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【発明の名称】 人力田植機
【発明者】 【氏名】関口 正夫

【氏名】田村 昭男

【要約】 【課題】動力付田植機は重いため、曲った小さな圃場、有機肥料による耕板の深い土質の圃場には使えかった。

【解決手段】人の押す力で圃場の上を滑って走行する舟ソリ31の進行方向先端寄りに、舟ソリの走行に追随して圃面に接しながら従動回転する車輪1を設け、架台に苗台24を設け、植付け機構により駆動される苗植付部により苗台の上のマット状苗から苗を1株分づつ取り出して圃場に植付け、苗植付部50による苗の取り出しに伴って苗台を横送り機構70により横に移動させるようにした。舟ソリの進行方向先端側と車輪1との間に、舟ソリを引上げ車輪1を引き下げるスプリング28を設けた。スプリングにその引上げを制限する上限用索条27を、車輪1にその降下を制限する下限用索条29を連結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】人の押す力で圃場を走行可能な舟ソリ(31)と、圃面に接して舟ソリ(31)の走行に追随して従動回転する車輪(1)と、舟ソリ(31)の上の架台(25)にのせる苗台(24)と、苗台(24)にセットしたマット状苗(45)から苗を1株分づつ取り出して圃場に植付ける苗植付部(50)と、苗植付部(50)を駆動する植付け機構(60)と、苗植付部(50)による苗の取り出しに伴って苗台(24)を横移動させる横送り機構(70)とを備え、車輪(1)を舟ソリ(31)の進行方向先端側(31a)に設けたことを特徴とする人力田植機。
【請求項2】舟ソリ(31)の進行方向先端側(31a)と車輪(1)との間に、舟ソリ(31)を引上げ車輪(1)を引き下げるスプリング(28)を設けたことを特徴とする請求項1記載の人力田植機。
【請求項3】舟ソリ(31)の進行方向先端側(31a)と車輪(1)との間に、舟ソリ(31)を引上げ車輪(1)を引き下げるスプリング(28)を設け、そのスプリング(28)の引上げを制限する上限用索条(29)を連結し、車輪(1)にその降下を制限する下限用索条(27)を連結したことを特徴とする請求項1又は請求項記載の人力田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人力で押して走行させることができ、その走行時の車輪の回転により苗を圃場に自動的に植付けることができるようにした人力田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】田植機には従来より各種構造のものがあり、近年ではエンジンで走行可能な原動機付田植機が主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の原動機付田植機は重量があるため、有機質土壌のように耕板の不定な圃場、山間地の細長い曲った圃場、或は傾斜地の圃場などでの田植えは困難であった。そのため傾斜地の圃場とか、その種の圃場等では今でも手植えが行われているのが実情である。このため、田植作業の能率が悪いとか、高齢者にとっては田植作業が重荷になるといった課題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、構成が簡潔で、小型、軽量で、操作性が良く、移動し易く、回向が容易で、山間地や傾斜地等の曲った田圃でも容易に植付けができる人力田植機を提供することにある。
【0005】本発明は前記目的を達成するため、人の押す力で圃場の上を滑って走行する舟ソリの上に、舟ソリの走行に追随して圃面に接しながら従動回転する車輪を設け、同舟ソリに苗台を設け、植付け機構により駆動される苗植付部により苗台の上のマット状苗から苗を1株分づつ取り出して圃場に植付け、苗植付部による苗の取り出しに伴って苗台を横送り機構により横に移動させるようにし、車輪を舟ソリの進行方向先端側に設けて、舟ソリが圃面を滑り易くなるようにした。
【0006】本発明は舟ソリの進行方向先端側と車輪との間に、舟ソリを引上げ車輪を引き下げるスプリングを設けて、舟ソリが圃面をより一層滑り易くなるようにし、また、車輪が圃面に確実に接触して空転しないようにした。
