| 【発明の名称】 |
種まき用機具 |
| 【発明者】 |
【氏名】島隅 和夫
【氏名】福本 仁志
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| 【要約】 |
【課題】複数の育苗ポットPが縦横に整列配置された苗トレイTに対し、各育苗ポットP内へ種子をまく作業は、非常に面倒であると共に、正確性が要求される。この作業を簡単、迅速且つ確実に行えるようにする。
【解決手段】内ケース2と外ケース3とで内外二重筒構造にし、両ケース2,3の周壁に、摺動前には互いに不一致となり、摺動後には一致する孔8,9を形成する。これら孔8,9は、種子を所定個装填可能な内径を有し、且つ苗トレイTにおける育苗ポットPの配置ピッチと同じ間隔で複数が設けられたものとなっている。苗トレイTの上で内ケース2と外ケース3とを相対摺動させることで、孔8,9を一致させ、予め内ケース2の孔8に装填した種子を、各育苗ポットP内へ落下させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内ケース(2)と、該内ケース(2)に摺動可能に外嵌された外ケース(3)とを有し、内ケース(2)及び外ケース(3)には互いの摺動時に面接触状態を保持する摺接壁(2a,3a)が設けられ、このうち内ケース(2)の摺接壁(2a)には種子(W)の所定数を通過可能にする複数の種子込め孔(8)が互いに所定間隔で形成されており、外ケース(3)の摺接壁(3a)には内ケース(2)に対する摺動の前と後とで内ケース(2)の各種子込め孔(8)に対して個別に不一致状態から一致状態へと切り替わる複数の種子落下孔(9)が形成されていることを特徴とする種まき用機具。 【請求項2】 前記内ケース(2)には、ケース内の相反する両端位置に種子溜まり部(20)が設けられており、両側の種子溜まり部(20)が交互に高低関係になるように内外両ケース(2,3)を傾けることで、内ケース(2)内の各種子込め孔(8)へ種子(W)の装填と余剰の種子(W)の回収とを可能にしてあることを特徴とする請求項1記載の種まき用機具。 【請求項3】 前記内ケース(2)及び外ケース(3)が各々筒形状に形成されていると共に、内ケース(2)の種子込め孔(8)及び外ケース(3)の種子落下孔(9)が各々筒軸方向に沿って1列に設けられており、内ケース(2)と外ケース(3)とが互いの摺動前の状態を自己保持すべく復帰バネ(14)により付勢されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の種まき用機具。 【請求項4】 前記内ケース(2)の種子込め孔(8)は、複数の育苗ポット(P)を配列した苗トレイ(T)の各育苗ポット(P)の配置ピッチに合わせた間隔で設けられており、内ケース(2)又は外ケース(3)には、苗トレイ(T)に対する位置設定部材(22)が設けられていることを特徴とする請求項3記載の種まき用機具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、種まき用の機具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】野菜等の苗の植え付けを移植機によって行う場合には、一般に、複数の育苗ポットが縦横に整列配置された樹脂製の苗トレイにおいて各育苗ポットで苗の成育をさせておき、この苗トレイを移植機へセットして苗の連続供給を可能にしている。 【0003】従って、このような苗トレイでは、予め、一つ一つの育苗ポット内へ所定量の床土を入れて1個又は所定数の種子をまき、散水させたうえで、更に必要に応じてこの苗トレイをハウス内へ入れる等して発芽を待つといった手間が必要になる。なお、大規模農家であれば、専用の播種プラント等を設置することができるため、これらの作業の大方を自動化することも可能ではあるが、中規模乃至小規模の農家の場合、これらの作業は殆ど手作業に依るところとなる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】苗トレイでの育苗を手作業で行う場合、その作業のなかで種まき作業が最も面倒であり、時間的ウエイトを占めるものであった。