| 【発明の名称】 |
移植機の移植機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 美徳
【氏名】宗好 紀彦
|
| 【要約】 |
【課題】移植苗を斜めに植付ける移植機の移植機構において、駆動リンク機構を簡素化し、かつ植付け後の移植苗の覆土・鎮圧により移植苗を傷めることの無いように構成する。
【解決手段】移植苗を斜めに植付ける移植機の移植機構において、リンク機構駆動軸1と移植苗回転台駆動軸16の間に、クランク軸50を配置し、該クランク軸50は、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸に分割し、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bの間を、クランクアーム9L・9Rと連結軸により連結軸30により連結し、斜めに挿入された移植苗Pの一方側の根元に覆土する、片覆土板を配置し、該片覆土板から後方に、移植苗を片方に寄せる片寄せ杆を配置し、前記片覆土板の後方で、片寄せ杆の側方に片鎮圧ローラを配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入する構成において、リンク機構駆動軸15と移植苗回転台駆動軸16の間に、クランク軸50を配置し、該クランク軸50は、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bに分割し、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bの間を、クランクアーム9L・9Rと連結軸30により連結したことを特徴とする移植機の移植機構。 【請求項2】 植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入・植付けする構成において、斜めに挿入された移植苗Pの一方側の根元に覆土する、片覆土板41を配置し、該片覆土板41から後方に、移植苗Pを片方に寄せる片寄せ杆13を配置し、前記片覆土板41の後方で、片寄せ杆13の側方に片鎮圧ローラ40を配置したことを特徴とする移植機の移植機構。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、或る程度にトレイの中で成長させた、いちご等の移植苗を、圃場の畝上に移植する為の移植機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、植付け開孔器により、畝に移植孔を開口し、該開口した部分に、植付け開孔器の内部に配置した移植苗を移植する技術は、公知とされているのである。しかし、該従来の移植機の移植機構は、左右の車輪の略中央の位置に植付け開孔器を配置していたのである。故に、このように、左右の車輪の間に中央に、植付け開孔器が設けられている場合には、1本の畝の上を1往復したとしても、略同じ位置に移植苗を植えつけることとなるので、1条を植えつけたことにしか成らないのである。また、植付け開孔器は垂直方向に上下していたので、移植苗を傾斜方向に植付けることが出来なかったのである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、左右の車輪の間に中央の位置から左右に偏心した位置に植付け開孔器を配置し、移植機が往復することにより、畝の上に左右2条に植付け条ができるように構成したものである。また、該植付け開孔器が左右に偏心していることにより、移植苗を植付けた場合に、畝を崩したり、植付け深さが浅くなる方向に植付け開孔器が挿入される可能性があるので、植付け開孔器の畝に対して斜めの方向から挿入して、移植苗を移植すべく構成したものである。即ち、同じ畝の上を往復することにより、1つの上に2条を植えつけるものであり、特にこの2条の植付けを可能とする為に、斜め方向から植付け開孔器を畝に挿入して移植するものである。 【0004】このように、植付け開孔器を斜めに挿入する場合には、植付け開孔器の駆動機構を水平な走行機構に対して斜めに配置し、クランク軸を斜めに配置する必要がある。本発明はこの斜めに配置したクランク軸の一部をクランクアームと連結軸により兼用して、駆動機構を簡素化したものである。また、斜めに植付けた移植苗は、垂直に植付けた移植苗の如く、両側から覆土や鎮圧を行うことが出来ないのである。