| 【発明の名称】 |
根切り装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古川 和雄
【氏名】樫井 秋雄
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| 【要約】 |
【課題】刃体により苗育成容器を破損させることなく、苗育成容器から苗床に活着した根を好適に切断することのできる根切り装置を提供する。
【解決手段】苗床A上に、苗育成用の前処理が施された複数の苗育成容器Bを、各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した状態で、各苗育成容器B内の苗を育成させる苗育成工程を終えた後に、左右二列分の苗育成容器Bに対して作用する平面視V字形状の刃体1を、その中央の突出部1A側から左右の苗育成容器Bと苗床Aとの間に導入させるように強制移動させて、各苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を切断する根切り装置において、前記刃体1を、前記突出部1A側の刃先a1が両端1B側の刃先a2よりも下方に位置するように形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗床上に、苗育成用の前処理が施された複数の苗育成容器を、各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した状態で、各苗育成容器内の苗を育成させる苗育成工程を終えた後に、左右二列分の苗育成容器に対して作用する平面視V字形状の刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させるように強制移動させて、各苗育成容器から苗床に活着した根を切断する根切り装置であって、前記刃体を、前記突出部側の刃先が両端側の刃先よりも下方に位置するように形成してある根切り装置。 【請求項2】 前記刃体の前方に、該刃体に対する高さ位置が設定変更可能となるように支持された接地転輪を配備してある請求項1記載の根切り装置。 【請求項3】 前記接地転輪の沈下を防止する接地体を設けてある請求項2記載の根切り装置。 【請求項4】 前記刃体の後方に、該刃体の底面と同一もしくは略同一高さで接地するように支持された後輪を配備してある請求項2又は3記載の根切り装置。 【請求項5】 前記刃体の底面に移動方向に沿うリブ状のスタビライザを設けてある請求項1〜4のいずれか一つに記載の根切り装置。 【請求項6】 前記刃体から後方に向けて操作ハンドルを延設してある請求項1〜5のいずれか一つに記載の根切り装置。 【請求項7】 前記刃体の強制移動を牽引で行うように構成してある請求項1〜6のいずれか一つに記載の根切り装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、苗床上に、苗育成用の前処理が施された複数の苗育成容器を、各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した状態で、各苗育成容器内の苗を育成させる苗育成工程を終えた後に、左右二列分の苗育成容器に対して作用する平面視V字形状の刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させるように強制移動させて、各苗育成容器から苗床に活着した根を切断する根切り装置に関する。 【0002】 【従来の技術】複数の苗育成容器に対して苗育成用の前処理を施した後に各苗育成容器内の苗を育成させる苗育成工程においては、それらの苗育成容器を、苗床上に、各列間に所定間隔を有する状態で複数列に整列配置するようにしている。そこで、近年では、苗育成工程を終えた後に、苗育成工程時に各苗育成容器から苗床に活着した根を切断する根切り装置として、左右二列分の苗育成容器に対して作用する平面視V字形状の刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させるように強制移動させる形態のものを採用することによって、根切り作業を効率良く行えるようにしている。ところで、このような形態の根切り装置の刃体は、従来、その刃先が横一文字状で刃体の上面と同じ高さ位置に位置するように形成されていた。これは、苗育成容器から苗床に活着した根を苗育成容器の底面に極力近い位置で切断して、苗育成容器の底面外方での根絡みの無い状態にしておくことにより、その切断後に行われる苗育成容器からの苗の取り出しを容易にするためである。