| 【発明の名称】 |
野菜移植機のマルチカット構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】残間 茂雄
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| 【要約】 |
【課題】畝の高さや苗の植付深さにかかわらず、外観上良好な略円形状の開口を形成することができる野菜移植機のマルチカット構造を提供すること。
【解決手段】畝(4) の上面を覆うマルチ(9) に苗植付用の開口(10)を形成するマルチカット装置(29)と、同マルチカット装置(29)を昇降させる昇降装置(30)とを具備してなる野菜移植機のマルチカット構造において、昇降装置(30)に、マルチカット装置(29)を上方へ向けて跳ね上げる跳上機構(41)を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝(4) の上面を覆うマルチ(9) の表面に下端部が当接し、熱によってマルチ(9) を溶解して、苗植付用の開口(10)を形成するマルチカット装置(29)と、同マルチカット装置(29)を昇降させる昇降装置(30)とを具備してなる野菜移植機のマルチカット構造において、昇降装置(30)に、マルチカット装置(29)をマルチ(9) から離隔する方向へ強制的に移動させる移動機構(41)と、マルチカット装置(29)がマルチ(9) に当接したことを検出する検出センサ(49)とを設け、同検出センサ(49)によりマルチカット装置(29)がマルチ(9) に当接したことを検出した際に、移動機構(41)によってマルチカット装置(29)をマルチ(9) から離隔する方向へ強制移動させるべく構成したことを特徴とする野菜移植機のマルチカット構造。 【請求項2】 前記検出センサ(49)は、マルチカット装置(29)の下端外周部に検出体(52)を配設したことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機のマルチカット構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、野菜移植機のマルチカット構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の野菜移植機のマルチカット構造としては、畝の上面を覆うマルチの表面に下端部が当接し、熱によってマルチを溶解して、苗植付用の開口を形成するためのマルチカット装置に昇降装置を連動連結し、同昇降装置によって、マルチにマルチカット装置の下端を押圧して、マルチに開口を形成すべく構成したものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の野菜移植機のマルチカット構造にあっては、昇降装置によってマルチカット装置を略同一速度で昇降作動させていたため、機体の進行に伴って、所望の開口を形成した後も引き続きマルチにマルチカット装置が当接した状態となっており、マルチには機体の進行方向へ向けて縦長の開口が形成されてしまうといった不具合があった。 【0004】また、畝の高さや苗の植付深さに関係なくマルチカット装置を昇降作動させていたため、畝の高さが高くなる程、或いは、苗の植付深さが深くなる程、マルチカット装置とマルチとが当接している時間が長くなり、これによっても、マルチに機体の進行方向へ向けて縦長の開口が形成されてしまうといった不具合があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、畝の上面を覆うマルチの表面に下端部が当接し、熱によってマルチを溶解して、苗植付用の開口を形成するマルチカット装置と、同マルチカット装置を昇降させる昇降装置とを具備してなる野菜移植機のマルチカット構造において、昇降装置に、マルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制的に移動させる移動機構と、マルチカット装置がマルチに当接したことを検出する検出センサとを設け、同検出センサによりマルチカット装置がマルチに当接したことを検出した際に、移動機構によってマルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制移動させるべく構成した。 【0006】また、前記検出センサは、マルチカット装置の下端外周部に検出体を配設することとした。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に係る野菜移植機のマルチカット構造は、畝の上面を覆うマルチに苗植付用の開口を形成するマルチカット装置と、同マルチカット装置を昇降させる昇降装置とを走行機体にそれぞれ配設し、しかも、昇降装置には、マルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制的に移動させる移動機構と、マルチカット装置がマルチに当接したことを検出する検出センサとを設けたものである。 【0008】そして、走行機体によって圃場を走行しながら、マルチカット装置によってマルチに開口を形成するとともに、同開口に苗を移植するものである。 