【0007】本発明は舟ソリの進行方向先端寄りと車輪との間に、舟ソリを引上げ車輪を引き下げるスプリングを設け、そのスプリングの引上げを制限する上限用索条を連結し、車輪にその降下を制限する下限用索条を連結して、舟ソリが必要以上に浮き上がらず、車輪が必要以上に圃面に食い込まないようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の人力田植機の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の人力田植機は図1〜図6に示す様に、舟ソリ(31)、車輪(1)、架台(25)、苗台(24)、苗植付部(50)、植付け機構(60)、横送り機構(70)を備えてなる。
【0009】舟ソリ(31)は人の力で押すと圃場の上を滑るものであり、図6に示す様に進行方向(矢印A方向)先端側(31a)の幅が広く、後端側(31b)の幅が狭い中空の薄い箱形にして圃場の上を浮いて走行し易くしてある。また、幅の狭い後方部(31b)を苗の植付け幅よりもやや狭く(例えば24cm)して、苗植付けの邪魔にならないようにしてある。
【0010】図6に示す様に舟ソリ(31)の上には架台(25)を設けてある。この架台(25)は舟ソリ(31)の上面に設置された横枠(25a)の上部前方に側面形状が三角形である前方枠(25b)が立設され、上部後方に側面形状が三角形である後方枠(25c)が立設されてなる。前記架台(25)の後方枠(25c)には図2に示す様に後方に突出するハンドル(32)が取付けられている。
【0011】図6に示す様に、架台(25)の前方枠(25a)には方形の車軸枠(26)が取付け軸(7)により図6の矢印X−X方向(上下方向)に回動可能なるように取付け、この車軸枠(26)の可動端側に車軸(3)を取付けてある。当該車軸(3)の長手方向両端には図1に示す車輪(1)を図2に示すようにフリーホイル機構(2)を介して取付けて、2つの車輪(1)を舟ソリ(31)の幅方向両外側に配置してある。また、図2に示すように車輪(1)はその外周底面が舟ソリ(31)の底面よりも多少(例えば5cm程度)下方になるように取付けて、舟ソリ(31)が圃場面に設置されたときに、その外周底面が圃場に浅く接触するようにしてある。
【0012】前記フリーホイル機構(2)は後退時には車軸(3)とフリーになり、前進時には車軸(3)と結合するものである。フリーの時には2つの車輪(1)が個々に自由に空転し、曲った圃場での曲線状の進行も極めて容易に行うことができ、また、結合時にも方向転換、曲状前進、後退及び回向時の操作性が向上する。ちなみに、従来の動力式田植機では回向時にはクラッチを外して停止し、植付機構部を上昇させ、スロットルを絞ってから回向する等の複雑な操作を必要としたが、本発明の人力田植機ではフリーホイル機構(2)があるため後退姿勢のまま楽に回向できる。また、枕地も少なくなる。
【0013】図2、図4に示すように前記の前方枠(25a)と車軸(3)を取付けた車軸枠(26)の間には下限リミット用の索条(27)を多少たるみをもたせてはってある。この索条(27)は車輪(1)の降下限度(下限)を設定するためのものであり、車輪(1)が引き下げられるとたるんでいる分が伸びてその分だけ車輪(1)が下がり(圃場に食い込み)、当該索条が最大限まで伸びるとそれ以上は伸びることができず、車輪(1)がそれ以上は下がらない(引下げ下限が設定される)ようにしてある。索条(27)には金属製のワイヤとかロープであり、太さが直径0.7〜1.0mm程度のものが適する。この下限リミット用の索条(27)を設けることにより、圃場が柔らかくとも、車輪(1)が深く入り込み過ぎて人力で押しにくくならないようにしてある。
【0014】また、図2、図4に示すように車軸枠(26)と舟ソリ(31)の上の横枠(25a)との間には上限リミット用の索条(29)を多少たるみをもたせてはってある。この索条(29)は車輪(1)の上昇限度(上限)を設定するためのものである。この索条(29)の下半分はスプリング(28)の中にたるみをもたせて入れてある。スプリング(28)は下端が車軸(3)を取付けた車軸枠(26)に固定され、上端が当該索条(29)の上下方向中央部に固定されている。このスプリング(28)は収縮(上方への引っ張り)により舟ソリ(31)の先端側(31a)を引上げると共に、それと相対的に車輪(1)を引き下げて車輪(1)を圃場に多少(人力で押すのに重くならない程度)食い込ませて車輪(1)の空転を防止するものである。また、前記の様にスプリング(28)の上端を索条(29)に連結することにより、スプリング(28)が収縮すると、当該スプリング(28)の中のたるんでいる索条(29)が引き伸ばされるが、索条(29)が最大に伸びるとスプリング(28)はそれ以上は収縮できず、舟ソリ(31)の引上げが阻止される(引上げ上限が設定される)ようにしてある。ちなみに、車輪1の昇降範囲は30mm〜90mm程度が空転防止、圃場への食い込み等の面から好ましい。この上限リミット用の索条(29)を設けることにより、舟ソリ(31)の先端側(31a)が上方に浮き過ぎて押しにくくならないようにし、スプリング(28)を設けることにより車輪が浮きすぎて空転しない様にしてある。