また、この種まき作業は正確性に劣る嫌いがあり、個々の育苗ポットに所定数以上の種子が入ったときには、個々の育苗ポットにおいて発芽後に苗の間引き・点検作業が必要になるし、反対に種子が入らない育苗ポットが発生した場合には、育苗や移植作業に拘わる歩留り性に劣り、その後の野菜収穫量にも悪影響が出てしまうということがあった。 【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、苗トレイ等に対して手作業による種まきが簡単、迅速且つ正確に行えるようにした種まき用機具を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明に係る種まき用機具では、内ケースと、この内ケースに摺動可能に外嵌された外ケースとを有し、内ケース及び外ケースには互いの摺動時に面接触状態を保持する摺接壁が設けられ、このうち内ケースの摺接壁には種子の所定数を通過可能にする複数の種子込め孔が互いに所定間隔で形成されており、外ケースの摺接壁には内ケースに対する摺動の前と後とで内ケースの各種子込め孔に対して個別に不一致状態から一致状態へと切り替わる複数の種子落下孔が形成されている。 【0007】このような構成にあって、まず、内ケースと外ケースとの相対的な摺動位置関係を、内ケースの種子込め孔と外ケースの種子落下孔とが不一致となる状態にする。従って、内ケースの内部において、各種子込め孔は、その底側が外ケースの摺接壁によって閉塞された凹部状態となっていることになる。そして、この状態で内ケースへ種子を入れ、これら内外両ケースを揺するようにすると、個々の種子込め孔に対して所定数の種子が装填準備されることになる。 【0008】そこで、内ケースと外ケースとを相対摺動させると、内ケースの種子込め孔と外ケースの種子落下孔とが一致し、種子込め孔に装填準備された所定数の種子が、種子込め孔の形成間隔にしたがって落下することになる。従って、この種まき用機具を用いれば、複数の育苗ポットが縦横に整列配置された苗トレイに対して、各育苗ポットへの種まきが簡単、迅速、且つ確実に行える。 【0009】内ケースに対し、ケース内の相反する両端位置に種子溜まり部を設けておくと、内外両ケースを揺する動作として、内ケース両側の種子溜まり部が交互に高低関係になるような傾け動作の繰り返しにすることができる。このような動作は、極めて単純で簡単であるため、各種子込め孔への種子の装填が簡単になるばかりでなく、全ての種子込め孔が満杯になった後の余剰の種子を、傾きの下側となる種子溜まり部へ回収することができるものである。 【0010】従って、内ケースの種子込め孔と外ケースの種子落下孔とを一致させた場合に、落下する種子数を確実なものにできるという利点がある。内ケース及び外ケースは各々、皿型や箱型をしたものとしてもよいが、丸形又は角形の筒形状にして、種子込め孔や種子落下孔をそれらの筒軸方向に沿った1列のものとすれば、持ち易くなり、操作性にも優れたものになる。また、内ケースと外ケースとは、互いの摺動前の状態、即ち、種子込め孔と種子落下孔とが不一致となる状態を自己保持すべく復帰バネにより付勢しておけば、種まき作業が更に容易になる利点がある。 【0011】この種まき用機具を上記した苗トレイに使用する場合、種子込め孔や種子落下孔を育苗ポットの配置ピッチに合わせた間隔にすることは勿論であるが、内ケース又は外ケースの少なくとも一方に対し、苗トレイに対する位置設定部材を設けておくと、種まき作業の一層の容易化、迅速化、確実化が図れるものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図5は、本発明に係る種まき用機具1の第1実施形態を示している。この種まき用機具1は、断面が中空円形をした筒型の内ケース2と、この内ケース2に対して摺動可能な状態で外嵌された外ケース3とを有している。 【0013】外ケース3についても、断面が中空円形をした筒型に形成されており、その内径は内ケース2の外径と摺接可能な寸法に形成されている。従って、内ケース2の外周面と外ケース3の内周面とは、互いの摺動時に面接触状態を保持する摺接壁2a,3aとなっている。外ケース3の摺接面3aの一部には径方向内方へ突出する回止め凸条5が設けられていると共に、内ケース2の摺接面2aの一部には、この回止め凸条5が嵌まる係合溝6が形成されている。そのため、内ケース2と外ケース3とは、相対的な回動が阻止されている。 