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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】高見 幸徳

【氏名】渡里 圭介

【要約】 【課題】ロータリケースに内装されるギヤがブレーキアームの影響で回転不良を起す不都合を防止すると共に、ブレーキアームの長さや配置の自由度を向上させる。

【解決手段】ロータリケース9内に、プランタアーム軸18に設けられる第二カム27を押圧してギヤ噛合部のバックラッシュを吸収するブレーキアーム26を設けるにあたり、該ブレーキアーム26の支軸29をギヤ軸30と別位置に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付駆動軸に固定されたロータリケースの端部に、ロータリケースの回転に伴って移植苗を植付けるプランタアームを設けると共に、該プランタアームの姿勢を、ロータリケースに内装されるギヤ列を介して制御する移植機において、前記ロータリケース内に、所定のギヤ軸に設けられるカムを押圧してギヤ噛合部のバックラッシュを吸収するブレーキアームを設けるにあたり、該ブレーキアーム支点をギヤ軸とは別位置に設けたことを特徴とする移植機。
【請求項2】 請求項1において、ギヤ列に交差するようにブレーキアームを配置すると共に、該ブレーキアームを、ギヤ列に沿って配置されるブレーキスプリングで付勢したことを特徴とする移植機。
【請求項3】 請求項1において、ブレーキアームを付勢するブレーキスプリングに沿ってスプリング押えプレートを配置したことを特徴とする移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の移植機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種移植機のなかには、植付駆動軸に固定されたロータリケースの端部に、ロータリケースの回転に伴って移植苗を植付けるプランタアームを設けると共に、該プランタアームの姿勢を、ロータリケースに内装されるギヤ列(不等速回転を伝達する偏芯ギヤ列等)を介して制御するようにしたものがある。しかるに、前記ギヤ列のギヤ噛合部には、バックラッシュ(噛合クリアランス)によるガタがあるため、プランタアームの移動軌跡が不安定となり、その結果、移植苗の掻取量や植付姿勢が不揃になる不都合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、所定のギヤ軸にカムを設けると共に、該カムをブレーキアームで押圧してギヤ噛合部のバックラッシュを吸収するようにしたものが既に提案されているが、従来では、ブレーキアームをギヤ軸で支持していたため、意図しない負荷がギヤ軸に作用してギヤが回転不良を起す可能性がある許りでなく、ブレーキアームの長さや配置が制限される不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、植付駆動軸に固定されたロータリケースの端部に、ロータリケースの回転に伴って移植苗を植付けるプランタアームを設けると共に、該プランタアームの姿勢を、ロータリケースに内装されるギヤ列を介して制御する移植機において、前記ロータリケース内に、所定のギヤ軸に設けられるカムを押圧してギヤ噛合部のバックラッシュを吸収するブレーキアームを設けるにあたり、該ブレーキアーム支点をギヤ軸とは別位置に設けたことを特徴とするものである。つまり、ブレーキアームの負荷で偏芯ギヤが回転不良を起す不都合を防止することができる許りでなく、ブレーキアームの長さや配置の変更を容易にしてロータリケースの小型化を計ることができる。また、ギヤ列に交差するようにブレーキアームを配置すると共に、該ブレーキアームを、ギヤ列に沿って配置されるブレーキスプリングで付勢したことを特徴とするものである。つまり、ブレーキアームを略直交方向から付勢することができる許りでなく、ブレーキスプリングをコンパクトに収容してロータリケースの小型軽量化を計ることができる。また、ブレーキアームを付勢するブレーキスプリングに沿ってスプリング押えプレートを配置したことを特徴とするものである。