【0015】図6に示す前方枠(25b)には、図2に示す様に苗台(24)をセットするレール(40)が2図1、図2の様に2本平行に取付けられており。このレール(40)にはC型チャンネルが使用されている。レール(40)の下方には側面形状がL字状の苗承板(37)が取付けられており、その苗承板(37)の長手方向2箇所には、図1、図5に示す様に苗取出し口(38)が開口されている。この苗取出し口(38)は舟ソリ(31)の後端側(31b)の幅方向両側面よりも外側に形成されている。
【0016】苗台(24)は育苗器で育苗されたマット状苗を図10の様にセットするものであり、図1に示す様に横長に形成されており、その幅方向両側に側面板(24a)が上方に突出するように形成され、裏面に図2に示す様にローラ(41)が回転自在に取付けられている。また、苗台(24)の裏面には図5、図7に示す様にその幅方向にワイヤー(19)を配置し、そのワイヤー(19)の両端を苗台(24)の幅方向両端に固定してある。更に、苗台(24)の裏面には図5、図7に示す様に駆動ギヤ(15)が回転可能に取付けられており、その両側に従動ギヤ(16)が回転可能に取付けられている。
【0017】この苗台(24)は図2に示す様にローラ(41)をレール(40)の溝内にセットして、同ローラ(41)がレール(40)に沿って回転走行可能なるようにし、また、前方架台(25b)の傾斜に沿って後方下がりに傾斜して、苗台(24)にのせたマット状苗(45)が自重で後方下方に滑り落ちて苗承板(37)に支持されるようにしてある。レール(40)にセットされた苗台(24)の裏面の駆動ギヤ(15)と2つの従動ギヤ(16)には図5のようにチェーン(17)を掛け、チェーン(17)のローラーの長軸(18)に苗台(24)の裏面のワイヤー(19)を連結し、駆動ギヤ(15)に連結軸(14)を連結し、当該連結軸(14)にベベルギヤ(80)が取付けられ、そのベベルギヤ(80)が中間軸(81)に取付けられたベベルギヤ(82)に噛み合っている。そして、当該両ベベルギヤ(80、82)の回転により連結軸(14)が回転し、その回転により駆動ギヤ(15)が回転するとチェーン(17)が回転し、それに伴ってワイヤー(19)が同方向に移動して苗台(24)が同方向に移動するようにしてある。更に、車軸(3)には始動ギヤ(4)が取付けられ、その始動ギヤ(4)と、中間軸(81)に取付けられた伝達ギヤ(6)との間にチェーン(5)を掛けてある。このような構造とすることにより、図5に示す車輪(1)の回転力で車軸(3)が回転すると、始動ギヤ(4)−チェーン(5)−伝達ギヤ(6)−中間軸(81)−ベベルギヤ(82)−ベベルギヤ(80)−連結軸(14)−駆動ギヤ(15)の順に回転し、更にチェーン(17)が回転し、その回転により苗台駆動ワイヤー(19)が同方向に移動し、その移動に伴って苗台(24)が移動する。この場合、チェーン(17)が一回転すると苗台(24)が一往復する。前記始動ギヤ(4)、チェーン(5)、伝達ギヤ(6)、中間軸(81)、ベベルギヤ(80、82)、駆動ギヤ(15)、従動ギヤ(16)、ワイヤー(19)により苗台(24)を横送りするための横送り機構(70)が構成される。
【0018】図1に示す様に後方枠(25c)には2本の回転軸(7、11)を平行に設けてある。当該2本の回転軸(7、11)のうち、一方の回転軸(11)の軸線方向両端の夫々には図1、図5に示す様に第1クランク(20)を、その可動端部(20a)が前後方向に180度逆向きになるように取付けて、2つの第1クランク(20)相互の回転位相角がずれるようにしてある。また、夫々の第1クランク(20)の可動端部(20a)には角筒状の植爪(23)を連結ピン(20b)により回転可能に取付けてある。この植爪(23)は苗台(24)の上にのせたマット状苗から株苗を取り出すためのものであり、図9(a)に示す様に先端部に略U字状の切込み(33)を入れて二又ホーク状に形成し、図9(c)に示す様に先端部下面の幅方向両側に切刃(34)を形成してある。