尚、各苗育成容器内の根は、苗育成容器の底面に形成された複数の水抜き孔を通って苗床に活着するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術のように、刃体をその刃先が横一文字状で刃体の上面と同じ高さ位置に位置するように形成すると、刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させる際に、その中央の突出部の刃先が苗育成容器の側面に接当し易くなるとともに、刃体を左右の苗育成容器と苗床との間に導入した後の切断中に、刃体突出部の少しの浮き上がりに起因して、その突出部の刃先から苗育成容器に切り込むようになる虞がある。つまり、上記の従来技術によると、苗育成容器から苗床に活着した根を根切り装置により切断する際に刃体で苗育成容器を破損させる虞があった。 【0004】本発明の目的は、刃体により苗育成容器を破損させることなく、苗育成容器から苗床に活着した根を好適に切断することのできる根切り装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、苗床上に、苗育成用の前処理が施された複数の苗育成容器を、各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した状態で、各苗育成容器内の苗を育成させる苗育成工程を終えた後に、左右二列分の苗育成容器に対して作用する平面視V字形状の刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させるように強制移動させて、各苗育成容器から苗床に活着した根を切断する根切り装置において、前記刃体を、前記突出部側の刃先が両端側の刃先よりも下方に位置するように形成した。 【0006】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、苗育成容器の水抜き孔から苗床に活着した根に作用する部分である刃体両端側の刃先を横一文字状で刃体の上面と同じ高さ位置に位置するように形成して、苗育成容器から苗床に活着した根を苗育成容器の底面に極力近い位置で切断できるようにして、その切断後の苗育成容器からの苗の取り出しを容易に行えるようにしても、左右の苗育成容器と苗床との間に刃体を導入させる際の導入部となる刃体中央の突出部側の刃先を両端側の刃先よりも下方に位置するように形成していることから、その分だけ、刃体を、その中央の突出部側から左右の苗育成容器と苗床との間に導入させる際に、その中央の突出部の刃先が苗育成容器の側面に接当することを防止し易くなる。又、刃体中央の突出部が左右の苗育成容器と苗床との間に導入されると、刃体両端側が左右の苗育成容器と苗床との間に導入される際には、刃体の上面によって苗育成容器の底面が載置案内される状態となることから、刃体両端側の刃先が苗育成容器の側面に接当することを防止できるようになる。その上、刃体を左右の苗育成容器と苗床との間に導入した後の切断中に刃体の突出部が浮き上がったとしても、刃体中央の突出部側の刃先が両端側の刃先よりも下方に位置していることにより、突出部の刃先から左右の苗育成容器に切り込むようになることを防止でき、更に、この段階では刃体の両端側が苗育成容器によって押さえ付けられる状態となって刃体突出部の浮き上がりが抑制されるので、突出部の刃先から左右の苗育成容器に切り込むようになることをより効果的に防止できるようになる。 【0007】〔効果〕従って、刃体による苗育成容器の破損を防止できるとともに、苗育成容器から苗床に活着した根を、その切断後の苗育成容器からの苗の取り出しを容易できる好適な状態に切断することのできる根切り装置を提供し得るに至った。 【0008】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記刃体の前方に、該刃体に対する高さ位置が設定変更可能となるように支持された接地転輪を配備した。 【0009】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、刃体を左右の苗育成容器と苗床との間に導入させる際には、刃体の姿勢が前下がり姿勢となるように刃体に対する接地転輪の高さ位置を設定変更する(接地転輪の高さ位置を刃体よりも高くする)ことによって、刃体導入時に刃先が苗育成容器に接当することを確実に防止できるようになる。