つまり、ブレーキスプリングの倒れがスプリング押えプレートによって規制されるため、ブレーキアームを常に適正なスプリング力で付勢することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1は走行機体2の後部に昇降リンク機構3を介して連結される植付作業機であって、該植付作業機1は、昇降リンク機構3に連結される作業機フレーム4、該作業機フレーム4に左右往復動自在に支持される苗載台5、該苗載台5の下端部に沿って配設され、かつ苗掻取口(図示せず)を有するエプロン6、作業機フレーム4から後方に延出する複数のプランタケース7、該プランタケース7の下方に配設されるフロート8等で構成されるが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】9は前記プランタケース7の一側面部もしくは両側面部に設けられるロータリケースであって、該ロータリケース9の中央部は、プランタケース7の側面部に突設される筒部7aに回動自在に外嵌しているが、ロータリケース9の外ケース9aには、プランタケース7から突出する植付駆動軸10が一体的に連結されているため、植付駆動軸10の駆動に伴ってロータリケース9が回転するようになっている。
【0007】11は前記ロータリケース9の中央部に内装される太陽ギヤであって、該太陽ギヤ11は、植付駆動軸10に回動自在に支持されるが、その一側面には、前記筒部7aの先端爪部7bに噛合して太陽ギヤ11を回止めする噛合爪11aが一体的に形成されている。そして、この太陽ギヤ11には、一対の中間ギヤ12が180度位相ずれした位置でそれぞれ噛合し、さらに各中間ギヤ12には、それぞれ遊星ギヤ13が噛合しているため、太陽ギヤ11を中心として直線状に並ぶギヤ列が構成されている。
【0008】14、15は前記筒部7aとロータリケース9との間に介設される一対の軸受であって、該軸受14、15のうち、太陽ギヤ11側に配置されるブッシュ型の軸受15は、前記先端爪部7bと噛合爪11aとの噛合部を覆っているが、噛合部の外周面と軸受15の内周面との間には、所定の間隙が形成されている。
【0009】16はプランタビーク17を備えるプランタアームであって、該プランタアーム16の基端部は、ロータリケース9の両端部に回動自在に支持され、かつ前記遊星ギヤ13にスプライン結合される筒状のプランタアーム軸18に一体的に連結されている。即ち、前記植付駆動軸10の駆動に伴ってロータリケース9が回転すると、中間ギヤ12が太陽ギヤ11の周囲を公転しながら自転すると共に、中間ギヤ12に噛合する遊星ギヤ13が逆回りに自転するため、遊星ギヤ13に一体的に結合されるプランタアーム16は、植付駆動軸10を中心として公転しつつ、プランタアーム軸18を中心として逆方向に自転し、その結果、プランタアーム16の姿勢は、ロータリケース9の回転に拘わらず常に苗載台5の方向を向くように制御されるようになっている。
【0010】また、前記太陽ギヤ11、中間ギヤ12および遊星ギヤ13は何れも偏芯ギヤ(不等速回転を伝達するものであれば楕円ギヤや非円形ギヤでも可能)に形成されている。そして、各偏芯ギヤの角速度設定は、プランタビーク17が苗載台5から苗を掻取った後、前方に膨らむ円弧を描きながら土中の植付位置に達し、その後は直線的に上昇する半月状の静止軌跡(走行停止時の先端運動軌跡)を描くように設定されるが、一方のプランタビーク17が苗載台5から苗を掻取る時、それと同時に他方のプランタビーク17が植付けを実行するようにプランタビーク17の位置および軌跡が設定されているため、ロータリケース9が一回転する毎に二回の植付けが実行されるようになっている。
【0011】19は前記プランタアーム軸18内に組込まれるカム軸であって、該カム軸19の基端部は、ロータリケース9の内ケース9bに一体的に固定される一方、先端部には、プランタアーム16内を臨む第一カム20が一体的に設けられている。また、21はプランタビーク17の内面部に配設されるプランタフォークであって、該プランタフォーク21は、プランタアーム16に出没自在に支持されるロッド22の先端部に一体的に取付けられているが、ロッド22は、復帰スプリング23によって常時後退側に付勢されると共に、他端側が前記第一カム20に接当する揺動アーム24の一端側に係合されている。つまり、ロータリケース9の回転に伴う植付作動に際し、プランタビーク16が植付位置に達した段階で第一カム20の大径部が揺動アーム24の他端側を押し、これに連動するプランタフォーク21の前進作動に基づいてプランタビーク16から苗を押出すようになっている。