故に、片方から覆土鎮圧を行った場合に、出来るだけ植付け後の移植苗に近い位置に、覆土や鎮圧が可能なように、片覆土板と片寄せ杆と片鎮圧ローラを配置したものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。請求項1においては、植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入する構成において、リンク機構駆動軸15と移植苗回転台駆動軸16の間に、クランク軸50を配置し、該クランク軸50は、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bに分割し、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bの間を、クランクアーム9L・9Rと連結軸30により連結したものである。 【0006】請求項2においては、植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入・植付けする構成において、斜めに挿入された移植苗Pの一方側の根元に覆土する、片覆土板41を配置し、該片覆土板41から後方に、移植苗Pを片方に寄せる片寄せ杆13を配置し、前記片覆土板41の後方で、片寄せ杆13の側方に片鎮圧ローラ40を配置したものである。 【0007】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の移植機の移植機構の後面一部断面図、図2は植付け開孔器1の駆動リンク機構を示す後面図、図3は同じく植付け開孔器1の駆動リンク機構を示す側面図、図4は同じく植付け開孔器1の駆動リンク機構を示す平面図、図5は本発明の植付け開孔器1により、移植苗Pを『ソ』の字型に植えつけた状態の後面断面図、図6は本発明の植付け開孔器1により、移植苗Pを『ハ』の字型に植付けた状態の後面断面図、図7は本発明の移植機の移植機構において、植付けた後の移植苗Pを覆土・鎮圧する部分の側面図、図8は同じく移植後の移植苗Pを覆土・鎮圧する部分の後面図である。 【0008】図1において全体的な構成から説明する。本発明は、植付け開孔器1を左右の車輪12L・12Rの中央位置から偏心した位置に配置し、1条の畝の上方を跨ぎ、移植機を往復させることにより、畝上に2条の苗を移植可能としたものである。また、植付けリンク機構を、垂直線に対して傾斜して取付け配置し、植付けリンク機構により駆動される植付け開孔器1も傾斜方向に上下して、移植苗Pを斜め方向に植付けるべく構成したものである。 【0009】エンジンEからの駆動回転がミッションケースMに伝達されて、該ミッションケースM内で変速された回転がチェーンケース11Lから、車輪12Lに伝達されている。また、ミッションケースMから突出したPTO軸14が右側に延長されて、摺動軸24を介して、右側の減速ケース10を介して減速されている。該減速ケース10により減速後の回転が、チェーンケース11Rから車輪12に伝達されている。またミッションケースMより後方へ操向ハンドル27が突出されている。またミッションケースMより、機体フレーム23が右側に突出されており、減速ケース10やチェーンケース11Rを支持している。該機体フレーム23の上方に、移植苗回転台2を支持する回転台支持フレーム36が固定されている。 【0010】該回転台支持フレーム36より左右の位置から、下方に植付け開孔器1の駆動リンク機構支持フレーム26・25が突設されている。該駆動リンク機構支持フレーム26・25は、垂直方向に配置されているが、該駆動リンク機構支持フレーム26・25の間で上下する駆動リンク機構は、斜め方向に傾斜して昇降回動すべく支持構成されている。そして、ミッションケースMから突出されたPTO軸14の上のスプロケットと、下方のリンク機構駆動軸15の上のスプロケットとの間にリンク駆動チェーン3が巻回されている。 【0011】更に、該リンク機構駆動軸15は駆動リンク機構支持フレーム26により支持されて、ユニバーサルジョイント37を介して、クランクアーム9Lを駆動している。該クランクアーム9Lは、右側のクランクアーム9Rと連結軸30を介して連結されている。故に、リンク機構駆動軸15からユニバーサルジョイント37を介して、左側のクランクアーム9Lを駆動すると、連結軸30を介して、クランクアーム9Rが駆動される。該クランクアーム9Rにユニバーサルジョイント18が連結されて、該ユニバーサルジョイント18が、移植苗回転台駆動軸16を従動させている。