トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 液体混入機
【発明者】 【氏名】黒木 誠

【氏名】野村 保明

【氏名】瀬出井 守

【要約】 【課題】液体の細かい混入量制御を簡単に行うことができると共に、混入させる液体量を少量から多量まで容易に制御可能で、液体量の制御性に優れ、多種類の液体の混入も容易に行うことができる液体混入機を提供すること。

【解決手段】液体混入機5を、駆動源としての可変速モータ装置8の回転駆動軸9にカム10を連結し、このカム10とダイヤフラムポンプ11A,11Bのダイヤフラム12の作動軸13とを連動させ、カム9の回転により作動軸13を往復動させて該ダイヤフラム12を往復動し、このダイヤフラム12の往復動に基づくポンピング作用により、液体としての薬液を吸引して、吐出する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可変速モータ装置と、該可変速モータ装置の回転駆動軸に連結されて回転されるカムと、前記カムと連動して往復動されるダイヤフラムを有し、該カムの回転によるダイヤフラムの往復動に基づくポンピング作用により、液体源から液体を吸引して、混入対象部に吐出する構成のダイヤフラムポンプと、を含んで構成されたことを特徴とする液体混入機。
【請求項2】 前記可変速モータ装置は、原動機とこの原動機の回転を変速する変速機とを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の液体混入機。
【請求項3】 前記カムは、外周面に周方向に沿って所定角度間隔をもって複数の突起部が形成され、隣接する突起部間は円弧面により連接された形状に形成され、前記ダイヤフラムの作動軸に設けられた回転ローラ部材と接触されると共に、前記回転ローラ部材を常時カムに接触する方向に弾性付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の液体混入機。
【請求項4】 前記ダイヤフラムポンプが複数設けられ、各ポンプの各ダイヤフラムがカムと連動して往復動されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の液体混入機。
【請求項5】 原水と液体としての薬液とを撹拌混合して栽培植物に散布する所定濃度の培養液を供給する撹拌機に対して、薬液を混入させる混入機であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の液体混入機。
【請求項6】 撹拌機から供給される培養液の濃度を測定する培養液濃度測定手段を介装し、この濃度測定値に基づいて、可変速モータ装置の回転数を制御して混入する薬液量を制御する構成としたことを特徴とする請求項5記載の液体混入機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培植物に散布する所定濃度の培養液を撹拌機から供給する際に、この撹拌機に対して、薬液(養液)を混入させる(供給する)場合に有効な液体混入機に関し、特に、液体混入量の制御性を向上する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、栽培植物に散布する所定濃度の培養液を供給する装置として、原水の流通経路に介装された撹拌機に対して薬液(養液)を混入させて、原水と薬液とを撹拌混合し、所定濃度の培養液を形成して、これを供給する構成のものが知られている。
【0003】そして、撹拌機に対して、薬液を混入させる(供給する)液体混入機としては、次のようなものが知られている。すなわち、ソレノイドを駆動源としてダイヤフラムポンプを駆動し、このダイヤフラムポンプのポンピング作用により、薬液を吸引して、吐出する装置がある。詳しくは、ソレノイドの往復動作する駆動軸にダイヤフラムポンプのダイヤフラムを連結して、該ダイヤフラムを変形作動し、このダイヤフラムの変形作動に基づくポンピング作用により、薬液を吸引して、吐出する。
【0004】あるいは、原水の流通経路に薬液吐出口を臨ませ、原水の流通時に経路に発生する負圧にて薬液を経路側に吸引する装置もある。さらに、渦巻きポンプのポンピング作用により、薬液を吸引して、吐出する装置であって、流量センサにより薬液流量を検出して、所定流量となるようにこのポンプの駆動を制御する装置もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上のような従来の混入機にあっては、それぞれ次のような問題点がある。すなわち、ソレノイドを駆動源としてダイヤフラムポンプを駆動する装置では、ソレノイドの往復動能力によって薬液の混入制御に問題がある。つまり、ソレノイドの往復動能力にはMAX値が有り、例えば、300回の往復動能力をMAX値とするものでは、例えば600ccの薬液を混入させる場合には、1回の往復動で2ccずつ薬液を吐出すれば、300回の往復動で、600ccの薬液を混入でき、特に問題はない。しかし、例えば、奇数量の薬液を混入させる場合には対応できない。