【0012】25は前記揺動アーム24を揺動自在に支持するピンであって、該ピン25は、プランタアーム16に嵌入組付されるため、揺動アーム支点にネジを用いていた従来の如く、プランタアーム16にネジ溝を形成する必要がない許りでなく、組付作業も簡略化することができ、しかも、前記ピン25の基端部には、工具を係合可能な係合溝25aが形成されているため、ピン25の取外しも容易に行うことができるようになっている。
【0013】26は前記ロータリケース9に内装される揺動自在なブレーキアームであって、該ブレーキアーム26は、プランタアーム軸18にスプライン結合される第二カム27を、ブレーキスプリング28の付勢力を受けて押圧している。そして、ブレーキアーム26の押圧位置が第二カム27の頂部に達する過程では、ブレーキアーム26がブレーキスプリング28の付勢力に抗して退避方向に揺動するため、ブレーキアーム26の押圧力がプランタアーム軸18の回転を制動する方向に作用し、一方、ブレーキアーム26の押圧位置が第二カム27の頂部を越えてからは、ブレーキアーム26がブレーキスプリング28の付勢力で押圧方向に揺動するため、ブレーキアーム26の押圧力がプランタアーム軸18を積極的に回転させる方向に作用するようになっている。つまり、ブレーキアーム26は、プランタビーク17の所定の運動軌跡範囲においてプランタアーム軸18を制動方向もしくは回転方向に付勢するため、前記ギヤ列のギヤ噛合部に存在するバックラッシュ(噛合ガタ)を吸収してプランタビーク17の運動軌跡を安定させることができるようになっている。
【0014】29は前記ブレーキアーム26の揺動支点となるブレーキアーム支軸であって、該ブレーキアーム支軸29は、前記中間ギヤ12のギヤ軸30との兼用を避け、ギヤ列とは別位置に設けられている。つまり、中間ギヤ12のギヤ軸30でブレーキアーム26を支持していた従来の如く、ブレーキアーム26の負荷で中間ギヤ12等が回転不良を起す不都合を防止することができる許りでなく、ブレーキアーム26の長さ、配置等の変更を容易にしてブレーキスプリング28やロータリケース9の小型化を計ることができるようになっている。
【0015】ところで、前記ブレーキアーム26は、プランタアーム軸18と中間ギヤ軸30との間に、ギヤ列に交差する方向を向いて配置される一方、ブレーキアーム26の先端部を付勢するブレーキスプリング28は、ギヤ列に沿って配置されている。即ち、ブレーキアーム26を略直交方向から無駄無く付勢することができるため、スプリング力の小さい小型のブレーキスプリング28を採用することができる許りでなく、ブレーキスプリング28の倒れを防止することができ、しかも、ブレーキスプリング28を収容する張出部を形成する必要がないため、ロータリケース9の小型軽量化を計ることができるようになっている。尚、9cはロータリケース9の内側面に形成されるリブであって、該リブ9cは、ブレーキスプリング28の基端部を支える許りでなく、ロータリケース9の軸受部を補強する補強リブとしても機能している。
【0016】さらに、31はロータリケース9に組込まれるスプリング押えプレートであって、該スプリング押えプレート31は、中間ギヤ軸30によって位置決めされ、かつ中間ギヤ12と外ケース9aとの間に挟装される状態でロータリケース9に組込まれるが、その組込位置は、ブレーキスプリング28の一側に沿っているため、ブレーキスプリング28の倒れを規制することができる許りでなく、ロータリケース分解時におけるブレーキスプリング28の飛び出しも規制することができ、しかも、スプリング押えプレート31は、中間ギヤ12と外ケース9aとの間でスペーサ(ギヤ支え部材)としても機能するため、中間ギヤ12の適正なギヤ噛合を保つことができる許りでなく、部品の兼用化に基づいて部品点数の削減および構造の簡略化を計ることができるようになっている。
【0017】一方、前記プランタアーム16の基端部およびプランタアーム軸18の先端部には、互いに重合可能なフランジ部16a、18aが形成され、該フランジ部16a、18a同志を前後一対の固定ボルト(締付ボルト)32、33を用いて一体的に固定しているが、このときプランタアーム軸18の先端部がプランタアーム16の嵌合孔16bに嵌合してプランタアーム16の取付中心を位置決めするようになっている。
