| 【発明の名称】 |
歩行型田植機のスイングケース |
| 【発明者】 |
【氏名】西 陽一朗
【氏名】南石 俊樹
【氏名】井上 誠
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| 【要約】 |
【課題】歩行型田植機の前部にミッションケースを配置し、該ミッションケースの後方に植付部を配し、ミッションケースの側部に昇降機構によって上下に回動するスイングケースを突設し、該スイングケース後部に走行輪を軸支し、該スイングケース内に動力を伝達するクラッチ軸上のサイドクラッチ機構の操作力を軽くする。
【解決手段】前記スイングケース25内に複数の減速機構を配置し、スイングケース内に二段の減速機構を配置し、スイングケース内の、ミッションケース4の走行出力軸と車軸の間の略中央に減速軸60を設け、第一の減速機構の走行出力軸47上のスプロケット56と第二の減速機構の減速軸上のスプロケット63を同一歯数とし、第一の減速機構の減速軸上のスプロケット62と第二の減速機構の車軸上のスプロケット64を同一歯数とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部にミッションケースを配置し、該ミッションケースの後方に植付部を配し、ミッションケースの側部に昇降機構によって上下に回動するスイングケースを突設し、該スイングケース後部に走行輪を軸支した歩行型田植機において、前記スイングケース内に複数の減速機構を配置したことを特徴とする歩行型田植機のスイングケース。 【請求項2】 前記スイングケース内の、ミッションケースの走行出力軸と車軸の間の略中央に減速軸を設け、該走行出力軸と減速軸の間に第一の減速機構を設け、該減速軸と車軸の間に第二の減速機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の歩行型田植機のスイングケース。 【請求項3】 前記減速機構をスプロケットとチェーンにより構成し、前記第一の減速機構の走行出力軸上のスプロケットと第二の減速機構の減速軸上のスプロケットを同一歯数とし、第一の減速機構の減速軸上のスプロケットと第二の減速機構の車軸上のスプロケットを同一歯数としたことを特徴とする請求項2記載の歩行型田植機のスイングケース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歩行型田植機の操向操作の操作力を軽くする構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、歩行型田植機の機体前部にエンジン及びミッションケース等を配置し、該ミッションケース後部に伝動フレームを固設し、植付部を支持するとともに該植付部に動力を伝達している。また、前記ミッションケースの左右側部にスイングケースを上下に回動自在に突設している。該スイングケース内には、前端部に走行出力軸の一端が枢支され、スイングケース後端部内に車軸が枢支され、該車軸と走行出力軸とにそれぞれスプロケットを固設し、該スプロケットにチェーンを巻回し、一組のスプロケットとチェーンによる動力伝達構成により走行駆動力を伝達し、車軸上の走行輪を駆動していた。更に、前記走行出力軸にクラッチ機構が配設され、該クラッチ機構を用いて動力伝達の係合若しくは離脱操作し、係合側に操作することで動力を伝達し、離脱側に操作することで走行輪への動力伝達が断たれ、左右一側のクラッチ機構を離脱側に操作することで、操作した側の走行輪が停止され機体を旋回している。 【0003】更に、前記スイングケースにリンク機構を連結し、該リンク機構の他端を昇降シリンダーに連結し、該昇降シリンダーを駆動することでリンク機構を介してスイングケースが上下に回動されて機体を昇降し、圃場に凹凸がある場合に、その凹凸や傾斜に追随させて個別に回動させることで、機体を左右水平を保って、機体の植え付け姿勢を水平に保つようにする技術が公知となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来の歩行型田植機のスイングケース内には、一組のスプロケットとチェーンによる動力伝達構成が配設され、車軸と走行出力軸との間の減速比はあまり大きくすることができないので、車軸に対して走行出力軸の回転数を高回転にすることができなかった。よって、前記走行出力軸は低回転で駆動され、該走行出力軸のトルクが大きくなり、サイドクラッチ機構を操作するサイドクラッチレバーの操作力は大きくなっていた。