【0006】また、原水の流通時の負圧を利用して薬液を吸引する装置にあっては、多数の種類の薬液を混入させることが難しく、また、原水圧変動に伴って発生負圧が変動するため、薬液の混入量調整が難しい。
【0007】さらに、渦巻きポンプのポンピング作用により、薬液を吸引して、吐出する装置にあっては、ポンプ性能の問題から少吐出量に調整することができず、薬液の混入には適していない。
【0008】本発明は上記した課題を解消するためになされたものであり、液体の細かい混入量制御を簡単に行うことができると共に、混入させる液体量を少量から多量まで容易に制御可能で、液体量の制御性に優れ、多種類の液体の混入も容易に行うことができる液体混入機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため本発明は、可変速モータ装置と、該可変速モータ装置の回転駆動軸に連結されて回転されるカムと、前記カムと連動して往復動されるダイヤフラムを有し、該カムの回転によるダイヤフラムの往復動に基づくポンピング作用により、液体源から液体を吸引して、混入対象部に吐出する構成のダイヤフラムポンプと、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0010】特に、前記可変速モータ装置を、原動機とこの原動機の回転を変速する変速機とを含んで構成することができる。
【0011】また、前記カムを、外周面に周方向に沿って所定角度間隔をもって複数の突起部が形成され、隣接する突起部間は円弧面により連接された形状に形成し、前記ダイヤフラムの作動軸に設けられた回転ローラ部材と接触されると共に、前記回転ローラ部材を常時カムに接触する方向に弾性付勢する弾性部材を設けることが好ましい。
【0012】さらに、前記ダイヤフラムポンプを複数設け、各ポンプの各ダイヤフラムをカムと連動させて往復動させるようにすることができる。
【0013】また、原水と液体としての薬液とを撹拌混合して栽培植物に散布する所定濃度の培養液を供給する撹拌機に対して、薬液を混入させる混入機とすることができ、この場合、撹拌機から供給される培養液の濃度を測定する培養液濃度測定手段を介装し、この濃度測定値に基づいて、可変速モータ装置の回転数を制御して混入する薬液量を制御する構成とするのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施の形態にかかる液体混入機の内部構造を示す側面断面図、図2は、その平面図、図3は、その正面図である。また、図4は、本発明の液体混入機が適用される、栽培植物に散布する所定濃度の培養液を撹拌機から供給する培養液供給装置の概略図である。
【0015】先ず、図4に基づいて培養液供給装置の構造について説明する。原水源1から培養液の散布装置2に至る液流通経路3の途中に、原水と薬液とを撹拌混合する撹拌機4が介装されている。そして、この撹拌機4に供給された原水に対して薬液を混入する本発明の液体混入機5が設けられており、この液体混入機5からの薬液の吐出ホース6が撹拌機4に接続される。
【0016】次に、図1〜図3を参照して、液体混入機5の構成について説明する。すなわち、本発明の液体混入機5は、概略的に説明すると、駆動源としての可変速モータ装置8の回転駆動軸9にカム10を連結し、このカム10とダイヤフラムポンプ11A,11Bのダイヤフラム12の作動軸13とを連動させ、カム9の回転により作動軸13を往復動させて該ダイヤフラム12を往復動し、このダイヤフラム12の往復動に基づくポンピング作用により、液体としての薬液を吸引して、吐出する構成である。
【0017】この構成を詳述すると、液体混入機5は、駆動部Aとこの駆動部Aにより駆動されるポンプ部Bとから構成される(図2及び図3参照)。駆動部Aには、原動機8Aとこの原動機8Aの回転を変速する変速機としてのギヤヘッド8Bからなる可変速モータ装置8が設けられ、ポンプ部Bには、ダイヤフラムポンプ11A,11Bが設けられている。
【0018】ギヤヘッド8Bの前部には、図3に示すように、方形状の枠体14がボルト・ナット15により締結されており、この枠体14内に可変速モータ装置8の回転駆動軸9が突出されている。