【0018】16c、16dはプランタアーム16のフランジ部16aに形成される前後一対のボルト貫通孔であって、該ボルト貫通孔16c、16dのうち、前側のボルト貫通孔16cは、前記取付中心の接線方向(上下方向)を向く長孔に形成される一方、後側のボルト貫通孔16dは、取付中心の径方向(前後方向)を向く長孔に形成されている。また、34は後側の固定ボルト33に螺合する偏芯ナットであって、該偏芯ナット34には、プランタアーム軸18側のボルト貫通孔18bに嵌合するカム部34aが一体形成されると共に、ナット中心に対して偏芯する螺合孔が形成されている。つまり、前側の固定ボルト32を弛めた状態で偏芯ナット34を回すと、後側固定ボルト33が後側ボルト貫通孔16d内を前後方向に動きながらフランジ部16aの後端部を上下方向に押すため、前記取付中心を支点としてプランタアーム16の取付角度が変化し、該取付角度変化に基づいてプランタアーム16の掻取量調整を行うことができるようになっている。しかも、後側固定ボルト33の締付作業時には、偏芯ナット34の回転を工具で規制するため、締付回転中心が動いて作業性が低下する不都合がない許りでなく、締付終了段階で偏芯ナット34側を回し操作するだけで掻取量を容易に調整することができるようになっている。
【0019】また、前記偏芯ナット34は、プランタアーム16のプランタケース側(固定側)に設けられる一方、固定ボルト33は、プランタアーム16の外側(調整側)に設けられるため、後側固定ボルト33の締付作業スペースを確保できる許りでなく、偏芯ナット34の回転中心を固定させて掻取量調整時の作業性を向上させることができるようになっている。
【0020】とことで、前記取付中心位置から後側固定ボルト位置までの距離L1は、取付中心位置から前側固定ボルト位置までの距離L2よりも大きく設定されている。つまり、プランタアーム軸18を取付中心とするプランタアーム16の取付角度に基づいて掻取量を微調整するにあたり、取付中心から最も遠い固定ボルト33のナットを偏芯ナット34にしたため、偏芯ナット34の回動角に対する調整量を小さくして微妙な調整を行うことができるようになっている。
【0021】一方、35、36は前記プランタビーク17をプランタアーム16に固定する上下一対の固定ボルトであって、該固定ボルト35、36のうち、上側の固定ボルト35が貫通するプランタビーク17のボルト貫通孔17aは、多少のクリアランスを考慮した通常の丸孔に形成されるが、下側の固定ボルト36が貫通するボルト貫通孔17bは左右方向を向く長孔(融通部)に形成されている。つまり、固定ボルト35、36を弛めた状態では、一方の固定ボルト35を支点としてプランタビーク17の左右位置を単独で微調整することができるため、プランタアーム16の全体位置をシムを用いて微調整していた従来に比して、プランタビーク17の左右位置調整を簡単に行うことができる許りでなく、固定部を利用することによって構造の複雑化も回避することができるようになっている。
【0022】ところで、本実施形態では、プランタビーク17をプランタアーム16に固定する上下一対の固定ボルト35、36のうち、一方の固定ボルト35を支点としたプランタビーク17の左右位置調整を行うため、一方のボルト貫通孔16bを長孔にするだけで実施できる利点があるが、プランタビーク17の上端部を固定する上側固定ボルト35を支点としてプランタビーク17の左右位置調整を行うようにしたため、比較的短い長孔でも調整範囲を広く確保することができるようになっている。
【0023】また、前記プランタビーク17の左右両縁部には、フランジ部17cを曲折形成して平面視形状を略冂字状とし、これをプランタアーム16の前端部に嵌合させているが、プランタアーム16の前端部とフランジ部17cとの間には、プランタビーク17の左右位置調整代となる隙間Sが確保されている。つまり、プランタビーク17とプランタアーム16との嵌合部を利用してプランタビーク17の左右位置調整範囲を設定しているため、ストッパ等を別途形成する場合に比して構造を簡略化することができるようになっている。
【0024】叙述の如く構成されたものにおいて、前記ロータリケース9内には、プランタアーム軸18に設けられる第二カム27を押圧してギヤ噛合部のバックラッシュを吸収するブレーキアーム26が設けられているが、該ブレーキアーム26の支軸29は、ギヤ軸30との兼用を避けて別位置に設けられているため、中間ギヤ12のギヤ軸30でブレーキアーム26を支持していた従来の如く、ブレーキアーム26の負荷で中間ギヤ12等が回転不良を起す不都合を防止することができる許りでなく、ブレーキアーム26の長さ、配置等の変更を容易にしてブレーキスプリング28やロータリケース9の小型化を計ることができる。