このサイドクラッチレバーの操作力が大きいと、進行方向を合わせる時や圃場端での回行操作時に大きな力が必要となり、クラッチレバーを頻繁に握る必要があるので、大変疲れるものとなっていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、機体前部にミッションケースを配置し、該ミッションケースの後方に植付部を配し、ミッションケースの側部に昇降機構によって上下に回動するスイングケースを突設し、該スイングケース後部に走行輪を軸支した歩行型田植機において、前記スイングケース内に複数の減速機構を配置し、前記スイングケース内の、ミッションケースの走行出力軸と車軸の間の略中央に減速軸を設け、該走行出力軸と減速軸の間に第一の減速機構を設け、該減速軸と車軸の間に第二の減速機構を設けたものである。また、前記減速機構をスプロケットとチェーンにより構成し、前記第一の減速機構の走行出力軸上のスプロケットと第二の減速機構の減速軸上のスプロケットを同一歯数とし、第一の減速機構の減速軸上のスプロケットと第二の減速機構の車軸上のスプロケットを同一歯数としたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のスイングケースを有する歩行型の田植機の側面図、図2はミッションケース及び植付ケースを示す平面図、図3は本発明のスイングケースの内部構成を示す平面断面図、図4はスイングケースを用いた昇降機構を示す側面図である。 【0007】まず、図1及び図2より6条植えタイプの歩行型の田植機の全体構成について説明する。田植機の前部に動力部を配設している。該動力部を構成するエンジン2を機体前部に配設し、該エンジン2の上部はボンネット3にて被装し、該エンジン2の動力を図示せぬベルトを介してその後部に配設したミッションケース4に伝達している。該ミッションケース4後部より後方にセンタ伝動フレーム5を突設し、該センタ伝動フレーム5の後部に左右一対の植付爪10・10を有するセンタ植付ケース21が固設されている。また、前記ミッションケース4の左右側部より平面視略L型のサイド伝動フレーム6・6が固設され、該サイド伝動フレーム6の後部に左右一対の植付爪10・10を有するサイド植付ケース22を固設している。前記センタ伝動フレーム5とサイド伝動フレーム6・6内部には図示せぬ伝動軸が軸支され、各植付ケース21・22・22に動力を伝達し、植付爪10・10・・・を駆動して6条植えを可能としている。また、図中の100はセンタフロート、110・110はサイドフロートである。 【0008】また、前記センタ植付ケース21後部にはハンドルフレーム11基部が固設され、該ハンドルフレーム11は後上方に突出されている。該ハンドルフレーム11後上部に平面視「コ」字状のハンドル12やレバーボックスが固設されている。前記ハンドル12後部に操向クラッチレバー13・13が配設され、レバーボックスに昇降レバー14、植付クラッチレバー15等が配設されている。 【0009】また、前記ハンドルフレーム11には支持フレーム16が固設され、苗載台17を左右摺動自在に載置している。該苗載台17は前記サイド植付ケース22上方に横設した図示せぬ横送軸に連動され、苗載台17が左右に往復動されている。 【0010】また、前記ミッションケース4の左右側部に、上下回動可能にスイングケース25・25を突設し、各スイングケース25・25後部の車軸19に走行輪18・18を固設している。そして、前記走行輪18・18を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動可能な苗載台17から一株分の苗を植付爪10によって取り出し、連続的に苗植え作業を行うように構成している。 【0011】また、図4に示すように、左右各々の前記スイングケース25・25は、昇降機構としての各々複数のリンク機構30・30を介して、機体前部に配設した油圧シリンダー31・31に連動連結され、圃場の凹凸による、前後左右の傾きを補正したり、前記昇降レバー14の操作によって機体を昇降させて、路上走行を可能としている。 【0012】次に、前記走行輪18・18を走行駆動する動力伝達構成について説明する。図3に示すように、前記ミッションケース4には、左右に入力軸40を軸支し、該入力軸40の一端をミッションケース4側面より側方に突出し、端部にプーリ41を固設し、エンジン2の動力を図示せぬベルトを介して入力するようにしている。前記ミッションケース4内には入力軸40と平行状に植付側中間軸44、植付側出力軸45とを軸支している。 