| 【発明の名称】 |
農作業機における姿勢制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 悟
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| 【要約】 |
【課題】農作業機における苗植装置10等の作業機のローリング制御やピッチング制御等の姿勢制御を実行する際して、制御の応答性を向上させると共に、走行機体1に搭載されたエンジン8の振動やエンジン8に付随する電気機器から発生する磁気の悪影響を受け難くして、センサが誤作動するのを防止する。
【解決手段】前部にエンジン8を搭載した走行機体1の後部側に角速度センサ58を設け、走行機体1の後部側に連結した苗植装置10側に傾斜角度センサ51を設ける。角速度センサ58の検出値が0もしくはその近傍の所定値以内にあるとき、傾斜角度センサ51の検出値に応じ、且つ緩やかな作動による姿勢制御を実行する一方、角速度センサ58の検出値が前記所定値の範囲外にあるときには、角速度センサ58の検出値を優先的に考慮して姿勢制御を実行するような制御手段を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前部にエンジンを搭載した走行機体の後部に作業機を左右回動可能又は/及び前後回動可能に装着し、作業機に当該作業機の姿勢の変動程度を検出するための、傾斜角度センサを設ける一方、走行機体の後部側には、当該機体の傾斜速度を検出するための角速度センサを配置し、これら2つのセンサの検出値に応じてアクチェータにて前記作業機の姿勢制御を実行するように構成したことを特徴とする農作業機における姿勢制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場に苗を植付けする田植機等の農作業機における苗植装置等の作業機の左右水平姿勢を保持(ローリング姿勢制御)したり、この作業機の前後水平姿勢を保持(ピッチング姿勢制御)するための姿勢制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、乗用型田植機により圃場に苗を植付ける場合、走行機体の前部または後部に苗植装置を左右回動及び前後回動可能に装着し、苗植装置には、その進行方向左右に適宜間隔で植付機構を設け、田植機の進行につれて上下回動する植付機構にて苗植装置における苗載台の苗マットを適宜株数ごとに分割しながら圃場面に植付けるように構成することは、例えば、先行技術の特開平2−135015号公報や特公昭57−27682号公報に開示されており、この特開平2−135015号公報では、苗植装置の左右水平姿勢を保持する制御(ローリング制御)の際の検出手段として、苗植装置とその下方のフロートとの間に設けた接地圧センサの検出信号を利用することが開示されている。 【0003】また特公昭57−27682号公報では、苗植装置の前後傾動姿勢を無くするように略水平状に姿勢保持しようとする姿勢制御(ピッチング制御)に際して、水平線または鉛直線に対する被測定物の傾き角度を検出するための傾斜角度センサの検出信号を利用することが開示されている。しかしながら、この種の傾斜角度センサだけでは、苗植装置の姿勢変動程度を的確に把握できず、姿勢制御に遅れが生じる等の不都合があるため、本出願人は、先に、特願平2−223376号(特開平4−104713号公報)において、苗植装置に、その傾きの速度を検出することができる角速度センサと、傾斜角度センサとを設けることを提案した。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、この苗植装置のローリング制御(左右傾斜姿勢制御)の場合について考察すると、苗植装置はリンク機構等の連結機構を介して走行機体に左右回動可能に連結されており、走行機体の車輪等の走行装置が圃場の耕盤に接地し、苗植装置は前記耕盤上の泥面に浮いているから、通常左右重量バランスのとれた苗植装置は泥面に対して左右方向に傾斜しないで水平状の姿勢をとる。 