【0019】他方の回転軸(7)の軸線方向両端の夫々には図1、図5に示す様に第2クランク(21)をその可動端部(21a)が前後方向に180度逆向きになるように取付けて、2つの第2クランク(21)相互の回転位相角がずれるようにしてある。また、2つの第2クランク(21)の可動端部(21a)には植杆(22)の後端部を連結ピン(36)により回転可能に取付けてある。この植杆(22)は図9に示す様に角棒状に形成されており、その先端部を前記植爪(23)内に差込んである。また、植爪(23)が回動してその先端が図10に示す様に最低位置(圃場内)に達した時に、植杆(22)の先端が植爪(23)の先端から先方に突出して直に後退する(出没する)ようにしてある。このため、この実施例では第2クランク(21)の回転位相角を第1クランク(20)より約20度遅らせてある。この植杆(22)とこれを差込んだ植爪(23)とにより苗植付部(50)が形成される。
【0020】回転軸(7、11)の長手方向一端には同じ直径、歯数のギヤ(8、10)が取付けられ、両ギヤ(8、10)間にチェーン(9)が掛けられている。チェーン(9)は図2、図5に示す様に中間ギヤ(83)にも掛けてあり、又、テンションスプロケット(84)に噛み合わせて下方にテンションが付与されており、更に、テンションスプロケット(84)の下に図2に示す様に上向きく字状に曲げたスライター(85)を配置して、その外側をスムースに走行可能としてある。この様な構成とすることにより、車輪(1)の回転力で車軸(3)が回転すると、始動ギヤ(4)−チェーン(5)−伝達ギヤ(6)−中間軸(81)−中間ギヤ(83)の順に回転し、この回転によりチェーン(9)が回転するとギヤ(10、8)が回転し、2本の回転軸(7、11)が同期回転するようにしてある。回転軸(7、11)が回転するとそれらの両端に連結されている後方ランク(21)及び前方クランク(20)が回転し、植杆(22)及び植爪(23)が回転し、この回転により図10に示す様に植爪(23)が図5に示す苗承板(37)の開口部(38)から苗台(24)の中に入り込んで、苗台(24)の上のマット状苗(45)から苗を一株分だけ取り出し、植爪(23)が苗を保持したまま図10に示すように最低位置(圃場内)に達した直後に、植杆(22)が植爪(23)の先端から先方に突出して、植爪(23)が先に取り出した株苗を下方に押出して圃場に差込んで植付けが行われ、その後に植杆(22)が植爪(23)内に後退して植爪(23)の回転の邪魔にならないようにしてある。
【0021】しかも、回転軸(7、11)が1回転する毎に植爪(23)により1回づつ苗が一株分づつ取り出され、植杆(22)により植付けが行われる。この苗の取り出し及び植付けは左右の植爪(23)及び植杆(22)により構成される左右の苗植付部(50)により交互に行われる。しかも、左右の苗植付部(50)による植付けは前記した左右の前方クランク(20)、後方クランク(21)の回転位相角の遅れ分だけ位相がづれて交互に行われる。このように苗の取り出し及び植付けが左右で位相がづれて行われると、苗取出し時及び植付け時の抵抗が同時に行われる場合の半分となる。車軸(3)の回転は人の押す力により得られるので、苗取出し時及び植付け時の抵抗が半分になると、その分だけ人の押す力も少なくて済む。前記したクランク(20、21)、ギヤ(4、6、83、8、10)、チエン(5、9)等は苗植付部(50)を駆動する植付け機構(60)を構成する。
【0022】図1、図2、図5に示す様にクランク(20)の可動端部には球状の摘み(36)を有するハンドル(36)が取付けられている。この球状の摘みを手で握ってハンドル(36)を回転させるとクランク(20、21)が回転し、植爪(23)、植杆(22)が回動して苗台(24)の上のマット状苗(45)から苗を取出して植付けることができる。即ち、車輪(1)が回転しなくとも苗を取り出して、植付けることができる。このため、例えば、マット状苗(45)に苗ムラがあるために植付けた欠株(植付け残し)が生じたようなときに、人力田植機の進行を止めて、このハンドル(36)を回して車軸(3)を回転させれば欠株の箇所に補植することができる。
【0023】図示した人力田植機は二条植え用であるが、本発明の人力田植機はそれよりも多い多条植え用とすることもできる。舟ソリ(31)は中空の箱状にし、しかもその容積を大きくすると浮き易くなるが、中空の箱状ではなく、ボート状にしたりすることもできる。また、材質をプラスチックとか発泡スチロール等とすることもできる。