【0019】また、枠体14の回転駆動軸9と直交する方向の相対向する一対の側壁外面に、2つのダイヤフラムポンプ11A,11Bがそれぞれ固定取付されている。前記回転駆動軸9には、これによって回転駆動される前記カム10が前記枠体14内側に位置して固定取付されている。このカム10は、図1に示すように、外周面に周方向に沿って所定角度間隔をもって複数の突起部10Aが形成され、隣接する突起部10A間は円弧面10Bにより連接された形状に形成される。
【0020】前記2つのダイヤフラムポンプ11A,11Bは、それぞれポンプ本体16とダイヤフラム12とから構成される。ポンプ本体16は、方形体ブロック16Aと該方形体ブロック16Aの一側面に固定取付されるダイヤフラム取付部材16Bとから構成されており、内部には、ダイヤフラム12が配設される圧力室17と、該圧力室17とそれぞれ連通する吸込通路18と吐出通路19と、が設けられている。
【0021】圧力室17はポンプ本体16の一側部に円形状に形成されている。ダイヤフラム12の背面中央部には作動軸13の一端部が固定取付されており、この作動軸13は、前記ダイヤフラム取付部材16Bに形成された支持孔16aにスライド可能に貫通され、該ダイヤフラム取付部材16B側面から外方に突出されている。
【0022】そして、前記作動軸13の突出端部には、略コ字形状の支持部材20が固定取付されている。この支持部材20は、図3に示すように、離間して相対向する一対の取付片20Aと両取付片20Aの基端部同士を連結する連結片20Bとから構成されており、この連結片20Bに前記作動軸13が連結される。
【0023】かかる支持部材20には回転ローラとしてのベアリング21が回転自由に取り付けられている。この場合、ベアリング21は、支軸21Aに回転自由に支持されており、この支軸21Aの両端部が前記支持部材20の各取付片20Aに固定されている。かかるベアリング21の外周面は、前記カム10の外周面に接触される。この場合、ダイヤフラム取付部材16Bと支持部材20の連結片20Aとの間の作動軸13外周面には、弾性部材としてのコイルスプリング22が介装されており、このコイルスプリング22によって前記ベアリング21が常時カム10に接触する方向に弾性付勢される。
【0024】一方、前記圧力室17の周部の相対向する2位置に吸込通路18と吐出通路19とがそれぞれ連通されている。吸込通路18は途中で屈曲してポンプ本体16Aの一方の端壁外面に吸込口として開口される。また、吐出通路19は途中で屈曲してポンプ本体16Aの他方の端壁外面に吐出口として開口される。
【0025】吸込口にはコネクタ23を介して吸込ホース24が接続される。このコネクタ23内部には、吸込ホース24から吸込通路18への流れのみを許容する2つのチェックバルブ25,26が直列に配置されて内蔵されている。
【0026】また、吐出口にはコネクタ27を介して吐出ホース6が接続される。このコネクタ27内部には、吐出通路19から吐出ホース6への流れのみを許容する2つのチェックバルブ28,29が直列に配置されて内蔵されている。
【0027】そして、一方のダイヤフラムポンプ11Aの吸込ホース24は、図示しない薬液が貯留されたタンク等と連通され、吐出ホース6は、前述した培養液供給装置の撹拌機4に連通される。
【0028】また、他方のダイヤフラムポンプ11Bの吸込ホース24は、図示しない他のの薬液が貯留されたタンク等と連通され、吐出ホース6は、前述した培養液供給装置の撹拌機4に連通される。かかるダイヤフラムポンプ11A,11Bは、ポンプ本体16Aを前記枠体14に締結することにより、可変速モータ装置8からなる駆動部Aに固定取付される。
【0029】次に、かかる構成の液体混入機の作用について説明する。可変速モータ装置8の駆動によって回転駆動軸9が回転すると、カム10が回転する。
【0030】かかるカム10の回転時、カム10の円弧面10Bがベアリング21外周面に接している状態では、ダイヤフラム12の作動軸13がコイルスプリング22の弾性付勢力によってダイヤフラム12を引く方向に動作され、カム10の突起部10Aがベアリング12外周面に接している状態では、ダイヤフラム12の作動軸13がコイルスプリング22の弾性付勢力に抗してダイヤフラム12を押す方向に動作される。
【0031】したがって、可変速モータ装置8の連続的な回転駆動により、カム10が連続的に回転することにより、作動軸13、つまり、ダイヤフラム12が連続的に往復動する。
【0032】ダイヤフラム12の往復動によるポンピング作用により、圧力室17には吸込ホース24、コネクタ25、吸込通路18を介してタンク内の薬液が吸い込まれると共に、圧力室17に吸い込まれた薬液は、吐出通路19、コネクタ27および吐出ホース6を介して、撹拌機4に吐出される。