又、刃体導入後の切断時には、刃体の姿勢が苗床面に沿う姿勢となるように刃体に対する接地転輪の高さ位置を設定変更する(接地転輪を刃体の底面と同一もしくは略同一高さで接地する高さにする)ことによって、切断時に刃先が苗育成容器に切り込むようになることを防止しながら、苗育成容器から苗床に活着した根を苗育成容器の底面に極力近い位置で切断できるようになる。 【0010】〔効果〕従って、苗育成容器から苗床に活着した根を、その切断後の苗育成容器からの苗の取り出しを容易にできる好適な状態に切断することができる上に、刃体導入時における刃体による苗育成容器の破損をより確実に防止できる根切り装置を提供し得るに至った。 【0011】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記接地転輪の沈下を防止する接地体を設けた。 【0012】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、接地体が接地転輪の沈下を防止することによって、接地転輪の沈下に起因して刃体が不必要に前下がり姿勢になること阻止することができ、これによって、刃体の強制移動の際に刃先が不必要に苗床に食い込んで移動抵抗が大きくなる、あるいは、刃先が苗育成容器の底面から離間して苗育成容器から苗床に活着した根を苗育成容器の底面に近い位置で切断することができずに苗育成容器の底面外方での根絡みを残す状態となって切断後の苗育成容器からの苗の取り出しが困難になる、といった不都合が生じることを回避できるようになる。 【0013】〔効果〕従って、刃体の移動抵抗が不必要に大きくなることに起因した作業能率の低下を防止できるとともに、苗育成容器から苗床に活着した根を、その切断後の苗育成容器からの苗の取り出しを容易にできる好適な状態に、より精度良く切断することができる根切り装置を提供し得るに至った。 【0014】本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項2又は3記載の発明において、前記刃体の後方に、該刃体の底面と同一もしくは略同一高さで接地するように支持された後輪を配備した。 【0015】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、刃体導入時において、刃体の姿勢が前下がり姿勢となるように刃体に対する接地転輪の高さ位置を設定変更した際(接地転輪の高さ位置を刃体よりも高くした際)には、接地転輪と後輪とを接地させることによって、刃体を所望の苗床突入姿勢に安定して維持することができるようになり、もって、刃体導入時における刃体による苗育成容器の破損をより確実に防止できるとともに、刃体が不必要に苗床に食い込んで移動抵抗が大きくなることを確実に防止できるようになる。又、刃体導入後の切断時において、刃体の姿勢が苗床面に沿う姿勢となるように刃体に対する接地転輪の高さ位置を設定変更した際(接地転輪を刃体の底面と同一もしくは略同一高さで接地する高さに設定した際)には、後輪も、刃体の姿勢が苗床面に沿う姿勢となるように、刃体の底面と同一もしくは略同一高さで接地する状態であることから、刃体の前方に位置する接地転輪と後輪によって、刃体を苗床面に沿う姿勢に安定して維持することができるようになり、もって、切断時における刃体による苗育成容器の破損をより確実に防止できるとともに、苗育成容器から苗床に活着した根を苗育成容器の底面に極力近い位置でより精度良く安定して切断できるようになる。 【0016】〔効果〕従って、刃体による苗育成容器の破損をより確実に防止できるとともに、刃体の移動抵抗が不必要に大きくなることに起因した作業能率の低下を確実に防止できる上に、苗育成容器から苗床に活着した根を、その切断後の苗育成容器からの苗の取り出しを容易にできる好適な状態に、より精度良く安定して切断することができる根切り装置を提供し得るに至った。 【0017】本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記刃体の底面に移動方向に沿うリブ状のスタビライザを設けた。 【0018】〔作用〕上記請求項5記載の発明によると、刃体を左右の苗育成容器に沿って強制移動させる際に、左右に振れることのない安定した状態で刃体を直進させることができ、これによって、強制移動の際に刃体が左右に振れることに起因する苗育成容器から苗床に活着した根の切り残しの発生を防止できるようになる。 【0019】〔効果〕従って、強制移動時における刃体の直進性の向上が図られて、苗育成容器から苗床に活着した根を確実に切断できる根切り装置を提供し得るに至った。 