【0014】そして、内ケース2の摺接壁2aのうち、筒軸方向に沿った1列部分に複数の種子込め孔8が互いに所定間隔で形成されている。各種子込め孔8は、種子Wの所定数(1個又は複数個)を通過可能にする内径を有している。種子込め孔8の相互間隔は、苗トレイTにおいて各育苗ポットPが設けられた配置ピッチに合わせて形成されており、また種子込め孔8の個数は、苗トレイTの幅方向における育苗ポットPの形成数と同数とされている。 【0015】これに対し、外ケース3の摺接壁3aには、内ケース2の種子込め孔8と対向する筒軸方向1列部分に、複数の種子落下孔9が形成されている。この種子落下孔9の相互間隔は上記種子込め孔8の相互間隔と同じであり、種子落下孔9の個数は種子込め孔8の個数と同数になっている。また、種子落下孔9の内径は、種子込め孔8の内径と同径か又はそれよりやや大きく形成されている。 【0016】内ケース2は外ケース3よりも長く、外ケース3の両端側へ突出するようになっている。そして、内ケース2の一端部には、鍔状に張り出したバネ受12が設けられていると共に、外ケース3の同側の端部にも鍔状に張り出したバネ受13が設けられており、これら両バネ受12,13の間にコイルバネ等の復帰バネ14が嵌め入れられている。 【0017】この復帰バネ14により、内ケース2と外ケース3とは、種子込め孔8と種子落下孔9とが不一致となる状態を自己保持されるようになっており、この復帰バネ14の弾発力に抗する方向へ内ケース2と外ケース3とを相対摺動させたときには、種子込め孔8と種子落下孔9とを一致させることができるようになっている。 【0018】即ち、内ケース2と外ケース3との摺動の前後で、種子込め孔8と種子落下孔9とを不一致状態と一致状態とに切替え可能になっている。なお、この復帰バネ14は、蛇腹構造を有した伸縮カバー15によって被覆しておくのが好適であり、このようにすることで土や水等により復帰バネ14が錆びたり詰まったりするのを防止できる。 【0019】内ケース2の両端部にはキャップ18が外嵌状に取り付けられており、このうち一方又は双方が、着脱可能になっている。この着脱可能にするための構造には、図示は省略するが、嵌め合い寸法差を利用したもの、ダボ等による係合構造を併用したもの、ねじ嵌め関係を持たせたもの、その他の係合構造を持たせたもの等を採用可能である。 【0020】上記キャップ18の内部は、内ケース2の内径よりも若干径大とされており、これによって種子溜まり部20が形成されている。外ケース3の一端部には、種子落下孔9が設けられた面へ向けて突出する位置設定部材22が設けられている。この位置設定部材22は、苗トレイTの幅方向一側縁に係合可能な当て止め部23と、苗トレイTの上面に当接するスペーサ部24とを有したもので、苗トレイTに対する幅方向の位置決め(即ち、育苗ポットPに対する種子落下孔9の位置合わせ)と高さ方向の位置決め(即ち、近接度合)とが可能になっている。 【0021】なお、外ケース3の他端部にも、位置設定部材22と同じ向きに突出するスペーサ25を設けておけば、苗トレイTに対する近接時の平行度合を保持できるため、好適である。次に、このような構成の種まき用機具1の使用状況を説明する。まず、内ケース2の一方のキャップ18を外し、ここから種子Wの所定量を内ケース2内へ入れ、キャップ18を元通り嵌め付ける。 【0022】そして、この種まき用機具1に対し、内ケース2の両側の種子溜まり部20が交互に高低関係になるように2〜3回、傾けるような揺すり動作を加える。これにより内ケース2内では、図4に示すように各種子込め孔8に対してその内径に応じた個数(図例では1個とした)の種子Wが装填される。また、全ての種子込め孔8に種子Wが装填された後は、内ケース2内に残された余剰の種子Wが、最後に傾斜の下側とされた方の種子溜まり部20へと回収されるようになる。 【0023】そこで、育苗ポットP内へ床土を入れた状態の苗トレイTに対し、その上面の幅方向一側縁に位置設定部22を所定状態に係合且つ載置させ、また他側縁の上面にスペーサ25を載置する。これにより、外ケース3の全ての種子落下孔9は、苗トレイTの横一列の全育苗ポットPに対してその略中心位置に位置付けられることになる。 【0024】次に、苗トレイTに対して外ケース3が動かないようにしながら、内ケース2における復帰バネ14側の一端部(キャップ18)を押し込んで、復帰バネ14を圧縮させる。