【0025】また、ギヤ列に交差するようにブレーキアーム26を配置すると共に、該ブレーキアーム26を、ギヤ列に沿って配置されるブレーキスプリング28で付勢するため、ブレーキアーム26を略直交方向から無駄無く付勢することが可能になる。従って、スプリング力の小さい小型のブレーキスプリング28を採用することができる許りでなく、ブレーキスプリング28の倒れを防止することができ、しかも、ブレーキスプリング28を収容する張出部を形成する必要がないため、ロータリケース9の小型軽量化を計ることができる。
【0026】また、ブレーキスプリング28の一側に沿ってスプリング押えプレート31を配設したため、ブレーキスプリング28の倒れを規制することができる許りでなく、ロータリケース分解時におけるブレーキスプリング28の飛び出しも規制することができ、しかも、本実施形態では、スプリング押えプレート31を、中間ギヤ12と外ケース9aとの間に介装されるスペーサに兼用しているため、中間ギヤ12の適正なギヤ噛合を保つことができる許りでなく、部品の兼用化に基づいて部品点数の削減および構造の簡略化を計ることができる。
【0027】また、プランタアーム軸18のフランジ部18にプランタアーム16を固定するための固定金具を偏芯ナット34を用いて構成し、該偏芯ナット34の回し操作に基づいてプランタアーム16の掻取量調整(取付角度調整)を行うようにしたため、専用の調整ネジを別途設ける場合に比して部品点数の削減および構造の簡略化を計ることができる許りでなく、一種類の工具(スパナ)を用意するだけで掻取量調整を行うことができる。
【0028】また、固定ボルト33の締付作業時には、偏芯ナット34の回転を工具で規制するため、締付回転中心が動いて作業性が低下する不都合がない許りでなく、締付終了段階で偏芯ナット34側を回し操作するだけで掻取量を容易に調整することができる。
【0029】また、前記偏芯ナット34は、プランタアーム16のプランタケース側(固定側)に設けられる一方、固定ボルト33は、プランタアーム16の外側(調整側)に設けられるため、後側固定ボルト33の締付作業スペースを確保できる許りでなく、偏芯ナット34の回転中心を固定させて掻取量調整時の作業性を向上させることができる。
【0030】また、プランタアーム軸18を取付中心とするプランタアーム16の取付角度に基づいて掻取量を微調整するにあたり、取付中心から最も遠い固定ボルト33のナットを偏芯ナット34にしたため、偏芯ナット34の回動角に対する調整量を小さくして微妙な調整を行うことができ、その結果、掻取量調整の精度を向上させることができる。
【0031】また、プランタビーク17をプランタアーム16に固定する固定ボルト36の貫通孔17bを、プランタビーク17の左右位置調整を許容する長孔に形成したため、プランタビーク17の左右位置を単独で微調整することが可能になる。従って、プランタアーム16の左右全体位置をシムを用いて微調整していた従来に比して、プランタビーク17の左右位置調整が容易になり、しかも、プランタアーム16の固定部を利用して左右位置調整を行うため、容易に実施できる許りでなく、構造の複雑化を回避できる利点がある。
【0032】また、プランタビーク17をプランタアーム16に固定する上下一対の固定ボルト35、36のうち、一方の固定ボルト35を支点としてプランタビーク17の左右位置調整を行うため、長孔を一か所に形成するだけでプランタビーク17の左右位置調整が可能になり、その結果、実施が容易である許りでなく、構造の複雑化も回避することができる。
【0033】また、プランタビーク17とプランタアーム16との嵌合部に、プランタビーク17の左右位置調整代となる隙間Sを形成しているため、プランタビーク17の左右位置調整範囲を設定するためのストッパ等を別途形成する場合に比して構造を簡略化することができる。
【0034】尚、本発明は、前記実施形態に限定されないものであることは勿論であって、例えば図13に示すものの様に、プランタビーク17の左右位置調整に偏芯ボルト37を利用してもよい。そして、この場合には、上側ボルト貫通孔17aを上下方向を向く長孔に形成する一方、下側ボルト貫通孔17bを偏芯ボルト37のカム部37aに嵌合する丸孔に形成することになる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開平11−168925
【公開日】 平成11年(1999)6月29日
【出願番号】 特願平9−364002