【0020】本発明のうちの請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記刃体から後方に向けて操作ハンドルを延設した。 【0021】〔作用〕上記請求項6記載の発明によると、刃体を強制移動させる際には、作業者が操作ハンドルを握持しながら刃体を追従することによって、強制移動の際における刃体の左右への振れを防止することができて、苗育成容器から苗床に活着した根の切り残しの発生を防止することができるとともに、操作ハンドルの操作によって、刃体導入時における刃体の苗育成容器への接当、及び、刃体導入後の切断時における刃体の苗育成容器への切り込みを確実に防止できるようになる。又、刃体に対する高さ位置が設定変更可能な接地転輪を刃体の前方に配備するものにおいては、接地転輪の高さ変更操作が行い易くなる。 【0022】〔効果〕従って、苗育成容器から苗床に活着した根を確実に切断できるとともに、刃体による苗育成容器の破損を確実に防止できる上に、刃体に対する高さ位置が設定変更可能な接地転輪を有するものにおいては、その高さ変更操作の操作性の向上を図ることのできる根切り装置を提供し得るに至った。 【0023】本発明のうちの請求項7記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記刃体の強制移動を牽引で行うように構成した。 【0024】〔作用〕上記請求項7記載の発明によると、刃体の強制移動を牽引で行うようにしていることから、例えば、苗床上に各列間に所定間隔を有する状態で複数列に整列配置された苗育成容器に対して、複数の刃体を二列ごとに配置するとともに、それらの刃体を、対応する二列の苗育成容器の間を通したワイヤの一端に連結し、かつ、各ワイヤの他端側を二列ごとに配置した滑車で左右一側方に導いて単一のウインチに連結するようにすれば、単一のウインチによる各ワイヤの巻き取りで、複数列分の苗育成容器から苗床に活着した根を一挙に切断することができるようになる。 【0025】〔効果〕従って、比較的に簡単な構成でありながら、根切り作業効率の向上を図ることのできる根切り装置を提供し得るに至った。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0027】図1には、苗床A上に、苗育成用の前処理が施された複数の苗育成容器Bを、各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した状態で、各苗育成容器B内の苗(例えば藺草苗など)を育成させる苗育成工程を終えた後に、各苗育成容Bを苗床Aから運び出す際の前作業として、各苗育成容器Bの水抜き孔(図示せず)から苗床Aに活着した根を切断する根切り作業を行う際に使用される根切り装置の作業形態を示す平面が、図2及び図3には根切り装置の全体側面が、図4には根切り装置の全体斜視が、図5には根切り装置の概略平面がそれぞれ示されており、この根切り装置は、左右二列分の苗育成容器Bに対して作用する平面視V字形状の刃体1、刃体1における中央の突出部1Aに縦向きに装着された連結プレート2を介して刃体1を支持する支持フレーム3、支持フレーム3の上端に連結された前後向きの主フレーム4、刃体1の前方に配備された接地転輪としての前輪5、刃体1の後方に配備された後輪6、及び主フレーム4から後方に向けて延設された操作ハンドル7、などによって構成されている。そして、苗床A上に各列間に所定間隔を有するように複数列に整列配置した苗育成容器Bのうちの所望の二列の苗育成容器Bの間を通したワイヤ8の一端を支持フレーム3に連結した後、ワイヤ8の他端側をウインチ9により巻き取って二列の苗育成容器Bの間を強制的に牽引移動させることによって、刃体1が、その中央の突出部1A側から苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入されるようになり、もって、その二列の苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を切断できるようになっている。尚、図2〜4に示すように、支持フレーム3に対するワイヤ8の連結高さ位置、及び、支持フレーム3に対する刃体1の取り付け高さ位置は、それぞれ、作業状況に応じた適切な高さ位置に変更できるようになっている。 