【0005】そして、苗植装置は走行機体に牽引されたり、押し進められたりして前進するとき、走行機体の車輪等が凹凸のある耕盤に乗り上げ、または落ち込むと、走行機体がまず左右に傾斜し、次いで前記連結機構を介して苗植装置の左右傾斜姿勢が変わる。この変動した姿勢を元の水平姿勢に復元するように前記連結機構と苗植装置との間に設けた油圧シリンダ等の駆動手段にて姿勢調節するのである。 【0006】この場合、前記先行技術のように、角速度センサ58と傾斜角度センサとを、同じ被測定物であり、且つ姿勢制御対象物である苗植装置に装着すると、次のような理由から制御アルゴリズム(制御規則)が複雑になるのである。即ち、水平線に対して苗植装置の左右傾斜角度が大きくなる状態を傾斜角度センサで検出する、つまり傾斜角度センサの検出値は、苗植装置の水平状態に対して「0」で傾斜角度が大きくなるにつれて、検出値が正の値で大(右下傾斜)、負の値で大(左下傾斜)のようになる。 【0007】他方、苗植装置は左右水平状態を振動の中心として左右揺動し、しかも、左右水平状態を維持するように姿勢制御されるので、当該苗植装置の角速度は、水平状態のとき、および左右に傾いたのち反対方向に揺り戻す反転時に「0」となり、これらの中間状態で角速度が大きい値(例えば右下向き運動状態を正の値、左下向き運動状態を負の値とする)をとる。 【0008】しかも、前記復元しようとする苗植装置の動きに応じて角速度センサでその復元時の角速度も検出するのであるから、角速度センサの検出値の結果だけでは、それが圃場の耕盤の凹凸によるものであるか、復元するときのものであるかの判別は不可能である。なお、傾斜角度センサでは、水平状態に対する傾き角度として検出値は一義的に決定でき、通常、その検出値を制御系のフィードバック量として利用することができるが、前記角速度の検出値はフィードバック量となり得ない。 【0009】従って、前記傾斜角度の大小に対して角速度の大小の影響を考慮するため、この2つの検出値の大小の組合せで、前記制御アルゴリズム(制御規則)を決めなければならず、これを解決するにはファジィ推論のようなものを採用しなければならなくなる。また、前述のように、走行機体が左右に傾いた後に連結機構を介して苗植装置が左右に傾斜し、その後走行機体が水平状態に復元しているのに苗植装置は傾斜状態から復帰していない等、左右傾斜の原因となる部分と、姿勢制御すべき対象との間に時間的ずれがあり、しかも、角速度は前記左右傾斜の原因となる部分の運動状態の傾向を検出するのに適している。換言すると、被測定物であり、且つ姿勢制御対象物である苗植装置に角速度センサを装着してその結果を知っても時間的ずれが解消されないという問題があった。 【0010】さらに、前記傾斜角度センサと角速度センサとでは検出特性としての応答性に著しい差がある。即ち、角速度センサでは、被測定物の傾き速度を検出するのであるから、その応答性は数ミリ秒単位であり、その応答性が遅いときには、瞬時の変位速度が測定できず、角速度センサとして役に立たない。これに対して傾斜角度センサでは、あまりに微小な傾斜変位を検出できるとすると、その検出値に応じて姿勢制御する場合、却ってハンチング現象などを起こすおそれがあるので、その応答性は、通常数百ミリ秒単位としている。 【0011】このように、応答性が著しく異なる2種類のセンサからの信号を、同一時間の情報として、制御手段により同時に処理すると、次のような不都合が生じる。即ち、前述のように、傾斜角度センサによる検出応答性は角速度センサによるものに比べて遅いので、両者の検出値を同時期のものと仮定したことによる矛盾による食い違いが顕著になり、制御の演算結果が実体とかけ離れて信頼性が無くなるのである。 【0012】このような問題は、田植機ばかりでなく、圃場を耕す場合のトラクタと、これに牽引される耕耘装置(作業機)においても発生するものである。そこで、本発明では、この種の農作業機における前記問題を解決して制御精度を向上させることを目的とするものである。