これにより、図5に示すように外ケース3の種子落下孔9に対して内ケース2の種子込め孔8が一致し、種子込め孔8内に装填されていた種子Wが種子落下孔9を経て、苗トレイTの各育苗ポットPへ落下することになる。 【0025】この後、内ケース2の一端部を押し込んだ状態を解放すれば、復帰バネ14によって内ケース2は元の状態に摺動復帰するので、種子込め孔8と種子落下孔9とが不一致状態となって最初の段階に戻る。このような動作を、苗トレイTの長手方向における育苗ポットPの並び数だけ繰り返せばよいものである。 【0026】図6は、本発明に係る種まき用機具1の第2実施形態を示している。この第2実施形態が上記第1実施形態と異なるところは、位置設定部材22が内ケース2に対して設けられている点にある。従って、この第2実施形態では、苗トレイTの幅方向一側縁に位置設定部22を所定状態に係合且つ載置させたときに、内ケース2の全ての種子込め孔8が、苗トレイTの横一列の全育苗ポットPに対してその中心位置に位置付けられることになる。 【0027】そのため、その後の操作としては、苗トレイTに対して内ケース2が動かないようにしながら、復帰バネ14を圧縮させる向きに外ケース3を摺動させることになり、これにより、内ケース2の種子込め孔8に対して外ケース3の種子落下孔9が一致し、種子込め孔8内に装填されていた種子Wが種子落下孔9を経て落下するということになる。 【0028】なお、上記位置設定部材22は、内ケース2への取付部分22aが、内ケース2側において復帰バネ14を受けるためのバネ受12としての作用をも奏するようになっている。ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、内ケース2の長さや種子込め孔8の相互間隔及び個数や、外ケース3の長さや種子落下孔9の相互間隔及び個数は、苗トレイTにおける長手方向に合わせるべく形成することも可能である。 【0029】また、これらは、苗トレイTに対応させることが限定されるものもなく、その他の各種パレットやコンテナ等に対応させて形成させることも可能である。従って当然に、内ケース2内へ入れる種子Wとしても、野菜の種子に限定されず、草花等の種子をまく場合に適用可能である。内ケース2と外ケース3との相対摺動は、筒軸に沿った直線的な摺動に限らず、筒軸を中心とした回動でもよい。 【0030】内ケース2及び外ケース3を角型の筒状にすることにより、相互間の回止め構造を省略することも可能である。また、これら内ケース2及び外ケース3は、皿型や箱型として、種子込め孔8や種子落下孔9をそれぞれ複数列にすることができる。 【0031】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係る種まき用機具では、内ケースとこれに外嵌する外ケースとを相対的に摺動させることで、内ケースの種子込め孔と外ケースの種子落下孔とを不一致状態から一致状態に切り替えるようにし、もって内ケース内へ入れた種子の所定個数を種子込め孔及び種子落下孔の形成ピッチに応じて落下供給可能になっているので、例えば苗トレイの各育苗ポット等に対する手作業による種まきが簡単、迅速且つ正確に行えるようになる。 【0032】内ケースの両端位置に種子溜まり部を設けておくと、両側の種子溜まり部が交互に高低関係になるように内外両ケースを揺すったときに、各種子込め孔への種子の装填が簡単になり、且つ余剰の種子は種子溜まり部へ回収できるので、便利である。内ケース及び外ケースを筒形状にして、種子込め孔や種子落下孔をそれらの筒軸方向に沿った1列のものとすれば、持ち易くなり、操作性にも優れたものになる。また、内ケースと外ケースとの間に復帰バネを設けると、1回1回の作業において両ケースを元位置に戻すための操作が不要になり、迅速化及び省力化ができる。 【0033】内ケース又は外ケースに位置設定部材を設けておくと、苗トレイ等に対する位置合わせが簡単にできるようになり、作業性が良好になると共に、一層の迅速化及び確実化が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−168913 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−341549 |
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