【0028】ちなみに、上記のように、この根切り装置は、二列の苗育成容器Bの間を牽引により強制移動させるものであることから、図4及び図6に示すように、前輪5と後輪6、及びワイヤ8が連結される支持フレーム3は刃体1の左右中心上に配設されている。又、連結プレート2や主フレーム4なども刃体1の左右中心上に配設されるとともに、操作ハンドル7が刃体1の左右中心を中心にして左右対称となるように配設されており、これによって、牽引時における安定性の向上を図れるようになっている。尚、図1における符号10は、二列の苗育成容器Bの間を通ったワイヤ8をウインチ9に向けて案内する滑車であり、符号11は滑車10を支持するために苗床に打ち込んだ杭である。 【0029】根切り装置の構成について詳述すると、図2〜4に示すように、前輪5は、ワイヤ8の挿通を許容する程度の隙間Sを有するように並列配備された左右一対の輪体5aによって構成されている。又、前輪5は、主フレーム4に横軸芯P1周りに上下揺動自在に連結された揺動フレーム12に支持されており、揺動フレーム12から後方に向けて縦軸芯P2周りに揺動自在に延設された操作レバー13を操作することによって、刃体1に対する高さ位置を設定変更できるようになっている。図7にも示すように、操作レバー13は、主フレーム4と操作ハンドル7とに亘って架設された支持ブラケット14に形成された逆J字形状のガイド溝14Aを挿通するようになっている。ガイド溝14Aは、その短溝部14aに操作レバー13を係入して短溝部14aの下端に接当させた状態では、前輪5が刃体1の底面1aと略同一高さで接地する高さ位置に位置するように、又、その長溝部14bに操作レバー13を係入させた状態では、前輪5を刃体1よりも高い位置に位置させることができるように、短溝部14aと長溝部14bの長さが設定されている。尚、図2〜4における符号15は、操作レバー13を短溝部14aの下端に接当させた状態に保持するための付勢バネである。 【0030】つまり、この構成から、刃体1を苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入させる際には、刃体1よりも前輪5の高さ位置が高くなるように操作レバー13をガイド溝14Aの長溝部14bに係入させるとともに押し下げることによって、図3に示すように、刃体1を前下がり姿勢にして苗床に突入する状態とすることができ、これによって、苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に刃体1導入する際に、刃先1が苗育成容器Bに接当して苗育成容器Bを破損させる不都合が生じることを防止できるようになっている。又、その刃体導入後に刃体1により苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を切断する際には、前輪5が刃体1の底面1aと略同一高さで接地する高さ位置となるように操作レバー13をガイド溝14Aの短溝部14aに係入させることによって、図2に示すように、刃体1を苗床Aの表面に沿う姿勢にすることができ、これによって、切断時に刃先aが苗育成容器Bに切り込むようになって苗育成容器Bを破損させる不都合が生じることを防止できるとともに、苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を苗育成容器Bの底面Baに極力近い位置で切断することができて、その切断後の苗育成容器Bからの苗の取り出しを容易にすることができるようになっている。 【0031】尚、前輪5を支持する揺動フレーム12は、主フレーム4に連結される第一フレーム部12Aと、前輪5を支持する第二フレーム部12Bとから構成されるとともに、第一フレーム部12Aに対する第二フレーム部12Bの取り付け姿勢を変更できるようになっており、この変更操作によって、操作レバー13をガイド溝14Aの短溝部14aに係入させた状態での刃体1に対する前輪5の高さ位置の調節を行えるようになっている。 【0032】図2〜4に示すように、後輪6は、刃体1の底面1aと略同一高さで接地するように主フレーム4に支持されており、この構成から、刃体導入時において、刃体1の姿勢が前下がり姿勢となるように刃体1に対する前輪5の高さ位置を設定変更した際には、前輪5と後輪6の接地により、刃体1を所望の苗床突入姿勢に安定して維持することができるようになり、もって、刃体導入時における刃体1による苗育成容器Bの破損をより確実に防止できるとともに、刃体1が不必要に苗床Aに食い込んで移動抵抗が大きくなることを確実に防止できるようになっている。