また、農作業機に動力源としてのエンジンを搭載すると、その駆動により走行機体が振動したり、エンジンの作動に必要なオルタネータやセルモータ等の付随的な電気機器から発生する磁気により、角速度センサや傾斜角度センサが悪影響を受け易いという問題があった。本発明はこれらの問題を解決することも目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明の農作業機における姿勢制御装置は、前部にエンジンを搭載した走行機体の後部に作業機を左右回動可能又は/及び前後回動可能に装着し、作業機に当該作業機の姿勢の変動程度を検出するための、傾斜角度センサを設ける一方、走行機体の後部側には、当該機体の傾斜速度を検出するための角速度センサを配置し、これら2つのセンサの検出値に応じてアクチェータにて前記作業機の姿勢制御を実行するように構成したものである。 【0014】 【発明の作用及び効果】このような構成にすると、前述のように、走行機体が左右等に傾いた後に連結機構を介して苗植装置などの作業機が左右(前後)に傾斜し、その後走行機体が水平状態に復元しているのに苗植装置は傾斜状態から復帰していない等、左右傾斜または前後傾斜の原因となる部分と、姿勢制御すべき対象との間に時間的ずれがある制御に対しては、作業機の傾斜の原因となる側である走行機体側に、検出値の変動の激しい角速度センサを設けることで、いち早く作業機の姿勢制御のための検出値を得ることができる。 【0015】また、制御対象物である作業機にはその傾斜状態を検出するための傾斜角度センサを設ける一方、角速度センサを走行機体側に設けることで、前記左右(前後)傾斜の原因となる部分の運動状態の傾向を検出し、制御対象物である作業機の姿勢復元時の運動状態を検出しないというように、検出対象を別にすることで、姿勢制御のアルゴリズムを簡単にすることができる。 【0016】しかも、本発明では、前部にエンジンを搭載した走行機体における後部側に角速度センサを配置し、さらに走行機体の後部に連結した作業機に傾斜角度センサを設けたもので、傾斜角度センサは言うに及ばず角速度センサもエンジンの位置からできるかぎり離間して配置できるから、傾斜角度センサ及び角速度センサが、エンジンの振動や、エンジンに付随するオルタネータやセルモータ等の電気機器からの磁気の悪影響を受け難くできる結果、角速度センサや傾斜角度センサが誤作動することを確実に防止できる。従って、姿勢制御の精度が向上して円滑な制御を実現できる効果を有するのである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、田植機に適用した実施形態について説明すると、図において1は走行機体を示し、該走行機体1は、車体フレーム2とその前部側に取付く前車輪3,3と後部側に上下回動自在なスイングケース4,4を介して取付く後車輪5,5とからなり、車体フレーム2の上面には操縦座席6と操縦ハンドル7とを備え、車体フレーム2前部上面のエンジン8の駆動力を、動力伝達部ケース9内の変速機構およびスイングケース4,4を介して後車輪5を駆動する構成である。 【0018】前記走行機体1の後部に平行リンク機構11を介して上下動自在に取付く苗植装置10は、中央伝動ケース12と、この中央伝動ケース12の左右両側に、伝動軸を内挿した連結パイプ12aを介して適宜間隔で取付く植付伝動ケース14,14と、上端が走行機体に近付くように傾斜配設する横往復動自在な苗載台15とからなり、左右両植付伝動ケース14の後部左右両側には、苗載台15下端の苗取り出し口と圃場面17との間で植え付け爪が昇降する苗植付機構16が設けられている。 【0019】また、平行リンク機構11を走行機体1側の油圧シリンダ13にて大きく昇降駆動する。前記平行リンク機構11は、トップリンク18と左右一対のロワーリンク19,19とから成り、トップリンク18の基端は車体フレーム2に立設する門型フレームにピン枢着され、トップリンク18,ロワーリンク19,19の各先端が取付く門型支柱20は、苗植装置10におけるヒッチ部21のローリング軸22と回動自在に連結されて、苗植装置10は、その下面のフロート10aが圃場面を滑走するように、ローリング軸22を中心にして走行機体1の左右に上下回動(ローリング)できる構成である。 