該移植苗回転台駆動軸16の上のスプロケットに移植苗回転台駆動チェーン4が巻回されて、該移植苗回転台駆動チェーン4が移植苗回転台2の駆動軸31を回転している。該駆動軸31よりべベルギヤ機構を介して、垂直軸の周囲を回転する移植苗回転台2を駆動している。 【0012】該構成において、図1と図2に示す如く、左側のリンク機構駆動軸15と、右側の移植苗回転台駆動軸16とは、上下に偏在されており、両者の上下の差だけ、植付け開孔器1の駆動リンク機構が斜めに配置されて回動昇降されることとなるのである。次に図3と図4により、植付け開孔器1の昇降開閉リンク機構を説明する。駆動リンク機構支持フレーム26・25に固定したフレーム板22に従動アーム16・17の枢支軸21・20が軸受支持されている。該移植苗回転台駆動軸16・17の下端には、それぞれ、昇降アーム6・7が、枢支軸19・18を介して枢支されている。 【0013】該枢支軸19・18の間には、連結リンク8が枢結されており、該昇降アーム6・7の前端に植付け開孔器1が枢支されており、また植付け開孔器1の開閉体5が支持されている。また、昇降アーム7の略中央部分に近い位置に、連結軸30が軸受支持されて、該連結軸30の左右に、クランクアーム9Lとクランクアーム9Rが枢支されている。 【0014】該クランクアーム9Lはリンク機構駆動軸15により駆動され、クランクアーム9Rは更に移植苗回転台駆動軸16を駆動すべく構成した点については前述した如くである。該クランクアーム9Lにより昇降アーム6・7を上下に回動すると、植付け開孔器1が移植苗回転台2と畝Aとの間を上下して、植付け開孔器1の先端が移植苗回転台2の下に位置する時に、移植苗回転台2から移植苗Pを取込み、該移植苗Pの入った植付け開孔器1が、畝Aに食い込んで、開閉体5により植付け開孔器1が開放されると、移植苗Pが畝Aの孔内に移植されるように構成しているのである。 【0015】該植付け開孔器1の開閉機構は、開閉カム32が機体から突設された開閉カム支持板29に固定されており、該開閉カム32に、植付け後の植付け開孔器1の開閉ローラー28が接当し、該開閉ローラー28は、植付け開孔器1の一方のくちばし1aを回動するローラー側アーム60と一体的に構成されており、該ローラー側アーム60は枢支軸35により枢支されているので、該枢支軸35を中心に回動して、くちばし1aを開放側に回動する。他方のくちばし1bは枢支軸35を中心にアーム61が回動することにより開放される。開閉ローラー28が開閉カム32と接当しない場合には、植付け開孔器1を閉鎖方向に付勢する閉鎖バネ34がローラー側アーム60とアーム61と連結枢支部33を上方へ引っ張っていることにより閉鎖される。 【0016】本発明においては、左右のリンク駆動チェーン3と移植苗回転台駆動チェーン4とは垂直に配置されているが、フレーム板22と移植苗回転台駆動軸16と昇降アーム6・7と植付け開孔器1の部分が、斜めに配置されており、ユニバーサルジョイント37とユニバーサルジョイント18の部分で傾斜したリンク機構を駆動可能に構成している。そして、図5に示す如く、『ソ』の字型に左右の移植苗Pを移植する場合と、図6の如く、『ハ』の字型に移植苗Pを移植する場合とが存在するのである。 【0017】『ソ』の字型に植えつけるのは,、いちご栽培の場合に、ランナーが伸びて、そこからいちごの実が出来るので、この収穫の際に容易に収穫しやすいように、外側に向けて同じ方向に実を付けるようにする場合に有利な移植方向である。従来の手植えの際にも、ランナーの方向と植付けの角度を決定して植付けを行っていたが、このような複雑な植付けを、本発明の移植機の移植機構により行うことが出来るのである。また『ハ』の字型に植えつける図6の実施例の場合には、畝Aの中央の位置にいちごのランナーを伸ばして、畝Aの中央の位置に実らせる場合に有効である。 【0018】図7と図8において、植付け後の移植苗Pの覆土と鎮圧を行う構成を説明する。本発明の片覆土板41は、駆動リンク機構支持フレーム25の下方の部分から突設されており、高さ調節杆52により上下に調整可能であり、横延出杆47の先端に片覆土板41が付設されている。該片覆土板41が最も前部に配置されており、この片覆土板41の後部から後方に片寄せ杆13が支持されている。該片寄せ杆13の中途部は、中途部支持杆53・54により支持されいる。 【0019】そして、片覆土板41の後方で片寄せ杆13の側方の位置に、回転して移植苗Pの片側を鎮圧する為の片鎮圧ローラ40が配置されている。