内に供給するようにした肥料供給装置に構成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報のような構成による肥料供給装置は機体の左右に併設された肥料タンク内にカッティング機構をそれぞれ必要としているので、構造が複雑で重量が大きくなるとともにコスト高になる等の欠点がある。そこで1つのカッティング機構から左右の肥料タンクに肥料を供給するようにすると装置の軽量化や低コスト化を図ることができるが、高粘度のペースト状肥料を投入した場合にはその流動性が低いことから両タンク内に均等に供給され難く、肥料の片減り現象が早期に発生し、肥料の供給回数が多くなる等作業が煩雑になる等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、肥料袋を投入収容可能な肥料供給部内で該肥料袋を切砕して肥料を肥料タンクに送給する肥料供給装置において、前記肥料供給部内に収容された肥料袋を左右振分状に切開するカッティング機構を設けている。また、カッティング機構を、肥料供給部に開閉可能に設けた蓋の閉じ動作を連動させて肥料袋を切砕するようにしている。
【0005】更に、カッティング機構を肥料供給部の中心部から左右方向うに振分けて縦向きに設けた複数のカッターで構成している。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の肥料供給装置の実施形態につき説明する。図1、図2において1は、苗の植付けと同時に施肥を行なう施肥移植機を示しており、この施肥移植機1は前輪1aと後輪1bを前後に有する機体フレーム1cの前部にエンジン1Eをボンネット1dで覆った状態で搭載し、この背後に操縦部1fを配置し、更に後部に昇降リンク機構1gを介して従来の構造の植付爪2a及び苗載台2b、接地フロート2c等を有する植付装置2を昇降可能に装着しているとともに、本発明に係る肥料供給装置3を設けている。
【0007】上記肥料供給装置3につい説明すると、この肥料供給装置3は機体フレーム1cの前側にボンネット1dの両側部に配置した肥料タンク4と、これらの肥料タンク4の底部に連通し、収容された肥料を圧送する肥料ポンプ4aと、この肥料ポンプ4aに送給管を介して連結されて植付装置2に地中内に向けて施肥可能に取着された施肥ノズル4bとから構成し、上記左右の肥料タンク4にはボンネット1dの前方に配置した肥料供給室5の両側と導管5L,5Rを介して連通させて、肥料供給室5内から肥料を両側の肥料タンク4に供給するようにしている。
【0008】上記実施形態における肥料供給室5は、図3(A),(B)に示すように上部を開口した方形状の供給口5aに蓋5bを開閉可能に備えており、この肥料供給室5の上方には図4に示すカッティング機構6を備えた供給容器7を着脱可能に取付けることができるように構成している。即ち、上記供給容器7は、図5に示す粘性の高いペースト状の肥料を収容する肥料袋Fを投入供給できる大きさの方形状の容器枠70を前記肥料供給室5の供給口5aに合致させ、両者に突出形成したフランジ71と50とを取付ネジ51を貫通して締着することによって一体的に枠組みできるように構成している。
【0009】また、図3(A)に示す供給容器7は、図6に示すように上記容器枠70の後部に取付部(蝶番)72を介してこの容器枠70で形成される肥料供給部73を開閉可能に閉塞する蓋74を設けており、その後側枠75の内側面には、巾方向の中心部から左右両側方に等距離に振り分けて、板状のガイド60を容器内に向けて一体的に突設し、後述するカッティング機構6のカッター61を前記蓋74の開閉動作に連動させて進退作動可能に構成している。
【0010】上記カッティング機構6は、カッター61の上部を蓋74の基部側と連結軸62を介して連結し、下部を上記ガイド60の下部に内側に向けて斜めに穿設したガイド孔63に、ガイドピン64を介して連結支持しているとともに、鋸刃状の刃線を内側にして上下方向に凹曲させて形成している。一方、前記ガイド60は、その内側に凹曲形成されたガイド面高さを、図6(A)に示すように蓋74の開動でガイド孔63に案内されて退動するカッター61の刃線を突出させずに覆うように形成しており、また、蓋74が閉動されてカッター61が押し下げられ、ガイド孔63を介し進動した切断姿勢では刃線をガイド60から肥料供給部73の内側に突出させることができるようにしている。
【0011】また、供給容器7の前側には該供給容器7内に投入供給されて収容状態にある肥料袋Fを外部に出ている一端を持って引き抜くと、肥料袋Fを押圧して肥料袋F内部の肥料を絞り出す絞出機構8を設けている。即ち、上記絞出機構8は容器枠70側の口縁に沿って肥料袋Fの裏側を受けるように設けた受片80と、この受片80に対向する位置で肥料袋Fの表側を押接する押圧片81を蓋74の内面に突出形成することによって構成している。
【0012】図6(A),(B)に示すように、供給容器7内に収容された肥料袋Fの底部を肥料供給室5の底部から浮かせて、肥料袋Fの切開部からの肥料の排出を円滑に行なわせるように離間した位置に支持するように受座9を設けている。なお、74aは蓋74を閉じた状態に固定するロック部材である。次に、以上のように構成した肥料供給装置の作業手順及び作用等について図7を参照し説明する。