【0024】
【使用例】本発明の人力田植機を使用するには次の様にする。
1.苗台(24)の上にマット状苗(45)をのせる。マット状苗(45)は発芽後1週間〜10日程度経過した若苗が適する。若苗は根が絡みあっていないため苗を一株分づつ取り出し易い。
2.人力でハンドル(32)を押して人力田植機を前進させる。このとき、人力田植機は圃場の上面に接している舟ソリ(31)により圃場の上を滑る。
3.人力田植機の前進に伴って車輪(1)が回転すると車軸(31)が回転し、植付け機構(60)が駆動して苗植付部(50)の植爪(23)及び植杆(22)が作動する。この場合、植爪(23)の先端部が苗承板(37)の切込み(38)を通るときに、植爪(23)の切込み刃(33)が苗台(24)上のマット状苗(45)の前端より一株分の苗を挟み込んで切り出し、切り出した苗を挟んだまま下方に回転し、最も低くなった位置でその苗を植杆(23)が押し出して圃場に植付ける。
4.苗が一株分だけ取り出されて植付けられると、車軸(31)の回転に伴って横送り機構(70)が駆動され、苗台(24)が一株分だけ横移動する。
5.人力田植機の前進に伴って前記1〜4の動作が繰返されて苗が一株分づつ取り出されて圃場に植付けられる。
【0025】前記植付けにおいて、植爪(23)の先端の動きは図10の軌跡(39)のようになる。人力田植機は前進するので、植爪(23)と植杆(22)の圃面に対する動きは、植爪(23)の先端は軌跡(42)の様に、又植杆(22)の先端は軌跡(42)のようになる。
【0026】
【発明の効果】本発明の人力田植機は次の様な効果がある。
1.車輪が舟ソリの進行方向先端側に設けられているので、舟ソリの進行方向先端部が下向きになりにくく、同先端部の底に他の泥が抱き込まれにくくなり、舟ソリが前進し易くなる。ちなみに、車輪が舟ソリの進行方向後端側にあると、舟ソリの先端部の底に圃場の泥が抱き込まれて舟ソリが前進しにくくなる。車輪を舟ソリの進行方向後端側に設けた場合は、人力田植機を押すのに20Kg〜30Kgの力が必要であったが、本件発明では3〜4Kgの力で押すことができた。
2.舟ソリの進行方向先端側と車輪との間に、舟ソリを引上げ車輪を引き下げるスプリングを設けたので舟ソリが圃面をより一層滑り易くなる。また、車輪が圃面に確実に接触して空転しにくくなる。
3.舟ソリの進行方向先端寄りと車輪との間に設けた、舟ソリを引上げ車輪を引き下げるスプリングに、その引上げを制限する上限用索条を連結し、車輪にその降下を制限する下限用索条を連結したので、舟ソリが必要以上に浮き上がらず、車輪が必要以上に圃面に食い込まない。
3.苗台24からの株苗供給、株苗の取り出し、圃場への植付けが全て自動的に行われるので、植付け作業が容易になり、作業能率が良く、通常の作業で1日に100アールの田植えができる。これは手作業の凡そ20倍の能率である。
4.舟ソリの走行に伴って回転する車輪の回転力で苗の取出し、植付け、苗送りが同期して行われるので、マット状苗から苗が1株分づつ取出されると、それに追随して苗台が1株分づつ横送りされるため、苗作りさえ均等に行われていれば圃場の所定の植え付け位置に確実に植え付けることができ、植える苗が欠ける(欠株する)したり、株間が不整になったりすることが殆どない。
5.人力で押すものであるためエンジン等が不要で軽量となり、有機質土壌の耕板の不定な圃場にも投入でき、これまでの動力式田植機では不可能であった圃場でも田植えができる。また、構成も簡潔になる。
6.従来の動力式田植機は重いため、運搬して圃場に入れることさえ大変な仕事であったが、本発明の人力田植機は軽量であるため、圃場に入れ易く、しかも小さい圃場の畔道を破損する心配もない。
7.フロート式の舟ソリで圃場の上を走行するので、湧水のあるような圃場でも田植えができる。実験では不耕起の切株の残っている圃場にも田植えすることができた。
8.手植のように腰を曲げる必要がないいため、腰を痛めることもない。
【出願人】 【識別番号】591257281
【氏名又は名称】関口 正夫
【識別番号】396008314
【氏名又は名称】株式会社タムラ理研
【出願日】 平成9年(1997)12月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
【公開番号】 特開平11−155317
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−364725