【0009】しかも、マルチカット装置によってマルチに開口を形成するとともに、検出センサによりマルチカット装置がマルチに当接したことを検出し、移動機構によってマルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制移動させることとしたものである。 【0010】従って、マルチカット装置の押圧体がマルチ上を引きずられて移動することはなく、畝の高さや苗の植付深さにかかわらず、外観上良好な略円形状の開口を形成することができるものである。 【0011】また、マルチカット装置の下端外周部に検出体を配設することにより、押圧体とマルチとが当接する際に、押圧体の外周部のマルチが検出体によって押さえられることとなり、マルチが引張した状態でマルチに押圧体が当接し、これによっても、マルチに外観上良好な略円形状の開口を形成することができるものである。 【0012】 【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。 【0013】図1は、本発明に係るマルチカット構造1を具備する野菜移植機2を示した図であり、同野菜移植機2は、自走可能な走行機体3の後部に、畝4に苗5を植付ける植付機構6と、同植付機構6に苗5を供給する苗供給機構7と、同苗供給機構7に苗5を搬送する苗搬送機構8と、畝4の上面を覆うマルチ9に苗植付用の開口10を形成するマルチカット機構11とをそれぞれ配設している。 【0014】そして、野菜移植機2は、走行機体3によって圃場を走行しながら、マルチカット機構11によってマルチ9に開口10を形成するとともに、植付機構6によって開口10に苗5を移植するようにしている。 【0015】走行機体3は、走行フレーム12の前部に左右一対の遊動輪13,13 をそれぞれ遊動輪支持アーム14,14 を介して取付けるとともに、走行フレーム12の後部に左右一対の駆動輪15,15 をそれぞれ伝動ケース16,16 を介して取付けており、左右側の駆動輪15,15 と遊動輪13,13 は、上下位置調節手段17によって一体的に上下方向に昇降することにより、上下位置調節可能に構成している。図中、18は原動機であり、伝動機構19を介して駆動輪15,15 や植付機構6等に動力を伝動している。また、20は覆土輪、21は覆土輪支持枠である。 【0016】また、走行機体3は、植付機構6と苗供給機構7と苗搬送機構8とマルチカット機構11とを支持するための支持フレーム22を機体の後方へ向けて伸延させ、同支持フレーム22の後端にハンドルフレーム23の基端を取付け、同ハンドルフレーム23の先端に各種操作部材24を取付けている。 【0017】苗搬送機構8は、支持フレーム22の後端に機体の前下部から後上部へ向けて傾斜状に形成されており、複数の苗5を格子状に収容した苗トレイ25を機体の後上部から前下部へ向けて縦方向に搬送する縦搬送装置と、同縦搬送装置を左右幅方向へ向けて横方向に搬送する横搬送装置とから構成されている。 【0018】苗供給機構7は、苗搬送機構8の直前方位置に配設されており、原動機18に連動連結した変位移動装置に二股状の苗取出爪(図示省略)を連動連結して、同苗取出爪によって苗トレイ25から苗5を取出し、同苗5を植付機構6に供給するようにしている。 【0019】植付機構6は、前記変位移動装置によって、前後一対の開孔片26,26'からなる開孔器27をその先端が縦長楕円軌跡28を描くように往復運動させるとともに、同縦長楕円軌跡28の下端部分において、開孔片26,26'を前後方向に拡開して、苗供給機構7から供給された苗5を畝4に植付けるようにしている。 【0020】マルチカット機構11は、畝4の上面を覆うマルチ9に苗植付用の開口10を形成するためのマルチカット装置29と、同マルチカット装置29を昇降させるための昇降装置30とから構成している。 【0021】マルチカット装置29は、図1及び図2に示すように、円筒状の本体31の先端に円柱状の押圧体32を連設しており、同押圧体32は、本体31の内部に収容配設した電熱器(図示省略)によって加熱されている。 【0022】昇降装置30は、図1及び図2に示すように、支持フレーム22に伝動ケース33を取付け、同伝動ケース33に上下2本の連動杆34,35 の基端をそれぞれ枢着し、両連動杆34,35 の両端に昇降体36を枢着して、伝動ケース33と連動杆34,35 と昇降体36とで昇降体36を上下方向へ向けて昇降させる平行リンク機構を構成している。 【0023】また、昇降装置30は、伝動ケース33の入力側を原動機18に連動連結する一方、伝動ケース33の出力軸37にカム38を取付け、同カム38のカム面39に当接する従動ローラ40を前記上側の連動杆34の中途部に取付けており、カム38を回動させると、カム面39に従って上側の連動杆34が上下方向へ向けて回動し、それに伴って、昇降体36が昇降作動するようにしている。 【0024】また、昇降装置30には、マルチカット装置29をマルチ9から離隔する方向へ強制的に変位移動させるための移動機構41を設けている。 【0025】すなわち、昇降体36に支持体42を上下2本の連結杆43,44 を介して連結して、昇降体36と支持体42と連結杆43,44 とで支持体42を上下方向へ向けて変位させる平行リンク機構を構成するとともに、支持体42の下部にマルチカット装置29を連設している。 