【0013】先ず、同図(A)に示すように蓋74を開いた状態で、肥料を収容した肥料袋Fを供給容器7内に投入供給すると、肥料袋Fは図6(A)に示すカッティング機構6のカッター61が後退した「非切断姿勢」にある供給容器7内において、受座9とガイド60に支持されて肥料袋Fを不測に切ることなく、安定した状態で適正位置に収容される。また、ガイド60が設けてあるので供給容器7内の清掃等のメンテナンス作業をカッター61に触れることなく行ない易くすることができる。
【0014】次いで、図7(B)に示すように肥料袋Fの把手部分のみを一部露出させた状態で蓋74を閉じると、この蓋閉止動作に伴ってカッター61は図6(B)に示すように前方に突出しながら下動するので、この供給容器7内に収容された肥料袋Fは、左右に振り分け状に2ケ所をカッター61によって縦方向に切開されることになる。
【0015】このとき肥料は、前記カッター61で切開された肥料袋Fの2ケ所から、左右同時に略等量づつ肥料供給室5内に自重によって排出されるので、左右の導管5L,5R内にも均等に流れて両タンク4,4に等量の肥料を簡単に供給することができるものである。また、図7(C)に示すように、肥料袋Fは、両側のロック部材74aをかけた状態で両手で引き出すことによって図6(B)に示すように、絞出機構8の受片80と押圧片81とで挟持状に押圧されていることにより、肥料袋Fの内部に付着残留している肥料が切開部から絞り出されて肥料供給室5内に排出されるので、肥料を無駄にすることなく、肥料の供給作業を肥料袋Fを取り出す動作に伴わせて簡単に行なうことができる。
【0016】従って、このようにして肥料袋F内の肥料は、1つの供給容器7から左右の肥料タンク4内に等量づつ供給されるので、肥料の片減りが防止されて肥料の補給回数を少なくすることができる等の利点がある。また図6に示すようにカッター61を蓋74の開閉動作に伴って縦方向に移動させるように構成したことにより、カッティング機構6の構成を単純にできるとともに、肥料袋Fの切開に動力を用いることなく確実に行なうことができる等の利点がある。
【0017】次に、図8、図9を参照してカッティング機構6の別実施形態について説明する。図8に示すカッティング機構6は、前述のものと同様な配置によって左右振り分け状に配置された、上向きに先鋭な刃を有する三角形状のカッター61を受座9に穿設したスリットから出没(進退)させるように構成した例を示している。図示例ではカッター61を上向きに設けた支持リンク65の中程を横支軸66で枢支するとともに、この支持リンク65の他端を蓋74に連結軸62で枢支された作動杆67の下部と連結することにより、上記蓋74の開閉動作に基づいて前述の装置と同様な作動を良好に行なって肥料袋Fの所定の位置の切開を簡単に行なうことができるようにしている。
【0018】図9に示すカッティング機構6は、図8のものと同様なカッター61を肥料供給室5内に固定設置するとともに、受座9を張りスプリング90で支受しながら上下可動可能に設け、且つカッター61と対向する部位に、この受座9が肥料袋Fが載置されて鎖線で示す位置から実線で示す位置に下動したときに、カッター61をスリットを通過させて肥料袋Fの所定の位置を切開できるように長孔状のスリットを穿設している。
【0019】この構成によって肥料袋Fは、供給容器7内の受座9上に載置されると、この受座9とともに下降するので、カッター61によって確実に切開され、収容されていた肥料を円滑に排出することができるものである。なお、カッティング機構6のカッター61は、既述のものに限ることなく、例えば供給容器7の中心部に設けた両刃状のカッターを左右に作動させることによって肥料袋Fを切砕するようにしてもよいものである。
【0020】
【発明の効果】肥料供給部内に投入供給された肥料袋をカッティング機構によって左右振り分け状に切開することにより、肥料袋内の肥料を左右に向けて等量となるように速やかに排出することができるので、粘度の高いペースト状の肥料においても肥料タンク内に円滑に送給することができ、肥料の供給作業を能率よく円滑に行なうことができる。
【0021】また、この構成により、カッティング機構を備えた1つの肥料供給部から左右の肥料タンク内への肥料の等量供給を容易に行なうことができ、装置の構成を簡潔で廉価なものにすることができる等の利点もある。そしてカッティング機構の作動は肥料供給部の蓋の閉じ動作で行なうようにしたので、動力を用いることなく簡単に行なうことができる。
【0022】また、カッティング機構は蓋と連動して肥料袋を上下方向に切断する縦向きのカッターとしたことにより、肥料袋を良好に切開することができるとともに構造を簡単にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開平11−168929
【公開日】 平成11年(1999)6月29日
【出願番号】 特願平9−346218