【0020】左右両植付伝動ケース14,14に突出するガイド部23,23に苗載台15の裏面下端のレール24に摺動自在に被嵌する一方、苗載台15の裏面上部側の案内レール25は前記左右両植付伝動ケース14,14から突設した一対の支柱26,26上端のコロ部27,27にそれぞれ摺動自在に被嵌する。前記門型支柱20に取付くブラケット28には、ローリング制御用アクチェータである横往復型の油圧シリンダ29を固定し、該油圧シリンダ29における左右移動自在なピストンロッド30の両端を前記左右一対の支柱26,26に取付く連結杆32に自在継手部31を介して回動自在に装着してある。 【0021】前記エンジン8からの動力は、主クラッチ33を介して動力伝達部ケース9内の変速機構に伝達し、後車輪5を駆動する一方、PTO軸34を介して苗植装置10に伝達される。なお、符号35は主クラッチ33のオンオフ用アクチェータ、36は走行変速用アクチェータ、37は走行クラッチ用アクチェータである。 【0022】前記操縦ハンドル7に関連したステアリングギアボックス38から突出する前後揺動自在なアーム39の回動にて操作できる制御弁40は、油圧回路41における油圧シリンダ42を作動させるもので、この首振り自在な油圧シリンダ42に連結したステアリング機構43におけるステアリングアーム44は、回動支点45廻りに回動自在であり、該ステアリングアーム44に連結する一対のタイロッド46,46にて前車輪3,3の向きを変更して操向操作できる機構であり、油圧回路41におけるもう一つの電磁ソレノイド制御弁47は自動操向制御用であり、符号48は前記ローリング(水平姿勢)制御用の電磁ソレノイド制御弁である。 【0023】また符号49は走行機体の操向角度を検出するために前記回動支点45箇所に設けたポテンショメータ等からなるステアリングセンサで、該ステアリングセンサ49の出力信号を、後述するマイクロコンピュータ等の電子制御式の制御手段69に入力する。符号51は、苗植装置10等の作業機の圃場面に対する左右傾斜角度を検出するため、苗植装置10の適宜箇所に設けた傾斜角度センサで、該傾斜角度センサ51は、図6に示すように、ケース52内に軸53を中心に回動自在な振子54付きの可動コイル55を設けると共に、R0,R1,R2からなるブリッジ回路と、発光素子であるLED1と、LED2、及び受光素子PT1,PT2の左右一対のフオトカプラと外部電源Eとからなる。 【0024】傾斜角度センサ51が水平状態では受光素子PT1,PT2の受光量が等しくブリッジ回路はバランスしている。傾斜角度(θ1)傾斜すると、振子54は重力方向(鉛直方向)になるように残り、光遮断板54aにて一方の受光素子PT1の受光は遮断され、他方の受光素子PT2は光を受けてONとなり、ブリッジ回路のバランスが崩れて電流が可動コイル55に流れ、その電流により可動コイル55に生じる回転トルクと振子54の重量によるモーメントが平衡したところ(θ2)で当該振子54が停止し、そのときの電流値(I)が出力信号となり、これは傾斜角度(θ1)に比例するものである(図6参照)。 【0025】図7に示す符号58は、音叉振動型(ピエゾジャイロ型)の角速度センサで、該角速度センサ58は走行機体1の適宜箇所、例えば、操縦座席6の下方など走行機体1の左右中心位置等に設ける。実施例では、図1及び図2に示すように、操縦座席6の下方であって、車体フレーム2の後部側のうち、前記操縦座席6を支持する部分の平板2a上に角速度センサ58が固定されている。従って、角速度センサ58は、走行機体1の前部に搭載されたエンジン8の箇所からできるかぎり離間した位置に配置できる結果、エンジン8の駆動により走行機体1が振動したり、エンジン8の作動に必要なオルタネータやセルモータ等の付随的な電気機器から発生する磁気による悪影響を受け難くできるので、角速度センサ58や傾斜角度センサ51が誤作動することを確実に防止できるのである。 