【0013】前記植付側中間軸44上には変速切換ギア44a・44bが摺動自在に係合され、変速切換ギア44a・44bの位置を切り換えて、入力軸40上のギアより減速した動力を植付側中間軸44に伝達し、植付け側の駆動変速が行われている。この変速された動力を歯車を介して植付側出力軸45に伝達し、該植付側出力軸45の中央部に固設したベベルギアを介してセンタ伝動フレーム5内に動力を伝達している。また、植付側出力軸45左右端部をミッションケース4側面より側方に突出し、前記サイド伝動フレーム6・6内に動力を伝達している。 【0014】また、前記入力軸40と平行状に走行側中間軸46、走行出力軸47・47が軸支され、走行側中間軸46上を左右に摺動自在に切換ギア46aを係合し、該切換ギア46aの位置を切り換えて入力軸40上のギアと噛合することで、減速した動力が走行側中間軸46に伝達される。また、前記植付側中間軸44上のギアと切換ギア46aとを噛合することで、植付側中間軸44を走行側中間軸46へのカウンター軸として使用し、逆転した動力が走行側中間軸46に伝達される。 【0015】前記走行出力軸47・47は、ミッションケース4側部に個別に軸支され、左右の走行出力軸47・47の各内側端部をミッションケース4の左右中央部に位置し、各走行出力軸47・47内端部側にセンタギア53が回動自在に外嵌され、該センタギア53を走行側中間軸46上のギアに噛合し、走行側中間軸46の動力が伝えられている。該センタギア53よりサイドクラッチ機構50・50を介して走行出力軸47・47に動力が伝達される。該サイドクラッチ機構50・50は、走行出力軸47・47の内端側を支持するセンタギア53のボスと、走行出力軸47上に左右摺動自在に設けた筒状のクラッチ本体51と、該ボスとクラッチ本体51との間に介装して両者に係合可能とする鋼球より構成されている。 【0016】また、前記クラッチ本体51・51外周面に、前記操向クラッチレバー13・13と連動する操作アーム52を外嵌し、該操作アーム52によってクラッチ本体51を摺動操作可能としている。該クラッチ本体51を外側に摺動すると、クラッチ本体51の係合部でボス端部内の鋼球を押さえ付け、該鋼球によってセンタギア53のボスと走行出力軸47とを係合し、クラッチ本体51を内側に摺動すると、鋼球は係合されず、走行出力軸47への動力伝達を外した離脱状態となる。 【0017】また、前記走行出力軸47・47の端部は、前述した如く上下回動可能に突設したスイングケース25・25内に挿入されている。即ち、前記スイングケース25の一側端部(前端部)には、ベアリング等より成る枢結部55が固設され、該枢結部55内に走行出力軸47の端部側を枢支し、スイングケース25が走行出力軸47を中心に回動される。そして、前記走行出力軸47よりスイングケース25内に動力が伝達され、走行輪18・18を走行駆動する。 【0018】次に、本発明における前記スイングケース25内に構成について説明する。該スイングケース25内には、複数段(例えば、二段)の減速機構を配設し、該減速機構を介してスイングケース25の後端に枢支した前記車軸19が駆動される。即ち、図3に示すように、前記スイングケース25内に突出された走行出力軸47端部に駆動スプロケット56を固設している。また、前記スイングケース25の略中央位置に減速軸60を枢支し、該減速軸60上にボス61を回動自在に外嵌し、該ボス61の外周面の外側に減速第一スプロケット62を固設している。前記減速第一スプロケット62は、駆動スプロケット56と同一平面上に配置され、減速第一スプロケット62と駆動スプロケット56との間にチェーン66が巻回され第一の減速機構が構成される。 【0019】また、前記ボス61の外周面の内側方に減速第二スプロケット63を固設している。該減速第二スプロケット63は、車軸19上に固設した従動スプロケット64と同一平面上に配設され、該従動スプロケット64と減速第二スプロケット63とにチェーン67が巻回され第二の減速機構が構成される。前記減速軸60を走行出力軸47と車軸19との間の略中央部に配置することで、第一の減速機構のチェーン66と第二の減速機構のチェーン67とは、同一のチェーンを使用でき、組み立て時にチェーンを間違えることがなく、また、チェーンは汎用性があり、コストを抑えられる。 【0020】また、前記植付部側へ動力を伝達する減速比と、走行駆動側への減速比とを調整することで、第一の減速機構の減速比と第二の減速機構とを同一のものにすることができる。即ち、前記減速第二スプロケット63と駆動スプロケット56とを同一歯数で同一形状のスプロケットとし、共通部品としている。また、前記従動スプロケット64と減速第一スプロケット62とを同一歯数で、同一形状のスプロケットとすることで、共通部品とし、コストを抑える構成としている。 