又、刃体導入後の切断時において、刃体1の姿勢が苗床Aの表面に沿う姿勢となるように刃体1に対する前輪5の高さ位置を設定変更した際には、後輪6も、刃体1の姿勢が苗床面に沿う姿勢となるように刃体1の底面1aと略同一高さで接地する状態であることから、前輪5と後輪6によって刃体1を苗床Aの表面に沿う姿勢に安定して維持することができるようになり、もって、切断時における刃体1による苗育成容器Bの破損をより確実に防止できるとともに、苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を苗育成容器Bの底面Baに極力近い位置でより精度良く安定して切断できるようになっている。 【0033】前輪5と後輪6には、移動に伴ってそれらに付着した土を取り除くスクレーパ16が装備されており、このスクレーパ16の作用によって、前輪5及び後輪6への土の付着に起因して、刃体1の高さ位置が苗育成容器B側に変位して刃体1が苗育成容器Bを破損させるようになることを防止できるようになっている。 【0034】図4〜6に示すように、刃体1は、突出部1A側の刃先a1が両端1B側の刃先a2よりも下方に位置するように、その突出部1A側の刃先a1が横一文字状で刃体1の底面1aと同じ高さ位置に位置するように、又、両端1B側の刃先a2が横一文字状で刃体1の上面1bと同じ高さ位置に位置するように形成されている。更に、突出部1A側の刃先a1は、切断作業対象となる二列の苗育成容器Bにおける対向側縁側の底面部位に摺接する長さに設定され、又、両端1B側の刃先a2は、切断作業対象となる二列の苗育成容器Bにおける対向側縁側の底面部位を除く底面部位に摺接する長さに設定されている。つまり、苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に刃体1を導入させる際の導入部となる刃体1中央の突出部1A側の刃先a1を両端1B側の刃先a2よりも下方に位置させている分だけ、刃体1を、その中央の突出部1A側から苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入させる際に、その中央の突出部1Aの刃先a1が苗育成容器Bの側面に接当して苗育成容器Bを破損させることを防止し易くなっている。又、刃体1中央の突出部1Aを苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入した後に刃体1の両端1B側が苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入される際には、図8に示すように、先に導入された突出部1A側の刃先a1により、既に苗育成容器Bが刃体1の上面1bにより載置案内される状態となることから、刃体1の両端1B側の刃先a2が苗育成容器Bの側面に接当して苗育成容器Bを破損させることを防止できるようになっている。しかも、刃体1の両端1B側を苗床Aと左右の苗育成容器Bとの間に導入した後の切断時においては、図9に示すように、両端1B側の刃先a2が苗育成容器Bの底部Baに密接する状態となることから、苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を、苗育成容器Bの底面Ba外方での根絡みを残すことのない好適な状態に切断することができるようになっている。その上、切断中に刃体1の突出部1Aが浮き上がったとしても、刃体1中央の突出部1A側の刃先a1が両端1B側の刃先a2よりも下方に位置していることにより、又、この段階では刃体1の両端1B側が苗育成容器Bによって押さえ付けられる状態となって刃体1の突出部1Aの浮き上がりが抑制されることにより、突出部1Aの刃先a1から左右の苗育成容器Bに切り込むようになることをより効果的に防止できるようになっている。 【0035】図2〜4及び図6に示すように、刃体1の両端1B側の底面1aには、牽引移動方向に沿うリブ状のスタビライザ17が設けられている。又、刃体1の突出部1Aに装着された縦向きの連結プレート2は、スタビライザとして機能するように刃体1の下方に延出されている。つまり、連結プレート2と左右のスタビライザ17の作用によって、刃体1を左右の苗育成容器Bに沿って牽引移動させる際に、左右に振れることのない安定した状態となるように刃体1の直進性を向上させることができ、もって、牽引移動の際に刃体1が左右に振れることに起因する苗育成容器Bから苗床Aに活着した根の切り残しの発生を防止できるようになっている。