【0026】次に角速度センサ58の構造について説明すると、圧電バイモルフからなる駆動素子59とモニタ素子60との底部を連結ブロック61で連結する一方、前記駆動素子59とモニタ素子60とに、同じく圧電バイモルフからなる検知素子62,63を各々直交結合して音叉構造を形成したもので、駆動素子59にのみ電圧を印加して振動させると、連結ブロック61を介してモニタ素子60が振動する。モニタ素子60の振動振幅・位相をモニタすることで印加電圧を制御するという振動帰還制御方式にて駆動振動の周波数の安定を図る。 【0027】そして、この安定状態で、角速度センサ58に図7のセンサ軸64回りに角速度ωの回転運動があると、検知素子62,63の振動方向(X−X方向)と直角の方向にコリオリの力Fcが生じる。このコリオリの力により撓みを生じた駆動素子59とモニタ素子60側の各々検知素子62,63からその撓みに応じた電圧を検出できるから、これにより角速度を検出することができるのである。 【0028】符号66、67は、前記各センサ51、58に対応させて設けた増幅回路付きのA/D変換器である。図3に示す制御手段69は、8ビットの1チップマイクロプロセッサ等からなるマイクロコンピュータであって、姿勢制御のためのプログラム制御を実行するものであり、各種演算を実行する中央処理装置(CPU)と、初期値や制御プログラムを予め記憶する読み取り専用メモリ(ROM)と、入力信号等をそのつど記憶し演算時に出すことのできる読み書き可能メモリ(RAM)と、入出力部に接続するインターフェイス等を備えている。 【0029】インターフェイスの入力部には、前記各センサ51、58からの出力信号、および、走行クラッチの切り替え作動に連動したクラッチスイッチ70の信号を入力する。走行クラッチ用アクチェータ37の操作に応じて作動するクラッチスイッチ70の出力信号は、走行クラッチが切り(走行停止)のときONとなり、走行クラッチが入り(走行中)は、OFF信号を出す。 【0030】インターフェイスの出力部には、前記操舵操作のための油圧シリンダを駆動する制御弁47の電磁ソレノイド71,72のほか、ローリング制御のための制御弁48に対する電磁ソレノイド73,74を接続する。次に、姿勢制御用センサである傾斜角度センサ51及び角速度センサ58によるローリング姿勢制御に関する制御装置とその制御方法について述べる。 【0031】制御装置は、前記マイクロコンピュータ等の制御手段69を使用するものであり、マイクロコンピュータでのプログラムによる、ソフト的制御方法を採用する。まず、読み出し専用メモリ(ROM)には、予め次に示す〔表1〕及び〔表2〕のテーブルを記憶させ、傾斜角度センサ51の検出値と、角速度センサ58の検出値との組合せから、〔表1〕に基づいて油圧シリンダ29の制御弁48へのパルス駆動のための駆動指令信号Sの値を演算(検索)し、求められたSの値により〔表2〕のような油圧シリンダ29のピストンロッド30が移動するように制御するのである。 【0032】 【表1】
【0033】 【表2】
【0034】前記〔表1〕は、傾斜角度の検出値と、角速度の検出値との組合せに対するローリング制御のための油圧シリンダ29の制御弁48への駆動指令信号Sの関係を示すテーブルで、駆動指令信号Sの値(−7〜0〜+7)は、その数値が大きくなるにつれて油圧シリンダの駆動速度が大きくなり、また正負の符号のうち正は、苗植装置10を走行機体の進行方向を向いて右下げ方向に回動(姿勢修正)させる場合を示し、負符号(−、マイナス)は反対に苗植装置10を走行機体の進行方向を向いて左下げ方向に回動(姿勢修正)させる場合を示す。〔表2〕は前記駆動指令信号Sと、前記実施例の箇所に設けた油圧シリンダ29のピストンロッド30の移動速度との関係を示すテーブルで、油圧シリンダ29の取り付け箇所(苗植装置10のローリング回動中心からの距離)に応じて前記移動速度の大きさを設定する。 