該片鎮圧ローラ40は上下に土壌面の凹凸に追随することが出来るように、バネ付勢杆45と付勢バネ44により押圧されている。該片鎮圧ローラ40は枢支軸46により枢支されており、該枢支軸46も駆動リンク機構支持フレーム25の部分に設けられている。43はリンク機構駆動軸15の軸受支持板、44は入力側クランク軸50aの軸受支持板、42は移植苗回転台駆動軸16の軸受支持板である。 【0020】植付け開孔器1を左右の車輪12L・12Rの間の中央位置から偏心して配置し、1条の畝の上方を跨ぎ、移植機を往復させることにより、畝上に2条の苗を移植すべく構成したので、畝Aの幅を少々広くして、1本の畝Aに、2条の移植苗Pを植付けたい場合において、従来の如く、植付け開孔器13が左右の車輪12L・12Rの中央に設けられている場合にはこの2条植えが不可能であるが、本発明の如く、植付け開孔器1を左右の車輪12L・12Rの間で、偏心して配置することにより、可能とすることが出来たのである。 【0021】植付けリンク機構を、垂直線に対して傾斜して取付け配置し、植付け開孔器1は斜め方向に上下して、移植苗Pを斜め方向に植えつけることにより、いちごの栽培等の場合の如く、ランナーの伸びる方向に実が出来る場合に、手植えにより、移植苗Pを『ソ』の字型又は『ハ』の字型に斜めに植付ける操作を手作業で行っていたが、本発明の移植機の移植機構によれば、この移植苗Pを畝Aに対して斜めに『ソ』の字型または『ハ』の字型に植付ける作業を、簡単に機械的に行うことが可能となったのである。 【0022】畝Aに植付けた状態の移植苗Pを、後面視で『ソ』の字型、又は『ハ』の字型に植付けるべく、植付け開孔器1を傾斜配置したので、いちごの場合等において、ランナーの方向を、外側又は内側のどちらの方向にも意図的に伸ばすことが可能となり、収穫のし易い方向に2条の移植苗Pを傾斜配置することが可能となったのである。 【0023】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。請求項1の如く、植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入する構成において、リンク機構駆動軸15と移植苗回転台駆動軸16の間に、クランク軸50を配置し、該クランク軸50は、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bに分割し、入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bの間を、クランクアーム9L・9Rと連結軸30により連結したので、クランク軸50がクランクアーム9と連結軸30の一部を兼用することができ、左右に分割した入力側クランク軸50aと出力側クランク軸50bの間を、昇降アーム6・7が上下できるので、植付け開孔器1を斜めに上下する機構をコンパクトに構成することが出来たのである。 【0024】請求項2の如く、植付け開孔器1を垂直線に対して傾斜した状態で昇降し、植付け面に対して、移植苗Pを斜めに挿入・植付けする構成において、斜めに挿入された移植苗Pの一方側の根元に覆土する、片覆土板41を配置し、該片覆土板41から後方に、移植苗Pを片方に寄せる片寄せ杆13を配置し、前記片覆土板41の後方で、片寄せ杆13の側方に片鎮圧ローラ40を配置したので、斜めに配置したことにより、両側から覆土と鎮圧の不可能な移植苗に対して、片寄せ杆13により移植苗Pを片側に寄せてから、片覆土板41や片鎮圧ローラ40を出来るだけ近づけて、覆土・鎮圧を行うので、強固に覆土と鎮圧を行うことが出来るのである。また、片覆土板41や片鎮圧ローラ40により、移植苗Pの葉部を踏み付けたり傷付けることが無くなったのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000198330 【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社 【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【識別番号】000195568 【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−146709 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−317989 |
|