又、操作ハンドル7を後方に向けて延設していることにより、刃体1を牽引により強制移動させる際には、作業者が操作ハンドル7を握持しながら刃体1を追従することによって、強制移動の際における刃体1の左右への振れをより効果的に防止することができて、苗育成容器Bから苗床Aに活着した根の切り残しの発生をより確実に防止できるようになっている。 【0036】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。 ■ 図10及び図11に示すように、前輪5の高さ位置の変更を、前輪5を支持する揺動フレーム12を、その後端が揺動フレーム12の揺動支点である横軸芯P1よりも後方の後輪6の近くに位置するように延出してなる踏み込み式の操作ペダル18の操作で行うように構成してもよい。尚、図10及び図11における符号19は、前輪5を下限位置に復帰させる付勢バネである。 ■ 図10〜12に示すように、操作ハンドル7に備えた操作レバー20の操作で、前輪5の所望の高さ位置での位置決め固定操作及び固定解除操作が可能となるように構成された固定機構21を装備するようにしてもよい。尚、図10〜12においては、固定機構21を、揺動フレーム12に左右摺動自在に支持された係合ピン22、主フレーム4側に形成された複数の係合孔23、係合ピン22を係合孔23に向けて突出付勢する付勢バネ24、及び係合ピン22が操作レバー20の操作で付勢バネ24に抗して係合孔23から離間するように係合ピン22と操作レバー20とを連係する操作ワイヤ25、などによって構成している。 ■ 図10及び図11に示すように、苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を切断する際に、苗の葉部が根切り装置側に倒れ込んで傷つくことを防止するガイド杆26を、主フレーム4の前部から横外側後方に向けて延設するようにしてもよい。殊に、上記■において例示したような操作ワイヤ25を介して操作される固定機構21などを装備するものにおいては、このガイド杆26を設けておくことによって、操作ワイヤ25の弛み部(特に横外側方に延出するもの)に苗の葉部が絡み付くことを防止できるようになる(図11参照)。 ■ 図2において二点鎖線で示すように、前輪(接地転輪)5の前方に前輪5の沈下を防止する橇状の接地体27を設けるようにしてもよい。尚、この構成によると、前輪5の沈下に起因して刃体1が不必要に前下がり姿勢になること阻止することができ、もって、刃体1の強制移動の際に刃先aが不必要に苗床Aに食い込んで移動抵抗が大きくなる、あるいは、刃先aが苗育成容器Bの底面から離間して苗育成容器Bから苗床Aに活着した根を苗育成容器Bの底面Baに近い位置で切断することができずに苗育成容器Bの底面Ba外方での根絡みを残す状態となって切断後の苗育成容器Bからの苗の取り出しが困難になる、といった不都合が生じることを回避できるようになる。尚、後輪6の沈下は、その前方に位置する刃体1によって防止できるようになる。 ■ トラクタなどにより根切り装置を牽引して刃体1を強制移動させるようにしてもよく、又、根切り装置を自走式に構成して、刃体1の強制移動を根切り装置の自走で行うようにしてもよい。 ■ 刃体1の突出部1Aと両端1B側との間で上下の段差を設けることにより、刃体1を、突出部1A側の刃先a1が両端1B側の刃先a2よりも下方に位置する状態に形成してもよい。 ■ 根切り装置としては、平面視V字形状の刃体1における突出部1A側の刃先a1が両端1B側の刃先a2よりも下方に位置するように形成されるものであれば、他の構成は種々の変更が可能なものである。例えば、前輪5又は後輪6のいずれか一方が装備されない一輪式のもの、あるいは前輪5及び後輪6の双方が装備されないものであってもよい。又、操作ハンドル7又はスタビライザ17のいずれか一方、あるいは双方が装備されないものであってもよい。 ■ ガイド溝14Aの短溝部14aに操作レバー13を係入して短溝部14aの下端に接当させた状態では、接地転輪(前輪)5が刃体1の底面1aと同一高さで接地する高さ位置となるように設定してもよい。 ■ 後輪6が刃体1の底面1aと同一高さで接地するように設定してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−137008 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−313680 |
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