【0033】この場合、ダイヤフラムポンプ12の作動軸13の1回の往復動、すなわち、ダイヤフラム12の1回の往復動で所定の少量の薬液が吐出され、ダイヤフラムポンプ12の作動軸13の複数回の往復動、すなわち、ダイヤフラム12の複数回の往復動で全体として多量の薬液が原水に混入される。
【0034】なお、一方のダイヤフラムポンプ11Aによって一方の薬液が供給され、他方のダイヤフラムポンプ11Bによって他方の薬液が供給される。そして、撹拌機4において、原水とダイヤフラムポンプ11A,11Bから供給された一方の薬液と他方の薬液とが撹拌混合されて所定濃度の培養液となる。この培養液は、撹拌機4からその下流の液流通経路3を介して培養液散布装置2に供給される。
【0035】ここで、ある所定量の薬液を原水に混入させたい場合には、可変速モータ装置8の回転数を調整して、ダイヤフラムポンプ11A,11Bの作動軸13の往復動の回数を調整すれば良い。可変速モータ装置8の回転数の調整により、薬液の混入量をいかようにも調整することができる。
【0036】例えば、予め、ダイヤフラムポンプ11A,11Bの作動軸13の1回の往復動で1ccの薬液が吐出されるように設定しておけば、あとは、可変速モータ装置8の回転数を調整するだけで、所望の薬液混入量に設定することができる。したがって、薬液の細かい混入量制御が簡単に行える。
【0037】また、カム10に複数の突起部10Aを設けて、ダイヤフラム12の作動軸13を往復動させる構成であるから、1回の往復動では極少量の薬液を吐出でき、可変速モータ装置8の高速回転時には、大量の薬液を混入することができ、混入させる薬液量を少量から多量まで無段階に容易に制御することができる。
【0038】したがって、本実施形態の如く、液体混入機5を培養液供給装置に適用した場合、散布する培養液濃度を低濃度(混入させる薬液量を少量)から高濃度(混入させる薬液量を多量)まで無段階に容易に制御することができる。
【0039】この場合、撹拌機4の下流側の液流通経路3に、培養液濃度測定手段(例えば、液体の電気伝導度;ECのセンサ)を介装し、このEC測定値に基づいて、可変速モータ装置8の回転数を制御する構成とすれば、目標とする培養液濃度にフィードバック制御することができる。
【0040】さらに、単一のカム10によって複数のダイヤフラムポンプ11A,11Bの同時駆動が可能となるため、複数種の薬液の混入が可能である。本実施形態においては、カム10によって2つのダイヤフラムポンプ11A,11Bを駆動しているが、3つ、4つ・・・のダイヤフラムポンプを設けて駆動するようにしても良い。
【0041】また、原動機8Aとギヤヘッド8Bとから構成した可変速モータ装置8を適用したから、安価な費用で製作することが可能であり、ギヤヘッド8Bの変更によって、例えば、本実施形態の如く、液体混入機5を培養液供給装置に適用した場合、栽培植物に合わせて、薬液の吐出能力と培養液濃度値の上限とを容易に変更することが可能である。
【0042】なお、上記の実施形態においては、本配設の液体混入機を培養液供給装置に適用した例について説明したが、これに限らず、液体を他の液体に混入する種々の混入機に適用することができることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】本発明の液体混入機は、可変速モータ装置と、該可変速モータ装置の回転駆動軸に連結されて回転されるカムと、カムと連動して往復動されるダイヤフラムを有し、該カムの回転によるダイヤフラムの往復動に基づくポンピング作用により、液体源から液体を吸引して、混入対象部に吐出する構成のダイヤフラムポンプと、を含んで構成している。従って、可変速モータ装置の回転数を調整して、ダイヤフラムの往復動の回数を調整すれば、液体の混入量をいかようにも調整することができ、液体の細かい混入量制御を簡単に行うことができ、液体の混入量の制御性の向上を図ることができる。この場合、前記可変速モータ装置を、原動機とこの原動機の回転を変速する変速機とを含んで構成することができ、これにより、製作費用を安価に抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】390010814
【氏名又は名称】株式会社誠和
【出願日】 平成9年(1997)11月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】千田 稔
【公開番号】 特開平11−155324
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−339489