【0035】〔表1〕におけるグレードは、各センサの入力値(検出値)に対応して割当られるもので、傾斜角度センサ51に対するグレードθの1段階は0.22度であり、角速度センサ58に対するグレードVの1段階は 0.8度/ 秒である。そして、傾斜角度センサ51の検出値の中央値(水平状態)はグレード5のときであり、そのグレードθ値が大きくなれば(進行方向に向いて)右下りの傾斜角度が大きくなり、グレードθ値が小さくなれば(進行方向に向いて)左下りの傾斜角度が大きくなることを示す。角速度センサ58の検出値の中央値(角速度零、静止状態のとき)はグレードV値は8であり、進行方向に向いて反時計廻り方向の角速度のときグレードV値は8より小さい値で、その方向の角速度の検出値が大きくなるに従ってグレードV値が小さくなる。反対に、進行方向に向いて時計廻り方向の角速度のときグレードV値が8より大きい値で、その方向の角速度の検出値が大きくなるに従ってグレードV値が大きくなる。 【0036】この〔表1〕から理解できるように、角速度に対応するグレードV値が(6)、7、8、9、(10)程度、即ち、前記角速度センサの検出値が零もしくはその近傍の所定値以内にあるときであって、傾斜角度に対応するグレードθ値が1〜9の範囲のときには、駆動指令信号Sの値を「0」(静止)と設定する。これは、走行機体1の左右傾斜運動がないか、極めて遅い角速度で左右傾斜運動している状態のときには、苗植装置10がある程度左右に傾斜していてもその傾斜状態を強制的に修正しない方が、かえって姿勢修正センサの安定性が向上するからである。 【0037】そして、前記角速度に対応するグレードV値が7、8(反時計方向の角速度が零か小さい値)であって、傾斜角度に対応するグレードθ値が0(左下り程度が大きい)のときには、極めて遅い速度で苗植装置を左上げ方向に姿勢修正する。同様に前記角速度に対応するグレードV値が8、9(時計方向の角速度が零か小さい値)であって、傾斜角度に対応するグレードθ値が10(右下り程度が大きい)のときには、極めて遅い速度で苗植装置を右上げ方向に姿勢修正する。このように、前記傾斜角度センサの検出値に応じ、且つ緩やかな作動による姿勢制御を実行すると、姿勢修正制御応答性が安定する。 【0038】また、前記角速度センサの検出値が前記所定値(零か小さい値)の範囲外にあるときには、当該角速度センサの検出値を優先的に考慮して姿勢制御を実行する。例えば、走行機体1が反時計廻りに回動する運動程度が大きくなる(グレードV値が6から0へと変化するにつれて、苗植装置10の左右傾斜の大きさ(傾斜角度に対応するグレードθ値が0〜10)にはあまり影響されず、前記角速度の大きさ及び方向を優先的に考慮して、姿勢修正する制御を実行するのである。 【0039】このように、走行機体1が左右に傾く運動程度が大きいときには、この走行機体に回動可能に連結された苗植装置10自体の傾斜角度よりも、その傾斜の原因となる走行機体の運動程度(角速度の大きさ及び方向)により苗植装置の姿勢を制御したほうが、制御の応答性は安定する。しかも、角速度センサの検出の応答性が傾斜角度センサの検出の応答性よりも格段に早い時には、苗植装置の傾斜の原因となる走行機体に設けた角速度センサの検出結果を利用することで、ますます制御の応答性が安定するのである。 【0040】なお、前記傾斜センサ、角速度センサを使用して、苗植装置の前後回動姿勢の変動を検出して、ピッチング姿勢制御を実行する場合にも適用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成3年(1991)9月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−137014 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−262960 |
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