【0021】尚、前記スイングケース25内の動力伝達構成をスプロケット、チェーンに限定するものでなく、プーリ、ベルトを用いて前記減速軸60に一体的に回動する二個のプーリを遊嵌する構成とすることもできる。また、スイングケース25内に二個の伝動軸を前後に配置し、減速を行うギアを介して連動する減速機構とすることもできる。 【0022】こうして前記走行出力軸47の駆動力が、駆動スプロケット56とチェーン66、減速第二スプロケット63より成る第一の減速機構を介して減速し、さらにこの減速した動力を、減速第二スプロケット63、チェーン67、従動スプロケット64より成る第二の減速機構を介して減速し、走行出力軸47の駆動を二段回に分けて減速し、車軸19を駆動している。このようにスイングケース25内の減速機構を二段に構成し、走行出力軸47に対する車軸19の減速比を大きくしても、各減速機構の減速比はそれ程大きくならず、各スプロケット56・61・62・64に大きなトルクがかからず、歯零れする等の不具合が生じることはない。 【0023】また、車軸19を植付部の植え付け速度に合わせて駆動しても、この二段に設けた減速機構によって減速比が大きくなり、走行出力軸47の回転数を高回転に維持でき、前述したサイドクラッチ機構50のクラッチ本体51を用いた動力伝達の係合状態と離脱状態への切り換えがスムースとなり、クラッチ本体51を摺動させる操向クラッチレバー13・13の操作力を軽くしている。 【0024】また、図4に示すように、前記スイングケース25には、減速機構を構成した減速軸60の略後上方にブラケット70・70を固設し、該ブラケット70・70を用いて前述した複数のリンク機構30のアーム端部を枢支している。このスイングケース25を回動させることで、前述した如く機体が昇降されており、スイングケース25のブラケット70・70配設位置に大きな荷重がかかるようになっている。この荷重でブラケット70・70の配設位置を中心として前記スイングケース25が若干撓むことがあるが、ブラケット70・70が減速機構の近傍に設けられているので、二段に形成した動力伝達構成のチェーンの一方が緩み、他方が緊張するといった不具合がなく、両動力伝達構成のチェーンの張力を一定に保っており、絶えず正確な動力を伝達するようにしている。 【0025】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、機体前部にミッションケースを配置し、該ミッションケースの後方に植付部を配し、ミッションケースの側部に昇降機構によって上下に回動するスイングケースを突設し、該スイングケース後部に走行輪を軸支した歩行型田植機において、前記スイングケース内に複数の減速機構を配置したので、スイングケース内に動力を伝達する走行出力軸を車軸に比べて高回転に維持することができ、操向を行うサイドクラッチ機構の係合状態と離脱状態への切り換えがスムースとなり、該サイドクラッチ機構を操作するレバーの操作力が軽くなり、進行方向を合わせる操作が容易となり、また、圃場端での回行操作も楽に行えるようになった。 【0026】また、請求項2記載の如く、前記スイングケース内の、ミッションケースの走行出力軸と車軸の間の略中央に減速軸を設け、該走行出力軸と減速軸の間に第一の減速機構を設け、該減速軸と車軸の間に第二の減速機構を設けたので、例えば減速機構としてスプロケット、チェーンを用いた場合には、第一の減速機構と第二の減速機構とで同一のチェーンを使用でき、工場における組み立て時にチェーンを間違えることがなく、組み立て作業を簡略化し、このチェーンを汎用性のあるものとし、コストを抑える構成としている。 【0027】また、請求項3記載の如く、減速機構をスプロケットとチェーンにより構成し、前記第一の減速機構の走行出力軸上のスプロケットと第二の減速機構の減速軸上のスプロケットを同一歯数とし、第一の減速機構の減速軸上のスプロケットと第二の減速機構の車軸上のスプロケットを同一歯数としたので、第一の減速機構と第二の減速機構とのスプロケットを共通部品として使用でき、共通部品を多くすることで、部品の汎用性を高め、コストを抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−155318 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−323046 |
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