【0026】また、昇降体36の上部と支持体42の上部との間には、支持体42を上方に引張する付勢スプリング56を介設する一方、支持体42の中途部にはロック機構45を設けている。図中、55は伝動ケース33に取付けたストッパーである。 【0027】ロック機構45は、支持体42の中途部に作動杆46の中途部を枢着し、同作動杆46の上端に係止爪47を連設し、同係止爪47の先端を昇降体36の中途部に形成した係止凹部48に係止可能とする一方、作動杆46の下端には、マルチカット装置29の押圧体32の下端面がマルチ9の上面に当接したことを検出するための検出センサ49を連動連結している。図中、54は付勢スプリングである。 【0028】検出センサ49は、支持体42の下部に円筒状の摺動体50を支持体42に沿って上下方向に摺動自在に取付け、同摺動体50の外周面に2本の連結杆51,51 を下方へ向けて取付け、同連結体51,51 の下端に環状の検出体52を取付けており(図6)、同検出体52は、マルチカット装置29の押圧体32の下端外周部近傍に位置している。図中、53は付勢スプリングである。 【0029】マルチカット機構11は、以上のように構成されており、次に説明するようにして、マルチ9に苗植付用の開口10を形成する。 【0030】すなわち、初期状態では、図3に示すように、カム38の作用により、マルチカット装置29が上方に位置しており、ロック機構45がロック状態となっている。 【0031】かかる状態から、図4に示すように、カム38の作用により、昇降体36が降下し、それに伴って、マルチカット装置29も降下し、加熱された押圧体32がマルチ9に当接して、押圧体32の熱によってマルチ9が溶解し、マルチ9に略円形状の開口10が形成される。 【0032】その際に、検出センサ49の検出体52もマルチ9に当接するとともに、摺動体50が付勢スプリング53の付勢力に抗して上方へ向けて移動し、それに伴って、作動杆46が回動し、係止爪47が係止凹部48から外れ、ロック機構45がロック解除状態となる。 【0033】すると、図5に示すように、付勢スプリング56の付勢力によって、支持体42が直ちに強制的に移動し、それに伴って、マルチカット装置29もマルチ9から離隔する方向へ向けて強制的に移動する。 【0034】さらに、カム38の作用により昇降体36が上昇すると、ストッパー55の作用により、ロック機構45がロック状態となり、再び図3に示す状態となる。 【0035】このように、マルチカット装置29によってマルチ9に開口10を形成した直後に、マルチカット装置29をマルチ9から離隔する方向に強制的に移動させているため、マルチカット装置29の押圧体32がマルチ9上を引きずられて移動することはなく、従って、外観上良好な略円形状の開口10を形成することができる。 【0036】しかも、検出センサ49によって、押圧体32とマルチ9とが当接していることを検出した後に、マルチカット装置29を強制移動させているため、畝4の高さや苗5の植付深さにかかわらず、略円形状の開口10を形成することができる。 【0037】さらに、検出センサ49の検出体52を押圧体32の下端外周部近傍に位置させているため、押圧体32とマルチ9とが当接する際に、押圧体32の外周部のマルチ9が検出体52によって押さえられることとなり、マルチ9が引張した状態でマルチ9に押圧体32が当接し、これによっても、マルチ9に外観上良好な略円形状の開口10を形成することができる。 【0038】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0039】(1) 請求項1記載の本発明では、昇降装置に、マルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制的に移動させる移動機構と、マルチカット装置がマルチに当接したことを検出する検出センサとを設け、同検出センサによりマルチカット装置がマルチに当接したことを検出した際に、移動機構によってマルチカット装置をマルチから離隔する方向へ強制移動させるべく構成しているため、畝の高さや苗の植付深さにかかわらず、外観上良好な略円形状の開口を形成することができる。 【0040】(2) 請求項2記載の本発明では、マルチカット装置の下端外周部に検出体を配設しているため、押圧体とマルチとが当接する際に、押圧体の外周部のマルチが検出体によって押さえられることとなり、マルチが引張した状態でマルチに押圧体が当接し、これによっても、マルチに外観上良好な略円形状の開口を形成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−155316 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月15日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−330319 |
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